緑陰茶話   - みどりさんのシニアライフ -

エッセイとフォト

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台湾が京都橘高校フィーバーらしい

2022年10月24日 | 話題
今年のお正月にYouTubeでハマっている動画として京都橘高校吹奏楽部のマーチングバンドについて書きました。⇒ここ

その京都橘高校吹奏楽部は10月10日の台湾の国慶節に招かれてパフォーマンスを披露していました。結果、センセーションを巻き起こして、台湾はちょっとした京都橘高校フィーバー状態になってしまったらしいです。
一種の社会現象のような感じらしい。
(例によって、そのようなことは日本のメディアではほとんど報じられていないです。)

気持ちは分かります。
私もハマりましたから。
『台湾の人達、見ちゃいましたか、あれを』って感じです。
後は“オレンジの悪魔” (京都橘高校マーチングバンドの異名。誉め言葉!)の虜になるだけです。

京都橘高校の動画は以前から見ていたこともあってか、国慶節以降、連日、私のYouTubeは台湾からの動画投稿が雨あられ状態。
すべて京都橘高校関連です。
最近少しマシになりつつあります。

私も動画で台北総統府庁舎前で行われたパレードを見ましたが、さすがでした
。⇒ここ
とりわけドラムメジャー(マーチングバンドの指揮官)の木花百花さんの指揮ぶりは、堂々としていながらも優雅で、気品があって、台湾で人気沸騰したのも分かります。

動画を見ていたら色々と考えることがありました。
たとえば台湾の女子高のマーチングバンドも披露されているのですが、それが何と言うか、すこぶる軍隊調なのです。

日本なら通常、カラーガード(マーチングバンドで、演奏ではなく視覚的効果を狙って旗等の手具操作を行うパート)がフラッグを持って演技するような場面でも、彼女たちは銃を持ってそれをクルクル回したり、一斉に放り投げて受け止めたり。
女子高生が銃って・・・
歩き方も軍隊の行進みたい。
本来のマーチングバンドはどうなのか詳しくは知りませんが、台湾の置かれている状況を考えさせられました。

動画のコメント欄も、台湾の状況を反映しています。
私のスマホのYouTube、コメント欄は英語以外は翻訳機能が働くので中国語は翻訳可能です。
台湾の人達は台日友好で気分が高揚しているのですが、それが気に食わないのが中国人。
やれ足が太いの短いのと、あれこれ貶めに来ているわけです。(笑)

そういう貶め方をすると、人としてのレベルが分かるのですが・・・。
あえて説明しておくと、京都橘高校吹奏楽部は通常のマーチングバンドではやらないことをやっているので有名なのです。
たとえばアメリカのローズパレードでは、8.9キロの距離を歩きます。
そこをダンスしながら、物によっては重い楽器を乱れることなく演奏します。
しかも最初から最後まで笑顔を絶やさないのです。
そんなことは通常の体幹や肺活量では不可能で、日頃から鍛え上げられているわけです。
太い足はその結果なんですけどね。

そんなことより、私が素晴らしいと思うのは、彼らのパフォーマンスは大人(教師やコーチ)の押し付けじゃないこと。
選曲を初めとした構成、ダンスの振り付けも彼ら自身が考え、話し合って決めていること。
そこでの教育に教師がほとんど関わらず、代々先輩から後輩へと教え教えられて受け継がれている事です。
たぶん、そういうことは、上意下達で見かけが大事な全体主義国家に住まわれている方々には理解できない事柄じゃないかな。

いずれにしても、コメントを読んでいると、中国では天安門事件以降、国内問題から目をそらす為の日本を敵とみなす教育は成功しているなと分かります。
それに対する台湾の反応も、台湾が置かれている情勢を反映していますね。
「台日友好、中国崩壊」です。(^^;

台湾内部の事情も複雑なものがあるのかも知れません。
漠然と感じ取れることは、人々の間で、中華民国ではない、台湾としてのアイデンティティが確立されているみたいな。
ただ、日本はやはり京都橘高校(オレンジの悪魔)が引き起こした台湾での旋風を知っておくべきだと思います。
今後、中国と台湾の間で何が起こるか分からないし、その時に、台湾の人達の思いを日本人が理解するためにも。


ところで、我が家にも可愛いオレンジの悪魔がいます。
ツンツンデレデレのハッピーちゃんです。

「何、 私の話?」


クネクネ、スリスリ


耳、かゆ~い!!




京都へお出掛け 表千家北山会館と国立博物館

2022年10月20日 | お出かけ
茶道の先生から表千家北山会館の無料招待状をいただいたので、茶道仲間で着物友達のMちゃんと着物を着て京都に行ってきました。

京都まで行って、北山会館に行くだけだともったいないので、私はやはり茶道の特別展をやっている野村美術館にも行こうと思っていたのですが、茶道の先生から野村美術館より今、茶の湯のテーマで展示している国立博物館に行くように言われました。
曰く、そっちの方が展示物が多い。

場所的に野村美術館はともかく、国立博物館は北山会館から離れているのでだったのですが、国立博物館に行くことにしました。

着物は単衣か袷か迷ったのですが、冷え込むということだったので袷にしました。
実際には暑くて、Mちゃんと二人して「暑い。エアコン効かしてほしい」と言いつつ、あちこち歩き回りました。

地下鉄に乗った時、ある印象的な出来事が・・・。
私達が座った座席の向かいに、クルクルッとした感じにパーマをかけた3人のおばさん達が座っていました。
その3人が口に手を当てて耳打ちするように何やらヒソヒソコソコソと話をします。
時々、前の席の私達を見ている感じ。

何か言われているのだろうか。
それとも気のせい?

電車を降りると早速Mちゃんが「あれ絶対私らのこと話してたで。露骨やった」と。
Mちゃんがそういうのなら気のせいではなかったみたい。

ということは、あのクルクルパーマの3人組は、人の着物の着方にやたらケチをつける着物警察か、はたまた着物を着た女性を見るとそれだけで不愉快になり敵愾心を燃やす人達だったのか。
京都だから後者はないよね。
その後、私とMちゃんは自分達の格好に、なんか気づかぬ不備があったか言い合ってしまいました。

この話、後に茶道の先生にお話したところ、やはり着物の着方にケチを付けていたのだろうと言われました。
京都人、特に京都の女性は着物に殊の外うるさいらしくって、おまけに性格がイケズなので、私たちはその洗礼を浴びたようです。
先生は「面白い経験したね」と笑っていました。

私達が先に行ったのは表千家北山会館の方でした。
無料招待状であれ入場券であれ、入った人は干菓子と抹茶がいただけます。
暑くて喉が渇いていたので、まずそこに行きました。


堅苦しいお茶席でなく、普通にお茶と干菓子がいただける所です。
一人だけいた先客は抹茶の点て方を教えてもらっていました。
難しい茶道のお点前ではなく、抹茶を美味しく点てる方法です。
そうやって教えてもらって、自分で点てて、自分で飲んでいました。

今回の展示のテーマは千家茶道の確立でした。
表千家、裏千家、武者小路千家と三つに分かれる頃の経緯です。
色んな展示物をざっと見て行きました。


これは長持、葵の御紋ですが、千家は紀州徳川家に出仕していて縁が深かったみたい。

北山会館を出るとお昼時だったので、近くにあったパン屋さんの進々堂でランチを食べ、パンも買って、その後、国立博物館へ。

博物館入口への道。


記念写真。左が私。


今回の特別展のテーマは「京に生きる文化 茶の湯」でした。
国宝級の道具類がワンサカ展示されていました。
ただ、あまりにも展示物が多くて、最初は熱心に見ていたのですが、後の方になるとグッタリしてました。
なのに後の方の展示物の方が見る価値があるものでした。

見終わった頃には二人してクタクタ。
そのまま帰るのもしんどくて、博物館内のカフェで休憩。

カフェから撮った写真。


今度から国立博物館に行く時は、他のどこにも寄らないようにしようと言い合って帰りました。



秋?

2022年10月16日 | 庭の植物
どうやら秋らしいのですが、まだ暑いです。
今もエアコンをいれてます。
ちょっと動くと汗びっしょり💦

街を歩いているとキンモクセイの匂いが漂ってきます。
我が家のキンモクセイも花が咲いています。


雨が降らないので庭は乾き気味。
でも庭の手入れをする元気がでません。

シニアの学校の家庭園芸の講座、疲れました
農作業が辛いのでした。
結局、講座の日だけでなく、間の日も水遣り等々の農作業で出て行くことになり、暑さにやられてクタクタになって帰る破目に・・・。
肝心の家の庭は放置です。

でも植物は健気です。
人に放置されても実を生らします。


恒例のアケビの実も。



これはコムラサキシキブの実。葉っぱは虫に食われてボロボロ。



ゴチャゴチャに咲いたイヌサフラン。



七色ランタナ。



蕾がいっぱいのホトトギス、最初の花です。

順次咲いていくのでしょう。
じっと見ると面白い花です。



黄色のクロッカス。花の中に小さなアブが・・・。



アメジストセージ。


以上、ほとんどお世話せずに咲く花ばかりです。

           


最近、コロナについて、色んな人と話していて「もういいんじゃないか」って感じになってきてます。
行きつけの美容師さんによれば、お客様との話として「無症状の人が多い」とか。
要するに家族が罹ったので自分も検査したら陽性だった、でも無症状だったという人が多いらしいです。

私も1回くらい罹っているかもしれません。
しょっちゅうお出掛けしてるし、飲食店での会食も多いし。
気持ち的には、コロナは「もうええやん」です。
戸外ではマスクは外しています。

「コロナがゼロになるまでは」なんて言っている人もいますが、ゼロコロナは無理だと思います。
後はドーンと受け止める気持ちの問題かも。
私の兄は難病持ちだけどワクチンは打ったことなし、その上毎日出歩いてますが罹りません。
というか罹ったのかもしれませんが無症状だったのかも。

人は誰でも病気に罹るし、死も避けられない。
コロナだけが特別じゃないし、もっと向き合わなくてはならないことも多い。
今もコロナで必要以上に慎重な人は、そのことで責任を取りたくない立場の人みたいです。

実は公民館の秋の催しで、私が入っている茶道教室はコロナ前は毎年お茶会を開いていました。
でもコロナ以降はずっと中止状態でした。
今年は開けると思っていましたがストップが公民館からかかりました。
飲食はダメなんだそうです。

そんなこと言ってたら飲食店はどうなると思いましたが、公民館はどうやら何かあった時に責任を取りたくないみたい。
役所がからむ公的な場所はみなそれです。
生活がかかっていないし。

いつまでもコロナに振り回されるのはどうなんだろうって思います。


最後におまけです。
我が家のサビ猫、ラッキーちゃんの写真です。
いつもマッタリと庭を眺めています。



岐阜に行ってきました 新体操編

2022年10月11日 | 男子新体操
宿から大会が行われる「岐阜メモリアルセンター」まで、歩いて20分くらいです。
宿の人は、近辺の地図も載っている観光用パンフレットで一番迷わない道を教えてくれてました。
途中でコンビニにより、ランチ用のサンドイッチや飲み物を購入。
商品棚がほぼカラで、売れ残りみたいな感じのものでしたが仕方ないです。

「岐阜メモリアルセンター」まで行くのは簡単だったのですが、着いてからが大変でした。
というのも「岐阜メモリアルセンター」って、私の想像を絶した巨大な総合スポーツ施設だったからです。

「岐阜メモリアルセンター」の中にあるのは、屋外型の野球場と競技場。(それだけでも大きい!!)
ドーム状の会場が大小二つ、スイミングプラザ、テニスプラザ、弓道場に武道館等々…と、スポーツ関連の施設が幾つも入っていたのでした。

帰ってから調べて分かったのですが、たとえばスイミングプラザといっても競泳やアーキスティックスイミングにも対応した屋外と屋内の複数のプールがあり、テニスプラザの方も屋内と屋外があり、屋外のテニスコートだけでも12面ありました。
傍に長良川もあるし、その気になればオリンピックでも開けるんじゃないかと思うほど。

そんな「岐阜メモリアルセンター」の中を、私は大きい方のホールを探してウロウロオタオタ。
時間を気にしながら、なんとかホールに辿り着きましたが、観客用の2階の入口が分かりません。
辿り着いたのは選手など関係者が入る1階の入り口。
そこで観客用の入り口を尋ねるべく近づくと、いたのは青森大学の学生達。
(揃いのTシャツのロゴで分かった。)

青森大学の男子新体操部といえばインカレで21連覇中の最も強いチーム。
そこの部員さん達が大会のお手伝いに駆り出されて1階の関係者用の受付をやってたみたいです。
そこで若い子(全員若い!!)を捕まえて2階の入り口への行き方を聞きました。

私は歩き回って汗だく状態だったせいか、その子には『このバーサン、大丈夫か』と思われたみたいで、心配そうに「分からなかったら戻ってきてください、付いて行きます」みたいなことを何度か念を押すように言われました。
でもその子、気が付くと足を引きづっていて故障中みたいで、そっちが心配。

辿り着いた2階の入り口にいたのは、2番目に強い国士舘大学の学生達。
他のスポーツでも、そんなことがあるのかどうか知りませんが、日頃 YouTubeで演技を見ている大学の新体操部の部員さん達(もちろん動画のご当人ではないのですが)を間近で見るのはなんとなく嬉しいことでした。
皆さん、とにかく若~い!!
というわけでやっとホールの中に入れました。

何を隠そう私は、スポーツ観戦なんてほとんどしたことのない人。
どう振る舞ってよいのかも分かりません。
ヒヤヒヤドキドキでした。

一番良い、カメラの後ろ側の席はほとんど埋まっていたのですが、一人でしたので上手い具合に一番前の空いていた席を確保。
落ち着いて観察すると、思っていた通り、来ていたのは選手以外の同じクラブの人とか家族とか、選手の身内みたいな人達が多そうでした。
でも私の隣の二人組は身内ではなく男子新体操のファンのようでした。
もう一方の隣は若い男性で一人で観てました。

カメラは正面から撮りますので、その後ろ辺りが正面から見られる場所になります。
審査員も(線審を除いて)フロアの正面で見て審査します。
選手は審査員アピールの為に、審査員から見て一番カッコいい位置で演技します。
例外は井原高校で、監督は「観客は四方にいます。ですから四方のどこから見ても美しく見られるように演技する」んだそうです。

前正面席と後ろ正面席以外は観客はまばらでした。
遅く来てもそういう席なら座れます。
向かい側になる後ろ正面の席は、よく分からないのですが出場者のチームの人達が座っているみたいでした。

私が席に着いた時には9時を少し過ぎていて、競技はもう始まっていました。
ところがやっていたのは個人が演技するキッズ選手権でした。
小学生を主とした徒手の演技で、一生懸命なのはよく分かるのですが、家族でなければ敢えて見たいとは思わない「千里の道も一歩より」という感じの演技なのでした。
もちろん、励ましの拍手は惜しみませんでしたけど。

3日目は団体の筈なのに、ネットで調べていた情報と全然違う。
購入したプログラムによると団体は午後からだったのです。
それだったら1泊する必要はなかった・・・。

この大会は、そもそもNPO総合体操クラブと全日本シニア体操クラブ連盟の主催でしたので、クラブ選手権の中に事前に私が知らなかったキッズ選手権も含まれていたみたいです。
民間の体操クラブに通っているのは小学生くらいの子供が多く、そういう子供達の晴れ舞台になる競技会がキッズ選手権だったんでしょうか。
この大会、見るのは無料でしたので文句は言えません。
それに一泊したおかげで鵜飼も見られたし。

付け加えると、民間の体操クラブ主催にはそれなりの面白さがあって、公的なルールに縛られない色んな実験的な試みをしているのでした。
私が今回どうしても見たかったミックスの団体演技もその一つでした。

スポーツでミックスという場合、男女のミックスを思い浮かべるのですが、男子新体操の場合、それだけではないようです。
他のスポーツでもそうなのか知りませんが、異なる年齢層のミックスというのもありました。

たとえばユースというと、男子新体操の場合、個人選手では中2から高3、団体では小4から高3なんだそうです。
そして、団体ミックスの場合、4、5歳の幼児が団体のユースの年齢の選手と一緒に演技することもあるのでした。

以前見た動画では、4歳の子でもお兄ちゃん達に合わせてちゃんと演技できていました。
ある意味、一人で出場するキッズの選手よりもしっかりしていて、“お兄ちゃんと一緒効果”みたいなものがあるのかもしれません。
今回も出場していましたが、身長差が倍近く違ってました。

そしてもう一つのミックスは健常者と障碍者です。
残念ながら今回はエントリーされていませんでした。

今回の男女のミックスでは、女子の新体操の選手が入っていたチームがありました。
私が以前に動画で見ていたのは小学生の女の子が入ったミックスでしたので、成人女性というのは初めてです。(もちろん男性も成人)
さすがに巧かったですし、可能性を切り開くという意味でも面白かったです。

ずっと見ていて気になったこともあります。
男子新体操のファンらしい私の隣の二人組の女性。
新体操の会場には男性用と女性用の二つのマットが並んでいて、男女順番に演じられるのが通例で今回もそうでした。
(観客席も男子新体操と女子の新体操は、大まかですが分けられています。)
一人は女子の新体操の演技の時もそれを見ていて拍手したりするのですが、もう一人は女子の新体操にはまるで関心がない様子。

私が思ったのは、関心がないから見ないし拍手もしないって、観客のマナーとしてどうなんだろうということ。
最初から見もしないわけです。
こういうのって新体操の大会の場合、ありなのでしょうか。
競技フロアに出ていた女子の選手の中には、男子の演技が終わると拍手している人達もいたので余計そう思いました。

私がそんなふうに考えたのは、男子新体操の歴史を調べていて分かったこととして、例の統一教会の件で再び名前が出てきた山崎浩子さんや、秋山エリカさんが活躍していた頃の話です。
当時、女子の新体操は割と人気があって、テレビのようなメディアでもよく報じられていました。
(だから当時の主力選手の名前を私でも知っているわけですし、統一教会の広告塔にもなり得たのです。)

ところが同じ会場で、かわりばんこに演技していた男子新体操については完全に無視で、まるで存在さえしていないような扱いでした。
ですから大半の人は女子の新体操については主力選手の名前まで知っていても、男子新体操についてはその存在すら知らないことになってしまったのです。

メディアの報道というのは受け手の知識や意識に物凄い影響を与えるものだと思う一方、やはり報道の姿勢としてちょっと極端すぎたのではないかと思います。
もちろんそれは視聴者の要望に沿った判断だったと言われるかもしれませんが、存在さえ知らされないのなら要望も何もないです。

そういう過去があったので、私は男子新体操を見にきたのだけれど、一観客としては女子の新体操も見ようと思っていました。
実際、私が見た「2022新体操フェスタ岐阜」について、新体操関係の記事を専門に書いておられる記者の椎名桂子さんは、神谷梨帆選手の演技を取り上げながら次のようにレポートしています。⇒ここ

普通の競技作品であれば、もっと難度を入れなければ高得点にはならないのかもしれないが、この作品においての難度は、体も手具も物語を描き、感情を伝えるためのツールとしてのみ存在していた。もしかして、新体操って本来はこうだったのかもしれない、この演技を見ながらそう思った。
今大会のマスターズ部門では、こういった「新体操ってこれでいいんじゃない?」「むしろこれがいいんじゃない?」と感じる演技をたくさん見ることができた。
手具を扱い、音楽にのせて演技をする、ということはこんなにも素敵で可能性に満ちたものなのだ、と確信させてくれた。


椎名さんの指摘は男子新体操にも通じる凄く大切なことだと思います。
男子新体操でも、やっていることは凄いと思うけど、見てて感動しない演技が高得点だったりすることもあるからです。(そういう意味で新体操では点数や順位は絶対ではないと思う。)

そうではない、感動する演技が目の前で繰り広げられているのに、男子新体操しか興味ないからそれしか見ないというのは視野が狭すぎるし、もったいないし、選手に失礼だし・・・、と考えたわけです。
私なんか男子新体操を見に行って長良川の鵜飼まで見たのにね。

てな調子で他人を冷たく見ていた私のスタンスが、あっさり覆ってしまったのが井原ジュニア新体操クラブがウォーミングアップ場に現れた時です。

井原ジュニア新体操クラブというのは、井原高校の系列の新体操クラブで、井原高校と同じ場所で練習していて、彼らは中学を卒業したら井原高校の男子新体操部に入るみたいです。
そして井原高校男子新体操部は、圧倒的に美しい演技をすることで国際的に有名なのです。

次に演技するチームはフロアの隅にある衝立で囲まれたウォーミングアップ場でウォーミングアップするのですが、井原ジュニアはウォーミングアップだけでも美しい。
ジュニアでそのクオリティかと思う程の、いわゆるレベチ、レベルが違うってやつです。

マット上では別のチームが本番の演技をやっているのですが、私の目は井原ジュニアのウォーミングアップに吸い寄せられてしまう。
それって、マット上で演技している選手達に失礼でしょ。
私のスタンスはどこに行ったのかと思い、無理無理マット上の演技に意識を集中させました。

そして感嘆ものの井原ジュニア新体操クラブの演技も終わった後、私にとってのサプライズがありました。
井原ジュニアの選手達が競技用のレオタードを着たまま、観客席のちょうど私の斜め前あたりにやってきたのでした。
どうやら私の隣の一人置いて並んでいた女性達は、井原ジュニア新体操クラブの関係者だったみたいです。(お母さん達?)

この時の私の心境は、バードウオッチングしていて突然、滅多にお目にかかれないサンコウチョウかイスカみたいな野鳥が目の前の枝に留まった、みたいな感じでした。
ジュニアですから若鳥ですね。
もう食い入るように見つめるしかない・・。

6人の選手達は一様に朱を刷いたみたいに頬を紅潮させていました。
「さっきとは表情が違う」と言われていました。
たぶん、自分達でも満足のいく演技だったのでしょう。

私は、たぶんあまりにも見つめていたのでしょう。
3回くらい選手の人と目が合ってしまいました。
『アカン、失礼や』と思ったのですが、どうしても目が離せない。
マスクで呆けたような顔の半分が隠れていて本当に良かった。

とまあ思いがけないこともあったりしましたが、午後の4時20分くらいに競技は終わりました。
問い合わせた電話で午後の8時に終わると言っていたのは1日目と2日目のことだったみたいです。
ですから余裕をもって帰宅することができました。

この大会は写真撮影は禁止ですので写真はないです。
いずれ演技の動画がYouTubeでアップされる筈で、それが楽しみです。


岐阜に行ってきました 鵜飼い編

2022年10月01日 | 男子新体操
9月24日25日と岐阜に行ってきました。
目的は岐阜市にある岐阜メモリアルセンターで開催された「2022新体操フェスタ岐阜」を見るためです。
男子新体操についてあれこれ書いているのに、実際に見たことないでは格好がつかないので行って見てきたわけです。
もちろん、一度は実際に見たかったというのもありました。

岐阜は初めて行く場所。
まったく土地勘がありません。
もちろん一人です。

宿を事前に探して予約し、結局、長良川の鵜飼まで見ることになりました。
男子新体操を見に行って鵜飼まで見るんですか、どういう関係があるんですかって感じです。
もちろん関係はありません。
なぜそうなったか書いてみます。

そもそも男子新体操の競技会って、いつ、どこで、どういうふうに開催されているか、部外者には分かり辛いのです。
私が行こうと思ったイベントも、いつどこで開かれるか、大まかな日程まではネットで検索しまくって分かったのですが、その先が分からないのです。
結局、ネットで問い合わせ先と書かれていた新体操関係のNPO法人に電話して詳しいことを聞きました。

聞けば競技会は朝の9時から始まり、夜の8時に終わるとか。
実際は違っていたのですが(他にも違っていたことが多々ありました)、聞いた時は観客(私)の体力が持つのかと思いました。
「お昼休みとかあるんですよね」と聞くと「審査員も人間ですからお昼休みも休憩もあります」とのこと。
食事は持ち込みOKで会場で食べられるとか、入場料はタダとか。

今回の「2022新体操フェスタ岐阜」は男子新体操のクラブ選手権と社会人選手権、それと女子のマスターズ(社会人大会みたいなもの)も兼ねて3日間の日程でした。
この大会は全日本選手権の予備選も兼ねてましたので出場者数が多かったみたいです。
ネットでは1日目2日目は個人競技で3日目が団体と書いてあったので私は25日の3日目だけ見ることにしました。
それでも朝の9時からだと前日に1泊しないと最初から見られそうにありません。

で、宿を取ろうとしたのですが、3連休の2日目で、その時点ではどこも予約はいっぱい。
岐阜の街中の安価なビジネスホテルは無理でした。
どうせ泊まるなら会場の岐阜メモリアルセンターの近くがいいと、地図を見ながら宿を探していると長良川沿いに「鵜匠の家 すぎ山」というのがあって、そこの1泊朝食のみビジネス向けシンプルプランが空いてました。

それでそこに決めて、結果、鵜飼まで見ることになったのです。
当初は、長良川とか鵜飼とか、考えてもいませんでした。
でも、どうせ岐阜まで交通費を出して行くのなら、見られるものは見ておこうという気になりました。

ところで24日は静岡に被害をもたらした台風の日。
関西から名古屋方面は台風被害では何ともなかったのですが、東京までの新幹線は午前中は運休でした。
新大阪から名古屋までは計画運転だったみたいです。
午後からは平常運転に戻ったみたいで、午後の2時に家を出ました。
それでも皆さん、新幹線の運行を待っていたのか人出は多かったです。

「鵜匠の家 すぎ山」というのは観光旅館だったのですが、ビジネスプランだから夕食はなし。
近くに食事処など無さそうな場所だったので、名古屋での乗り換え時に夕食用に名古屋名物味噌カツ弁当を購入。
JR岐阜駅で降りて目的地行きのバスに乗り(と簡単に書きましたが目的地行きのバス乗り場を探すのに一苦労)、宿に着いたのが5時30分頃でした。

「鵜匠の家 すぎ山」は昭和な雰囲気の旅館でしたがリノベされてて中は綺麗。
チェックインした時、コンシェルジェに岐阜メモリアルセンターへの行き方を詳しく聞きました。
なにしろまったく土地勘無しで、その上私は方向音痴ですから。
その時に、夜、旅館の前から鵜飼の見学ができることを聞きました。
説明で、長良川の上流とか下流とか言われても海がどっちなのか、東西南北の感覚さえ消滅していました(笑)。

観光の鵜飼は7時半と9時半の2回あるという話でした。
川に面した部屋で一人寂しくお弁当を食べ、その後に入浴。
お湯は長良川温泉の湯で、お湯が金気臭く茶色いのでした。
鵜飼が始まる7時半頃、外に出ました。







向こう側に見える船は観光の為の屋台船で、手前が鵜飼の舟です。





私は旅館の前の川岸から鵜飼を見ました。
実際には向こう岸からの方が近くて見やすいかもしれません。
ただ、鵜飼の舟は6艘で、その一つづつに屋台船の観光船がついているので、向こう岸からだと鵜飼は見られず観光船を見ることになるかも。
間近で見たいのであれば観光船に乗るのが一番です。

鵜飼の舟は一艘づつ上流から下り、また上流に上り、最後に6艘揃って鵜飼を行うとのことでした。
そうやって色んな漁法を見せるらしいです。
私は望遠レンズも双眼鏡も持ってこなかったので細かい部分までは定かでなかったです。






以下、カメラの露出を上げた写真。





翌朝、部屋の窓から撮った長良川、上流方向です。


下流方向。係留してある手前の舟は鵜飼の舟みたいです。



朝食は豪華でした。
旅館内のレストランに案内されたのですが、窓際の席で目の前に長良川が見えます。
場所が窓際過ぎて旅館の前の道路が見えず、視覚的には窓際から直ぐ川になっていて、まるで船に乗っているような錯覚に陥ります。
じっと川を見ていると、川の流れが止まって自分が動いているような感じになり、酔いそうになりました。

この旅館、夕食付きのプランだと鮎をメーンにした懐石料理が出されるらしい。
口コミによれば美味しくてお腹いっぱいになるらしいのですが、今回は目的が違うしお金がかかり過ぎるのでパスしました。
この旅館の周辺は岐阜城やら金華山やら、岐阜観光の中心地なので観光で行く時はそのプランもいいかもしれません。

朝食後、手早く荷物をまとめ、ロビーでサービスのコーヒーをいただいた後、チェックアウトしていざ目的地の岐阜メモリアルセンターへと出発です。