緑陰茶話   - みどりさんのシニアライフ -

エッセイとフォト

日々の発見と思いのあれこれなど

ボランティア始めと百合根

2017年01月14日 | ボランティア
子供たちに綿繰りや糸紡ぎを教えるボランティアが今年も始まりました。

この冬から私も糸紡ぎを教えるようになりました。
2年目にしてようやく私自身が何とか糸紡ぎができるようになったからです。
糸紡ぎの研修もあるのですが、月1くらいだと覚えられるものではありません。
いっそ糸車を買って家で練習しようかと思ったくらいでした。(買いませんでしたが。)

糸車です。



よく誤解されるらしいのですが、手前の車輪の部分に出来上がった糸を巻き付けていくのではないのです。

糸を巻き付けるのはこの部分です。
手前の綿を左手の上にそっと持ち、右手で糸車のハンドルを回すと糸ができるのです。
ある程度の長さの糸ができると巻き取っていきます。
と書くと簡単そうですが、こつが要ります。

ハンドルで糸車を回すのですが、それで糸に縒りがかかるのです。
縒りがかかった糸は、手の中の綿の繊維を引っかけて持っていき、それにさらに縒りをかけると糸になるのです。

子供達に教えるのは簡単ではありません。
途中で糸が切れてしまったり・・・。
でも、糸ができると、どの子もみんな嬉しそう。

子供達の人数が多いので、2、30㎝くらい糸ができれば次の子に交代です。
本当に糸紡ぎを味わってもらうわけではないです。
糸紡ぎってこんなもんだよと分かってもらえれば良いのかもしれません。

子供達の保護者の方や先生にもお教えすることがあります。
お父さんや男性の先生は糸紡ぎの理屈に感心しきりです。
子供達や女性の反応とは違います。
それもまた面白いです。

しばらくはボランティアを頑張ってみたいです。


  ~  ~  ~  ~  ~  ~  ~  ~  ~


ボランティアの帰り、近所のスーパーに買い物に寄ったら、野菜や果物の売れ残りを集めたワゴンの中に百合根が一つありました。


北海道産の百合根ですね。一つじゃなく、もっとあれば良かったのですが。
買って帰って植えます。

初夏になれば美しいコオニユリの花が咲くでしょう。


ボランティアあれこれ

2016年02月19日 | ボランティア
仕事を辞めたらボランティアをと、この1年、興味のあることを色々試してきました。

席だけ置いて、自分の活躍の場の無さそうなものとか、4回ほどやって自分に合わないと分かって辞めたもの。
ずっと続けているボランティアは、市の文化財収蔵館での昔の暮らしの体験ボランティアです。

綿の栽培から始まって、綿の実の収穫、綿繰り(種取り)、糸紡ぎ、機織り、藍染、といったことを、学芸員の指導の下、ボランティアが中心となって学びつつ行い、子供達にその一部を体験してもらってます。

今は、小学生に昔の冬の仕事として綿繰りと糸紡ぎを体験してもらっています。
授業は小学校まで出張して行うこともありますが、収蔵館に来て貰って行うこともあります。
私は週に1、2回参加してます。

子供のいない私には色々と勉強になることもあります。
ボランティアの諸先輩、収蔵館の学芸員の方、たくさんの子供達、先生方。私にはみなさんが興味深いですし学ぶことが多いです。

実際の授業に参加していて、面白いと思うのは先生と子供達の関係です。
卵が先か、鶏が先か分からないのですが、ある種の相関関係があるみたいなのです。
例えば、言う事をきかない子供達にはキツイ先生とか・・。

この間のクラスは少し気になりました。
先生が近づくと子供達が防御姿勢をとって体をすくめるのです。女の子も男の子もです。
最初見た時、『あっ、ミーちゃんと同じだ』と思いました。

我が家の猫のミーちゃんは、去年、事情があって他所の家から貰ってきた猫ですが、頭を撫でようとすると身をすくめ、避けようとするのです。
まるで叩かれるのから逃げようとしているかのようです。
以前に飼われていた家で、日常的に頭を叩かれていたのかなと密かに思っていました。

そのミーちゃんと同じことを子供達がするのです。
案の定、一人の子供が「先生、なんで直ぐ叩くの?」と先生に言うのを聞いてしまいました。
先生だって、ほかの大人がいる所で叩く筈がありません。
でも子供達は反射的に防御姿勢をとってしまうみたいなのです。

私が小学生だった頃も子供を叩く先生はいました。
叩く現場を直接見たわけではありませんので迂闊なことは言えませんが、やはり今でもいるのかもしれません。

ボランティアは、色んな場面を見てしまうものなのかもしれません。



なんやかんやでバタバタしているうちに我が家の外壁の工事は終わりました。
3月になれば少しゆっくりしたいですね。





細く長くのボランティア?

2015年10月11日 | ボランティア
市の文化財収蔵館のボランティアですが、続けています。

8月9月は、保育園、幼稚園、小学生たちの藍染体験のお手伝いに何度か狩りだされました。

自分の機織りの練習の方は全然です。

やっと、この前、綿繰りと糸紡ぎのやり方を教えていただきました。

これが綿繰りの道具。

この道具に、種の付いたままの綿を巻き込むように入れて種を分離させます。
手で種を取るのは手間がかかり過ぎるし、きれいに取れないのです。

そうやって種を取った綿は、今度は打ってフワフワにするそうです。
そうして、フワフワにした綿で糸を紡ぐのです。

これが糸紡ぎ。(写っているのはわたしではありません。)


綿繰りは、簡単なのですが、糸紡ぎの方はその人に合わせたコツが必要で、1回や2回、習ってやっても、うまくいきません。糸が細くなったり、切れたり。
その時、その時、修正していくのですが、その方法も、何度もやらないと身に着かないように思います。
もっと頻繁に練習できればいいのですが、なかなかです。
家に持って帰って練習するわけにもいかないし・・・。

練習の後、綿作りの圃場で草取りをしながら『こんなんで良いのかしら』と、たぶん、私は鬱陶しい顔をしていたのでしょうね。最年配の方が、私の側に来られて「細く長くやからね、細く長く」とおっしゃいました。
細く長く続ければよいというアドバイスの言葉でした。

そうなんです。このボランティア、ゆるーい繋がりだと最初に聞いていたのです。来れる時に、来ればいい。自分の興味のあることをやれば良いと。

あまり深刻に考えずに続けることにします。





ボランティア その後

2015年07月20日 | ボランティア
市の文化財収蔵館で、子供たちに昔の暮らしを体験してもらうボランティアをこの5月から始めていました。

体験してもらう一つは機織りです。その為に綿を種から育てています。
収蔵館の圃場でも育てているのですが、ボランティアが種を持ち帰って家でも育てています。

私も育てているのですが、苦戦しています。虫が付くのです。



小さなハバチの幼虫らしいのですが、葉を食い荒らし、くるくると巻いてその中で蛹になろうとします。見つけると潰すのですが、次から次へです。

殺虫剤を撒いたりもしたのですが、雨で流れるのか効果がありません。
蕾も出てきたので、殺虫剤を撒くと出来上がった綿に殺虫剤が付きそうで、それもできません。手で取るだけです。

収蔵館の圃場の綿には、虫がついていません。日当たりも、風通しも良いからではないかと思います。
というのも、我が家の庭は日当たりも、風通しも悪いのです。
おまけに雨の日が続きました。

気が付いたら、今年の我が家の庭は、虫が凄いです。
いつもは虫など付かないコデマリや七色ランタナの葉までやられています。それはハバチではなく、カメムシの食害のようです。

自宅での綿育ての方はともかく、機織りの方はボツボツ習っています。
自分が出来なければ子供たちに教えられないのですから、私も真剣です。

収蔵館にある織機は色々なのですが、その内の一つです。



私が織った最初の作品。



習作ですが、コースターです。

圃場では藍も育てていて、夏場には藍染の研修も始まるみたいです。

収蔵館では機織りや染めの体験だけではなく、お城のクラフト製作もあります。
明治の初期に壊してしまった、市にあったお城がモデルです。



明治政府は、日本の各地にあったお城を取り壊すようにお触れを出したのですが、その時に取り壊されてしまったのです。

これも市の歴史の一つとして、子供たちに作ってもらうのですが、お手伝いするボランティアも一度は自分で作ってみるわけです。(写真は私が作ったもの)

今は織機を使わずに織る原始機を習っています。
弥生時代に織られていた手法ですが、とても難しいのです。

弥生時代の人は偉かったって、肌で分かります。



森の中でボランティア

2015年06月21日 | ボランティア
単発のボランティアに行ってきました。

私が10年くらい前から入会している自然保護団体があるのですが、そこが行政からの委託を受けて行っている自然関係のボランティア活動が幾つかあり、その内の一つです。

関西にある、かなり広い都市公園の生物調査のお手伝いです。

今回の調査対象は昆虫全般。

私もこんな経験は初めてで、どんな作業をするのか分からなかったのですが、だいたい以下のような感じです。

生物調査も、トンボだけとか、チョウだけの調査もあるのですが、昆虫全般の場合、公園内に十数か所の特定地域をロープで囲むように決めて、1か月毎に、その中にどんな昆虫がいるか探していくというもの。
要するにどんな昆虫が棲息しているか定点観測しているわけです。

ボランティアの仕事は昆虫を探すことです。決して捕まえるわけではないのです。
人数は10人足らずで、男女は半々。先生以外、シニアで、男性は半世紀前は昆虫少年だった様子の人達。女性は自然好きな人達。皆さん、以前から継続して携わってらっしゃる様子。

探す時間は、一つの場所で10分と決められていて、昆虫を見つけると同行している昆虫専門の先生に報告します。昆虫の名前が分からない場合(というか、私にはほとんど分からない)は、先生を呼んで種の同定をして貰うので、昆虫に詳しくなくてもできます。
(このボランティアを続けていると自然と昆虫に詳しくなるとのことです。)

探す場所はたいていは森の中なのですが、そんなに簡単に入られる所ばかりではありません。
薄暗い藪の中みたいな所が多く、覚悟して、細い草木を踏み倒すようにして入って、昆虫を探します。

昆虫は意外といません。朽ちた葉が積もっている森だと、足元には森林性のゴキブリがワンサカいるのですが、そういうものは真っ先にチェックされてしまうので、それ以外の昆虫を目を皿のようにして探します。

と、ここまで読むと虫嫌いの人はドン引きだと思いますが、たぶん、このボランティアは虫嫌いな人は無理というか、虫嫌いの人にとっては拷問です。
私は自然観察が趣味ですし、虫は平気で、多少の興味はありますが、入れ込むほどではありません。

昆虫は、地味で無害なハバチかカメムシの仲間が多いのです。
ほとんどが知らない昆虫ばかりで、最初のうちは、昆虫を見つけると「先生!ここに変なもんがいました」などと、しろうと丸出しで叫んでました。

『変なもん』は、さすがに専門家の前で言ってはいけないと思いますが、本当に『変なもん』と言いたくなるような昆虫もいます。

例えばこれ。



葉っぱの真ん中にいる白いものですが、クサカゲロウの幼虫だそうです。
虫だと分かりづらいのはゴミを背負っているから。

クサカゲロウは、卵は優曇華(うどんげ)の花と言われて吉兆とされ、成虫は透明な羽が美しい繊細な虫ですが(ここまでは私も知ってました)、幼虫時代は背中にゴミを背負って暮らしているのだそうです。
昆虫好きの人にはたまらなく興味深い知識だと思います。

リーダーの女性には、団体が7月以降もこの仕事を請け負うことが決まったので、来てもらえないかと打診されましたが、暑さに弱い私には体力的に無理といわざるをえませんでした。
10月になったらまた屋外活動もできるのですが、昆虫のハイシーズンは気温が体温近くなる夏なのです。

活動はそんなにきついものではなく、池や小川など、よく整備された公園内を見て歩く楽しみもあります。

ハンゲショウです。群落のようになっていました。



池に突き出た木の枝に、モリアオガエルが泡に包まれた卵塊を産み付け、卵が孵化して泡と一緒にオタマジャクシが池に落ちる場面に出くわしました。中央少し上の白っぽいものが泡。矢印の先の部分からポタポタと落ちます。



落ちても池に届かず、途中の枝に引っかかってしまう泡+オタマジャクシもあります。
時折、雨が降る日だったので、そのまま乾いてしまうことはなく、無事に池に行きつくと思います。
手を伸ばして途中の枝に引っかかった泡+オタマジャクシを採ってみたのですが、小さなオタマジャクシはピチピチと、とても元気でした。

これはキツネノエフデでしょうか。キノコの一種であることは確かです。



珍しい経験をした一日でした。