★ベルの徒然なるままに★

映画、ゲーム、アニメ、小説、漫画・・・管理人ベルの、大好きな物をいっぱい集めた徒然日記です。

映画『本能寺ホテル』

2017年02月02日 | 映画鑑賞記
今日は、先日見た、映画『本能寺ホテル』の感想を♪

予告編を見た時から、面白そうって思ってて。
とても楽しみにしていました。
なんとなく、予告編の雰囲気や、キャストから、『プリンセス トヨトミ』っぽいなぁと思っていたのですが、キャストもスタッフも、『プリンセス トヨトミ』のメンバーが多いのですね。


■映画『本能寺ホテル』予告編



婚約者の両親に挨拶する為に、東京から京都にやってきた、ヒロインの繭子。
ちゃんとホテルに宿泊の予約を入れていたつもりが、日にちを間違えて予約を入れいたため、宿泊できず。
新たな宿を探すものの、どこのホテルも満室で、泊まる場所が見つからない。
そんな時、ふと、目に入った、京都の裏路地にある「本能寺ホテル」。
とてもレトロな建築の建物に、引き寄せられるように入っていった彼女。そして、そこには、空室があり、無事、宿も確保。
チェックインの手続きをし、キーを受け取り、自分の部屋に向かうために、エレベーターに乗り込んだら・・・。
着いた先は、なんと、戦国時代の本能寺!
そこで、彼女は織田信長や森蘭丸と出逢います。しかも、信長を怒らせてしまって、信長に斬られかけ、あわや!という所で、気が付いたら、そこは再びホテルのエレベーターの中。
そして、その後も彼女は、ホテルのエレベーターから戦国時代に行き来を繰り返し、信長とも親しくなっていくのでした。
そして、自分が訪れている時が、「本能寺の変」の1日前であることに気が付きます。
現代では、婚約者が、着々と結婚の準備を進めている中、彼女は、もうそれどころではなくなってしまい。
なんとか、本能寺の変のことを信長に伝え、謀反から彼を救おうと試みるのでした。


・・・という、お話。

タイムスリップもの・・・というか、現代と織田信長のいる時代とを行ったり来たりする~という展開。
そして、戦国時代に繋がっているのは、ホテルのエレベーター。
ちょっと違いますが、『テルマエ・ロマエ』のルシウスがお風呂場から現代日本にタイムスリップするのを思い出しちゃったです(^m^)笑

古都・京都。
「本能寺」と名の付く、レトロ建築なホテル。
信長の時代から続いている味の金平糖。
そして、信長の物だったのかもしれない・・・という異国のオルゴール。

これらの条件が全て揃った時、エレベーターは、タイムマシンになる!

とても浪漫だなぁと思いました。

そして、繭子の意志に関わらず、ホテルの受付カウンターにあるベルが鳴ると、強制的に現代に引き戻されるっていうのも面白い!!
更に、戻って来た時の彼女の状況も、また面白かったです。

タイムトラベルものというファンタジーなのですが、古都が舞台だからでしょうか・・・なんだか、京都のどこかに、本当に戦国時代と繋がっている扉があるのかも!と思えてしまいました。

そしてそして、自分のよく知っている場所が登場するのも、親近感を持てましたです。

そうそう、柳小路もロケ地だったのですね。
私、つい先日、柳小路のお店に行ったトコだったのですが・・・映画では気が付かなかったワ。

京都が舞台なので、いろんなシーン、シーンにも、いつも以上に注目しちゃったのですが、もちろん、登場人物も、とても魅力的で良かったです。


やっぱり、興味深かったのは、ヒロインの繭子です。

彼女は、婚約者といる時は、とても大人しい、自己主張のない女性で。
結婚式場もウエディングドレスの事も、全部、婚約者の決めるがままで・・・自分の意見や希望も全く言わないのですよね。
かといって、全く「自分が無い」という訳ではなくって。
1人で京都の街を散策している時は、自由気ままに、そして楽しそうで。
なので、私、映画の最初から、
「もしかして、彼女は、この結婚を本心から望んでいるのではないのかな?」
って感じていました・・・。
なんか、婚約者といるより、1人で京都の街を散策している時の方が、彼女、ずっと楽しそうじゃんって。

でも、戦国時代に行くと、彼女は変化します。

現代では、婚約者にすら、自己主張しない彼女が、目の前に居る織田信長を堂々と批判したり。
初対面の森蘭丸とも、臆することなく、すぐに打ち解けてましたし。

いきなり戦国時代にタイムスリップするという、とんでもないことが身に起こっているのに、それをパニくらず、すんなり受け入れちゃう、彼女の天然さ・・・あるいは、強さ・・・かな?
そういう所が、とても好きでした。
それだけに、現代に戻ると、あまり自己主張をしない大人しい女性になってしまうのが、寂しくて。
現代という時代は、繭子にとって、生き辛かったのかな?
もしくは、自分のことを誰も知らない、戦国時代だからこそ、何にも囚われず、自由にありのままの自分でいられたのかなぁ?とも、思えちゃいました。
それくらい、戦国時代に居る時の方が、とても活き活きとしているのですよね。
その、現代と戦国時代での、綾瀬はるかちゃんの繭子の演じ分け、良かったです。

そして、自分がタイムスリップしたのが、本能寺の変の1日前ということを知り。
歴史が変わってもいいから、親しくなった信長を救ってあげようと、その事実を伝える行動力も凄かったです。
これが、本当の繭子なんだなぁって。
本当は彼女は、自己主張しない、(男性から見て)奥ゆかしい女性などではなく、とても行動的で、時の為政者相手でも臆さない、勇気ある強い女性だったのですよね。

正直、物語冒頭の現代での繭子は、とても良い子なんだけど、あまり好きなタイプの女性では無かったのです。でも、戦国時代での繭子、そして、戦国時代での経験を通して、どんどん成長していく繭子は、大好きでした。

一方、織田信長も良かったです。

最初は、家臣たちからも怖がられている存在だったのに。
繭子と出逢うことによって、昔の、ただただ、天下統一により太平の世を作ることだけを目標にしていた自分を思い出すのですよね。
そのことによって、家臣たちから恐れらるだけの存在から、再び、慕われる存在になり。
家臣も笑顔になる。

そして。

繭子が伝えた、明智光秀の謀反のことも・・・。

彼女が落として行ったチラシから、ずっとずっと先の未来を想い、この未来を守るには、歴史を変えてはいけないと思って、敢えて、歴史通りに自分の人生の幕を下ろす。

自分の命よりも、もっと価値のあるものと判断したのでしょうね。私達の生きる、この現代の世が。未来が。
ラストシーンの燃え盛る本能寺のシーン、そして、信長、とてもカッコ良かったです。
人間味があり、親しみ易い信長でしたね。

あっ。
そうそう。
森蘭丸が、イメージと違って(失礼!)、かな~りお茶目だったのにも、ウケました(^m^)

歴史として伝わっている事柄と、事実。。。。実は、こんな感じでギャップがあるのかも、と思うと面白かったです。


そして。
繭子の将来の選択は、予想通りな感じでしたが、でも、良いラストだったと思います。

ユニークで面白いタイムスリップ歴史物でした。
本能寺の変って、色々と謎も多いですし。それに纏わる、こういう作品は、本当に面白いです(*^^*)