Olive☆。.:*:・'゜

つれづれなるままに・・・雑感を

Last Chance Harvey

2010-02-24 22:18:12 | 映画
邦題「新しい人生のはじめかた」を観て来ました。
物語は地味なんですが、心がじーんと温かくなる内容であるのと演じるダスティン・ホフマンと
エマ・トンプソンから感じられる人間の温かさがあいまって、観て本当に良かったなあと思える
作品でした。

CM音楽の作曲家ハーヴェイ・シャイン(ダスティン・ホフマン)と、ロンドン・ヒースロー空港
の統計課で働くケイト・ウォーカー(エマ・トンプソン)。
独身のケイトのために周りが良い人を紹介してくれようとするけれども、その場の盛り上がって
いる雰囲気に溶け込めず孤立し、自分の居場所のない寂しさを感じてしまう。
年齢からくる疎外感を最近ひしひしと感じているだけに、夢物語を信じるには若くないし、
(恋愛を)諦めて生きる方が楽なの。。。というケイトの気持ちがすごく分かります。
方や娘の結婚式に出席の為、ニューヨークからロンドンにやって来たハーヴェイも和気あいあ
いとした雰囲気の家族から疎外され、自分が必要とされていないと悲しい気持ちに打ちひしが
れている。
そんな2人がテムズ川のほとりを
散歩しながら、色々なことを語り合う
シーン。長いキャリアに培われた
演技力なのか、会話のやりとりが
素晴らしかったです。
自分が必要とされていない、とか自
分の居場所がない辛さとか悲しさと
いったことは、誰もが一度は経験す
ることだとは思うのですが、若い頃
とはまた違った、歳を重ねた者同士
だからこそ共有できる繊細な心情を
お互いに察する部分とか2人が醸し
出す雰囲気がとても自然で、ロンドンの秋の風景と重なって、胸に迫ってくるものがありました。

ハーヴェイの娘の披露宴のシーンも
印象的でした。娘に宛てた父親の
思いいっぱい詰まったスピーチも
ケイトじゃないけれど、うるうる
してしまいました。
やっと家族の中に居場所を見つける
ことが出来たハーヴェイが楽しそうに
ダンスをしているのを見て、良かった
という安心感や喜びと共に一抹の
寂しい表情をちらっと浮かべながら、
そっと出て行こうとするケイト。

エマ・トンプソンの人の心の機微を捉えた演技、さすがだなあと思いました。

ラストで「私たち上手くいくと思う?」と聞くケイトに「全然、見当がつかない。でも頑張る。
約束するよ。」と答えるハーヴェイやそして「ちょっと待って」と言いながらハイヒールを脱いで、
ハーヴェイと腕を組んで歩くケイトに人間的な温かさを感じました。若いカップルにはない展開
かなと。年齢を重ねたからわかる、相手への心のこもった言動といいますか。

もしこれから観る方は、映画終わったからといって、そそくさと出てしまわないで下さい。
最後に隣人を殺人鬼だと思い込んでいるケイトの母親とお隣さんとのあったかいエピソードが
ちょこっと出てきますので。

今までに観たダスティン・ホフマンの出演作品は「レインマン」、「ファミリービジネス」、
「ビリー・バスゲイト」、 「スリーパーズ 」、「靴をなくした天使」。エマ・トンプソンの
映画は「ハワーズ・エンド」、「ピーターズ・フレンズ」、「から騒ぎ」、「いつか晴れた日に」
そして「ラブ・アクチュアリー」。すごく久しぶりに2人をスクリーンで観ました。

公式サイト
コメント
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