緑陰茶話   - みどりさんのシニアライフ -

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大連吟の稽古、始まります。

2022年01月16日 | イベント
一昨年、初めて参加した大阪大連吟の2022年度の稽古が始まりました。

大阪大連吟というのは、大阪の四天王寺で能楽の「高砂」を上演するのですが、年末の第九に倣って、通常は8人くらいで謡う地謡(バックコーラスみたいなもの)を100人ほどで謡うイベントです。
2022年度の参加者はコロナの影響もあってか50名くらいだそうです。
5月に上演されますが、コロナの状況次第でどうなるか成り行きは不明です。

大連吟は大阪だけでなく、発祥は京都でした。
あと、滋賀と福岡でも行われています。
詳しくはここを参照。

先日、オリエンテーションに行ってきました。
場所は大阪市内の大槻能楽堂です。



中の能舞台はこんな感じ。

本番はここで演じられるのではなく、四天王寺の五智光院です。
練習は大槻能楽堂で行われますが舞台のあるこの会場ではなく別の部屋を使うそうです。
曜日を変えての練習もあるのですが、それは場所も別です。

オリエンテーションの会場で「高砂」の謡曲本も売っていましたので購入しました。
もっとも謡曲本は無くても、大連吟ではお稽古帳をいただけますので困ることはないです。

大連吟では、今まで謡曲を謡った経験のない人でも参加できるのですが、そういう人達の為に、おそらく主催者が工夫した楽譜めいたものが稽古帳に付けられているのです。
ただ、私の場合、40年前に謡曲を習っていて、お稽古帳に書かれている楽譜めいたものは、かえって戸惑うのです。

一昨年はそういうことがあったので、謡曲本を買うことにしたのでした。
自分が謡うページに付箋をつけ、すぐ開けられるようにしました。


謡曲本に付いている文字の横の符号には、もちろん意味があるのですが、それを知っているからといって直ぐに謡えるものではないです。
私も40年前のことで、どうだったか殆ど忘れてしまっています。
それ以上に、謡曲では10年20年単位で謡い方がどんどん変わっていくのです。

音階も、西洋音楽のように音階に基準があって、その通りに謡うのではなく、相対音感で謡います。
40年前、私は高齢男性の先生について謡曲を学びましたが、謡う時、先生の音階では低すぎて謡えません。
では1オクターブ上の音階で謡ったかというとそうではなく、自分の謡いやすい音階で謡っていました。

自分一人で謡う素謡の場合はそれで良いのですが、舞台で謡う地謡の場合は、地頭(じがしら)と呼ばれるリーダー的な人に合わせます。
大連吟のような場合は、拍子は地頭に合わせますが音程は各々正確に相対音感で謡っている感じです。
ですからハモることはないのですが、重層的な雰囲気の合唱となります。

素謡と地謡では謡い方も全然違っていますし、基本、謡曲は口伝なので、先生の謡い方で謡うことになります。
西洋音楽の常識に照らせば「なんだそれは」と思われそうですが、西洋音楽もまた相対的なものという認識です。

とにかく4カ月間、じっくりと稽古を積んでいくことになります。
姿勢を正し、お腹から声を出すので健康に良いのです。

本番は5月ですので、最初から飛ばすことなく、徐々にピッチを上げて行って、本番で、今年は無観客でなく観客も入れて舞台が出来ればと思っています。

40年ぶりに謡曲を謡うと、もう一度ちゃんと習ってみたいという気持ちになるのですが、これ以上趣味を増やすと大変なことになります。
今のところは大連吟に参加するだけで我慢です。




大連吟、終わりました

2020年09月30日 | イベント
先の日曜日、大連吟が無事終わりました。

最初にお断りしなくてはいけません。
前に大連吟の本番の様子がYouTubeでupされると書きましたが、当日いただいたプリントによると、YouTubeでの大連吟は有料になるとのことでした。
参加者は当日のDVDが希望者のみ有料でもらえるのですが、YouTubeでの大連吟はDVDと同じ内容になるとのことです。

無料YouTubeでは、「2020 密着! 大阪能楽大連吟」として、今回の模様を楽屋裏からの視点で放送するそうです。
どちらもupはまだですので、upされたらまた紹介します。

考えてみれば、今回は無観客。
本来、収入となる筈の一人2000円のチケット代も無くなり、稽古のための場所代等々、いつもより多くの経費も掛かっている筈。
おまけに指導・出演してくださるプロの能楽師さん達の収入源の舞台もほとんど中止の状況。
YouTubeが有料となるのも仕方がないと思います。
私もお金払ってまで見てくれとは言えませんが、楽しみにしていただいていた方々、ご理解の程お願いいたします。🙇


さて、その日の様子ですが、控室の方には12時から入れると聞いていたので朝はゆっくりして行きました。
2時からリハーサル、3時から本番。

コロナ対策、万全で、この部屋には何人、この場所には何人と一つ一つ決められ、控室も最初から割り当てられていて、感染者が出ても濃厚接触者が特定できるようになっていました。

もちろん参加者は全員マウスシールドを付けて謡いました。
マウスシールドにどれほどの飛散防止効果があるか疑問ですが、マスクでは謡えませんので。

大連吟が行われた当日の五智光院、門の外からの写真。風が強い日でした。
門に入ったらこんな感じ。

で、本番の首尾ですが、こちらもコロナの影響をもろに受けたと思います。

舞台にはプロの地謡の方がいらっしゃったのですが、ソーシャルディスタンスを取る為に全員が離れて座ったので、地謡の声はむろんのこと、自分以外の人の声が聞こえなかったのだと思います。
一箇所、フライングで謡いだした人がいて、それにつられた人達もいて、お囃子の音も凄まじく、全体がバラバラになってしまったのです。

たぶん、去年までのように、詰めて座っていたら防げたことだと思います。
でも今年は観客をいれず、観客席にソーシャルディスタンスをとって参加者が座ったのです。

テレビでクラッシック音楽の人も、舞台でソーシャルディスタンスを取った結果、他の演奏者の音が聞こえず戸惑ったというようなことを言っていました。
プロでない私達ならなおさら合わせるのは難しかったと思います。

ところで私は地謡の人達の斜め後ろ辺りに座っていたのですが、「高砂」の舞台は柱が邪魔になってほとんど見えませんでした。

ですから、みんなで謡う「高砂」が終わった後、プロの人達による「羽衣」が演じられたのですが、その時に前に移動してよいと言われたので舞台ギリギリのかぶりつきに移動し、「羽衣」をしっかりと見ました。
間近で、かつ真正面から見る天女の面の美しさ、神々しさには心打たれました。

私の控室は2階でした。
その部屋の窓から写した中庭の光景。
コロナでおしゃべりは禁じられていましたので、皆さん静かにしてました。

この日、私は着物を持っていって着付けて貰ったのですが、着付けの先生に帯を褒められました。
本綴れの名古屋帯で、お世辞で褒められたと思っていたところ、五智光院での休憩中も、知らない人がわざわざ寄ってきて声を掛けられました。
良い帯だということでした。

着物姿の写真は撮らなかったのですが、どういう感じだったか帰ってから置きコーデで撮りました。
着物の方はポリエステルの単衣で誰も褒めません(笑)。
帯は中古で手に入れたのですが、そんなに良いものならクリーニングに出して大切にしようと思います。単純な私です。(笑)

本番が終わって、私を含め皆さん気が揺るんでしまったのか、着替え部屋で着物を脱ぎながらそこにいた人達と少しおしゃべりしてしまいました。楽しかったです。
「また来年」と言って別れました。

能楽師の先生も今回は終了後の打ち上げがないのを残念がっていましたが、全体を通してコロナで誰ともお話出来なかったのは残念でした。

思えば3月以降はコロナで、大阪の中心部にお稽古の為に出てくるのさえ憚られる状況でした。
元々一人での参加でしたが、8月からも、お稽古に行っても、ほとんど人と話すこともなく、過ごしてきたのです。
でも、それだけ謡うことに集中しましたので、40年のブランクを超えて謡を満喫しました。
もう一度、習ってもいいかなと思うほどです。

2021年は5月に予定されているそうです。
どうなるかは分かりませんが、できれば参加したいです。


無観客上演 お稽古再開

2020年08月31日 | イベント
コロナで色んな予定が中止になった中で、一つ、9月に延期になったものがありました。
本来5月17日に本番がある筈だった大阪能楽大連吟です。⇒これ

大阪の四天王寺で、100人ほどで能の「高砂」を謡うプロジェクトです。
謡うのは地謡と呼ばれる謡曲の地の文を謡います。
年末にたくさんの人でベートーヴェンの第九を歌うイベントがありますが、その能楽版みたいなものです。
能楽大連吟自体は、毎年、京都や滋賀、福岡でもやっていて、私は初めての参加です。

私は大阪のそれに参加する予定でした。
2月3月と何回かお稽古にも行っていました。
ところがコロナで出歩くことも出来なくなり、9月に延期となっていたのです。

毎年上演は観客を入れて行われるのですが、コロナの状況を考慮して9月は無観客となったそうです。
舞台は四天王寺の中にある五智光院で例年通りですが、観客を入れないその分、地謡を謡う私達はソーシャルディスタンスを取るそうです。
また例年、場所の関係で、参加した人達がちゃんと見ることができなかった舞も、今年は真正面で見ることができるそうです。
そして上演の模様は、YouTubeにupするそうです。

先日、久しぶりに四天王寺にお稽古に行きました。
2月に初めて行った時は真っ暗で、迷子になりそうでしたが、同じ時刻(午後6時)でも明るく、途中の堂宇もちょっとピンボケですがスマホで写真が撮れました。






謡曲は、私は20代の頃に習っていて、40年ぶりです。
若い頃、私が習っていたのは素謡と呼ばれるものですが、今回は本格的な舞台なので、お稽古はそういう場合の謡い方の違いもあって、ドラマチックで刺激があります。

ただ、本番では本は見ないで謡うので、全部暗記しなくてはならず、本番で上手く謡えるか(赤っ恥かかないか)心配です。
人数が多いから一人くらい間違ってもと思うのですが(あかんやろ!)、コロナで参加をやめる人も出るのではないかと思います。
一人一人の責任は重いです。💦

毎日、少しづつ積み重ねるように家でお稽古してます。