緑陰茶話   - みどりさんのシニアライフ -

エッセイとフォト

日々の発見と思いのあれこれなど

庭にシロハラ

2021年03月12日 | 野鳥
近所のパン屋さんでパンを買う時、お店で6枚切りに切ってもらうのですが、必ずヘタの部分が付いてきます。

そういう部分が好きな人もいるようですが、私は好きではなく、ちぎって庭に置いておきます。
するとスズメやらヒヨドリやらがやってくるようになり、しまいにはヘタ部分はなくても毎日催促されるので白い部分をちぎってやる破目に・・・。

今朝もパンをちぎっていると、何やら大きめの鳥が間近にきました。
家に入ってカメラを準備して見ているとシロハラさんでした。

鮮明さに欠けますがガラス越しに撮りました。

シロハラさんより素早くパンにありついたのはジョウビタキのお嬢さんでした。
後ろ姿のおジョウさんです。


シロハラさんはパンを前に思案顔。





食べちゃおっと。


食べてからも『もっとないの?』


スミレの花とツーショット

シロハラの雌雄の判別は難しいのですが、女の子の方が色が薄いです。
この子はたぶん女の子。

シロハラもジョウビタキも、そろそろ北に帰る時期です。
我が家の庭でエネルギー補給、しっかり摂ってくださいね。


京都御苑でバードウオッチング

2021年01月14日 | 野鳥
寒波が来る前に、一人で京都御苑にバードウオッチングに行きました。
9時に家を出れば午後の4時には帰れます。

私の家は阪急神戸線沿いですので、まず阪急電車で十三(じゅうそう)まで行き、そこで京都線に乗り換え、特急で烏丸(からすま)で降ります。
以前は十三から乗ると座れないこともあるので始発駅の梅田まで行って京都線に乗り換えていましたが、今は外国人客もおらず、空いていますので、途中の十三で乗り換えても二人席を一人で座れます。

阪急の烏丸で降りたら地下鉄烏丸線に乗り換え、丸太町で降ります。
すると2、3分で京都御苑の中に入れるのです。

京都の市バスの烏丸丸太町のバス停も近くにあります。
そのバス停名を「カラス丸々太る町」と呼んだ人もいたとか。
町にカラスもいますが特に太ってはいませんよ。

京都御苑の中には広い砂利道がありますが、そんな場所は歩きません。
木立の中を歩くのです。
最初は雀さん達に出迎えられましたが雀さんはどこでもいるのでパス。

すると松林の林床にいました。
京都御苑名物ビンズイです。




ついでだから後ろ姿も。

胸から腹にかけての縞々が後ろからでも分かります。

ビンズイ、物凄く珍しい鳥というわけではないですが、見ようと思っても簡単に見ることはできません。
でも京都御苑に行けば夏以外なら高い確率で見られるのです。
清楚な雰囲気の野鳥です。

中山邸跡祐ノ井辺りでは、いつも樹上にイカルを見かけます。






木の種子のようなものを毟っては食べていました。

森の中を歩いているとイカルの群を発見。






小さな烏天狗の集団みたいですが、落ちている木の実を食べているイカルの群です。

もう少し歩くとバードバスがあります。

バードバスというのは人工的に作られた野鳥の為の水飲み場のこと。
柵で人間は一定以上近づけないようになっています。
だから沢山の小鳥達が水浴びしにくるのです。
ヤマガラとシジュウカラ


メジロの水浴び


アトリとメジロとヤマガラ


アトリ


バードバスから離れようとしたら足元近くに雄のアオジがいました。
用心深い性質のはずなのですが、この子は近すぎて、かえって写真が撮りづらかったです。














アオジの雄は嘴の根元から目にかけて黒っぽく、全体に色もはっきりしているのが特徴です。

いつも私がお弁当を食べるのは染殿井辺りです。
テーブルがあって食べやすいのです。
その周辺は人も少なく、野鳥達に出会うことも多いです。

食べていると近くの藪の中で雌のアオジを発見。
向こうも食事中のようでした。




















藪から出て日の光を浴びると綺麗です。





私がテーブル席で食べたり、写真を撮ったりしていると、なぜかシジュウカラが近づいてきて、木の枝にとまって私を見ています。


逆光で写真が撮りづらいのですが「撮って! 撮って! 」と言わんばかりの子もいます。





お昼ご飯も食べ終わって、去年見たルリビタキを探しにいきましたが、出会えませんでした。

というわけで、この日のバードウオッチングは終わりました。
写真の撮り方、もっと工夫できるのではないかと撮った写真を見て反省しきりです。


ルリビタキが“なた隠し”と呼ばれるわけ

2020年11月29日 | 野鳥
昨日、天気も良いので庭仕事に精をだしました。
プランターにお正月用の花を植えこんだり。


雑草を抜いたり、大量の柿落ち葉を集めてゴミ袋に入れたり。

ふと気が付くと花切狭がありません。
使ったことは覚えているので庭中探しまくりました。

うちの庭、昔の一戸建てなので結構広いです。
絶対にどこかに置いてある、ルリビタキもいないのに無くす筈がない、そう思いました。
結局、落ち葉を入れた大きなゴミ袋の中身を、同じ大きさのゴミ袋に入れ替えながらゴミの中を探したら、落ち葉と一緒にありました。

えっ? 花切狭を無くすのとルリビタキが何の関係があるのかって?
あるんです、それが。
昔からルリビタキには“なた隠し”という異名があって、冬場に山仕事をしている人のなたを隠してしまうんです。
なただけじゃなく、持っていた道具を隠すんです。

そもそもルリビタキはこういう鳥です。

今年の3月、京都御苑で撮った子。
2歳くらいかな。
ルリビタキの♂は、羽が青いのですが 、齢を重ねるほど綺麗な青になるのです。
写真の子は若いです。

ルリビタキは冬鳥で、夏は高山で繁殖し、冬になると人里近くの山林で暮らすのです。
で、なぜ人が持っているなたを隠すのかです。

それは、ほだ木とかを集めに人が山に行くと、冬枯れの景色の中で青いルリビタキはとても目立つんです。
しかもルリビタキは近づいてきてチラチラと人を見ます。
明らかに自分を見ているのです。
そうなると、山仕事をしていても段々ルリビタキの事が気になってきます。

ついには、ひょっとして、自分のことをついて来いと誘っているのではないかと思ってしまいます。
で、ついついルリビタキを追いかけてしまいます。
するとルリビタキは逃げるんですが、それでもチラチラとつぶらな瞳で自分のことを見ています。
だから、なおもルリビタキの跡を追ってしまうんです。

そうこうする内にハタと我に返ります。
自分は小鳥の後なんか追いかけて何をやっているのだと。
仕事に戻ろうと。
その時、手にしていた筈のなたが無いのに気づきます。
いつの間にかどこかに置いてきたのです。
そうして冬の山の中をなたを探しまくる破目になります。

それって、ルリビタキがなたを隠したわけじゃない、単に人がなたをどこに置いたか忘れただけじゃないかって話です。
でもルリビタキの不審な行動によって引き起こされた事態です。
種を明かせば、ルリビタキは縄張り意識が強くって、縄張りの中に入ってきた人が気になって見ていただけなんですけど。

いずれにしても、古来より、冬場に山仕事をした人はルリビタキのおかげでなたを探しまくることになり、その結果、ルリビタキはなた隠しという異名を持つことになったのだそうです。
私はこの話を神戸森林植物園のおじさんから聞きました。

神戸森林植物園にもルリビタキはいるでしょうけど、12月になれば、京都御苑に行って、ルリビタキに会おうと思います。
同じ場所に戻ってくる筈だから同じ子に会えるかもしれません。
3月に見た時より綺麗な青になっているかもです。



つばめの旅立ちまで・・

2020年09月12日 | 野鳥
私がたまにバードウォッチングに参加するグループの主催者の久下直哉先生がつばめの旅立ちまでを取材したテレビに出演されました。
テレビ大阪のHPで2週間くらい(9月23日くらい?)までしかリンクされないみたいですが、内容が良いので紹介します。

ここです。

今年の梅雨の長さは、つばめをはじめとした野鳥達に悪い影響を与えているだろうと思っていましたが、やはり雨で親が餌を獲れず餓死したつばめの雛もいたようです。
自然の過酷さを改めて思い知らされます。


この写真の子達は、私が7月に福井県若狭町に行った時、民宿の部屋のベランダに作られた巣にいた子達です。
親鳥が帰ってくるたびに雛達の声が賑やかに聞こえたので気が付きました。
やはり雨でしたが、親鳥は雨の止み間に餌を獲りに行き、必死で子育てしていました。

無事に巣立ちしてくれていたら嬉しいです。


京都御苑 恋するアオサギなど

2020年03月06日 | 野鳥
私の出掛ける予定が、お茶のお稽古以外ほぼ全て中止です。
そこで京都御苑へ一人でバードウォッチングに行ってきました。

家を9時15分くらいに出ると11時には京都御苑につきます。
京都御苑、やはり近所とは大違い。
期待しないで行ったのですが沢山の鳥達との出会いがありました。

まず出会ったのが京都御苑名物のビンズイです。




スズメほどの大きさの地味な鳥です。
珍しい鳥ではないのですが、バードウォッチャーでなければ知っている人も少ないのでは。
出会っていても気が付かないと思います。
分かるかな。こんな感じですから。

ビンズイは京都御苑に行くと、夏以外ならば、98%くらいの確立で出会えます。
私はこういう地味ィ~な鳥が好きです。

ビンズイは松林の林床が好きで、京都御苑には松林が多いのです。
でもさすが京都御苑。松林以外にもいました。

次に出会ったのはシロハラさん。
落ち葉を嘴で左右にバッサバッサと飛ばしていました。



こんなことばかりしているので、シロハラは“忍法木の葉隠れ”とか言われるのです。
でも苦労のかいあって見つけました。虫です。
この子の目、ハート型っぽい。

京都御苑は知る人ぞ知る、だだっ広い。
バードウオッチングする時は砂利を敷いた広い道を歩かず、なるべく人のいない森の中の道を歩きます。

すると次に見つけたのはイカルの群。
地面に落ちている木の実を食べているのです。


ちょっとズーム。



アップ。この大きな嘴で固い木の実を割って食べます。
木の実を割るバキバキいう音も凄い。

飛び立つ。







場所を移動して見辛かったけど100羽近くはいたと思う。


私がイカルの群を見ていると年配のご夫婦が「あちらにルリビタキがいますよ」と教えてくれました。
そのご夫婦、イカルにはまったく興味がない様子。

だいたいそうなんですが、通常イカルのような鳥は興味を持たれず、綺麗系のルリビタキのような鳥に人は夢中になるのです。
というわけでルリビタキの雄です。




時間も経ったので、帰る方向に歩きます。
林床で出会った鳥達。手前がシメ、向こうがツグミ。
シメのアップ。餌探しで嘴が汚れています。

アトリもいました。何か咥えています。




都会のど真ん中なのですが複数の山の鳥を同時に見られるのは京都御苑ならでは。

そろそろ帰ろうと思って出口に向かっていると建物の屋根にアオサギが二羽。
どうやらカップルの様子。
屋根の上を歩きにくそうにヨチヨチと移動。この足ですから。
嘴の色に注目。
アオサギの婚姻色である赤色です。

鳥の場合、繁殖期に体の一部分の色が変わることがあり、婚姻色と呼ばれています。
アオサギの場合、個体差もあるらしいのですが、嘴と嘴の上部、眼、足が赤みがかるのだそうです。
1年のうち、3月中の1.2週間しか、この赤い色は現れません。
そういえば足も少し赤みを帯びています。

たぶん、右側が雄だと思いますが、じつと見ていると面白い場面に遭遇しました。
ピッタリと付いてくる雄に、どう思ったのか雌がいきなり振り返りました。


雄はたちまち首の羽から頭の飾り羽まで立てて興奮状態。














元に戻りました。



本格的な求愛行動をするには足場が悪いようでした。(笑)
でも嘴と嘴を交わすキスまでいきました。

というわけで、最後は恋するアオサギさんで、私は大満足のバードウオッチングを終えました。