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映画『22年目の告白―私が殺人犯です―』

2017年06月16日 | 映画鑑賞記
今日は、一昨日見ました、映画『22年目の告白―私が殺人犯です―』の感想を。

この作品、韓国映画『殺人の告白』の日本リメイク版なのですね。
その映画を知らなくて、全くの前知識なしで見たので、途中からとっても衝撃でした。
面白かったです。

■映画『22年目の告白―私が殺人犯です―』予告編



どんな物語とか言いますと。

今から22年前。
1995年。

東京で、連続絞殺事件が発生します。
被害者の数、5人。
被害者の家族など、最も近しい間柄の人物の目の前でパフォーマンスのように殺していくという極めて残虐な手口。

しかし、犯人逮捕に至らないまま、時効を迎えてしまうのでした。

時効が経過して7年後。
突然、その事件の犯人を名乗る「曽根崎」という人物が、事件の真相を描いた手記を出版し、世間に顔を晒して現われます。

しかも、若くて美男だったために、世間は大フィーバー。

たちまち本はベストセラー。
若い女性からは熱狂的な支持を受け、さながら、アイドルのように持て囃される曽根崎。
もちろん、その一方で、出版社を含め、彼を糾弾する抗議活動が行われたり、彼を殺そうとする若い暴力団員、徹底的に取材をしたいと使命感に燃えるベテランのジャーナリスト、そして、それら全ての状況を苦しい想いで見ている被害者遺族・・・などなど、日本全体が、22年前の美しい殺人犯に翻弄されるのでした。

そんな曽根崎フィーバーの最中、ネットに「彼は偽物だ。自分こそが真犯人だ」という投稿がなされ、益々、世間の注目を集めていきます。

果たして、美しい殺人犯は本当に22年前の犯人なのか?
彼は、なぜ今更、世間に登場してきたのか?

・・・なミステリーです。


かつて世間を震撼させた殺人事件の犯人が、何十年も経ってから告白本を出版する・・・。

数年前に実際にあった出来事を思い出し、妙な現実味を感じる一方で、でも、現実だとペンネームで出版、顔出しは無しでしょうし・・・この作品の様に、堂々と顔を晒し、本名(?)で現れるなんてありえない、というやり過ぎ感も感じたのですが、面白かったです。

現実だったら、例えどんなにイケメンでも、倫理面や安全面で、記者会見会場やサイン会なんかの場所も提供されないでしょうし、彼のお顔がLINEスタンプになったり、ポスターやら等身大パネルやらが書店にベカベカ飾られたりっていうのも有り得ない・・・とは思ったのですが。

いやいや、「話題になる」、「儲かる」と判断されたらゲスいことだって成り立っちゃう、今のこの世の中。

「もしかしたら、こんなことも有りうるのかも?」と思わせ、惹きつけられるものを、この作品に感じました。

「初めまして。私が殺人犯です」
と登場する、若くて美しい殺人犯を演じるのは、藤原竜也くん。
彼のファンには、なかなかにタマらない作品だったのではないでしょうか?(*^^*)

そして、22年前と言えば、思い出すのは、やはり阪神淡路大震災。
その当時に実際に起こった出来事を絡めて描いているところも、興味深ったです。

前半は、かなりのやり過ぎ感を感じる演出で、殺人犯が世間を翻弄していく様子が描かれます。
そして、後半は、22年前の事件の真相に迫っていく・・・という構成で、ミステリです。

私は、原作となった韓国映画を知らなかったので、中盤で明かされる真実は、かなりの衝撃でした。

が、でも、後から考えてみると、ちゃんと真相が推理できるように、冒頭から映像の要所要所ヒントがあったと思います。
ちゃんと考えてたら、推理出来たのかも~。

てか。
まず真っ先に思うのは、自らを殺人犯と名乗る曽根崎は、本当に犯人なのか?ってポイントですよね。

あまりにもド派手なパフォーマンス故に、犯人を騙っている偽物なのでは?という疑いは拭えませんでした。
がしかし!!
がしかし、ですよ。

その殺人犯を演じるのは、藤原竜也くん。

彼がゲスい犯人を演じた『藁の楯』という映画も記憶に新しいですし・・・。彼なら、殺人犯の役をやってもおかしくはない!という変な先入観も手伝って(笑)、一生懸命、推理しようとしなかったです、私(^^;;
殺人者なのに、熱狂的な信者に支持されるというのは、ちょっと『デスノート』のキラをも思い出しました。
てか、曽根崎は、若い女性達から「ソネ様」と呼ばれ、信望されるのですが、なんか「キラ様」みたいですよね(^m^)

という訳で、ここからは【微ネタバレ】感想になりますので、未鑑賞の方は、お気を付けくださいね。


【微ネタバレ感想】

 ▽

 ▽

 ▽

まあ、冷静に考えたら、ここまでド派手なパフォーマンスをするとしたら、それは、まず偽物ですよね。

では、なぜ、わざわざ、自ら殺人犯なんて名乗りを上げて、熱狂的なフィーバーの反面、大バッシングを喰らい、時には、命を狙われることもあるのに、こんなことをしたのか???

真相が分かると、冒頭の映像で「???」と思ったことも、納得がいくのですよね。

冒頭で、バスローブを脱いだ曽根崎の裸が映るのですが、その身体が全身手術をしたかのような傷だらけだったり。
また、暴力団や、被害者遺族に殺されかける曽根崎を、自らも被害者遺族である主人公の刑事・牧村が身を挺して守ろうとしたり。
「憎む気持ちは分かるけど、彼を殺して自分が殺人犯になってはいけない!」っていう説得は、確かに、刑事らしい言葉と言えば、そうなのですが。でも、22年前に、一度は取り押さえたその犯人を取り逃がし、上司を目の前で殺された刑事の台詞としては、ちょっと冷静過ぎる気もして、違和感を感じていたのですよ。

そしてそして、牧村の妹とその婚約者の存在。
阪神淡路大震災で住む所を失い、牧村のアパートに身を寄せていた、妹とその婚約者は、冒頭には出て来ず、意味深に写真だけ出て来てて。確かに、「彼らは今、どうしているんだろう?」っていう謎はありました。

物語中盤で明かされる、牧村の妹の行方不明事件。その婚約者の自殺。

これが明かされた段階で、即、真相に気付くべきだったのですよね。

いやはや、私はすっかり騙されました。
なので、真相が分かった時は、凄い衝撃で、面白かったです。

とはいえ、曽根崎の正体とその目的が分かったとなると・・・。
22年前の真犯人は、すぐに見当が付きました(^^;;

出演者である俳優さん的に、あと、有名な御方は・・・?と思うと怪しく感じるのもそうですが。
紛失した密着取材用の地図。
曽根崎に対する態度。

などなどから、ね(^m^)



本当にすべての俳優さん達の熱演が、凄かったです。

最後まで緊張感のあるエンターテイメントだったと思います。面白かったです~っ。