サックス吹きじゃないと、びっくりされるかも知れませんが、「タンポ」というのはサックスのキーの裏側に貼り付いている丸い合皮とメタリックの・・・ああ、上手く説明できないけど、要するに部品のこと。
今日はピットインで藤井郷子オーケストラ。日本で唯一のバーリトゥードオーケストラ(何でもありという意味)。いつもながらみんな酔っぱらい状態であの難解な拍子と音符の羅列を演奏するのだから、本番は当然のようにぐだぐだ、ぐしゃぐしゃですが(苦笑)。
隣でアルトの泉君も鼻に2本ティーンホイッスルをさし、口でサンバホイッスルを鳴らし・・・私があきれて見ていたら(もちろん本番中)「あ、さちさんもこれ吹いていいっすよ。」と鼻から一本をとって私に差し出す。「嫌よ(怒)。」と睨む。泉君はつまらなそうに「そうですかあ。ゲロゲロ~」と今度は人のソロの最中だろうが一向に構わない様子でホーミーの失敗したような奇声を発し出す(どんなバンドだ?)。本当にクレイジー(藤井郷子さんはメンバー紹介で「あほのサックス吹きです。」と一言で形容していたけど)。
泉「俺って、林栄一さんに似てる(サックスが)と思ってるんだけど、人に言っても『???』って顔するんですよ~。」
紗知「うん、1/1000ほどだけど、似ている音を出すよね。」
泉「ふふふ。紗知さんはわかってくれるんだなあ。」
紗知「・・・・。」
なんだかんだ言っても私は泉君のアルトの音が大好き。泣くような、うなるような、誰にも真似できないような音を出す。どんな楽器かと見るとボロボロのクランポンを使っている。
「俺、セルマーのアルト吹きたいんですよ~。でもお金ないし。このアルト、中古で7万だったんです。修理に8万かかったけど。ぼろぼろで、楽器屋にはこんな楽器、修理もできないので買い替えた方がいい。って言われちゃって・・・。修理に出すと嫌な顔されて『触りたくない』みたいに言われるし、掃除をしてくれって頼んだら断られました。」「どろどろって汚いものが一杯出て来そうだもんね~。わかるよ、楽器屋の気持ち。」「そ、そんな~(涙)。」
という会話を2日前のリハーサルでしたばかり。かく言う私も、昨日新年のご挨拶がてら楽器屋に行き、サックスを見てもらったら「紗知さんのソプラノサックス、上の方にゴミが詰まっていて・・・掃除しておきましたよ。」と言われてしまった。人の事をとやかく言えたもんじゃない(汗)。
1セット目ラストの曲で泉君のソロになった。いきなり立ち上がり、ギョオ~!と吹き出すと霧のように唾がびゅんびゅんと飛び散る。慌てて下に置いたコップに蓋をし、あ~、耳栓も持って来るんだったなあ、と思っていたらソロをとっていた泉君が「あ、タンポ・・・。楽器が壊れたア~。」
それでもなんとかソロを終えた泉君、椅子から立ち上がり客席に降りて行く。応急処置用にカウンターでごはんつぶをもらってステージにもどってきた(この間、もちろん演奏続行中w)。ニカッと笑ってごはんつぶを取れたタンポの接着面にぬりたくり、あまったごはんつぶはズボンのふくらはぎのところにこすりつけ、修理完了(汚)。「お~、よかった、よかった。」と喜んでサックスを試し吹きしている(もちろん、この時もまだラストの曲の最中、って一体どんなオーケストラだ?!)。
「大変だったね~。明日には楽器屋に持って行ったほうがいいよ。」
「いやあ、これで1週間くらいは持つでしょう。」
あんたね~、落ちたタンポも、よく見たら真っ黒けのガッチガチだったじゃん。タンポの寿命もとっくに終わっちゃってるよ。しかもごはんつぶでくっつけておいて何日も持つ訳ないじゃない!と私が怒っても仕方ないので何も言わなかったけど・・・。泉邦宏が綺麗なセルマーを吹いたら一体どんな音がするんだろう?
恐るべきクレイジーアルト奏者に乾杯 w。
泉邦宏のホームページ
今日はピットインで藤井郷子オーケストラ。日本で唯一のバーリトゥードオーケストラ(何でもありという意味)。いつもながらみんな酔っぱらい状態であの難解な拍子と音符の羅列を演奏するのだから、本番は当然のようにぐだぐだ、ぐしゃぐしゃですが(苦笑)。
隣でアルトの泉君も鼻に2本ティーンホイッスルをさし、口でサンバホイッスルを鳴らし・・・私があきれて見ていたら(もちろん本番中)「あ、さちさんもこれ吹いていいっすよ。」と鼻から一本をとって私に差し出す。「嫌よ(怒)。」と睨む。泉君はつまらなそうに「そうですかあ。ゲロゲロ~」と今度は人のソロの最中だろうが一向に構わない様子でホーミーの失敗したような奇声を発し出す(どんなバンドだ?)。本当にクレイジー(藤井郷子さんはメンバー紹介で「あほのサックス吹きです。」と一言で形容していたけど)。
泉「俺って、林栄一さんに似てる(サックスが)と思ってるんだけど、人に言っても『???』って顔するんですよ~。」
紗知「うん、1/1000ほどだけど、似ている音を出すよね。」
泉「ふふふ。紗知さんはわかってくれるんだなあ。」
紗知「・・・・。」
なんだかんだ言っても私は泉君のアルトの音が大好き。泣くような、うなるような、誰にも真似できないような音を出す。どんな楽器かと見るとボロボロのクランポンを使っている。
「俺、セルマーのアルト吹きたいんですよ~。でもお金ないし。このアルト、中古で7万だったんです。修理に8万かかったけど。ぼろぼろで、楽器屋にはこんな楽器、修理もできないので買い替えた方がいい。って言われちゃって・・・。修理に出すと嫌な顔されて『触りたくない』みたいに言われるし、掃除をしてくれって頼んだら断られました。」「どろどろって汚いものが一杯出て来そうだもんね~。わかるよ、楽器屋の気持ち。」「そ、そんな~(涙)。」
という会話を2日前のリハーサルでしたばかり。かく言う私も、昨日新年のご挨拶がてら楽器屋に行き、サックスを見てもらったら「紗知さんのソプラノサックス、上の方にゴミが詰まっていて・・・掃除しておきましたよ。」と言われてしまった。人の事をとやかく言えたもんじゃない(汗)。
1セット目ラストの曲で泉君のソロになった。いきなり立ち上がり、ギョオ~!と吹き出すと霧のように唾がびゅんびゅんと飛び散る。慌てて下に置いたコップに蓋をし、あ~、耳栓も持って来るんだったなあ、と思っていたらソロをとっていた泉君が「あ、タンポ・・・。楽器が壊れたア~。」
それでもなんとかソロを終えた泉君、椅子から立ち上がり客席に降りて行く。応急処置用にカウンターでごはんつぶをもらってステージにもどってきた(この間、もちろん演奏続行中w)。ニカッと笑ってごはんつぶを取れたタンポの接着面にぬりたくり、あまったごはんつぶはズボンのふくらはぎのところにこすりつけ、修理完了(汚)。「お~、よかった、よかった。」と喜んでサックスを試し吹きしている(もちろん、この時もまだラストの曲の最中、って一体どんなオーケストラだ?!)。
「大変だったね~。明日には楽器屋に持って行ったほうがいいよ。」
「いやあ、これで1週間くらいは持つでしょう。」
あんたね~、落ちたタンポも、よく見たら真っ黒けのガッチガチだったじゃん。タンポの寿命もとっくに終わっちゃってるよ。しかもごはんつぶでくっつけておいて何日も持つ訳ないじゃない!と私が怒っても仕方ないので何も言わなかったけど・・・。泉邦宏が綺麗なセルマーを吹いたら一体どんな音がするんだろう?
恐るべきクレイジーアルト奏者に乾杯 w。
泉邦宏のホームページ