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1893年のホテルを舞台にしたサスペンス。
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一昨日観てきました、映画『THE BATMAN ーザ・バットマンー』の感想を。
お馴染み、バットマンシリーズの最新作。
表の顔は、大富豪で著名な慈善家、しかし、夜になると黒いマスクと衣装とマントに身を包み、ゴッサム・シティの犯罪者達と戦うバットマンとなるブルース・ウェイン。
連続猟奇事件と、その現場に残された暗号を追っていく内に、政府の陰謀だけでなく、ブルースが幼い頃に彼の目の前で殺害された両親の秘密に辿り着き・・・。
というストーリーです。
■映画『THE BATMAN-ザ・バットマン-』予告編
176分と、かなり長めの作品でしたが、作品世界に没頭していたので、あまり長さは感じませんでした。
とにかく、ダークで怖かったです。
作品全体を通して、暗い闇のような画面、重苦しい音楽・・・まるで、バットマンの内面を映すかのようでした。その中で時々流れる、『アヴェ・マリア』の旋律がホラー感を高めます。
そして、権力者ばかりを狙った連続猟奇殺人事件。現場に残された暗号。
ちょっと『ゾディアック』を想起させる怖さがありました。
でも、警察が頭を抱える暗号をスラスラと解いていくバットマンが、めちゃカッコ良くて!!
ロバート・パティンソン演じるバットマンが、ダークでありつつも美しくて素敵でした。
ところで、あのナゾナゾって、ちゃんと考えたら解けるのかな?
爆弾のシーンのナゾナゾタイムアタック、私、真剣に考えてみたのですが、バットマンが瞬時に答えていっちゃう(笑)
数々の暗号を追っていく内に、バットマン・・・ブルース自身の過去、両親の過去に辿り着いていくという展開が面白かったです。
ブルースが抱える抜け出せない苦悩を、更に追い詰めてくるリドラーの手口が、これまた怖い。
でも、執事さん、助かって良かった・・・ε-(´∀`*)ホッ
そしてそして、キャットウーマンとのほんのりLOVEなテイストも良かったです。(個人的には、今回のキャットウーマンのマスクに「???」だったのですが。。。)
ラストのリドラーの独白は、少し切なくもありました。
『ジョーカー』の時も強く感じた、ゴッサム・シティにおける大きな貧富の格差。
リドラーが孤児院について触れてましたが、孤児だけでなく、弱者はとことん踏みつけられている世界。
一方、富める者や権力を持った者は、時にその弱者を食い物にしながら、どんどん豊かになって行く。
そして、弱者も、権力者も、犯罪に手を染めざるを得なっていく。
ゴッサム・シティの闇なのですね・・・。
連続殺人事件や謎解きなど、推理物テイストが強く、そして、ホラー色もあり、ミステリ好きにはタマらないストーリーでした。
美しくダークに苦悩するバットマンも素敵!!
昨日のブログにも書きました通り、昨夜は豪華なナイル川クルーズに乗船してきました。
もとい、見てきました、映画『ナイル殺人事件』。
本来なら2020年の12月に公開予定の作品だったのですよね。随分、長いこと待ちましたが、やっと鑑賞出来たこと、嬉しいです。
富豪たちが集うナイル川遊覧の豪華客船の中で起こる連続殺人事件。
最初の被害者は、新婚の大富豪リネット。
彼女は親友のジャクリーンの婚約者を奪って結婚したたため、ジャクリーンから酷く恨まれ、結婚式や新婚旅行先にまで付き纏い行為をされ悩んでいました。
そんな中で起こった事件故に、真っ先に疑われたのはジャクリーンでしたが、彼女には完全なアリバイがあり。
そして、水上という密室において、第二、第三の殺人が起こっていく・・・。
というストーリー。連続殺人&クローズトサークルものなミステリーです。
■映画『ナイル殺人事件』予告編
とにかく美しい映像に圧倒されました。
エジプトの風景、ピラミッド、ナイル川、豪華な遊覧船、そして、そこに集う富豪たち。
あの時代のお金持ちの人達の贅沢な世界がうっとりする程に綺麗でした。
そんな美しい背景を舞台にして起こるからこそ、事件の愛憎というか、人間のドロドロさが際立ち、推理物でありつつも、濃厚な人間ドラマでもあったと思います。
また、このシリーズのポアロは、前作の『オリエント急行殺人事件』の時も感じましたが、とても人間臭い人物になっています。
特に今回は、若き日のポアロが従軍していたことや、婚約者を戦争で亡くしたことなど、原作にはなかったオリジナルエピソードが加わっています。
そして、それらの過去が、彼のトレードマークである「ヒゲ」の由来であったり、また、婚約者を失った心の傷が、現在の彼の人間性を造り上げたということになっていて、ポアロの過去や内面まで描かれていました。
わたし個人的には、「オリジナルエピソードって要る?」って思ってしまったり、また、ポアロがラストシーンに、婚約者を亡くした呪縛から解き放たれ、ヒゲを剃った姿で登場することについても、「ポアロにヒゲを剃って欲しくなかったなぁ」と思ってしまったりしましたが。
でも、そういうポアロの深い内面を描くことで、この物語を、単なる推理物で終わらせず、人間ドラマにも仕上げ、作品のテーマでもある「愛」をポアロ自身の中に映し出そうとしているのかなぁと思いました。
本当に、船の上に集う人達の、良きも悪きも、色々な形の愛が渦巻いてて、その濃密な空気にあてられそうなくらい、一人一人の役者さんの演技も圧巻でした。
そんな訳で、最初の事件が起こるまでは、人間ドラマ中心のゆっくりした進行で、事件が起こってからはテンポ良く展開していったのではないでしょうか。
原作未読の方は、誰が犯人なのか推理しながら鑑賞するのも楽しいと思います。
水上という名の密室。
「船上にいる人達の中の誰かが犯人」というのは、とってもドキドキしますよね!
私は、高校生か大学生の頃、原作の『ナイルに死す』を読んでいまして。
ストーリーなど詳細はすっかり忘れてしまっていたのですが、映画を見ていると、犯人、思い出しちゃいました。
失った過去の愛、未練として残る愛、犯罪を犯すほどの愛、人に知られたくない愛、親子の愛、純粋な恋愛、色々な愛を目の当たりにしたからか、自分も、登場人物と一緒に豪華客船に乗り、共に旅をし、旅を終え、下船していった・・・と気持ちになり、いつまでも余韻が残りました。