緑陰茶話   - みどりさんのシニアライフ -

エッセイとフォト

日々の発見と思いのあれこれなど

梅田阪急の祝祭広場でミニコンサートとマドンナーロ

2024年10月30日 | お出かけ
今日、大阪梅田で友人とランチしました。
食後は阪急グランドビルでお茶しました。
グランドビル30階からの景色です。


その後、うめだ阪急百貨店の祝祭広場に移動。
祝祭広場はすり鉢状の階段の客席があるイベント会場で、誰でも座って好きなだけ休めます。
飲食もできて、私には喫茶店よりくつろげる場所です。
今日はイタリアフェアでした。

たまたま日本在住でイタリアのソプラノ歌手ティツィアーナ・ドゥカーティさんがミニコンサートをしてるところに遭遇。
左の方です。





ゴッドファーザーのテーマ曲やらジリオラ・チンクエッティが歌っていた懐かしい「雨」など数曲聞かせてもらいました。
「雨」の時は皆で手拍子。
生で聞かせてもらえるなんて、なんだか得した気分。

次は・・・
設営中


私は今日初めて知ったのですが、イタリアにはマドンナーロと呼ばれるものがあるそうです。
意味は「聖母を描く人」または「聖母を描く仕事」だとか。
ストリートペインティングとかチョークアートとも呼ばれているそうです。

要するに石畳やアスファルトの道路上にチョークやパステルで絵を描いてお金をもらう仕事みたいです。
今日来られていたのはマドンナーロToMOさんという、マドンナーロとしては第一人者の日本人の方でした。
ToMOさんは主にイタリアをはじめとしたヨーロッパで描いているそうです。

マドンナーロは描いているところを見てもらうことに意義があるみたいで、今日もベニヤ板にライブで絵を描いていました。



今回、描いていたのはカラバッジョのバッカスとか。
とても上手い絵なのですが原則残ることはないのだそうです。
マドンナーロの絵は雨が降れば流れてしまう・・・。
だから描いているところを見てもらうことに意義があるのでしょうか。
ただ描くだけでなく、プロとしては観客とのコミュニケーションも大切みたい。

今日はたまたま出かけた梅田で面白いものを見せてもらいました。


怖すぎ、六条御息所

2024年02月07日 | お出かけ
5月に開催される大阪能楽大連吟のお稽古開始のオリエンテーションの時、能楽の先生から自分が出演する大槻同門会能の案内がありました。

案内によれば先生が演じられるのは「井筒」でした。
それで「井筒」の説明も受けたのですが、同時に別の人の演じられる「葵上」の説明も受けました。
たまには能楽も良いかなと、なんとなく興味を持って前売り券を購入しました。

その日の演目です。


先日、観に行ってきましたが、あいにく睡眠不足状態。
絶対眠くなるなと思っていたところ、やはり眠くなりました。
必死に目をこじあけて鑑賞。
他の観客はというと、やはり俯いている人が多く、寝ている様子。

「井筒」の説明も事前に聞いていたのですが、何ともよく分からない内容で、世阿弥の自信作の夢幻能とか。
夢幻能というのは能の分類の一つで、旅の者が見た夢幻のようなものだから、半分寝ながら見てちょうど良かった、というのは言い訳です。

間に短い狂言が入り、それはちゃんと観てました。

次は「葵上」でした。
それも事前に先生の説明を聞いていました。

能楽の「葵上」は女性の嫉妬を描いた傑作なのですが、単に嫉妬の醜さや怖さを描いているのではありません。
主人公の六条の御息所は高貴な女性で、教養も知性もあり、強い矜持心も持ってます。
もちろん前の皇太子妃という身分の高さや美貌といったものも持ち合わせているのです。

だから意識の上では嫉妬に狂うなんて醜いことはしたくないし出来ない筈なんです。
でも、就寝中は理性の力が弱まり、心の奥底の光源氏の正妻の葵上を憎いという気持ちが生霊となって体から出てしまうのです。
決して彼女自身は葵上を害したいと思っていないのに、彼女の無意識が葵上に取り付いて苦しめるという難しい役どころなのです。

始まってから最初のうちはやはり睡魔との闘い。
気が付くと頭がガクッとなっている。

でもシテ(主人公)の六条の御息所の嫉妬心が抑えがたく激し始めると眠気が次第に失せ、舞台に目をこらすことになりました。
それはシテの演技だけでなく、囃子方や地謡の効果でもあったと思います。
能のそういう演出って凄いです。

やがて般若の面を付けて鬼の姿となった六条の御息所と、それを調伏しようとする横川の小聖との闘いのシーンはまさにド迫力。
眠気が吹っ飛んじゃいました。

「葵上」では六条の御息所はたとえ鬼の姿になっても気品を持って演じなければならないようです。

これは上松松園が描いた六条の御息所


対してこちらは葛飾北斎が描いた鬼になった六条の御息所


帰り道、前を歩いていた中年の男性が興奮気味に「悪いのは光源氏だろ。なのに葵上を恨むとは・・」と連れの人に語っているのが聞こえましたが、恋愛って善悪で計れないんだよね。

一つ教訓。能楽を観に行く前の晩は早めに寝ましょう。
でないと観劇中、睡魔との闘いになってしまう。

劇場実験〝蘇るバレエ・リュス〟に行く

2024年01月30日 | お出かけ
なんとも奇妙な劇場体験をしました。
きっかけは前々回の記事「12月の男子新体操演技会 振り返り②」で触れたバレエ鑑賞です。
プログラムと一緒に貰ったチラシの中に「劇場実験 蘇るバレエ・リュス ー薄井憲二バレエ・コレクションの同時代的/創造的探究ー」というのがあったのです。

私がバレエ「くるみ割り人形と秘密の花園」を見に行ったのは、そもそも、ある男子新体操の演技に「これはロシアのバレエの古典だ。振付師は誰か?」というロシア人のコメントがあったからでした。
それで男子新体操の選手が賛助出演しているというバレエ「くるみ割り人形と秘密の花園」を見に行ったのでした。(それでどうだったかは前々回の記事を参照してください。)

ロシアのバレエの古典といえば、「白鳥の湖」とか「眠れる森の美女」が思い浮かぶのですが、日本の男子新体操はそんなものとは似ても似つきません。
ただ「韃靼人の踊り」ならば男性舞踊手の群舞という共通項があります。
そうだとするとロシア人のコメントの〝ロシアのバレエの古典〟は〝バレエ・リュス〟を指すことになるんじゃないかと思えました。

でも私、バレエ・リュスってよく知らないんです。
というかバレエそのものをよく知らないのです。(バレエ自体にあまり興味がない・・💦)

でも私だって西洋文化史の基礎知識は多少ながらあります。
バレエ・リュスがフランス語でロシアのバレエという意味であり、20世紀前半、ロシア人プロデューサーのディアギレフが率いたロシアのバレエ団であり、当時の西洋において、舞踊や舞台デザインのみならず、絵画、音楽、ファッション・文学などの芸術の世界に途方もないセンセーションを引き起こしたということくらいは知っていました。

要するに物凄かったわけです。
そのバレエ団の伝説的なバレエダンサー、ニジンスキーはあまりに有名ですしね。

貰ったチラシを見てみると、1月20日に京都芸術大学でバレエ・リュスをテーマに何かやるらしい。

蘇るバレエ・リュスー薄井憲二バレエ・コレクションの同時代的/創造的探究ー - 京都芸術劇場 春秋座 studio21

京都芸術劇場 春秋座 studio21 - 京都芸術大学内にある劇場

 

入場無料だけど要予約となってました。
午後4時開演で3時間ほどかかるらしいのでした。

京都まで行く? 終了時間は午後7時。帰るの大変とか、色々と考えましたが無料というのに釣られ(!?)予約を入れました。

当日は雨でした。
阪急電車の京都河原町で降り、調べておいたバスに乗り京都芸術大学へ。
道路沿いの大階段を登った大学の中にある劇場「京都芸術劇場 春秋座」で劇場実験は行われました。
劇場 春秋座は歌舞伎上演を前提とした劇場で、花道があり、回り舞台もあります。

映像や講演、コンテンポラリーダンスなど、色んな演目があったのですが、最初と最後の映像と音楽の試みは、私の視力が悪化していることもあってか、よく分かりませんでした。

現在、プロジェクションマッピングもそうですが、映像を使って色んなことをやるのが流行っているのですが、見づらいし訴えるものも分からないし、私は好きではありません。
あれ、芸術でも何でもない万華鏡みたいなものに見えるんです。
(関係者は気になさらないでください。私は花火すら好きじゃない人!)

それ以外は分からないなりに面白かったです。
鈴木晶氏の講演ではバレエ・リュスの意義をより詳しく知ることができました。
バレエ・リュスが無かったら、今のバレエは無かったということです。

鈴木晶氏ははっきりとは語らなかったけれど、20世紀初頭のフランスのバレエは世俗化の一途を辿っていて、社会的にバレリーナ達は高級娼婦という位置付けでした。
翻ってロシアは革命前ですから宮廷の庇護もあり、バレエは芸術として発展していたのです。
芸術としてのバレエを引っ提げてディアギレフはパリにやってきたのでした。

この日の試みではバレエ・リュスの衣装の復元というのもありました。
復元された青い鳥の衣装です。

本物の貴重な一枚はバレエ関係の世界的なコレクターである薄井憲二氏の寄贈を受け、現在は兵庫県立芸術文化センターにあります。

1930年代のセルジュ・リファール着用の写真。

セルジュ・リファールはキーウ生まれでウクライナ・コザック出身のバレエダンサー。後にパリのオペラ座を立て直した人らしい。

当時ですから合成繊維はなく、ほとんど絹で、ディアギレフは衣装制作に金に糸目をつけなかったようです。
青い鳥の衣装が使われた「眠れる森の美女」はディアギレフが興行的に失敗した唯一の演目で、そのために彼は破産したとのことです。

復元された製作者の講演もあり、衣装は実際に着て踊れなくてはならないわけで、そのご苦労など語られました。
復元された衣装を着ての男性バレエダンサーの踊りも見ることができました。

この日の催しは劇場実験というだけあって来場者は座席に座ったままではいられない。
第二部の舞踊「パラード」では客はホワイエに出て並ばされました。
人数に限りがあるというので私もすばやく列に並びました。
連れていかれたのは舞台の上、そこからの舞踊の鑑賞です。

体育座りで座って見ていたのですが、座らされたのは舞台上の回り舞台の上、最後には回り舞台と一緒にグルリと回りました。
井原ではタンブリングマットの上に上がりましたが、今回は回り舞台を1周したわけです。
これで踊らされたら本当にビックリですが、さすがにそれは無し。

でもそれで終わりではなく、次は予約を入れた人だけ2階の座席に移動し、そこからの鑑賞でした。
それは音楽と映像との組み合わせで私には今一つ。
終わってからも劇場前で登壇者・出演者・来場者の懇談の場が設けられていましたが、さすがにそれは遠慮して帰りました。

来場者は200名くらいだったでしょうか。
見るからにバレエ関係の人がいました。
どこかのバレエ団のマダムのような人や、舞踊関係の知識人のような人など。
さすが、バレエ・リュスをテーマにするだけあって、ドラマか映画に出てきそうな雰囲気の人達。
私は自転車に乗ってスーパーに買い物に行くような恰好で来たんですけど。(雨降りだったから💦)

収穫はそれなりにあったように思います。
バレエ・リュスに関する本を一冊読んだような感じですし、男子新体操との関連もなんとなく掴めそうです。

最後に一言、京都の大学は偉い!!
花園大学も偉いし京都芸術大学も偉い!
こんな実のある催しを無料で見させてくれるなんて、市民に開かれた大学の意義、しっかり果たしています。
偏差値で大学を見てはいけないこと、肝に銘じておかなくてはなりません。


大阪カテドラル聖マリア大聖堂に行ってきました

2023年12月28日 | お出かけ
毎年5月に四天王寺で催される大阪能楽大連吟、本番が終わればその年の末まで活動はオフなのですが、たまに遊連吟と言って、参加は任意で当事者だけの、ちょっとしたイベントがあります。
今回のイベントは大阪カテドラル聖マリア大聖堂に行ってキリスト教文化に触れること。
行ったのはクリスマスの2週間前です。

キリスト教文化といっても大げさなものではなく、説明を聞いて見学しただけです。
希望者は早い目に行ってミサに参加することもできましたが、私は早起きが苦手なのでミサには参加せず。
集合は大槻能楽堂の前で、そこからぞろぞろ歩いて大阪カテドラル聖マリア大聖堂へ。

ミサが終わるまで外で待ってました。
ミサは1日に何度もあって、日本語・ベトナム語・韓国語・英語、と毎回言語が異なるそうです。

大阪カテドラル聖マリア大聖堂、内部の写真は商業目的でなければ撮ることができます。
カテドラルは天井が高く、横側にはステンドグラスの大窓が幾つも並んでいます。







祭壇正面には聖母子の絵、日本風です。
手前にはキリストの磔刑像。




右側には細川ガラシャ、左側には高山右近の絵が飾られています。
これは細川ガラシャ。


カテドラル見学の後は隣にある付属の小学校の中の小さなお御堂に行きました。
実は大連吟の能楽の先生はその小学校の出身なのだそうです。
といってもカトリック教徒ではない由。

そこで私たちは「高砂」を謡いました。
先生「これが我々の祈りの方法です」と言われたけれど、私は隣の人と「いいんですか、これ」「ちょっと違うんじゃあ・・」などと話し合ってました。
「高砂」の神様は住吉明神なんですよね。

大阪カテドラル聖マリア大聖堂には売店もあって、そこで私達はお土産を物色。
私はペンダントトップを買いました。

その後は近くのお洒落なフレンチレストラン「RiRe」に行きランチです。
席は自由だったのですが、私の隣に先生が座ったので私は緊張。
なんか話を振らねばと思い、先生がYouTubeで触れていた能楽のパリ公演を思い出しました。
「パリはいかがでしたか」とお聞きすると「虫に刺されてたいへんやった」とか。
パリのホテルで例の南京虫(トコジラミ)にやられた話をされました。
一緒に行った人達は大丈夫で自分だけ刺されたそうです。

公演自体はうまくいって、パリの人達、能楽を真剣に鑑賞してくれたそうです。
日本みたいに寝る人はいなかったそうです。

お肉のメーンディシュ


デザート



この日で今年の大連吟の行事はすべて終わりました。
来年は1月からオリエンテーション、お稽古が始まります。
頑張らねば。


“要らない”が一つ(◎_◎;)

2023年08月24日 | お出かけ

先週末、岡山市に行ってきました。
岡山駅前。


岡山市では、同じ日になんかのイベントがあったらしく、お弁当を買ったお店の人にそのイベントに行くのか聞かれたけど、私が行ったのは男子新体操の井原カップ。
井原カップ観に行くと言ったら「そっちかー」と言われました。

それにしても一人旅はドキドキです。
岡山って、家からそんなに遠くないんですけど。

新幹線とかはパッパッと乗ってしまうのですが、今回、迷ったのはホテルのカードキー。
チェックインした時、翌朝の朝食はどうするか聞かれたので、ホテルで食べますと言ったら、前払いですと言われてカードをくれました。
で、前にある受け付けの機械で支払ってくださいと言われました。

機械に通して支払ったのだけど、部屋まで行こうとしてカードを見ても何も書いていない。
部屋の階数だけはチェックイン時に教えてくれたのだけどエレベーターに乗ってもどこにカードをかざしていいか分からない。(カードをかざさないと行きたい階で止まらない仕組み)

私がもう一度フロントに行って聞こうとすると、一緒にエレベーターに乗っていた人が、受付機械に通した時に出てきた紙(私は朝食代の領収書かと思っていた)に部屋番号が印字されていることや、エレベーター内のカードをかざす場所を教えてくれました。
ありがとうございます。年寄りなもんで何も分かりません。目も悪くて字が読めません。( ノД`)シクシク…

私、ホテルでよく高齢者がドアが開けられず戸惑っているのを助けたりしていたのだけれど、立場がまったく逆になったわ。

も一つ、訳が分からんかったのは1日目の夕食。
駅中に色んな店があってレストラン街みたいなのもあり、その中の洋食屋さんに入りました。
注文はタブレットです。

タブレットでの注文は、今まで何度もしてるから特に戸惑うことなく注文しようと思ったのだけど・・・。
メーンのプレートとライスを一つづつ。問題は注文するつもりのないスープと飲み物。
要らないという欄を押すと数量が1と出てくる。
一つ出てきたら困るのでマイナスキーを押して0にしたのですが、最終場面で入力していない部分があると出てくるんです。
何度やっても同じ。

賢い皆さんは私が何を間違ったか分かったと思います。
すでに要らないという欄を押しているから、それを0にしてはダメなんです。
要らないが一つなんです。
アホな私はそれが分からなくて結局店員さんを呼んでやってもらいました。

言い訳すると、一人で店に入り、タブレットで注文したことが無かったので、複数だと要らないの数を入れなければならないのが分かるのだけれど、一人だと0だと錯覚を起こしてしまうんです。

てな訳で、新しい機械もんには全くついていけなくなったと分かった1泊一人旅でした。