ひとり気ままに

バツイチ女のひとりごと。離婚した人も、離婚を考えている人も、そしてこれから結婚する人も、「気ままな話」を聞いてください。

【本】 最後の恋

2015-02-01 12:37:49 | 本と雑誌
最後の恋―つまり、自分史上最高の恋。 (新潮文庫)
阿川 佐和子,沢村 凜,三浦 しをん,柴田 よしき,乃南 アサ,谷村 志穂,角田 光代,松尾 由美
新潮社

8人の女性作家が書いた短編小説。

「自分史上最高の恋」ってこんなものなのかしら。

8編の小説それぞれが自分とダブっていろいろなことを考えた。

「所詮小説なのよ」と思いながら。

それでも泣けてしまった小説もある。

自分も「恋」してきたのだな。と思いながら。

でも、乃南アサさんの「キープ」を読んではっと思った。

私「恋」したことないかも。

そして、最後の角田光代さんの「おかえりなさい」でまた泣いた。

この1編だけが男性が主人公だった。

離婚はちょっとしたすれ違いでおきてしまう。

結婚した時は同じこと考えていただろうに。

離婚届に名前を書いたあの時を思い出した。

婚姻届と色だけが違うあの紙。

 

この年になってまじめに考える

「恋」て何だろう。ドキドキする気持ちなのか。

「愛」って何だろう。相手をやさしく包む気持ちなのか。

「情」って何だろう。相手の気持ちを受け入れる感情なのか。

 

大人の恋愛には駆け引きがある。

相手とも自分とも。

そんな駆け引きがなくなれば、私にも「最後の恋」がやってくるかもしれない。

自分が恋愛小説を読めるようになっただけ、素直になったと思っているが、どうかな。

 

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【本】 娚の一生(おとこのいっしょう)

2015-01-24 20:10:48 | 本と雑誌

映画館で予告を見てちょっと気になった。公開は2月14日。

もともとは西 炯子さんのコミック。

娚の一生(1) (フラワーコミックスα)
西炯子
小学館

映画の脚本は斎藤ひろしさんが書いている。

それを高瀬ゆのかさんが書き下ろしたノベライズ作品。

娚の一生 (小学館文庫)
高瀬 ゆのか,西 炯子,斉藤 ひろし
小学館

恋愛をあきらめていた52歳の大学教授と、不倫から逃げてきた元OLの恋ばな。

映画では、この大学教授を豊川悦司が演じる。

本を読みながら、想像の世界では主人公のつぐみは私。

単純な恋愛小説である。登場人物も少ない。

でも、私の中には引っかかるものがあって最後にほろり。

 

原作となったコミックが気になって、アマゾンを覗いた。

カスタマーレビューに★ひとつつけた人のコメントに笑ってしまった。

「現実の50過ぎの男のパンいち姿なんて、ヨボヨボダルダルで見れたもんじゃないでしょう。」

この子いくつなんだろうね。

コミックの読者だから若い子だろうね。

おまけに52歳をおじいちゃんと呼んでいる。

 

今の50代はモテモテらしい。

生き方に余裕があるって。

でもこんな素直な恋愛ができるかしら。

できたらいいよね。

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【本】 運を呼び込む 神様ごはん

2015-01-17 19:17:44 | 本と雑誌
運を呼び込む 神様ごはん
開運料理人 ちこ
サンクチュアリ出版

食事を作る、食事をいただくことの意味を再確認した本です。

「食べ方を変えれば生き方が変わる」

栄養のバランスを取ってとかの話ではなく、神様がいる台所で作った御飯は「おなかがふくれた」「味がおいしい」というのとは少し違って心が満たされる御飯だということです。

昔から台所にも神様はいます。お正月にはかまどや水回りに輪飾りを飾りますよね。

まずは台所をきれいにして、神様をよびましょうから話は始まります。

 

食べることに対して関心のない私ですが、小さいころから料理本が大好きでした。

結婚しているときも主人に「料理本買い集めるのが趣味なの?」と言われました。

主人も調理人でした。

つまり、関心がないのではなく、実は一番関心があることなのだと思います。

 

でも料理が好きではありません。なぜなら、おいしい料理が作れないからです。

いや、美味しい、美味しくないがわからない味音痴なのです。

ところがこの本を読んで料理を作る時に一番大事なことを忘れていることに気がつきました。

それは気持ちを込めること。感謝すること。

 

本で言っていることは当たり前のことです。

当たり前すぎて忘れてしまっていることなのかもしれません。

食事の前の「いただきます」は正式には

「天地の恵み 箸を高く捧げて いただきます (あまつちのめぐみ はしをたかくささげて いただきます)」

最近の私はまったく感謝が出来ていません。

食べただけで幸せになるような「神様ごはん」を作れるようになりたいですね。

 

作者は大阪府枚方市楠葉で「お食事ゆにわ」「べじらーめんゆにわ」「茶肆ゆにわ」を開いています。

一度食べに行ってみたいですね。生き方が変わった方が何人もいるそうです。

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【本】 グロテスク

2015-01-11 09:11:11 | 本と雑誌
グロテスク
桐野 夏生
文藝春秋

2003年に発刊された本。

たぶん、その年か翌年に会社の後輩から渡された。

「これ読みますか」

「あ、貸してくれる。でもなかなか読めないかな」

「私、読んだからあげますよ」

本をめくってびっくり。1ページが2段に分かれ、細かい字がびっしり印刷されている。

ページ数は536。

読み始めたが面白くなくってまったく進まない。もともと小説は苦手なのだ。

今までに3回くらいチャレンジしたが、最終的に196ページに栞がはさまっていた。

 

今回読むきっかけとなったのは「禁断の25時」を読んだ後、Webで「東電OL殺人事件」で検索するとこの本の名前が出てきた。

借りて10年経っても読み切ることのできない本。本棚の中の目立つ所に入れてあった。

すでに読んだ部分も忘れてしまっているので最初から読みなおした。

 

相変わらず読みにくい。なぜなら主人公に気持ちが入らない。私の中に無い気持ちを持っているからであろう。

それよりも娼婦になって殺されてしまった、妹のユリコや同級生の和恵(東電OLがモデルとなっている)の方がわかりやすい。

ただ、ここだけは主人公の気持ちがわかった。

Q学園での高校生活。お金持ちに着いていこうとすることも、勉強でトップになろうということもあきらめ、小学校からあがって大きい顔をしている人を鼻で笑っていたのに、自分が高校から大学に上がった時には、それをひけらかしていた。

ここに登場する人たちの多くが「他人にどうみられるか」ってことに心を奪われ、生きにくい人生を歩んでいるのだ。

男を好きでもなく、SEXも好きではない主人公。

男が嫌いで、SEXが好きな妹のユリコ。

男が好きで、SEXが嫌いな和恵。

最後は簡単で何かしっくりこない終わり方だった。

 

読み終わって、後輩が私にこの本をくれた理由がわかった。

当時の私は男が好きで、SEXが好きだった。

当時の年齢は38歳。殺されたユリコや和恵とほぼ同じ年。

「あなたはもう体を売る年ではないのよ。いつかは殺されるかも。すでにあなたは壊れているのだから」そんな警告をしたかったのだろうと思う。

当時、体を売っていたわけではない。

男に言わせれば「おばさんにお金など払えない」なのかもしれない。

 

10年以上が過ぎてこの本を読み終わって後輩に感謝が出来る。

たぶん、当時だったら何にもわからなかっただろう。

壊れていた私を救ってくれた人々に感謝する。

 

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【本】 東電OL禁断の25時

2015-01-10 15:00:18 | 本と雑誌
東電OL禁断の25時
酒井 あゆみ
アドレナライズ

今更ですが、amazonの電子本で「ぽちっ」としてしまいました。

この事件の事覚えていますか?

事件が起きたのは1997年3月そして、犯人として無期懲役判決を言い渡されていたネパール人の方が無罪だったと2012年11月に判決が下り、冤罪となった事件である。

この本は、被害者の東電OLの方と一時期同じホテトルで働いていた著者が彼女のことを知りたいと書いたノンフィクション作品。

 

この事件は、殺害のことよりも「エリート社員だった女性が、なぜ夜に体を売る仕事をしていたのか」が注目され、マスコミが騒いだ事件だった。

当時30歳の私。よく主人と話していた。

「裸で女性が首を絞められて死んだ理由はSMが過激になりすぎちゃったのよね」

この事件もその程度のことだと当時は思っていた。(殺害された時は裸ではありませんでした)

ただ、気になっていたこともあった。

当時、私はお金に困っていた。

主人の両親と同居していたので住む場所や食べるところがなくなるわけではないが、周りの人が思っているほど給料は良くなかったし、主人のわがままを聞いていたら借金はどんどん募る一方だった。

まあ、いざとなったら水商売をするか、手っ取り早くなら体を売ればいい。と真剣に考えていた。

だから、数年後の私なのかも。という思いがあった。

 

この本を読んでも、被害者がなぜこの道を選んだのかさっぱり分からない。

どういう経緯をたどったかはわかるが、被害者は死んでしまい彼女の思いはまったくわからない。

殺害された時は、ホテトルではなく街角に立つ売春婦だった。

水商売や体を張る商売には年齢もある。当時39歳の被害者はもう売春するしかなかったのかもしれない。

お金が目的ではなかっただろう。SEXがしたかったのでもないのだろう。

何かから解放されたかったのか、何かに拘束されたかったのか。

それとも疑似でも恋愛がしたかったのか。

 

ネットで検索すると、この事件にはいろいろなことが書いてあった。

被害者と被害者の父は東電で原発については反対の意見を持っていた。東電内部で何かあったのではないか。

事件は冤罪となった。それもつい最近。この冤罪のいきさつがおかしい。

被害者なのに、犯罪よりも被害者の経緯についてマスコミが騒ぎあげたことの不信感。

本当の犯人とは。

 

何だか奥の深い事件を見つけ出してしまう1冊になってしまった。

 

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