最近、あまりPCに向かっていませんでした(>_<)
なので、なんだか、とっても久しぶりの映画鑑賞記。
書きたい感想は色々溜まっているのですが、まずはやっぱり、この映画の感想を!!
映画『クーキー』です。
大阪での公開初日、9月12日の朝一番に鑑賞し、その後も、リピーターしたりしていたのですが、感想を書くのが遅くなってしまいました。
そう、この日記に時々、写真で登場しているぬいぐるみクーキー。
彼が主人公の映画です。
とにかく、凄く面白くて、感動して・・・!
まだまだリピーターしたいくらい、大好きな映画になっちゃいました。
■映画『クーキー』予告編
2010年のチェコの映画。
主人公は、クーキーという名前の赤いテディベア。
実写とぬいぐるみで撮影された、独特な世界観の作品で、本国チェコでは、『トイ・ストーリー3』を上回る人気だったとのことです。
という訳で、『クーキー』のあらすじですが。
クーキーは、もう古くなってボロボロだけど、少年・オンドラの一番のお気に入りのぬいぐるみ。
でも、古くてボロボロのぬいぐるみは、喘息持ちのオンドラに良くない・・・と言って、お母さんがクーキーを捨ててしまうのですよ。
ゴミ箱から、ゴミ収集車に乗せられ、クーキーは、街から遠く離れたゴミ捨て場に運ばれます。
たくさんのゴミの山に埋もれるクーキー。
そんな彼をショベルカーが轢き潰しそうになった、まさに、その瞬間!!
クーキーは、ひょっこり起き上がります。
そして、ショベルカーのタイヤから逃れ、ゴミ捨て場から出て行こうとするのでした。
しかし、そこに、ゴミのペットボトルで出来たゴミ男や、ビニール袋達が、クーキーの邪魔をします。
「ゴミの脱走は許されない!」
そう言うゴミ男達を振り切り、なんとか、ゴミ捨て場を脱出!
真っ暗な森に逃げ込むのでした。
こうしてクーキーは、森に住む不思議な生き物に助けられながら、愛するオンドラの待つお家に帰ろうとするのです。
けれども、森の中では危険がいっぱい!
次期村長の座をめぐる陰謀に巻き込まれたり、はたまた、ゴミ捨て場からは、ゴミ男がクーキーを連れ戻そうと執拗にに追って来ます。
そんな奴らと、時には激しいカーチェイスを繰り広げたり、悪事に利用されそうになった鳥の卵を守ったりと、色んな経験を積みながら、世間知らずだったクーキーは成長していくのでした。
果たして、クーキーは、大好きなオンドラの元に帰ることが出来るのでしょうか??
・・・というお話です。
とにかく、ぬいぐるみ好きな私は、めちゃめちゃツボっちゃいまして。
もう、感涙感涙、わたし的には『レ・ミゼラブル』を見た時以上にポロポロ泣いて・・・鑑賞後も涙が止まりませんでした(;_;)
もう、とにかく、頑張って頑張って、お家に帰ろうとする健気なクーキーが愛おしくてタマらないのです!!
で。
「捨てられたぬいぐるみが、色々な冒険をしながら、持ち主の男の子の元へ帰ろうとする話」・・・とだけ聞くと、『トイ・ストーリー』みたいな夢と冒険の物語・・・を連想してしまいますが。
『クーキー』は、ちょっと違います。
まず、彼が冒険する森も、暗くて不気味な雰囲気。そして虫だらけ。
そこに住んでいる、森の神様や不思議な生き物たちも、茶色っぽい色で、不気味な形をしてて、その身体には虫が這いまわっていたり・・・で。
そう、森の雰囲気や生き物達は、ちょっと『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』みたいな感じ・・・というとイメージが付きやすいかな?
見ていて、「怖い」印象です。
しかも、森の生き物達の会話は、どことなく、ちょっとズレてて、話が通じなかったりするし。
とりあえず、助けてくれた村長さんも、最初はクーキーの事、突き放しちゃうし。
必死にお家に帰ろう、帰ろうとしているクーキーに、皆、どこか冷たい。
っていうか、結構、皆、自分勝手(笑)
そんな中、クーキーだけが頑張ってる姿が、かなり切ないのです。
どことなく理不尽さを感じてしまう、なんとも言えない、この切なさ。
単に、明るく楽しいアニメでは無い・・・という、これが東欧の感性なのでしょうかね?
全然違うお話ではありますが、こういう切ない感じ、ソ連時代の『チェブラーシカ』とも、雰囲気が似てる気がしました。
だけど、クーキーは負けない!
大好きなオンドラの為に頑張りますっ。
で。
私が思うに、クーキーは、これまで、お家の中でオンドラとだけ遊んできてて、外の世界を知らないのですよね。
だから、世間知らずで。
でも、そういう世間知らずな所があるからこそ、ピュアである・・・というか。
自分勝手だったり、狡猾だったり、意地悪だったりする、森の生き物たちの中で、クーキーのピュアさが凄く際立ってました。
そして、弱虫なんだけど、勇敢というか。
打算無しに、鳥の卵を守ろうとしていたのも、クーキーだけですよね。
世間知らずな分、純真で、そして、勇気があって・・・。
そんな風に、森の中でクーキーが勇者なのは、きっと、オンドラの中でもクーキーがヒーローだったからじゃないかなぁと思いました。
映画を見ていて、私も、オンドラと一緒に、「クーキー頑張れ! クーキー頑張れっ!!」って応援したくなりましたよ。
そしてそして。
何とも言えないヘンテコリンな森の生き物達や、渦巻く陰謀。
執拗に追ってくるゴミ男。
現村長を排斥し、次期村長になろうと目論むアヌシュカの悪事に巻き込まれてしまったクーキーは、必死でピンチを切り抜けます。
文字通り右も左も分からない外の世界で、やがて、左右を学び、そして、字や地図が読めるようにもなっていきます。
そうそう、個人的には、クーキーが、「X」の文字の事を「ハサミ」と言ったり、「こういうの!」って、両腕をクロスしてみせる姿とか、凄く好きでした。可愛い!
あっ、敵に見つかりそうになったら、ガクガク震えながらも、葉っぱを頭に乗せて身を隠す術も学びましたよね(^m^)
どんどん成長していくクーキー。
君は、へなちょこなんかじゃない! なかなかに根性の座った、かっこいいヤツです(≧▽≦)
それから、何と言っても、この物語の最大の見せ場は、ぬいぐるみ達が繰り広げる、大迫力のカーチェイスです。
大きな改造車。
車同士の激突シーン。
ぶつかって空を舞う車に、炎を吹く車!!
死闘と言っても過言ではない、この、カーアクション。演じてるのは、ぬいぐるみ達というのが、もうサイコーですっ。
巷では、『マッドマックス 怒りのデスロード』に似ていると評判のようですが、残念ながら、私、『マッドマックス 怒りのデスロード』は、見に行くつもりでいて、行けなかったのですよね(>_<)
うう。
悔しい。
こんなことなら、ちゃんと見に行っておけば良かったです。
でも、『マッドマックス』の予告編は、映画館で何度も見ました。
確かに、物凄い改造車が出て来てたり、車同士の激しいデッドヒートがあったりで、『クーキー』のあのシーンと似ているかも(^m^)
これは、DVD化されたら、『マッドマックス 怒りのデスロード』も見なきゃ・・・ですね(^^)b
おっと、話が逸れてしまいましたが。
実写とぬいぐるみを使って、こんな凄いカーアクションも撮れちゃうんだなぁという、見所&感動ポイントのご紹介でした(笑)
・・・と、まあ、こんな感じで、森の中でバトルったり、時には、敵に捕まって囚われの身になったり、中の詰め物が無くなって動けなくなる(ぬいぐるみですから)ピンチを経験したり・・・と、世間知らずなクーキーが怒涛の冒険をするわけです。
そして。
クーキーの冒険が、オンドラの実生活と時々リンクしているシーンも好きですね。
携帯電話のシーンは特に好きだけど、切なくもありました。
こんなに必死にクーキーが、オンドラに伝えようとしているのに、伝わらない・・・!!
うう、哀しい。
また、クーキーがピンチな時は、オンドラも喘息でピンチだったりもします。
そんな、このクーキーの冒険・・・子供の空想のように、どことなく唐突な展開があったり、整合性がなかったりすることもあるのですが・・・それは、この物語自体が、オンドラの思い描いたお話だから・・・なのでしょうね。
うん。
冷静に考えると、冒頭で、オンドラがお外のゴミ箱からクーキーを拾って、ベッドに戻るシーン。
あれが、現実だったんだろうなぁと思うのですよ。
でも、オンドラが朝起きたら、クーキーは居なくなってた。
やっぱり、クーキーは捨てられたんだ・・・と落ち込み、クーキーが居なくなったことで、ずっと塞ぎ込んでいるオンドラ。
その時、クーキーは、森で必死に冒険中。
・・・なのですが、多分、オンドラが拾ってきたクーキーは、ベッドの裏側に落ちて見つからなくなってただけなんだろうなぁって。
なので、あの物語は、少年の空想・・・。
と思いきや。
いやいや、いやいや。
じゃあ、どうして、クーキーのお腹から、鳥の羽が出て来たのか・・・・・(^m^)??
空想のお話のようでもあり、実は、本当にあったお話のようでもあり。
どちらとも取れる結末・・・。
私は好きですよ。
現実的な考え方をするのも良いけど・・・私は、やっぱり、あのお話は、本当にあったことだと信じたいです。
クーキーに命が宿って、森で凄い冒険をして、オンドラの元に帰って来た・・・。
そしたら、わたし的には、凄く寂しいと思った、ラストのオンドラの「あの」行動も、ハッピーエンドだと思えるから。
だから、私は、クーキーの冒険は「本当にあったこと」だと思うようにしています(;_;)
それにしても、この『クーキー』という映画、ぬいぐるみの冒険の物語ではなく、もっともっと深い・・・というか。
見ていて、色々なことを考えさせられる作品でした。
クーキーの冒険以外で印象に残った事と言えば。
冒頭に出て来る、あの、ゴミの山なゴミ捨て場と、お掃除をしながら、壊れた玩具をポンポンとゴミ袋
に捨てていくお母さんの姿。そして、車がいっぱい止まったスーパーマーケットと、カートに色々買い物を積んでいるお母さん。
多分、私達は、沢山の物を買って、消費して、そして、ゴミを出しているのかもしれないなぁって。
あのゴミ捨て場で、クーキーに、「ゴミの脱出は禁止されている」と言った、ペットボトルで出来たゴミ男。
彼だって、かつては、ペットボトルとして、その使命を果たし、誰かにとって必要なものであった訳ですよね。
ビニール袋だって。かつては、何かに使われていた物だったはず。
でも、捨てられたら、もう、誰からも必要とされない、ただのゴミ。
そう考えると、あのゴミの山や、ゴミ男達も、ちょっと不憫です。
もしかしたら、ゴミ男が執拗にクーキーを連れ戻そうとしていたのは・・・。見るからに「ゴミ」な姿の彼が、見た目はちゃんとぬいぐるみで「帰る場所」のあるクーキーに対して、嫉妬していたからなのかなぁとも思えました。
もちろん、今の生活スタイルの中で、「ゴミを出さずに生活する」というのは不可能なこと。
生活している以上、ゴミは出ます。
でも、出来るだけ、リサイクルに回すようにして、あのペットボトルのゴミ男君のような存在は作らないようにしてあげたいなぁと思いました。
そしてそして。
やっぱり、ぬいぐるみと実写での撮影・・・というのが、実に興味深かったです。
ぬいぐるみのクーキーなんだけど、森の中では、生き生きと動いてて、同じ顔なはずなのに、表情があるように見えるのですよね。
それでいて、ぬいぐるみとしてオンドラと一緒に居る時には、ただのぬいぐるみという無機物感がある。
このギャップが面白かったです。
これがCGとかだったら、ぬいぐるみに表情があって当たり前だし、人間と一緒にいる時は、「ただじっとしているだけ」っていう風にしか見えないと思います。
それから、クーキーを通して見られる、オンドラの成長。
物語の冒頭では、喘息のお薬の吸引をお母さんにやって貰っていたのに、物語終盤では、ちゃんと自分でやるようになってましたし。
明らかに、オンドラは成長して行ってました。
こうやって、子供は少しずつ成長して、やがて、大人になって行きます。
そして、大人になると、自然と玩具からは卒業していく・・・。
私も子供の頃は、色々な玩具を買って貰ってました。
中には、お気に入りだったのに、親に勝手に捨てられたものもあれば、自然と卒業して手放したものもあり・・・。大人になった今では、幼少期の時の玩具なんて、なにも残ってないのでは?と思います。
でも、それを想うと、ちょっと悲しいような、切ないような。
あんに大好きで、いっぱいいっぱい遊んだ玩具だったのになぁ・・・って。
きっと、これは、誰しもが体験したことなのでしょうが、大人になると、あまりそういうことも考えずに生活していました。
だけど、『クーキー』を見て、かつて一緒に遊んでいた玩具達を思い出して・・・今はもう手元にない彼らに、心の中で「ありがとう」って言いました。
そして、時々は、思い出してあげたいなぁとも。
映画『クーキー』、色々なポイントでキュンとくる作品でした。
なので、なんだか、とっても久しぶりの映画鑑賞記。
書きたい感想は色々溜まっているのですが、まずはやっぱり、この映画の感想を!!
映画『クーキー』です。
大阪での公開初日、9月12日の朝一番に鑑賞し、その後も、リピーターしたりしていたのですが、感想を書くのが遅くなってしまいました。
そう、この日記に時々、写真で登場しているぬいぐるみクーキー。
彼が主人公の映画です。
とにかく、凄く面白くて、感動して・・・!
まだまだリピーターしたいくらい、大好きな映画になっちゃいました。
■映画『クーキー』予告編
2010年のチェコの映画。
主人公は、クーキーという名前の赤いテディベア。
実写とぬいぐるみで撮影された、独特な世界観の作品で、本国チェコでは、『トイ・ストーリー3』を上回る人気だったとのことです。
という訳で、『クーキー』のあらすじですが。
クーキーは、もう古くなってボロボロだけど、少年・オンドラの一番のお気に入りのぬいぐるみ。
でも、古くてボロボロのぬいぐるみは、喘息持ちのオンドラに良くない・・・と言って、お母さんがクーキーを捨ててしまうのですよ。
ゴミ箱から、ゴミ収集車に乗せられ、クーキーは、街から遠く離れたゴミ捨て場に運ばれます。
たくさんのゴミの山に埋もれるクーキー。
そんな彼をショベルカーが轢き潰しそうになった、まさに、その瞬間!!
クーキーは、ひょっこり起き上がります。
そして、ショベルカーのタイヤから逃れ、ゴミ捨て場から出て行こうとするのでした。
しかし、そこに、ゴミのペットボトルで出来たゴミ男や、ビニール袋達が、クーキーの邪魔をします。
「ゴミの脱走は許されない!」
そう言うゴミ男達を振り切り、なんとか、ゴミ捨て場を脱出!
真っ暗な森に逃げ込むのでした。
こうしてクーキーは、森に住む不思議な生き物に助けられながら、愛するオンドラの待つお家に帰ろうとするのです。
けれども、森の中では危険がいっぱい!
次期村長の座をめぐる陰謀に巻き込まれたり、はたまた、ゴミ捨て場からは、ゴミ男がクーキーを連れ戻そうと執拗にに追って来ます。
そんな奴らと、時には激しいカーチェイスを繰り広げたり、悪事に利用されそうになった鳥の卵を守ったりと、色んな経験を積みながら、世間知らずだったクーキーは成長していくのでした。
果たして、クーキーは、大好きなオンドラの元に帰ることが出来るのでしょうか??
・・・というお話です。
とにかく、ぬいぐるみ好きな私は、めちゃめちゃツボっちゃいまして。
もう、感涙感涙、わたし的には『レ・ミゼラブル』を見た時以上にポロポロ泣いて・・・鑑賞後も涙が止まりませんでした(;_;)
もう、とにかく、頑張って頑張って、お家に帰ろうとする健気なクーキーが愛おしくてタマらないのです!!
で。
「捨てられたぬいぐるみが、色々な冒険をしながら、持ち主の男の子の元へ帰ろうとする話」・・・とだけ聞くと、『トイ・ストーリー』みたいな夢と冒険の物語・・・を連想してしまいますが。
『クーキー』は、ちょっと違います。
まず、彼が冒険する森も、暗くて不気味な雰囲気。そして虫だらけ。
そこに住んでいる、森の神様や不思議な生き物たちも、茶色っぽい色で、不気味な形をしてて、その身体には虫が這いまわっていたり・・・で。
そう、森の雰囲気や生き物達は、ちょっと『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』みたいな感じ・・・というとイメージが付きやすいかな?
見ていて、「怖い」印象です。
しかも、森の生き物達の会話は、どことなく、ちょっとズレてて、話が通じなかったりするし。
とりあえず、助けてくれた村長さんも、最初はクーキーの事、突き放しちゃうし。
必死にお家に帰ろう、帰ろうとしているクーキーに、皆、どこか冷たい。
っていうか、結構、皆、自分勝手(笑)
そんな中、クーキーだけが頑張ってる姿が、かなり切ないのです。
どことなく理不尽さを感じてしまう、なんとも言えない、この切なさ。
単に、明るく楽しいアニメでは無い・・・という、これが東欧の感性なのでしょうかね?
全然違うお話ではありますが、こういう切ない感じ、ソ連時代の『チェブラーシカ』とも、雰囲気が似てる気がしました。
だけど、クーキーは負けない!
大好きなオンドラの為に頑張りますっ。
で。
私が思うに、クーキーは、これまで、お家の中でオンドラとだけ遊んできてて、外の世界を知らないのですよね。
だから、世間知らずで。
でも、そういう世間知らずな所があるからこそ、ピュアである・・・というか。
自分勝手だったり、狡猾だったり、意地悪だったりする、森の生き物たちの中で、クーキーのピュアさが凄く際立ってました。
そして、弱虫なんだけど、勇敢というか。
打算無しに、鳥の卵を守ろうとしていたのも、クーキーだけですよね。
世間知らずな分、純真で、そして、勇気があって・・・。
そんな風に、森の中でクーキーが勇者なのは、きっと、オンドラの中でもクーキーがヒーローだったからじゃないかなぁと思いました。
映画を見ていて、私も、オンドラと一緒に、「クーキー頑張れ! クーキー頑張れっ!!」って応援したくなりましたよ。
そしてそして。
何とも言えないヘンテコリンな森の生き物達や、渦巻く陰謀。
執拗に追ってくるゴミ男。
現村長を排斥し、次期村長になろうと目論むアヌシュカの悪事に巻き込まれてしまったクーキーは、必死でピンチを切り抜けます。
文字通り右も左も分からない外の世界で、やがて、左右を学び、そして、字や地図が読めるようにもなっていきます。
そうそう、個人的には、クーキーが、「X」の文字の事を「ハサミ」と言ったり、「こういうの!」って、両腕をクロスしてみせる姿とか、凄く好きでした。可愛い!
あっ、敵に見つかりそうになったら、ガクガク震えながらも、葉っぱを頭に乗せて身を隠す術も学びましたよね(^m^)
どんどん成長していくクーキー。
君は、へなちょこなんかじゃない! なかなかに根性の座った、かっこいいヤツです(≧▽≦)
それから、何と言っても、この物語の最大の見せ場は、ぬいぐるみ達が繰り広げる、大迫力のカーチェイスです。
大きな改造車。
車同士の激突シーン。
ぶつかって空を舞う車に、炎を吹く車!!
死闘と言っても過言ではない、この、カーアクション。演じてるのは、ぬいぐるみ達というのが、もうサイコーですっ。
巷では、『マッドマックス 怒りのデスロード』に似ていると評判のようですが、残念ながら、私、『マッドマックス 怒りのデスロード』は、見に行くつもりでいて、行けなかったのですよね(>_<)
うう。
悔しい。
こんなことなら、ちゃんと見に行っておけば良かったです。
でも、『マッドマックス』の予告編は、映画館で何度も見ました。
確かに、物凄い改造車が出て来てたり、車同士の激しいデッドヒートがあったりで、『クーキー』のあのシーンと似ているかも(^m^)
これは、DVD化されたら、『マッドマックス 怒りのデスロード』も見なきゃ・・・ですね(^^)b
おっと、話が逸れてしまいましたが。
実写とぬいぐるみを使って、こんな凄いカーアクションも撮れちゃうんだなぁという、見所&感動ポイントのご紹介でした(笑)
・・・と、まあ、こんな感じで、森の中でバトルったり、時には、敵に捕まって囚われの身になったり、中の詰め物が無くなって動けなくなる(ぬいぐるみですから)ピンチを経験したり・・・と、世間知らずなクーキーが怒涛の冒険をするわけです。
そして。
クーキーの冒険が、オンドラの実生活と時々リンクしているシーンも好きですね。
携帯電話のシーンは特に好きだけど、切なくもありました。
こんなに必死にクーキーが、オンドラに伝えようとしているのに、伝わらない・・・!!
うう、哀しい。
また、クーキーがピンチな時は、オンドラも喘息でピンチだったりもします。
そんな、このクーキーの冒険・・・子供の空想のように、どことなく唐突な展開があったり、整合性がなかったりすることもあるのですが・・・それは、この物語自体が、オンドラの思い描いたお話だから・・・なのでしょうね。
うん。
冷静に考えると、冒頭で、オンドラがお外のゴミ箱からクーキーを拾って、ベッドに戻るシーン。
あれが、現実だったんだろうなぁと思うのですよ。
でも、オンドラが朝起きたら、クーキーは居なくなってた。
やっぱり、クーキーは捨てられたんだ・・・と落ち込み、クーキーが居なくなったことで、ずっと塞ぎ込んでいるオンドラ。
その時、クーキーは、森で必死に冒険中。
・・・なのですが、多分、オンドラが拾ってきたクーキーは、ベッドの裏側に落ちて見つからなくなってただけなんだろうなぁって。
なので、あの物語は、少年の空想・・・。
と思いきや。
いやいや、いやいや。
じゃあ、どうして、クーキーのお腹から、鳥の羽が出て来たのか・・・・・(^m^)??
空想のお話のようでもあり、実は、本当にあったお話のようでもあり。
どちらとも取れる結末・・・。
私は好きですよ。
現実的な考え方をするのも良いけど・・・私は、やっぱり、あのお話は、本当にあったことだと信じたいです。
クーキーに命が宿って、森で凄い冒険をして、オンドラの元に帰って来た・・・。
そしたら、わたし的には、凄く寂しいと思った、ラストのオンドラの「あの」行動も、ハッピーエンドだと思えるから。
だから、私は、クーキーの冒険は「本当にあったこと」だと思うようにしています(;_;)
それにしても、この『クーキー』という映画、ぬいぐるみの冒険の物語ではなく、もっともっと深い・・・というか。
見ていて、色々なことを考えさせられる作品でした。
クーキーの冒険以外で印象に残った事と言えば。
冒頭に出て来る、あの、ゴミの山なゴミ捨て場と、お掃除をしながら、壊れた玩具をポンポンとゴミ袋
に捨てていくお母さんの姿。そして、車がいっぱい止まったスーパーマーケットと、カートに色々買い物を積んでいるお母さん。
多分、私達は、沢山の物を買って、消費して、そして、ゴミを出しているのかもしれないなぁって。
あのゴミ捨て場で、クーキーに、「ゴミの脱出は禁止されている」と言った、ペットボトルで出来たゴミ男。
彼だって、かつては、ペットボトルとして、その使命を果たし、誰かにとって必要なものであった訳ですよね。
ビニール袋だって。かつては、何かに使われていた物だったはず。
でも、捨てられたら、もう、誰からも必要とされない、ただのゴミ。
そう考えると、あのゴミの山や、ゴミ男達も、ちょっと不憫です。
もしかしたら、ゴミ男が執拗にクーキーを連れ戻そうとしていたのは・・・。見るからに「ゴミ」な姿の彼が、見た目はちゃんとぬいぐるみで「帰る場所」のあるクーキーに対して、嫉妬していたからなのかなぁとも思えました。
もちろん、今の生活スタイルの中で、「ゴミを出さずに生活する」というのは不可能なこと。
生活している以上、ゴミは出ます。
でも、出来るだけ、リサイクルに回すようにして、あのペットボトルのゴミ男君のような存在は作らないようにしてあげたいなぁと思いました。
そしてそして。
やっぱり、ぬいぐるみと実写での撮影・・・というのが、実に興味深かったです。
ぬいぐるみのクーキーなんだけど、森の中では、生き生きと動いてて、同じ顔なはずなのに、表情があるように見えるのですよね。
それでいて、ぬいぐるみとしてオンドラと一緒に居る時には、ただのぬいぐるみという無機物感がある。
このギャップが面白かったです。
これがCGとかだったら、ぬいぐるみに表情があって当たり前だし、人間と一緒にいる時は、「ただじっとしているだけ」っていう風にしか見えないと思います。
それから、クーキーを通して見られる、オンドラの成長。
物語の冒頭では、喘息のお薬の吸引をお母さんにやって貰っていたのに、物語終盤では、ちゃんと自分でやるようになってましたし。
明らかに、オンドラは成長して行ってました。
こうやって、子供は少しずつ成長して、やがて、大人になって行きます。
そして、大人になると、自然と玩具からは卒業していく・・・。
私も子供の頃は、色々な玩具を買って貰ってました。
中には、お気に入りだったのに、親に勝手に捨てられたものもあれば、自然と卒業して手放したものもあり・・・。大人になった今では、幼少期の時の玩具なんて、なにも残ってないのでは?と思います。
でも、それを想うと、ちょっと悲しいような、切ないような。
あんに大好きで、いっぱいいっぱい遊んだ玩具だったのになぁ・・・って。
きっと、これは、誰しもが体験したことなのでしょうが、大人になると、あまりそういうことも考えずに生活していました。
だけど、『クーキー』を見て、かつて一緒に遊んでいた玩具達を思い出して・・・今はもう手元にない彼らに、心の中で「ありがとう」って言いました。
そして、時々は、思い出してあげたいなぁとも。
映画『クーキー』、色々なポイントでキュンとくる作品でした。