『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭

ジュリアナから墓場まで・・・。森羅万象を語るブログです。
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[映画『アリス・イン・ワンダーランド(日本語吹替版)』を観た]

2010-04-25 14:52:31 | 物語の感想
☆正直、期待していなかった。

 理由は二点。

 先ずは、『アリス』の物語は、そもそもが、子供が読むと摩訶不思議な世界を楽しめるのだろうが、理由を求めたがる大人にとっては、非常に不条理で物語を楽しむものではないからだ。

 それで、映画として2時間を持たせるのは辛いだろう、と。

 続いて、これは、少女アリスの物語の続篇体裁で、つまり、成人したアリスが出てくるのが「永遠の少女」でなくてはならないアリスの物語には不似合いだと考えたのだ。

 しかし、面白かった。

 記憶に残らずとも、夢の物語として処理されていた、アリスにとっての「不思議の国」の物語は、成人したアリスを、大人になりきれない「ギリギリ許される少女」として存在させていた。

 その無遠慮な物言いも、走り方さえも、少女性を残していた。

 かつての経験が、彼女の表情に影を落としている。

 美少女と言うものは、子供の頃から、大人の美意識(エロ視線)に晒されるので、何らかの形で暗さを身にまとう。

 ティム・バートンは、大人になったアリスに「病的なもの」を付加させていた。

 神経質なアリスは、それはそれで魅力的だった。

 冒頭、パーティーに向かう途中の馬車の中で、「タイツもはいてない!」とお母さんにスカートを捲られて、ふくらはぎが見えるだけなのにエロす^^;

 そして、成人したアリスが、再び(『鏡の国』を入れて三度目か?)、『不思議の国』を訪れ、そこで、「そのままの自分を活かす道」を得る<ビルドゥングスロマン>となっているのが、

 本来の『アリス』の流れではないのだが、ディズニー作品らしく、観ている者を楽しませてくれた。

 本来は感動とか愛情とかと無縁のはずの「アリス」世界が、ギリギリの大衆性をまとってくれていたのだ。

 だから、お茶会のシーンでの、明らかに不条理な会話(言葉遊びがふんだんなのだろうが)が、作品内での違和感が大きかったのが残念ではある。

   ◇

 ジョニー・デップの、イカレつつも真摯な帽子屋の演技、その瞳はとても良かった。

 作り手の計算なのだが、ホロリとさせられた。

 一番のお気に入りは、アン・ハサウェイ演じるところの、(オリジナルキャラでしょ?)白の女王だ。

 美しく穏やかなのだが、普通でさえも大きい顔のパーツ(目・口)を大きくするメイクと言い、その「優雅な身のこなし」と言い、大笑いだった^^

 両手は常に、「あら?」と言う感じで宙空にある。

 私は、「何かの挙動に似ている・・・」と考えていたのだが、それは、マンガ『ついでにとんちんかん』の間抜作先生の「手のやり場」と似ていた。

     

   ◇

 かなり楽しめたのは吹き替え版の声優さんの名演もあったのかもしれないので、是非、字幕版を見て雰囲気を楽しみたくもあります。

 最後のアリスのダンス、いいじゃあないですか!^^

 それから、アリスの物を食べたり飲んだりするシーンの口元がメチャ可愛かったと付け加えておきます^^

                                         (2010/04/25)

[映画『タイタンの戦い(2D版)』を観た]

2010-04-25 09:04:48 | 物語の感想
☆予告編映像が豪快で、粗さが感じられなかったので楽しみにしていた作品だ。

 面白かった。

 展開は、見る人が見れば、ありきたりに感じるのだろうが、私には新鮮だった。

 冒頭の、神々に敵対意識を持った都市の王が、岬に立つゼウス像を破壊し、その崩壊した像が海に落ちていくと言う、本来の戦いの構図とは違うシーンから魅力を感じた。

 それは、物体のスケール対比・・・、巨大な像、岬の高さ、兵士達、海、そこに漂う主人公ペルセウス家族の乗る漁船らがきっちりと映し出されているからだろう。

 この作品は、最後の敵である、都市と同じ大きさの超巨大なモンスターの描写に至るまで見事である。

 また、その最後の敵・クラーケンのシーンまでに、人間サイズの敵、トレーラーサイズの巨大サソリ、大蛇サイズのメデューサなどと戦いを繰り広げるが、それぞれとの闘い自体が実にダイナミックで面白い。

 予告編で、それらのクリーチャーは見せられていたはずなのに、それでも手に汗握らされる面白さだ^^

   ◇

 また、わりと品行方正で面白味のない主人公に対し、あまりカタログ的に描かれないが、一緒に旅する仲間が個性的で、旅を続けていくうちに、次第にこちらが顔ぶれを覚えていく楽しさがあった。

 巨大サソリを、象の上のマハラジャのように乗りこなす木炭人なんて、実に面白かった。

 彼らの旅する風景も、森林・砂漠・荒地に山岳地帯と壮大で、豪勢なロケを敢行していることが分かる。

 ただ、せっかく丁寧に描かれた旅路で、慣れ親しんだ仲間が最後の決戦を前にして全滅するのはやや寂しい。

 しかし、思えば、メデューサとのセミファイナルこそがクライマックスなのである。

 ペルセウスが等身大で闘えて、こちらも感情移入しやすいのが、そのサイズなのであろう。

 クラーケンとの戦いはあっけないが、私は好感だ。

 あそこで、超巨大なクラーケンにペルセウスがカミナリ剣で挑んでいったら、その古典様式に白けたと思う^^;

 あそこは、身もふたもない「あっけなさ」がいいのだ。

   ◇

 この作品の監督は、オリンポスの神々の装束を、『聖闘士星矢』の聖衣(クロス)を参考にしたと語っていて、ゼウスの装束はキラキラと白銀で美しいが(←でも、シルバークロスじゃん^^;)、ペルセウスが赤児のときに乗せて流される棺おけが『ジョジョの奇妙な冒険』のエピソードを彷彿とさせた。

 棺おけ流しは欧米ではポピュラーな話で、『ジョジョ』の作者はそれを踏まえたのかな?

 それとも、この作品の作り手は、『ジョジョ』なども読んでいたのかな?

   ◇

 また、この作品に出てくる女性陣は、総じて、古典的な美人で、私的にはいまいちであった。

 ただ、孤児のペルセウスが引き取られた家庭での妹が可愛かったので、私は注視していたら、すぐに冥王ハデスに殺害されてしまうのだった・・・。

 それから、少年時代のペルセウス役の少年も可愛かったね。

 いや、サム・ワーシントンの笑顔も素朴でいいんだけどね。

 おっと忘れていた。

 メデューサだが、結構哀しい表情を見せてくれて、魅力的だったね。

 今回、メデューサの過去の話も作中で語られていて、その哀しい表情に深みがありました。

   

                                         (2010/04/25)