昨日の日記にも書きましたが、『ブーリン家の姉妹』見てきました~(*^^*)
歴史物・・・とはいえ、史実とは若干異なる部分もあるフィクションですが、とても重厚でしっかりした作品で、とても見応えがありました。
歴史物が大好きな私には、かなり、ツボってしまいましたです。
という訳で、感想行ってみま~す☆
ストーリーの舞台は16世紀イングランド。
国王ヘンリー8世には、男子の後継者が居ません。
王自身も、また、周りの貴族達も、王に男子の後継者が生まれることが目下の関心事。
そこに目を付けた、田舎の新興貴族のトーマス・ブーリンとその親族は、ブーリン家の美しい長女・アンを王の愛妾とすることを画策します。
もし、アンが王に愛され、男子でも産めば、一族は大出世。想像も付かないほどの富と名誉が手にはいるのです。父親達から、果たすべき役目を仰せつかったアンは、元来の野心家な性格もあり、王を魅了しようと躍起になります。
しかし、そんな王が目に止めたのは、謙虚で慎ましい性格の妹メアリーの方。
メアリーを所望した王は、ブーリン家一族を宮廷に呼びよせ、そして、メアリーを王妃付きの侍女にします。
既婚で夫ある身のメアリーは、気が進まないながらも王の愛妾となるのですが、やがて、純粋に王を愛するようになるのでした。
一方、本来なら、自分が王の愛妾となる身だったアンは、その栄誉を妹に持って行かれ、心の中に嫉妬の炎を宿していました。けれども、華やかなアンは、宮廷生活を楽しむようになり、とうとう自らの幸せを勝ち取るのです。予てより、恋心を抱いていた、貴族ヘンリー・パーシーと極秘裏に結婚。
しかし、この当時、貴族の結婚には王の承諾が必要。しかも、ヘンリー・パーシーには、本来結ばれるべき婚約者の存在があるのです。
アンの秘密の結婚を知ったメアリーは、アンのためを思い、父親達に密告。スキャンダルを恐れた父親達は、アンを彼と引き裂き、フランス宮廷へと追いやるのでした。
やがて。
メアリーは懐妊。しかし、妊娠中で体調の優れないメアリーは、王と隔離された寝室へ。王がメアリーのことを忘れてしまうことを恐れた父親は、フランスからアンを呼び戻します。王の話し相手となり、常に、メアリーを思い出させるために。
そして、フランス宮廷仕込みの魅力を身につけ、戻ってきたアンは、たちまち宮廷の人気者に。そして、王もまたご多分に漏れず、アンに惹かれていくのでした。
自分の幸せをすべて奪った妹へ復讐心を抱いていたアンは、父親達の言うことも聞かず、どんどん王を魅了していきます。
そして、メアリーを宮廷から追い出し、更に、王妃の座を王に要求するのでした。
ヘンリー8世は、アン欲しさに、20年連れ添ったキャサリン王妃と離婚する為、ローマカトリック教会とも決別するのでした。
こうして、念願の王妃となったアンですが・・・・・・・。
アン・ブーリン。
イギリスに、ゴールデンエイジをもたらした女王・エリザベス1世を産んだ女性の物語です。
映画では、アンとメアリーの父親であるトーマス・ブーリンや、その親戚が一丸となって、二人の娘を王の愛妾にすることに躍起になっていますが、実際には、そのような記録は残されていないとのことです。
もしかしたら、片田舎で暮らす、美しい二人の姉妹をたまたま王が自分の物に・・・と望んだだけなのかもしれませんし、はたまた、やはり、映画で描かれている通り、男達が自分達の出世の為に若い娘を差し出したのかも知れないですし・・・それは判らないですよね。
日本でも、平安時代では、自分の娘を国母にするため、貴族達はこぞって娘を入内されたりした訳ですから。
やはり、外国でも、同じように、若い娘は父親達にとっての出世の道具だったのでしょうね・・・。
二人の姉妹の確執・・・とりわけ、本来なら自分が手にするべき幸せを全て妹に奪われてしまったアンのメアリーに対する嫉妬や復讐が描かれますが、実際、メアリーに関しては、あまり記録が残って居らず、数多くの妃や愛人を持ったヘンリー8世の女性遍歴の中でも、メアリーは影の薄い存在だそうで。
そのメアリーにスポットを当て、同じ男性を愛した、性格が180度異なる姉妹の物語・・・という作りは、面白かったです。
この映画の中のアンの姿は・・・もちろん、結果としては破滅していく訳ですが、でも、わたし的には、嫌いじゃなかったです。
父親達に良いように利用され、新婚であるにも関わらず、王の愛妾になるしかなかった妹のメアリーが辿った道を見てきたアンは、父親達の言うことも聞かずに、勝手に自分の道を歩み始めるわけですが。
そもそも、フランス王宮に追いやられていたアンが、再び宮廷に呼び戻されたのは、ヘンリー8世に妊娠中のメアリーのことを忘れないようにさせる為、王に常にメアリーのことを思い出させるという役目だったはず。
けれども、アンは、父親達の意見を無視し、自らが、王の息子を産むべく、妹すら宮廷から追い出してしまうのです。
もちろん、人としては「ど~よ?」という気は致しますが・・・女は、男達の言いなりになり、出世や政治の道具としてしか生きる道の無かったあの時代において、自分の意志で、そして、自らの力で、王妃の座に着こうとする、その行動力や逞しさはスゴイと思います。
ヘンリー8世に、ローマカトリック教会と決別させてまで、キャサリン王妃と離婚させたのは、妹のように、せっかく男の子を産んでも、王の気まぐれで「私生児」扱いになってしまうのを避けるため。自分が産んだ子供を、例え、王の寵愛が他の女に移ろおうとも、「世継ぎ」として確固たる地位に付けさせるには、自らが王妃となるしかないと思ったからなのですよね。
とはいえ、結局は、アン自身もまた、王妃の座を追われる訳ですから・・・因果応報というかなんというか。
それでも、自分で選び、自分で歩んできた人生の幕引きとして、斬首刑を受けたアンの姿は、印象的でした。最後の最後まで、強い女だったのか・・・いや、強い女でありたいと願っていたのか。
とりあえず思ったのは、ヘンリー8世はもしかしなくても、酷い男だなぁ~と・苦笑
もちろん、王という立場上、男子の後継者が必要ということは判ります。
とはいえ、年若く美しいアンに夢中になり、彼女の言うままに、王妃を離縁し、男子を産んだメアリーを田舎に追いやり・・・そうまでしてまでアンを自分のものにしたかったのでしょうかねぇ?・・・ちょっと情けなさ過ぎA^^;;
それとも、それだけ、アンの方が役者が上手だったということかな?
とはいえ、アンが女の子を産み、二人目の男の子は流産だったことから、夫婦仲は急速に冷え込み・・・。となると、またまた早速、次の女性、ジェーン・シーモアに夢中。
映画では、なんとか妊娠を・・・と追いつめられたアンが、せっぱ詰まって禁忌を犯そうとする・・・という作りになっていますが、歴史的にはアンが弟との近親相姦など不貞罪で処刑されたのは・・・結局、王が、新しい女性を王妃に迎えるためのでっち上げ・・・という説もあるみたいで。
はたまた、その後、ジェーン・シーモアが亡くなった後も、次々と新しい王妃を貰っては離婚を繰り返し、中には、アンと同様処刑台に送られた王妃も居ます。
また、「処女ではない女性を王に献上した者は、処刑する」という法律まで作った訳ですから・・・もうなんともA^^;;
女性好きだったのでしょうね・・・。
自らの意志と力で、王妃の座を勝ち得たアンですら、結局は王との関係の悪化によって悲劇の道を辿ったわけですから、やはり、この時代の女性は、男性があってこその生き方しか出来なかったのかも知れないと思うと切ないですし、なんとも後味の悪いラストではあります。
とにかく、一人の王を巡る、女達のドロドロな愛憎劇。
男の子は産めなかったものの、20年もの間、王妃として王と連れ添い、国民からも愛されたキャサリン王妃。
父親の命令で、王の愛妾となるものの、やがて純真に王を愛し、男子を産んだメアリー。
自らが王妃となるため、手段を選ばず、戦いに挑むアン。
タイプは違えど、それぞれの秘めたる想いを強く持つ三人の女達に挟まれ・・・ヘンリー8世はちょっとタジタジ・・・な感じにも見受けられました。
とりわけ、強烈な個性と魅力を持つアンの前には、王のプライドすらなし崩しになっていたようにも。
専制君主な王としては、ちょっと女性に振り回されすぎにも見えました。
けれども、女性達の物語として見る上では、男性の存在は、かえってこれくらいの方が良いのかも知れませんね。
そうそう。
アンによって王妃の座から引きずり下ろされるキャサリン王妃・・・なんだか、とても印象に残りました。
離婚裁判にかけられるキャサリンは、出廷する前に、ブーリン姉妹を「ブーリン娼婦姉妹」と呼び、アンに向かって「私は20年間王妃として、王に仕え、国民にも愛された王妃です。貴女は、ただ王をたぶらかしただけ」と言い放つのですが・・・そのシーンの彼女、すごくオーラが有りましたね。
言い方は悪いですが、美貌には恵まれたものの田舎の出身で、付け焼き刃でフランス宮廷で女性としてのたしなみを身につけたとはいえ、策略に目がくらんでいるアンに比べ、キャサリンには王妃としての気品や気位の高さ、誇りが見られました。うん、女優さんってスゴイですよね。
王に翻弄された女性達ですが、多分、最後に一番幸せになれたのは・・・無欲で純真だったメアリーだったのかもしれません。
けれども、志半ばで、処刑されたアンの血を引く娘が、後に、エリザベス1世となり、イギリスにゴールデンエイジと呼ばれる輝かしい時代をもたらすわけですから。
アンの遺志のような不思議な縁があるのかもしれないですよね。
後継者に悩んでいたヘンリー8世も、まさか、自分の没後、アンの娘が、女王となるなんて・・・ビックリでしょうね(^m^)
ストーリーも面白いのですが、この時代の宮廷衣装なども、とても興味深かったです。
ゴージャスだったり派手派手しかったりはしないのですが、落ち着いた色合いの中に見られる豪華さ、華やかさ、気品が目を引きますね。
わたし的には、本当に面白くて、あっという間の2時間でした。
そういえば・・・。
映画が終わった後、御手洗いに行ったところ、この映画を見られたご年配の女性の方々が感想語りで盛り上がっていらっしゃいました。
曰く、
「この映画見て、つくづく思ったわ~。男って、ホンマ、アホな生き物やなぁ~」
とA^^;;
ま、まさか、ヘンリー8世も、こんなところで、笑われているとは・・・思いもしていないでしょう(^^;
でも、確かに、そう思わせるくらい、この映画の中のヘンリー8世は、情けないくらいアンの言いなりだったような。
もしかしたら、アンとの出会い別れが、その後の彼を狂わせてしまったのかな・・・と思うと、それはそれでドラマティックでもありますよね(^^)b
重厚な作りの歴史物ですし、歴史大好きさんにはオススメしたいです。
歴史物・・・とはいえ、史実とは若干異なる部分もあるフィクションですが、とても重厚でしっかりした作品で、とても見応えがありました。
歴史物が大好きな私には、かなり、ツボってしまいましたです。
という訳で、感想行ってみま~す☆
ストーリーの舞台は16世紀イングランド。
国王ヘンリー8世には、男子の後継者が居ません。
王自身も、また、周りの貴族達も、王に男子の後継者が生まれることが目下の関心事。
そこに目を付けた、田舎の新興貴族のトーマス・ブーリンとその親族は、ブーリン家の美しい長女・アンを王の愛妾とすることを画策します。
もし、アンが王に愛され、男子でも産めば、一族は大出世。想像も付かないほどの富と名誉が手にはいるのです。父親達から、果たすべき役目を仰せつかったアンは、元来の野心家な性格もあり、王を魅了しようと躍起になります。
しかし、そんな王が目に止めたのは、謙虚で慎ましい性格の妹メアリーの方。
メアリーを所望した王は、ブーリン家一族を宮廷に呼びよせ、そして、メアリーを王妃付きの侍女にします。
既婚で夫ある身のメアリーは、気が進まないながらも王の愛妾となるのですが、やがて、純粋に王を愛するようになるのでした。
一方、本来なら、自分が王の愛妾となる身だったアンは、その栄誉を妹に持って行かれ、心の中に嫉妬の炎を宿していました。けれども、華やかなアンは、宮廷生活を楽しむようになり、とうとう自らの幸せを勝ち取るのです。予てより、恋心を抱いていた、貴族ヘンリー・パーシーと極秘裏に結婚。
しかし、この当時、貴族の結婚には王の承諾が必要。しかも、ヘンリー・パーシーには、本来結ばれるべき婚約者の存在があるのです。
アンの秘密の結婚を知ったメアリーは、アンのためを思い、父親達に密告。スキャンダルを恐れた父親達は、アンを彼と引き裂き、フランス宮廷へと追いやるのでした。
やがて。
メアリーは懐妊。しかし、妊娠中で体調の優れないメアリーは、王と隔離された寝室へ。王がメアリーのことを忘れてしまうことを恐れた父親は、フランスからアンを呼び戻します。王の話し相手となり、常に、メアリーを思い出させるために。
そして、フランス宮廷仕込みの魅力を身につけ、戻ってきたアンは、たちまち宮廷の人気者に。そして、王もまたご多分に漏れず、アンに惹かれていくのでした。
自分の幸せをすべて奪った妹へ復讐心を抱いていたアンは、父親達の言うことも聞かず、どんどん王を魅了していきます。
そして、メアリーを宮廷から追い出し、更に、王妃の座を王に要求するのでした。
ヘンリー8世は、アン欲しさに、20年連れ添ったキャサリン王妃と離婚する為、ローマカトリック教会とも決別するのでした。
こうして、念願の王妃となったアンですが・・・・・・・。
アン・ブーリン。
イギリスに、ゴールデンエイジをもたらした女王・エリザベス1世を産んだ女性の物語です。
映画では、アンとメアリーの父親であるトーマス・ブーリンや、その親戚が一丸となって、二人の娘を王の愛妾にすることに躍起になっていますが、実際には、そのような記録は残されていないとのことです。
もしかしたら、片田舎で暮らす、美しい二人の姉妹をたまたま王が自分の物に・・・と望んだだけなのかもしれませんし、はたまた、やはり、映画で描かれている通り、男達が自分達の出世の為に若い娘を差し出したのかも知れないですし・・・それは判らないですよね。
日本でも、平安時代では、自分の娘を国母にするため、貴族達はこぞって娘を入内されたりした訳ですから。
やはり、外国でも、同じように、若い娘は父親達にとっての出世の道具だったのでしょうね・・・。
二人の姉妹の確執・・・とりわけ、本来なら自分が手にするべき幸せを全て妹に奪われてしまったアンのメアリーに対する嫉妬や復讐が描かれますが、実際、メアリーに関しては、あまり記録が残って居らず、数多くの妃や愛人を持ったヘンリー8世の女性遍歴の中でも、メアリーは影の薄い存在だそうで。
そのメアリーにスポットを当て、同じ男性を愛した、性格が180度異なる姉妹の物語・・・という作りは、面白かったです。
この映画の中のアンの姿は・・・もちろん、結果としては破滅していく訳ですが、でも、わたし的には、嫌いじゃなかったです。
父親達に良いように利用され、新婚であるにも関わらず、王の愛妾になるしかなかった妹のメアリーが辿った道を見てきたアンは、父親達の言うことも聞かずに、勝手に自分の道を歩み始めるわけですが。
そもそも、フランス王宮に追いやられていたアンが、再び宮廷に呼び戻されたのは、ヘンリー8世に妊娠中のメアリーのことを忘れないようにさせる為、王に常にメアリーのことを思い出させるという役目だったはず。
けれども、アンは、父親達の意見を無視し、自らが、王の息子を産むべく、妹すら宮廷から追い出してしまうのです。
もちろん、人としては「ど~よ?」という気は致しますが・・・女は、男達の言いなりになり、出世や政治の道具としてしか生きる道の無かったあの時代において、自分の意志で、そして、自らの力で、王妃の座に着こうとする、その行動力や逞しさはスゴイと思います。
ヘンリー8世に、ローマカトリック教会と決別させてまで、キャサリン王妃と離婚させたのは、妹のように、せっかく男の子を産んでも、王の気まぐれで「私生児」扱いになってしまうのを避けるため。自分が産んだ子供を、例え、王の寵愛が他の女に移ろおうとも、「世継ぎ」として確固たる地位に付けさせるには、自らが王妃となるしかないと思ったからなのですよね。
とはいえ、結局は、アン自身もまた、王妃の座を追われる訳ですから・・・因果応報というかなんというか。
それでも、自分で選び、自分で歩んできた人生の幕引きとして、斬首刑を受けたアンの姿は、印象的でした。最後の最後まで、強い女だったのか・・・いや、強い女でありたいと願っていたのか。
とりあえず思ったのは、ヘンリー8世はもしかしなくても、酷い男だなぁ~と・苦笑
もちろん、王という立場上、男子の後継者が必要ということは判ります。
とはいえ、年若く美しいアンに夢中になり、彼女の言うままに、王妃を離縁し、男子を産んだメアリーを田舎に追いやり・・・そうまでしてまでアンを自分のものにしたかったのでしょうかねぇ?・・・ちょっと情けなさ過ぎA^^;;
それとも、それだけ、アンの方が役者が上手だったということかな?
とはいえ、アンが女の子を産み、二人目の男の子は流産だったことから、夫婦仲は急速に冷え込み・・・。となると、またまた早速、次の女性、ジェーン・シーモアに夢中。
映画では、なんとか妊娠を・・・と追いつめられたアンが、せっぱ詰まって禁忌を犯そうとする・・・という作りになっていますが、歴史的にはアンが弟との近親相姦など不貞罪で処刑されたのは・・・結局、王が、新しい女性を王妃に迎えるためのでっち上げ・・・という説もあるみたいで。
はたまた、その後、ジェーン・シーモアが亡くなった後も、次々と新しい王妃を貰っては離婚を繰り返し、中には、アンと同様処刑台に送られた王妃も居ます。
また、「処女ではない女性を王に献上した者は、処刑する」という法律まで作った訳ですから・・・もうなんともA^^;;
女性好きだったのでしょうね・・・。
自らの意志と力で、王妃の座を勝ち得たアンですら、結局は王との関係の悪化によって悲劇の道を辿ったわけですから、やはり、この時代の女性は、男性があってこその生き方しか出来なかったのかも知れないと思うと切ないですし、なんとも後味の悪いラストではあります。
とにかく、一人の王を巡る、女達のドロドロな愛憎劇。
男の子は産めなかったものの、20年もの間、王妃として王と連れ添い、国民からも愛されたキャサリン王妃。
父親の命令で、王の愛妾となるものの、やがて純真に王を愛し、男子を産んだメアリー。
自らが王妃となるため、手段を選ばず、戦いに挑むアン。
タイプは違えど、それぞれの秘めたる想いを強く持つ三人の女達に挟まれ・・・ヘンリー8世はちょっとタジタジ・・・な感じにも見受けられました。
とりわけ、強烈な個性と魅力を持つアンの前には、王のプライドすらなし崩しになっていたようにも。
専制君主な王としては、ちょっと女性に振り回されすぎにも見えました。
けれども、女性達の物語として見る上では、男性の存在は、かえってこれくらいの方が良いのかも知れませんね。
そうそう。
アンによって王妃の座から引きずり下ろされるキャサリン王妃・・・なんだか、とても印象に残りました。
離婚裁判にかけられるキャサリンは、出廷する前に、ブーリン姉妹を「ブーリン娼婦姉妹」と呼び、アンに向かって「私は20年間王妃として、王に仕え、国民にも愛された王妃です。貴女は、ただ王をたぶらかしただけ」と言い放つのですが・・・そのシーンの彼女、すごくオーラが有りましたね。
言い方は悪いですが、美貌には恵まれたものの田舎の出身で、付け焼き刃でフランス宮廷で女性としてのたしなみを身につけたとはいえ、策略に目がくらんでいるアンに比べ、キャサリンには王妃としての気品や気位の高さ、誇りが見られました。うん、女優さんってスゴイですよね。
王に翻弄された女性達ですが、多分、最後に一番幸せになれたのは・・・無欲で純真だったメアリーだったのかもしれません。
けれども、志半ばで、処刑されたアンの血を引く娘が、後に、エリザベス1世となり、イギリスにゴールデンエイジと呼ばれる輝かしい時代をもたらすわけですから。
アンの遺志のような不思議な縁があるのかもしれないですよね。
後継者に悩んでいたヘンリー8世も、まさか、自分の没後、アンの娘が、女王となるなんて・・・ビックリでしょうね(^m^)
ストーリーも面白いのですが、この時代の宮廷衣装なども、とても興味深かったです。
ゴージャスだったり派手派手しかったりはしないのですが、落ち着いた色合いの中に見られる豪華さ、華やかさ、気品が目を引きますね。
わたし的には、本当に面白くて、あっという間の2時間でした。
そういえば・・・。
映画が終わった後、御手洗いに行ったところ、この映画を見られたご年配の女性の方々が感想語りで盛り上がっていらっしゃいました。
曰く、
「この映画見て、つくづく思ったわ~。男って、ホンマ、アホな生き物やなぁ~」
とA^^;;
ま、まさか、ヘンリー8世も、こんなところで、笑われているとは・・・思いもしていないでしょう(^^;
でも、確かに、そう思わせるくらい、この映画の中のヘンリー8世は、情けないくらいアンの言いなりだったような。
もしかしたら、アンとの出会い別れが、その後の彼を狂わせてしまったのかな・・・と思うと、それはそれでドラマティックでもありますよね(^^)b
重厚な作りの歴史物ですし、歴史大好きさんにはオススメしたいです。