緑陰茶話   - みどりさんのシニアライフ -

エッセイとフォト

日々の発見と思いのあれこれなど

初めての綛上げ

2018年03月01日 | ボランティア
先日、いつもの小学生相手の昔の暮らし体験のボランティアに行った時のこと。
その日は、本当は朝からの筈だったのですが、その日に文化財収蔵館に来る予定だった子供達がインフルエンザで学級閉鎖になって中止。
昼からのボランティアの研修にだけ出掛けました。
行くと「今日はカセアゲしましょう」と。
私は『えっ、? カセアゲって何?』状態。

聞いてみると、ボランティアの糸車体験で子供達に紡いでもらってできた糸を、綛上げ台を使って綛にする、そういう作業のことだったのです。
4年このボランティアをやってますが、綛上げは初めてでした。
たぶん、去年も一昨年も先一昨年も、私はこの作業の日には行ってなかったのだと思います。

ところで、タイトルの「綛」という字、読めたでしょうか。
「カセ」と読むわけですが、恥ずかしながら私はこんな漢字を知りませんでした。
「カセ」の意味の方も、何かの単位みたいなものじゃなかったかと漠然としたもの。

綛は、これです。

一本の糸を輪状にして纏めたものです。

この冬の間、子供達に糸車で糸を紡ぐ体験をしてもらってましたが、その活動もそろそろ終盤。
糸車の錘(つむ)に巻き取ってあった糸を集めて一本の糸にし、綛の状態にすることになったのです。

これが綛上げ台です。


綛枠に糸が巻き付いている状態。

糸は綛上げ台のハンドルを回して錘から巻き取っていってます。向こうにも沢山の錘が見えます。

ハンドルを回して糸を巻き取っているところ。


錘はすべて巻き取って綛を作りました。
出来上がって並べた綛。


こうやって綛にした状態で藍や茜で染めるのです。

綛上げ自体は簡単な作業です。
ただ、巻き取る糸は昔の暮らし体験で小学生に作ってもらったもの。
極端に細かったり、逆に太かったり、糸とは言えない綿のかたまりだったり。
それを直すのに手間がかかりました。

昔の暮らし体験のボランティアも、少しづつ経験が積みあがってきています。





大阪マラソン、面白すぎ~ ! !

2017年11月29日 | ボランティア
大阪マラソンに参加してきました。
ランナーじゃなくて、ボランティアとしてです。

今、通っているカメラ教室を通じてのボランティア参加です。
ランナーとして申し込んでも4倍の倍率だそうですが、ボランティアの方も簡単にはなれないんだそうです。

私が通っている学校ではカメラ関係だけでも3クラスありますが、他にも芸術関係や歴史関係など、多彩なクラスがあり、学校全体として毎年大阪マラソンにボランティアとして参加してきた実績があるんだそうです。
入学してすぐ、ボランティアに参加するかどうか聞かれたのですが、好奇心も手伝って申し込みました。

始まる前に近くの公園で打ち合わせがありました。
(詳しいマニュアルとボランティアのユニフォームは、そのずっと前に貰っていました。)

ボランティアは、ユニフォームを着たままカメラを撮ったり喫煙や飲食をしたりすることは禁止されています。
だから記念の写真は打ち合わせ前にクラスの人に撮って貰いました。


このユニフォーム、帽子を含め、マラソンが終わったら頂けます。
大きなポケットが外に2つ、内に1つ付いていて、便利です。

胸や背に、2017年大阪マラソンとかボランティアとか書いてあるので、外に着て行くにはちょっと・・という感じですが、庭仕事には使えそうです。

私のいた場所は27キロ地点で、紙コップに水を入れて並べる給水のボランティアでした。
給水のボランティアを何度か経験している人もいて、細かいことはその人に教えて貰いました。

最初は車いすマラソンです。
車いすの人達は自分で水を持っていて飲まないんだそうです。

次は外国人の招待選手で、一番を走った人は飲んでいきました。
先頭グループを走っているような人達は基本飲まないんだそうです。
もの凄いスピードで、コップを2、3個ひっくり返していきました。

早い人達はとにかく早くて、コップをひっくり返す確率も高いのです。
こちらも、コップを置く間隔とか、入れる水の量とか、だんだんコツが掴めてきました。

ボランティアは「頑張れー!」と声援も送ります。
慣れてくるとランナーを見て楽しめるようになります。

実は、他のボランティアの人達とも話したのですが、まさに大阪のマラソンの面白さがあったのです。
たとえば被り物の多彩さ! イカやエビの被り物なんて、意味分からん
タイガーマスクは何人も見ました( ^ω^)・・・。
通天閣の被り物は二人見ました。

被り物だけではなく、赤い女物の着物を着て走り抜けていったオッサン。
マントを付けている人達は、空気抵抗があって走りづらいと思うんだけど、それどころじゃない人達もたくさん。
衣装を通り越して着ぐるみで走っている人達。
ピカチュウは何人(何匹?)見たことか。
くまモンももちろんいましたよ。
珍しいところではキャプテンハーロックの恰好も。(知っている人はよほどの漫画好き!)

アニメのミニオンズはテレビでも映っていましたね。
あの格好で、2グループに分かれて6人はいましたか。
どう考えても走りづらいと思うんだけど、27キロ地点までは走ってました。完走したかな。

次から次へと登場するユニークな格好のランナー達。
ここはマラソン会場じゃなくてコスプレ会場かと思うほど。

大阪マラソン、どうやら猥褻物陳列罪に引っ掛かるような恰好でなければOKみたいです。
それと宣伝・広告の営利目的の恰好でなければね。
一緒に見ていたカメラ教室の男性は「人生観が変わった。何をしても怒られへん」と言っていました。

沿道の近所のおばちゃん達も、椅子まで用意して見学・応援していました。
あんな面白いもの、タダで見られるんだから(笑)。

ランナー達も、もちろん黙々と走り続ける人達もいましたが「ありがとう、ありがとう」(←大阪弁のイントネーションで発音)と、ニコニコ笑いながら手を振って、声援に応えるノリの良い人達もいました。
やたらハイタッチしたがるランナーもいて、応援する方も忙しい。

ラクダに乗ったアラブ人(ラクダの2本の足が自分の足で、それ以外は作り物)は、27キロ地点まで走ってきたことに感心しました。

なんだかんだ言っても、私がいた場所は27キロ地点.そこまで数時間で来れること自体、尊敬しちゃいます。
応援する方も「あと15キロ!!」なんて言って、それが励ましになるのか(笑)。

来年はボランティアじゃなく、是非、一般人としてランナーの写真を撮りたいと思ったのですが、大会の規定では録画や写真の掲載権・肖像権はすべて主催者に帰属するみたいで、ブログにアップするのも問題になるのかも、です。
確かに、大阪マラソンのそういう側面ばかり強調されたら主催者としては困るでしょうね。

いわゆるタレントの人達も走っていましたが、私はあまり興味なし。
後にテレビで取り上げられたりしていましたが、本物のマラソンの面白さに比べたら・・・。

でも、大阪マラソンて、こんだけ面白いものだったなんて、全然知らなかったわー、です。



草木染 植物3種

2017年10月01日 | ボランティア
ボランティアで行っている市の文化財収蔵館、中庭で草木染に使う植物やら糸を紡ぐ為の綿を育てています。

6月から10月まで、毎月1回水遣りのボランティアがあるのですが、今年はなぜか私の担当の日は雨が降って行かなくてすみました。
一度、晴れた日もあったのですが、病院の検査の予約が入っていて、それを言うと「職員がやるので来なくてもいいです」と・・。
水遣りは特に楽しい作業ではないので、やらなくて良いのならそれに越したことはないのです。
結局、9月になって初めて水遣りに行くことになりました。

文化財収蔵館の中庭は一般の人が入れません。
藪蚊だらけだということですが、我が家の庭に比べたら蚊なんて一匹もいないも同然でした。(虫よけなしで小一時間いても一か所も刺されなかった。)
で、ゆっくりと水遣り。その前に綿の吹いていたのは取りました。

ついでだから草木染用の植物3種の写真を撮りました。

コブナグサ





コブナグサは黄色く染めるのに使う植物です。
有名な絹織物の黄八丈の黄色もこの草から取るとのことです。
見たところ雑草のようにしか見えません。

アカネ



アカネはその名の通り、赤の染料です。
染料には根っこを使うのですが、野生の茜は物凄く深く根を張っていて、採るのは一苦労なのだそうです。



藍の花

藍はジャパンブルーと呼ばれたほど、日本では一般的な草木染の染料です。
濃さによって色の名前も違います。
染料には葉を使います。


以前、私は学芸員さんに「文化財収蔵館でここまで徹底して昔ながらのやり方で染めや織りを行うのなら、麻は植えないんですか」とお聞きしたことがあります。
答えは、麻と言うのは麻薬の関係で育てるのに許可が要り、結構面倒なのでやらないということでした。
なるほどと思いました。

古参のボランティアの方々は、自分で色んな植物を使って布や糸を染める実験をしてきたのだそうです。
でも、たいていの植物は茶色にしか染まらないのだそうです。
そういえば私も、紅茶染めはしたことがあったなと思い出しました。

鮮やかな黄色や赤や青に染まる植物は、それなりに貴重なものだったのでしょうね。

水遣りのボランティアは10月後半にあと一回です。
雨が降ってくれたら嬉しいのですが(笑)。



藍染でストール復活

2017年09月16日 | ボランティア
7月8月と、勝手に夏休みでボランティアから遠ざかっていましたが、ようやくボランティアの再開です。
ボランティアは細く長くを自分でモットーにしているので、行きたくない時は行かないことにして、無理はしないことにしています。

市の文化財収蔵館の、昔の暮らし体験ですが、夏は藍染体験が主です。
先日は研修で機織りの筈だったのですが、急遽、藍染体験の依頼があったとかで、そのお手伝いをしました。
後日、藍染の研修もあって、染め物づいています。

私が行っているボランティアの内容は、子供達をはじめとした市民の方々に昔の暮らしの体験をして貰うお手伝いです。
お手伝いをする以上、自分もある程度の知識や技能がいるので、その為に研修があるのです。

たまに勘違いされるのですが、昔の暮らし体験は、あくまで体験であって、創造性を養う作品制作とは性格を異にします。
時間も限られ、参加する人も多いので、創造性と結びついた作品制作に興味のある人は、自分でじっくりとやってくださいという感じです。

藍染の研修の時、自分で染めたいものを持ってきてくださいと言われていたので、私は昔に人から貰った絹のジョーゼットのストールを持っていきました。

これですが、もともと薄いブルーだったのですが、なぜか一部クリーム色に変色してしまい、使えなくなりました。
藍染で濃いブルーにしてしまおうという魂胆です。

模様無しの方が綺麗にできるので、どっぷりと染液の中に漬けてしまおうかとも考えたのですが、練習も兼ねて模様を入れることにしました。

模様の入れ方はビー玉やおはじき、洗濯ばさみ等の道具を使って、染液が染み込まない部分を作るのです。
藍染体験は幼稚園児達もやりますので、手軽に楽しめるように工夫されています。

模様を作る道具です。

おはじきやビー玉を染める布に包み込んで輪ゴムでくくります。
すると輪ゴムでくくった部分が、シワシワっとした感じで白く残るのです。
この模様の出来方が、変になる時もあり、面白くなる時もあり、なかなか予想がつかないのです。

染液は文化財収蔵館で藍から育て、作っています。
発酵させて作った染液をバケツに移しているところ。ドロドロになった藍の葉が入らないよう、ざるで濾します。

染液です。ちょっと緑色がかっています。
これ、かなり臭いです。

布を漬け込みます。

5分ほど漬け込んで引き上げ、布を広げ空気に触れさせます。
すると藍色になるのです。
空気に触れさせているところ。

この作業を3回繰り返し、充分に染まったところで付けていた道具を外し、洗って干します。

私のストールはどうなったかというと、こうなりました。

一つ前の写真と色の濃さが違いますが、これは作った日が違い、液も違っているからです。
(一つ前の写真はボランティアとして参加した市民の藍染体験の時のものです。自分で染めながら写真は撮れません。)
日によって濃さが違うなんて本物の染屋(紺屋)さんならあり得ないですが、そこは体験教室です。
そんな厳密さは必要ないみたいです。

ストールは、やはり模様は付けない方が良かったかもしれませんが、身に着ける時は首に巻いてしまうので模様はあまり関係ないです。

研修の日、ボランティアの機織体験で使う糸を茜を使って赤く染める作業も行いました。
私は初めて見ました。
珍しい作業なので、それも紹介します。

草木染の場合、赤い色は植物の茜から取り出します。
そもそも茜という名も赤い根からきていると聞きました。

掘り出した茜の根を洗って乾燥させたものです。

それをきれいに洗って3センチくらいの長さに切り、流し台の三角コーナーで使うネットの中に入れます。

ネットに入れるのは細かい屑が染める糸に付くのを防ぐためです。

それを鍋で煮ます。

最初に煮出して作った染液で染めると、赤というより黄色みのあるオレンジのような色になります。アクのせいではないかと聞きました。

今回、最初の染液は使わなかったみたいです。
煮出して取り出した茜の根。ネットに入っています。何回か使えるみたいです。

2回目に煮出した染液に糸を入れます。

20分くらい煮て引き上げ、媒染剤(ミョウバン)を溶かした液に入れ、色止めします。

それからまた染液で煮出します。

この作業を何度か繰り返すと段々赤い色が濃くなっていくんだそうです。
本当に濃くて美しい赤色に染めるには「茜百回」と言って、百回くらい煮だしては色止めする作業を行うんだそうです。
もちろん、ここではそんなに濃い赤色の糸は作りません。

学芸員さんと先輩ボランティアの方々は、こういうことを長年やってこられていたわけで、尊敬するしかありません。
なんでも、先輩ボランティアさんは、色んな植物でどんな色が出るか試してきたのだそうです。
私にはちょっと真似ができません。


淀川で自然観察

2017年06月27日 | ボランティア
以前、スタッフをしていた自然観察会からスタッフが足りないので手伝いに来てほしいという要請があったのでヘルパーで行ってきました。

場所は淀川の汽水域と呼ばれる地域です。
汽水域というのは川の下流、海水と淡水が交じり合う場所のことです。

お手伝いといっても大したことをしたわけでもなく、役に立てたという実感もありません。
なんだか随いていっただけという感じ。最近のダラダラモードが解除できませんでした。

観察会はまず講義から始まりました。
淀川の自然に詳しい先生から、プロジェクターで写された画面を見ながら詳しいお話を聞きました。

淀川の歴史から淀川の自然の特徴、動植物。生物多様性という観点から淀川の現状と課題。等々。
受講生は親子連れが多く、子供達もたくさんいたのですが、小さな子供達には難し過ぎる話だったかもしれません。

お昼からはフィールド、つまり淀川の河川敷です。
写真は淀川にかかる電車の高架下なのですが、湿地になっています。
そういう湿地や、葦の生い茂ったヨシ原には蟹さんがいっぱいいるのです。

そこで蟹釣りしました。餌はたくわんです。

子供達、楽しそうでした。午前中の講座でしっかり勉強したので、蟹の雌雄の見分け方もバッチリ分かります。
捕まえた蟹は先生に見せて、種類や生態等、説明を聞きました。

その後は河の流れの近く、干潟に行き、蜆採りです。
4月頃は貝毒発生中で二枚貝は採ってはいけなかったのですが、今は安全宣言が出ています。

淀川の蜆は鼈甲シジミと呼ばれ、淀川ブランドで売られてもいるものです。
私も採りました。但し、家族二人なので二人分だけです。

蜆は野鳥の餌でもあるので、採りすぎはNGです。
面白がって沢山取り過ぎてはいけません。
(子供達は夢中になって山ほど採っていましたが)

採ってきた蜆は二晩砂出しして蜆汁にして食べました。
スーパー等で買う蜆とは大違いで、身も大きく、プリップリでした。
売り物の小さな蜆のように、出汁だけ取って身は捨てるなんてことは、もったいなくて出来ません。
これから7月8月にかけて、もっと美味しくなるんだそうです。

蜆採りが一段落つくと淀川にどんな魚がいるか、先生が投網を打って採ってくれました。
ところが、投網の落ちた所がボラの稚魚が群れている所だったようで、ボラばかり大量に取れてしまいました。

網に引っ掛かって離れなくなったボラの子を取るのに子供達がお手伝いです。

先生が「可哀そうやから返そうな」と言って、取った魚は河に放してあげます。
魚も蜆も、みんな生きていて命なのです。

この日、先生がした話には考えさせられました。
先生は色んな場で淀川の話をするそうですが、聴いていた人の一人が淀川の干潟にヨシ原があるような光景は大嫌いだと言ったそうです。
大阪の都心にそんなものは相応しくなく、河川敷は公園として整備すべしといった意味のことを言ったそうです。

私たちが蜆を採った場所は、写真からも分かるように大阪北の高層ビル街のすぐ傍です。
新大阪から大阪に行く電車の中からも見えます。
都心にそんな自然が残っているって、むしろ素晴らしいことだと私には思えるのですが。
公園化して桜やアジサイを植えたいと思う人もいるのですね。