★ベルの徒然なるままに★

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映画『ニューイヤーズ・イブ』

2012年01月19日 | 映画鑑賞記
年は明けちゃいましたが。

2012年、最初に見た映画は、『ニューイヤーズ・イブ』です。

・・・いや、厳密に言うと、1月4日に映画館で『けいおん!』を見に行った訳ですが。あれは、特典目当てのリピーターだったですし(笑)

という訳で。

今年最初に見た映画の感想。
・・・本当は、年末に見に行って、ニューイヤー気分を盛り上げるべきなのでしょうが、ねA^^;;

■『ニューイヤーズ・イブ』予告編



2011年が終わりを向かえる最終日。
それが、大晦日(ニューイヤーズ・イブ)。



ニューヨークでは、タイムズスクエアに大勢の人が集まり、伝統のカウントダウンイベントが行われます。

そのイベントで行われる「ボール・ドロップ」。
タイムズスクウェア協会の副会長クレアは、初めて、この年越しイベントを取り仕切る担当になります。ニューヨーク中の期待を一身に受ける責任重大な仕事に、落ち着かない気分の大晦日。


レコード会社の秘書イングリッドは、冴えない中年女性。1年が終わろうとするのに、今年の目標は何一つ達成出来なかった。そう思って、溜息をついているとき、自転車便の配達人・ポールが、郵便物を届けに来ます。
郵便物の中身は、レコード会社主催の仮装パーティ。
そのパーティのチケットはプレミア物だ・・・と興味津々のポールに、「自分の願いを達成させてくれたら、このパーティチケットをあげる」と約束をするのでした。彼女の願いとは、2011年の年頭に立てた、目標リスト・・・そのリストに載っていることを大晦日中に達成させること。たった1日で、それは出来るのでしょうか?


臨月を控えた妻とその夫は、新年で一番最初に生まれた子供に、病院から多額の賞金が貰えることを知ります。
そして、その賞金獲得を目指して、なんとか、新年早々に子供を産めないかと、陣痛を早めようと躍起になるのでした。
そして、同じく賞金を狙う夫婦と、滑稽な争いを展開することに・・・。


大晦日のお祭り騒ぎが大嫌いなイラストレーターのランディは、アパートの廊下の飾り付けを全部、外して回っていました。
そして、エレベーターに乗り込んだ所、エレベーターが故障。
一緒に乗り合わせた、エリーズという若い女性と共に、閉じこめられてしまいました。
エリーズは、バックコーラスの仕事をしている歌手。
本格的な歌手を目指す彼女にとって、今夜は、運命を賭けた仕事の日で。決して、遅刻するわけにはいかないのに・・・。
管理会社とも連絡が取れず、エレベーターは止まったまま・・・。


友人の結婚式に出席したサムは、その後に控える仕事のため、急いでニューヨークにに戻ろうとしていました。しかし、車が故障。大晦日なので、代車も修理も何も出来ず、途方に暮れます。そんなとき、友人の結婚式を執り行った、牧師一家の車に同乗させて貰うことになるのでした。仕事だけではなく、何やら、大切な約束がある様子のサム。果たして、牧師一家の車で間に合うのでしょうか?


シェフのローラは大晦日の夜に行われる、音楽会社主催のパーティーのケータリングを任されていました。そのパーティーで演奏する大物アーティストのジェンセンの到着に、同僚達は、皆、大興奮。しかし、ローラだけは、ジェンセンなんて興味ない・・・と冷静なまま。でも、実は、ローラとジェンセン・・・元恋人同士だったのでした。最悪な別れ方をしてから、ちょうど1年ぶりの再会に・・・!?


15歳の少女ヘイリーは、ボーイフレンドから大晦日のカウントダウンイベントへ行こうと誘われます。しかし、娘に過干渉気味の厳しい母は、それを許してくれず・・・。


末期癌のスタン・ハリスは、大晦日を一人、病室のベッドで過ごしていました。
余命幾ばくもなく、年が越せるかどうかも分からない状況。
それでも、延命治療などを拒否する彼の唯一の願いは、タイムズスクエアの「ボール・ドロップ」を見に行くこと。しかし、担当医は、そんな危ないこと許可できないと言うのでした。
そんな彼に、看護師のエイミーは、ずっと付き添い、一緒に大晦日を過ごそうとします。


・・・というように、大晦日のニューヨークを舞台に、たくさんの人達の人間ドラマが交錯するオムニバスストーリーです。




この手の手法で描かれる映画は、「バレンタインデー」や「ラブ・アクチュアリー」、邦画なら「大停電の夜に」を思い出しますね。

一見、何の関係のない人達のドラマがバラバラっと描かれて、物語が進んでいき。
最後に、バラバラに見えた個々のドラマが、繋がりを持っていく。

そういう手法の映画の中では、わたし的には「ラブ・アクチュアリー」が一番凄いというか、ラストに向けて、綺麗にまとまっていく・・・と思うのですがね(笑)


でも、この「ニューイヤーズ・イブ」も、ラストになるにつれ、意外な繋がりが分かってきたりして、面白かったです。


●一大イベント「ボール・ドロップ」の全てが掛かっている、責任重大な仕事を初担当する女性。・・・なんだかアクシデント続きで先行きが怪しい。

●新しい年がくるまでに、自分のやりたいことを実行し、新しい自分になりたいと思う中年女性。そして、そんな彼女の目標達成のために、1日雇われた青年。

●新年最初のベビーを産んで、賞金ゲットを狙う若い夫婦。

●エレベーターに閉じこめられたしまった見知らぬ者同士の男女。

●1年前の約束が忘れられない、御曹司。

●別れた恋人と再会した、超人気アーティスト。

●母の過干渉の為に、ボーイフレンドと遊びに行けないティーンの女の子と、娘のためにプライベートを犠牲にしつつあるその母。

●余命幾ばくもない患者に付き添う看護士。


等々と。

夫婦、恋人、元恋人、親子、友達、他人。

色んな形の人間関係が、バラバラっと描かれて、それぞれ物語が進んでいきます。

こういうタイプの映画は、実は、大好きなのです。

一見、何の関わり合いもないように見える人間関係が、ラスト、どんなふうに繋がりを持っていくのだろうか・・・と、見ていてワクワクします。

特に、前知識無く見たので、ラストに、それぞれの関係が分かったとき、色々とビックリでした。

「なんと、この人とこの人が親子だったとは!」
とか、
「この人とこの人は、姉弟なの!?」
とか。

で。

色んな人間関係の中に、「愛」があるのですよね。

それは、別に、夫婦でも恋人でもなくて、ただの他人同士の間柄でも。
それを見ていると、やっぱり、人は一人では生きられないものだし、自分も何らかの形で色々な人と繋がっている。そして、そこには「愛」があるものなんだなあと考えさせられました。


1年が終わり、新しい年が来る瞬間。

人の数だけ、その1年の人生ってありますよね。

その1年が良い年だった人も居れば、良い事が無かった年の人も居ます。

でも、新しく来る年が、ハッピーな物になればいい・・・そう祈る気持ちは、皆、同じハズ。
その「新しい年がハッピーな物になりますように」という、その願いこそが、あの、物凄い熱気のカウントダウンの盛り上がりなのでしょう。

皆、もう、新しく来る年しか見ていないというか。

日本は、どちらかというと、物静かに、その1年を振り返りつつ、新年を迎えるって感じじゃないですか?
お祭り騒ぎをするのではなく、大晦日って、もっと、厳粛な感じ・・・というか。

アメリカとは、ちょっと違いますよね。

なので。

ドロップ・ボールにアクシデントが有ったときの、クレアのスピーチ。

今一度、新年を向かえる前に立ち止まって、この1年を静かに振り返る・・・。

私達日本人にとっては、あまり珍しくないというか、いつも、年末になると思う感覚なので。当たり前のように思いましたが。

あのスピーチに、タイムズ・スクエアにいた人達が、皆が感動していたのは、そういう感覚の違いがあるからかな~と思ってみたり。

お祭り騒ぎの中にいたからこそ、ジーンと来たものもありますよね。あのスピーチ。


さてさて。

私個人的には、イングリッドとポールの年のカップル(?)のお話が凄く好きでした。
ミシェル・ファイファーが演じる、冴えないおばさんのイングリッド。
実は、私、最初、ミシェル・ファイファーって気が付かなかったです(>_<)

なんというか・・・映画でも言われてたけど、結構、「痛い」人です(^^;

でもね。
その冴えないおばさんが、どんどんキュートになっていくのですよね!

キラキラしていくというか。

その過程が、好きでした。


それから。

ボール・ドロップを初担当することになったクレア。
まさか、彼女の人間関係の繋がりも、凄く意外でした。

最初は、仕事が生き甲斐のキャリアウーマンで、仕事の成功の事しか頭にない感じなのかなぁ~って思ってみていたのですが。
彼女にとって、「ボール・ドロップ」は、父親との大切な想い出。
かけがえのない大切な物だったのですね。

だからこそ、責任者という立場に就きたかったし、成功もさせたかった。

そういう意味合いがあたのだなぁと泣けました。


あっ。
どっちが先にベビーを産んで、賞金をゲットするか競ってた夫婦(笑)

あれって、片方が、12時04分だったって言ったから、ワザと、自分たちは12時05分だったと嘘を言って、譲ってあげたのですよね???
滑稽すぎる争いではありましたが、最後は、両者とも、優しい気持ちになれて良かった良かった(笑)


そうそう。

過干渉の母に辟易するティーンな女の子。
彼女って、「幸せのレシピ」の子役ちゃん??
大きくなったなぁ~っ。


それから、ありがちな設定ではあるけど、エレベーターのエピソードも好きです。


でもでも。

色々な登場人物達。

皆が皆、ハッピーなニューイヤーを向かえると言うわけではないのですよね。

父を無くした人も居れば(でも、良い最期を迎えられて、それはそれでハッピーだったかな?)、ハル・ベリー演じる看護士さんの夫(恋人?)は、戦場に居るのですよね。

そう思うと。

この地球上の人、全てが、幸せな新年を迎えるわけではないのですよね。

災害、戦争、内乱、飢餓。
大きな目で見ると、地球上には、こういったことが沢山あります。

そして、個人個人でも、肉親の死など色々・・・。

それでも。
新しい年が、素敵な物であって欲しい。
皆が、愛を感じて生きて欲しい。
そして、ちょっと勇気をもって踏み出せば、きっと、何か良い事がある。

そういうメッセージが込められている、心温まる作品だと思いました。