緑陰茶話   - みどりさんのシニアライフ -

エッセイとフォト

日々の発見と思いのあれこれなど

一人暮らしの高齢者とペット

2015年05月01日 | 
我が家には2匹ニャンコがいます。
その内の1匹、ミーちゃんは、最近、今年の2月の半ば頃うちに来ました。

実はミーちゃんは1月の半ば頃まで、ある一人暮らしのおばあさんと暮らしてました。
ところが、そのおばあさんがある日倒れてしまいました。
倒れてから2日たって、デイサービスのお迎えのスタッフさんが、車で迎えに来て発見されたとのことです。
すぐに救急車で運ばれましたが、発見が遅すぎたせいか、いまだに意識は戻っていません。

そのおばあさんの娘さんが、私の3月まで勤めていた職場の同僚です。

おばあさんの住んでいた賃貸住宅の大家さんは、取り残されたミーちゃんのことを心配して、餌やりをかってでましたが、同僚は他人が家に入るのは嫌がって大家さんの申し出を断りました。
ミーちゃんは、1月2月の寒い日々、電気も消えた暗い家で、数日に一度片づけにやってくる同僚一家の人に餌を貰って生き延びたようです。

職場の昼休み、みんなでお昼を食べていると、同僚は、おばあさんが回復する可能性はほとんど無いので、おばあさんの家の賃貸契約を解約することに決めた、ミーちゃんは市役所に連絡して処分すると話しました。

私は、おもわず『えーっ!!』って感じになって、どんな猫なのか聞いてみると、でかい・年取ってる・片目が白濁して見えてない・まだらにハゲてる・雄か雌かは分からない・白と茶の猫ということでした。

市役所に連絡して、動物愛護センターに連れて行かれた場合、子猫なら愛護センターが開く譲渡会で貰われる可能性が高いのですが、ミーちゃんのような猫は、本当に“処分”されてしまいそう。

私が引き取るしかない、そう思いました。でも、そこには二つの壁が・・・。

一つは、同居している私の兄が引き取ることに同意するかどうか。
もう一つは、先住猫のスズちゃんと仲良くなれるかどうか。

家に帰って早速兄に相談したらそれはOK。
もう一つの方は、スズちゃんは雌猫だけど、同じ年寄り猫同士、喧嘩することはないだろうという希望的観測で、大丈夫と判断。

というわけで、2月のある日、ミーちゃんは我が家に来たのですが・・・。

ミーちゃんはでかい雄猫でした。
なにより目算が外れたのは年寄り猫ではなかったこと。
年の頃なら7、8歳といったところ。確かに子猫ではなかったのだけど、人間に例えるなら50代のオヤジ猫でした。

1か月もの間、ほとんど放置されていたミーちゃんは、超寂しがり屋の甘えん坊猫になっていて、人間との関係では問題なかったのですが、先住猫のスズちゃんはほとんどライバル。
しかも圧倒的にミーちゃんの方が強い。

みるみる太っていくミーちゃんと反比例して、あっという間に老け込み、痩せていくスズちゃん。最初のひと月は、なんとか仲良くさせようと、飼い主(私)のストレスもマックスでした。

少しづつ、少しづつ、距離を縮め、今では喧嘩することなく一緒にいますが、その関係は微妙。スズちゃんは、やはり警戒し緊張している。
でも、これでいくしかないです。

今回のことでは、私も随分悩みました。獣医さんや地域猫のボランティアをされている方々にも相談しました。

それで分かったことは、ミーちゃんのようなケース、つまり、高齢化社会で、独り暮らしの高齢者が入院したり亡くなったりして、いき場を無くした猫や犬は増えてきているし、今後も増え続けるだろうということ。
ペットを飼ってはいけない公団住宅で、高齢者が、こっそりと猫を飼っていて、飼い主が亡くなって押入れから餓死した猫がみつかったりもしたそうです。

捨て猫や捨て犬の里親の仲介をするボランティアの場でも、一人暮らしの高齢者が飼いたいといってきてもお断りしていると聞いています。

要するに、自分が入院したり死んだりした時に、ペットの面倒をみてくれる態勢が無い人はペットを飼ってはいけないということなんです。
我が家はまだ大丈夫かもしれませんが、近い将来他人事ではなくなります。

でも、一人暮らしの高齢者だからこそ、ニャンコやワンコは慰めだし、本当はお互いに必要としている存在なのではとも思うのです。

何か良い方法はないものかとつくづく思います。


ちなみに、ミーちゃんのまだらハゲは完治しました。どうやらハゲたのは、放置されていたストレスが原因だったようです。
ベランダに置いてある紙資源ごみを入れるダンボール箱がお気に入りで、最近はよくそこでくつろいでいます。