「字幕の中に人生」戸田奈津子さんの本。字幕という習慣があるのは日本独特の文化、字幕の仕事をしたいと思い続けながら20年、ようやく念願がかなったきっかけとなった映画は「地獄の黙示録」(コッポラ)。字幕をつけるときの苦労や英文を例にあげてのちょっとしたコツが書いてあったり、キューブリック監督のやり方についていけなくて仕事を降りた話・・・など面白い話満載。今まで誰もが当たり前のように思って見ていた字幕の裏側を淡々と綴った名著だった。
ああ、映画にどっぷりつかりたい気分。先日のブラジル映画「カルトーラ」に引き続き、トシキを誘って昨日は若松孝二監督の「実録あさま山荘への道程」を銀座に観に行った。公開の時に行けなかったのだが、渋いたたずまいのシネパトスという映画館で、なんと「月刊若松!」をやっている。2人で行くと「夫婦50割引」が使えるしねw。
めったに行かない銀座をブラブラするのも楽しかったがシネパトスのある建物が地下通路になっていて、そこだけ未だに昭和の香りというか、大阪の串上げやのような赤提灯が入っていたりと魅力的な飲み屋がずらっと並んだ建物だったのにまずびっくり。いいなあ。
連合赤軍の連中がどうして、あさま山荘に立て篭ったのか。あの事件の裏側に焦点をあててぐいぐいと事実をえぐり出す。「総括」という恐ろしい現実、まるで子供のリンチ・・・永田洋子の恐ろしい表情・・・。
自分はまだあの時代に小学1年だったからほとんど訳もわからずに母親が興奮しながらテレビで報道に齧りついていたのだけが蘇る。いろいろな事を考えされられた凄い映画だった。
終わってから監督のトークショーが用意されていて主役俳優たちが出て来て質問コーナーもあった。永田洋子役の女優さんは映画の中とは全く違う優しい表情でびっくり。流石女優だな。
若松監督は「あさま山荘の事件を扱った警察側からだけの映画を観て、本当に腹が立った。だからあれの逆の映画をきちんと撮ろうって心に誓ったのです。あの映画のおかげでこの映画が撮れたので、今は感謝してますけどねw。」
一方的な警察側だけの映画に対抗したおかげで、この映画にはほとんど「警察」が出て来ない。「権力」の圧力に必死に抵抗しながら世の中を変えて行こうとするあの時代の若者たちがどんどんおかしくなっていって、最後は仲間たちに刃を向けて行く。ちょうど中国の「文化大革命」のようだね・・・と利樹がつぶやいた。正義という名分がどこかで歯車が違ってしまうと、悲惨な集団リンチのようなものにすり替わって行くという恐ろしさ。
「こういう事件をなかった事にしないで、きちんと見つめ直す事が大切なんです!」と若松孝二監督は力説。若松孝二はやはりただ者ではない、エネルギーに満ち満ちたおやじだった。
洋画も日本映画もこういう素晴らしい監督や字幕を作る裏方さんたちに支えられているんだと思うと嬉しくなった。
ああ、映画にどっぷりつかりたい気分。先日のブラジル映画「カルトーラ」に引き続き、トシキを誘って昨日は若松孝二監督の「実録あさま山荘への道程」を銀座に観に行った。公開の時に行けなかったのだが、渋いたたずまいのシネパトスという映画館で、なんと「月刊若松!」をやっている。2人で行くと「夫婦50割引」が使えるしねw。
めったに行かない銀座をブラブラするのも楽しかったがシネパトスのある建物が地下通路になっていて、そこだけ未だに昭和の香りというか、大阪の串上げやのような赤提灯が入っていたりと魅力的な飲み屋がずらっと並んだ建物だったのにまずびっくり。いいなあ。
連合赤軍の連中がどうして、あさま山荘に立て篭ったのか。あの事件の裏側に焦点をあててぐいぐいと事実をえぐり出す。「総括」という恐ろしい現実、まるで子供のリンチ・・・永田洋子の恐ろしい表情・・・。
自分はまだあの時代に小学1年だったからほとんど訳もわからずに母親が興奮しながらテレビで報道に齧りついていたのだけが蘇る。いろいろな事を考えされられた凄い映画だった。
終わってから監督のトークショーが用意されていて主役俳優たちが出て来て質問コーナーもあった。永田洋子役の女優さんは映画の中とは全く違う優しい表情でびっくり。流石女優だな。
若松監督は「あさま山荘の事件を扱った警察側からだけの映画を観て、本当に腹が立った。だからあれの逆の映画をきちんと撮ろうって心に誓ったのです。あの映画のおかげでこの映画が撮れたので、今は感謝してますけどねw。」
一方的な警察側だけの映画に対抗したおかげで、この映画にはほとんど「警察」が出て来ない。「権力」の圧力に必死に抵抗しながら世の中を変えて行こうとするあの時代の若者たちがどんどんおかしくなっていって、最後は仲間たちに刃を向けて行く。ちょうど中国の「文化大革命」のようだね・・・と利樹がつぶやいた。正義という名分がどこかで歯車が違ってしまうと、悲惨な集団リンチのようなものにすり替わって行くという恐ろしさ。
「こういう事件をなかった事にしないで、きちんと見つめ直す事が大切なんです!」と若松孝二監督は力説。若松孝二はやはりただ者ではない、エネルギーに満ち満ちたおやじだった。
洋画も日本映画もこういう素晴らしい監督や字幕を作る裏方さんたちに支えられているんだと思うと嬉しくなった。
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