緑陰茶話   - みどりさんのシニアライフ -

エッセイとフォト

日々の発見と思いのあれこれなど

献茶祭と初釜 続き

2025年01月23日 | 茶道
前の記事の続きです。

今宮戎の献茶祭の翌日は先生の家の茶室での初釜でした。
要するに連チャンでした。
先生は85歳、茶室で生徒たちを招いて初釜なんて、準備だけでもお疲れになるだろうなと思いました。
ちなみに先生はよんだりよばれたり、1月には10件くらいの初釜に参加されるみたいです。
生徒たちも同じ曜日の私達だけではないのです。

先生の家には茶室が2間あります。
普段のお稽古は8畳ほどの広めの部屋。もちろん炉を切っています。
もう一つは1月だけ使う小間です。
小間は3畳と点前畳のある茶室で、庭から躙り口をくぐって入ります。
これほど本格的な茶室を備えた先生は、今どき珍しいかもしれません。

小間の床の間です。(暗いのでスマホの写真写りが悪い。)

色々と先生から説明を受け、思いがけない気づきもありました。
花入れが唐金なのです。

茶道においては、花入れにも格があり、最も格として高いのが唐金なんだそうです。
陶磁器では青磁が最も格が高いそうですが、それでも唐金より格は下になるそうです。

それを聞いて気が付きました。
昨年、秋の公民館祭で開いたお茶会で、公民館から会議室で開くように言われて、殺風景な会議室をお茶会の雰囲気にするために花で飾ったのですが、その時に会員はめいめい花入れを持ってくるように言われたのでした。

そこで私は自宅の倉庫代わりの小部屋に転がすように置いてあった埃だらけの花入れをギシギシと磨いて持って行ったのでした。
ところが先生はその花入れを床の間替わりに作った場所に置きました。
どう見たって一番偉そうな感じで、なんであんな小汚い花入れが一番よい場所に置かれるのか分からなかったのです。
私が何も知らずに持って行ったのは唐金の花入れだったのでした。

これは公民館祭の際に床の間を擬した場所。

右の花入れが私が持って行ったもの。
そんなええもんやったとは知らんかった。

もちろん格が高いといっても値段が高いわけではありません。
着物でもそうですが、100万200万する結城紬よりも化繊の色無地の方が格としては高いのです。
私が持って行った花入れも、亡くなった父親が勤めていた会社の記念品で、底に記念品であることが彫られていました。
だから中古市場に売りに出しても値がつくものではないのです。

この日はたまたま花入れの格について学びました。
これ以上、格について語るのは私には難しすぎてできません。

せっかくなので小間の点前畳に座って写真を撮りました。


この日の初釜でもお食事をいただきました。
近所の仕出し屋から取ったお料理でしたが、前日の花外楼の食事よりも美味しく感じられたのでした。
花外楼のお料理は、からすみのような酒の肴的なものが多かったからかもしれないです。
それとも私の舌の格が低いからかもしれません。



献茶祭と初釜

2025年01月21日 | 茶道
今年も早々にお茶関連の行事が始まりました。
お茶の先生に連れられ、社中の方々と一緒に今宮戎の献茶祭に行きました。



今宮戎の新年の献茶祭、毎年行われるのだそうですが、私は初めての経験でした。
以前、奈良の春日大社の献茶祭に連れて行ってもらったことがあるのですが、今宮戎のそれは、また全く違った趣でした。

春日大社の時は固い板の間に正座して献茶の式次第を見るのがメーンでしたが、今宮戎では先生は外で見るのは寒いからか、色々と回らねばならなかったからか献茶の式典を見るのは止めたみたいです。


これはチケットなのですが、行く場所場所で切り離して使う仕様です。

副席ではお茶のお薄をいただきます。それが2か所。
年酒席ではお食事をいただきます。
展観席ではお道具類を拝見します。
女性のドレスコードは当然のように着物です。

そして場所がすべて離れていて、小型のバスで移動するのです。
そりゃあまあ、その度ごとに草履を脱いだり履いたり、コートを着たり脱いだり、時間がかかるし、なかなかの手間です。

この献茶祭、何人来ていたのか分かりませんが、上手に回らないと時間がかかるそうです。
私達は先生の指示通り動いて、どこかで待つということもなくスムーズに回りました。

最初は「吉兆」で、広間での大寄せの茶会です。
美味しい主菓子にお抹茶をいただきました。
主菓子がきれいに飾られていて、写真に撮りたかったほど。
でもそれはNGです。

そこではお運びの女性が茶碗を持った状態で滑ってひっくり返るというハプニングがありました。
チラッと見ると完全に仰向けにひっくり返っていました。
怪我はなかった様子ですが、本人はさぞやショックだったと思います。
アルバイトで来て、慣れぬ着物で滑ったのかもしれません。

年酒席は「花外楼」で、もちろんご馳走でした。
なんでも「吉兆」と「花外楼」は毎年替わりばんこで副席と年酒席を受け持つのだそうです。
今宮戎の献茶祭って、要するに無茶苦茶贅沢な催しみたいです。
食道楽の大阪らしいといえば大阪らしい。

と、ここまで書いて、翌日の初釜について書こうと置いていたらgooブログにログインできなくなりました。

パソコンは全くダメで、スマホは昨日、wi-fiを切るとログインできるようになりました。
パソコンはログイン画面に行きつくことさえできません。
記事を書くことは無理っぽいです。

で、この記事は献茶祭部分だけですがアップします。
初釜についてはgooブログが直ったらまた書きます。

にしてもgoo、ログインできないユーザーが沢山いるのに説明もなく放置。
ずっと続くようならブログの引っ越しも検討します。

直るまではスマホで投稿できる簡単な記事のみ投稿いたします。
悪しからずご容赦くださいませ。🙇



しらさぎ茶会に行きました

2024年07月23日 | 茶道
先日、お茶の先生に言われて大阪の坐摩神社で開かれたしらさぎ茶会に行ってきました。
同じ社中の仲間5人連れでした。(先生はご一緒ではありません。)

坐摩神社、いかすりじんじゃと読みます。
先輩がわざとかどうかイカスミ神社と言ってツッコミ入れられてました。

お茶会ですが暑いので5人とも着物ではなく洋服でした。
ほとんどアッパッパみたいな涼しげな服で行きましたが暑かった。
先生からは白い靴下だけは忘れないようにと言われてました。

関西のおばちゃんが5人も寄るとベチャベチャしゃべって騒がしいことこの上ない。
坐摩神社、大阪のビジネス街の中にあり、私達は地下鉄に乗り、本町で降りました。
地下鉄で席を譲ってくれた外国人の子供の親御さんに、どこから来たのか下手な英語で話しかけたり(香港からでした)、これぞ大阪のおばちゃんという賑やかな一行になってました。

そういえば私も去年の夏、一人でJRに乗っていて、目の前にいた外国人の子供に塩レモンキャンディーをあげたことがありました。
だれかれ構わずキャンディーをあげるという、典型的な関西のおばちゃんの行動を無意識にとっていたのですね。💦
関西のおばちゃんて、フレンドリーなんです。


この日は坐摩神社の夏祭り、しらさぎ茶会は祭りのイベントの一つみたい。
陶器市も立っていました。
坐摩神社の中に火防陶器神社の社もあるのです。

写真の背後に境内の中の陶器市も見えます。
私、20代の頃、大阪の神社の陶器市に行った記憶がおぼろにあるのですが坐摩神社だったかどうか覚えてません。
もっと沢山の出店があったように思いますが、調べてみると坐摩神社の陶器市も昔は沢山の店が出て賑やかだったそうです。

しらさぎ茶会は神社の中の建物で行われてました。
寄付きと呼ばれる控えの間で、自分達の順番を待ちます。
寄付きの床の間の掛け軸とお花が見事でした。

掛け軸は滝の絵、吊り下げられた花入れにはテッセンが活けられていました。

受付のそばの床の間は白鷺の掛け軸でした。

足の指が黄色いのでコサギかなと思います。

40分ほど待って茶室に入りました。
出てきたお菓子。


ちなみにこのお茶会は写真撮影が許されていました。
通常はNGです。

お茶は薄茶を二服いただきました。
一服目は馬盥茶碗に並々と・・・
お茶碗は一人一人異なるものでしたが、私、馬盥茶碗でいただいたのは初めてでした。
汗をかいていたので沢山いただけたのはありがたかったです。
お味も良かった。

二服目は小ぶりの茶碗で出てきました。
少し苦みのあるお茶でした。
小さな茶碗だったのでお茶を点てにくかったのかなと思いました。
最初にお茶を沢山出し、次は少なく出すというのも暑い日の心遣いだったと思います。
お茶をいただいた後はお道具など拝見させていただき、退出しました。

終わってから境内の陶器市を覗いてみましたが、とにかく暑い。
暑い日は無理にでも外出するのもありかなと思った一日でした。


茶かぶきで気晴らし

2024年04月21日 | 茶道
左目の緑内障の手術、結局右目の眼圧がその日の朝に低ければ、予定通り22日に決行することになりました。
ですから、当日までどうなるか分かりません。

つらつら考えるに、2週間も経ってから手術した目の眼圧が爆上がりした原因は、素人考えですが、やはり私の血小板減少症が原因のような気がします。
普通ならば、その種のリバウンドは1週間から10日くらいした時点なんだそうですが、やはり血小板減少症で血液の凝固に時間がかかり、2週間も経ってからになったとしたら納得できます。
血小板減少症の血小板というのは、血液を固める作用のあるものだからです。

てなことを考えていても鬱々するだけなのですが、楽しいこともありました。
茶道の先生宅の教室で、茶かぶきというのを初めてやりました。

“茶かぶき”というのは、千家の茶道で行われる特別な稽古法“七事式”の中の一つです。
“七事式”というくらいで、7つの稽古法があるのですが、一応どれも禅の教えの裏打ちがあるらしいのですが良く分かりません。
先生も理屈や知識については教えません。(それ教えていたら実際にやる時間がなくなる)

茶かぶきの場合、室町時代くらいに流行っていた闘茶の流れを汲むものだそうです。
闘茶も茶かぶきも、要するにお茶を飲んで、茶の銘柄を当てるゲームです。
私は茶道を初めてもう5,6年になりますが、今頃になって、初めてやることになったのはコロナのせいです。
濃茶の場合、1椀を数人で回し飲みしますので、コロナ下では茶かぶきはできなかったのです。

全部で5服いただき、その内3種を当てるのですが、私は1種しか当てられませんでした。
6人でいただいたのですが、結局、3種とも当てられた人はおらず、1種当てた人が私を含め4人で、2人は全部外しました。
かなり盛り上がりました。

先生曰く、今は公民館の教室にだけ顔を出す知的で落ち着いた雰囲気のSさんは、昔、茶かぶきをやって当てられず、「もう1回やらせてください」と何度も言ったとのこと。
よほど悔しかったのでしょうか。
あのSさんがと、ちょっと意外でした。
先生もよほど印象に残った様子。

正直、私は茶かぶきであまり闘争心はわかず、ただひたすら楽しみました。
千家3代目千宗旦は闘茶を禁止したということですから、必死になる人は今も昔もいるのだと思います。

コロナも明け、もうすっかり元に戻りましたので、茶かぶきだけでなく、また茶事などやってほしいなと思っています。



野点籠、いただきました。

2024年02月12日 | 茶道
公民館の茶道教室の先輩から野点籠をいただきました。

去年の秋、公民館でのお茶会で写真を撮ってあげたところ、その写真を気に入られて、顔の部分を切り取って証明書か何かに使う大きさにプリントできないかと言われていました。
うまくいくかどうか分からなかったのですが、トリミングし、何とか大きさを調整してお渡ししたところ、お礼に野点籠をいただいたのです。
先輩も先生からいただいた物だそうで、使ったことがないからと言われました。

野点籠というのは携帯用の抹茶を点てるセットみたいなものです。
こんな籠でした。

右の籠の中にお茶碗と棗が入っています。
左の筒の中に茶筅と茶杓が入っています。

出先で用いるものですから、邪魔にならないように、どれもとても小さいのです。
ちなみにお茶碗です。

右が家にあった普通の大きさのお茶碗。
左が野点籠の中にあったお茶碗です。

棗と茶杓と茶筅、どれも小っちゃい。

茶杓は茶筅の持ち手部分の中に仕舞えるよう折りたたむことができます。

外箱


実際に使うとどんな感じか、一度お茶を点ててみました。
結果、うまく点てられて美味しくいただくことはできました。
ただ、茶杓は使う時に折れてしまうので、折り畳み式ではなく最初から短い方が使い勝手は良さそうです。

野点籠はアウトドアでお茶を点てる時に使うとされていますが、むしろ旅行に持って行って旅先でお茶を点てる時に使えそうです。
旅館やホテルだと熱いお湯も用意できますし。
籠自体も小さいので、そんなに邪魔にはならないと思います。

旅先でお茶を点てていただくなんて、ちょっと風流です。
でも自分で使うかどうかは分かりません。



     
          



我が家の庭の梅が満開です。






根本で咲いてるスミレです。