天燈茶房 TENDANCAFE

さあ、皆さん どうぞこちらへ!いろんなタバコが取り揃えてあります。
どれからなりとおためしください

2013-2014 スミソニアン博物館ツアー #08:国立アメリカ歴史博物館 アメリカにとって戦争とは?

2014-02-02 | 博物館・美術館に行く
Price of Freedom


#07:国立アメリカ歴史博物館 何でもあり!?アメリカ歴史おもちゃ箱からの続き

国立アメリカ歴史博物館の最上階に“Price of Freedom”と題した一画があります。
ここは、アメリカの軍事と戦争の歴史についての展示コーナー。

…アメリカにとって、戦争とは自由のための代償。明確に言い切っています。

ですが、こんな展示を見せつけられては日本人としては考えざるをえないのです。


結局、アメリカにとって自由とは「悪の帝国を討ち滅ぼす」ということなのでしょう。わかりやすいですね。
そして彼らはいまだに戦勝国気取りで、勝利者として世界に君臨し続けるつもりのようです。


アメリカは悪と戦う正義のヒーローです。
アメリカに挑む悪の帝国は常に悪であり、それ以上でもそれ以下でもありません。


戦争中はたくさんの悲劇がありました。
日系人だからという理由だけですべてを奪われ収容所に閉じ込められた人々は、日系アメリカ人です。
では、悪の帝国とされている国に住む多くの人達は、アメリカとの戦争でどんな思いをしたのか…?


そして何故、勝利者アメリカは今もなお憎しみの対象となり、このような悲劇が繰り返されるのか?

その答えをアメリカが見出す日は、いつか訪れるのでしょうか。
そんなことを考えずにはいられないのです。

もちろん、僕はアメリカ歴史博物館の“Price of Freedom”展示についてあれこれ口出しするつもりは一切ありません。
アメリカの英知・スミソニアン博物館が出した一つの考えとして尊重しています。

でも、この地図の表記ミスについては一言言わずにはいられませんね。



この海は「EAST SEA」ではありません。「日本海、SEA OF JAPAN」です!


スミソニアン博物館アメリカ歴史博物館には、至急この誤記を訂正するよう要望したいと思います。

最後にかなり重い気分になってしまいましたが、スミソニアン博物館ツアー初日のアメリカ歴史博物館見学はこれにて終了。
とにかく凄いボリュームの展示でした。
でも、まだスミソニアン博物館群の膨大な展示のほんの一部を見たに過ぎません。博物館迷宮をさまよい歩く日々はまだ始まったばかりです。
明日以降、どうなることやら…

#09:国立航空宇宙博物館別館ウドヴァーヘイジー・センターに出発!に続く

2013-2014 スミソニアン博物館ツアー #07:国立アメリカ歴史博物館 何でもあり!?アメリカ歴史おもちゃ箱

2014-02-01 | 博物館・美術館に行く
国立アメリカ歴史博物館エントランスホール


#06:国立アメリカ歴史博物館 電気の魔術師たちからの続き

国立アメリカ歴史博物館のエントランスホール正面には、巨大な星条旗のオブジェが掲げられています。


この星条旗の壁の向こうには、米英戦争の際にボルティモアの砦に掲げられていた星条旗の実物が大切に保存展示されています。
この星条旗こそ、アメリカ国歌「星条旗よ永遠なれ」 の歌詞が書かれるきっかけとなったもの。
まさにアメリカの最高の国宝というべきもので、日本で言うところの…「君が代」で歌われる「さざれ石」 みたいなものでしょうか?
(いや、現物が存在してる訳だから「三種の神器」かな?)

…大切な星条旗は、薄暗い照明の中で厳かにはためくように広げられていました。
残念ながら撮影禁止だったので写真はありません。
皆さんは是非、いつかスミソニアン博物館を訪ねて国立アメリカ歴史博物館で実物をご覧になってみて下さい。

さて、ここからは国立アメリカ歴史博物館の膨大な展示をどんどん見て行きましょう!
何しろ収蔵品が多いので、片っ端から次々に見ていかないととても見きれないのです(笑)


ジェファーソン大統領がアメリカ独立宣言書の草案を書いた机。実物です。
案外小さいですね。


鉄道の線路、レールを固定する犬釘。
1869年とあるので、アメリカ大陸横断鉄道がつながった時に記念に打ち込まれた黄金の犬釘でしょう。


アドレー・スティーブンソン国連大使のブリーフケース
「これはひょっとして、東西冷戦期に極秘裏に用意されていたという核ミサイルの発射スイッチが入ったケースか!?」
と思ったのですが、どうやら機密文書等を持ち運ぶのに使っていた書類鞄のようです。
ともあれ、このブリーフケースはキューバ危機の最中に使われていたものなので、ある意味核ミサイルのスイッチ並みに恐るべきシロモノと言えます。

…ちなみに、「核ミサイルのスイッチの入ったケース」と思しき物もちゃんとあります!


これが、クリントン大統領が使っていた軍事戦略上重要なトランク
ハッキリ明言されてはいませんが一説によると、どうやら核ミサイルの発射スイッチ内蔵、らしい…

((((;゜Д゜))))スミソニアン博物館恐るべし!!

物騒な核ボタンの次は、宇宙服を発見。

アラン・シェパード飛行士の宇宙服
これは本来、航空宇宙博物館の方に展示すべき物のような気もしますが…何故ここに?(笑)


こんなものも展示されてたりする。モハメッド・アリのグローブ
蝶のように舞い、蜂のように刺す!打つべし、打つべし!!
ちなみに隣にあるのはボブ・ディランの着たジャケットか!?


マックファンにはたまらない、Apple II
マッキントッシュもiPhoneも、すべてはここから始まった!


SONYのウォークマンもあります。
レコードから始まりウォークマン、そしてiPodへと受け継がれる、誰もが音楽を楽しめる環境を作り出す機械たち。


そしてこんなものまで。
セサミストリートはアメリカの、そして世界の子どもたちの心のふるさと。

…以上、アメリカの大衆文化コーナーの展示でした。

大衆文化に続いて、食文化に関する展示もあります。




アメリカの食文化といえば象徴的なのがファーストフード
ファーストフード店のドリンクの、蓋のコレクション!?


世界各国の食文化も紹介。
知られざる日本の食文化、それは“お弁当”だッ!!
キティちゃんもさり気なく登場(笑)


え~っと、いつからインドネシアでは竹串と日本語で書くようになったんだい?
誰かスミソニアンの学芸員さんに教えてあげて~(笑)

食文化の展示を見ていたらお腹が空きました。カフェテリアに行って、ちょっと腹ごしらえ。


ちょっとのつもりが、このボリュームだよ。
旅行中の野菜不足解消にとサラダのパックを買ったら、でっかいチキンとクルトンがゴロンとのっかっていて、もはや肉料理と言ったほうがいいような状態に。
その手前のドレッシングのようなボトルはクランベリージュースです。アメリカ人ってベリー系の濃厚に酸っぱ甘いジュースが好きよね…
そして何気に、デザートのケーキまで買ってしまった…うう、満腹…。


食後にはコーヒーを…
ではなくて、これはアメリカ歴史博物館の展示品の一つ。
「グリーンズボロ・コーヒー・パーティ事件」(黒人学生が白人専用席だったカフェのカウンター席に座ったことから始まった公民権運動)の舞台となったカフェのカウンター席の、その実物。
アメリカの歴史に暗い影を落とす人種差別という事実。自由じゃなかった、平等じゃなかったアメリカ。
そんなもうひとつのアメリカの歴史を伝える生き証人です。

そう、スミソニアン博物館アメリカ歴史博物館は、ただの何でもありの楽しいおもちゃ箱ではありません。
社会的に非常に重い、そして時に物議を醸すような展示も厭わないのです。

…最後に、我々日本人としても考えざるをえない展示を見て、この迷宮のような博物館をさまよい歩く見学を締めくくることにしましょう。

#08:国立アメリカ歴史博物館 アメリカにとって戦争とは?に続く

2013-2014 スミソニアン博物館ツアー #06:国立アメリカ歴史博物館 電気の魔術師たち

2014-01-26 | 博物館・美術館に行く
Wizard of Menlo Park


#05:博物館巡り開始!ナショナル・モールと国立アメリカ歴史博物館からの続き

アメリカ合衆国の歴史に関することなら何でもありの、国立アメリカ歴史博物館。
交通の展示で蒸気機関車や自動車を楽しんだら、次はちょっと雰囲気が異なるこのコーナーへ。


アメリカが世界に誇る発明王、トーマス・アルバ・エジソンの功績を讃え、
主に電気に関する数々の製品・発明品を集めたエジソン・コーナー です。




初期の電球と、それに関する資料がずらり勢揃い。


電気には欠かせないメーターも勢揃い。
アナログメーター好きにはたまりません。




モーターや発電機、各種の電気機器類も所狭しと並びます。
まさにエジソンと電気の小さな殿堂です!

…そして、そんなエジソンの電気の殿堂の展示の最後にひっそりと佇んでいたのが、もう一人の天才。


ニコラ・テスラの小さな肖像画。

エジソンの永遠のライバルであるテスラもまた、アメリカに生きた人。
アメリカの誇る偉大なる発明超人なのです。

天才テスラとの再会に喜びを感じつつ、さあ次の展示を見に行きましょう。

#07:国立アメリカ歴史博物館 何でもあり!?アメリカ歴史おもちゃ箱に続く

2013-2014 スミソニアン博物館ツアー #05:博物館巡り開始!ナショナル・モールと国立アメリカ歴史博物館

2014-01-26 | 博物館・美術館に行く
Southern Railway 1401


#04:到着、ワシントンD.C. 最初の夜からの続き

2013年12月29日

アメリカに着いて最初の朝を迎えました。
まだ時差ボケが抜けきっていないせいでちょっと気怠いですが、朝からしっかり食事をして気合を入れます。
しかしネットの格安プランでホテルの予約をしたので、朝食ビュッフェは付いていないのですよ…

という訳で同行者の方々とホテルのロビーで待ち合わせをして、向かったのはホテルの近所のマクドナルド。

「マックは世界中どこでも同じシステムで同じ味だから、助かるなぁ!(笑)


でも、アメリカのマックではドリンクは好きなように注ぎ放題なんですよね。
という訳でアメリカン(?)に、Dr Pepperを氷なしで並々満杯を一気飲み!

朝食を食べてエンジンがかかってきたところで、皆で元気にワシントンD.C.の街に出発します。
でも、今日はあいにくの雨模様…

かくしてワシントンD.C.の初印象は、雨に霞むしっとりとした風景となりました。


ワシントンD.C.中心部、スミソニアン博物館群に取り囲まれるようにして広がる緑地帯公園“ナショナル・モール”の彼方に
そびえ立つワシントン記念塔
高さ約170メートルのオベリスクの頂上は雨雲の中です。


ワシントン記念塔の反対側には、ナショナル・モールを挟んでオベリスクと向かい合うようにアメリカ合衆国議会議事堂が鎮座まします。
…そう言えば、暫く前にアメリカの与野党対立のせいで予算案が議会を通過出来ず、スミソニアン博物館も含む政府機関の一時閉鎖という事態にまで発展して大騒ぎになりましたっけ。
あの時は本当に、このままスミソニアン博物館が年末年始まで再開しなかったらどうしようかと思ってヒヤヒヤしましたよ、まったく!


ナショナル・モールに面して建つスミソニアン博物館群の建築の一つ、丸いドームが特徴的なのは国立自然史博物館です。
スミソニアンでも有名な博物館の一つですね。でも今日はまだ、ここは見に行きません…


今日は先ず最初に、ここに行きます。
“キャッスル” ことスミソニアン協会本部です。

このキャッスルが、スミソニアン博物館全体のインフォメーションセンターとなっており、スミソニアン博物館群についての大まかなイメージと情報をチェックすることが出来ます。
(ちなみに…スミソニアン博物館は基本的にすべての施設で入場料は完全に無料です!)

ウォーミングアップを済ませたら、さあいよいよスミソニアン博物館巡礼のスタートです。
最初に向かったのは国立アメリカ歴史博物館!!
…ちょうど入館時に雨脚が激しくなってきていたので、建築の外観写真はありませんが。

国立アメリカ歴史博物館は、文字通りアメリカ合衆国の歴史の全てを取り扱う総合的な展示が行われています。
とは言え、アメリカは独立以来僅か二百数十年の歴史しか持たない言わば“新興国”、その為に展示内容もありとあらゆる事象を集めまくって短い歴史に何とか厚みを持たせようとしている感があり、ある種の「何でもあり状態」となっています。
でも、その歴史のごった煮感が見ていて楽しいんですよね。ともあれ、何でもありの展示を順に見て行きましょう!


1階のエントランスホールを進んだ先には、アメリカ開拓史と交通の展示コーナーがあります。
西部劇でもお馴染みの幌馬車はアメリカ開拓のシンボルですね。


幌馬車に変わって登場するのが蒸気機関車。
アメリカの鉄道黎明期に活躍したイギリス製の「The John Bull」は1831年製。


アメリカの開拓史は、鉄道と共に在りました。
ここからはアメリカの鉄道の歴史コーナー。鉄道ファンにはたまりません!


カウキャッチャーとダイヤモンドスタック煙突を装備した、いかにもアメリカンなスタイルの蒸気機関車。これも西部劇でお馴染みです。
北海道に渡ったアメリカ製機関車「弁慶」「義経」の兄弟のようですね。




ワシントンD.C.の街では19世紀からストリートカーが走っていました。
今でもサンフランシスコには残っていますね!

そしてアメリカ鉄道の黄金期、巨大で美しい蒸気機関車が登場。



ワシントンD.C.を拠点にしていたSouthern Railwayの1401は、1926年製のパシフィック型機関車。
面構えはいかにもアメリカ機らしい無骨なものですがボディは美しい濃緑色をまとい、アメリカとイギリスの両方の特徴を備えたような独特の雰囲気が漂います。
ちょっと日本のC59に似ているかな?

鉄道以外にも、アメリカの歴史と共に走り抜けた交通に関する展示は続きます。
アメリカの交通のシンボルといえば、やっぱり自動車!



“アメ車”の名車がずらりと並ぶ中、存在感を示していたのが我らが日本車、ホンダのシビック初代モデル!!
ちゃんと左ハンドルの輸出仕様ですよ!
アメリカにとっては自国メーカーの憎きライバルの筈なんですが、それでもしっかり歴史の一部として大切に展示している姿勢には、やはりアメリカという国の懐の深さを感じます。

…1階の交通に関する展示を見ただけで既にお腹いっぱいといった気分ですが、国立アメリカ歴史博物館の展示はまだまだ盛り沢山!
さあ、次の展示コーナーへ!!

#06:国立アメリカ歴史博物館 電気の魔術師たちに続く

夏休みの想い出2013 その12・大阪市立科学館プラネタリウムで「銀河鉄道の夜」を観る

2013-09-03 | 博物館・美術館に行く

その11・L特急(ワイドビュー)しなの16号の車窓から、日本三大車窓からの続き

平成25年8月14日

今日は朝から地下鉄を乗り継いで、ここへやって来ました。
大阪市立科学館



今日は午後から大阪市立科学館にあるプラネタリウムを観るつもりなのですが、ここのプラネタリウムはとにかくすごい人気で、休日には開館後すぐにプラネタリウムの全プログラムのチケットが売り切れることもあるとか。
今日は夏休み中なので、多くの家族連れ客が来館して大変な混雑となることも予想されたので、朝一番でプラネタリウムのチケットを買いに来たのです。


思った通り、開館前からプラネタリウムのチケットを買い求める人たちで長い行列が出来ていましたが、早い時間から並んだおかげで希望していたプログラムのチケットは無事に入手する事が出来ました。

さて今日は、プラネタリウムを観た後は夕方の新幹線で熊本の自宅に帰るので、予め荷物を新大阪駅のコインロッカーに入れたりして帰り支度も整えておきます。
そんなことをしているうちに、もうお昼過ぎに。今日は、友人と待ち合わせをして一緒にプラネタリウムを観ることにしているので、そろそろ待ち合わせ場所へ。


待ち合わせの場所は、大阪市立科学館の入り口に鎮座まします人造人間“學天則” の前。
無事に合流できた友人に、僕の大好きな
「人間の奴隷としてのロボットではなく、自ら学び共に成長する対等な友」
である學天則について一説ぶったりしているうちに、プラネタリウムの投影時間になりました。
地下の吹き抜けにある、プラネタリウムホールの入り口に行きましょう。


プラネタリウムホールへと続く通路に置かれた、カールツァイスII型プラネタリウムの“ご本尊”。
昭和12年に大阪市立科学館の前身である旧大阪市立電気科学館が、アジアで初めて導入したプラネタリウム投影機です。
今ではもう光を宿してドームに星空を映し出すことはありませんが、それでもさすが名機Carl Zeiss、すごい迫力と存在感です。
本当に惚れ惚れするほどカッコいいですねぇ!!

大阪市立科学館のプラネタリウムホールは、デジタルスカイビューの全天周映像システムを備えた世界最大級の直径26.5mの巨大ドーム。投影機は現在ではカールツァイス製ではなく、コニカミノルタの最高峰機種「インフィニウム L-OSAKA」が据え付けられています。
また、投影設備だけでなく客席設備も上質で、フランス製の特注品だという座席は座り心地が良すぎてつい眠ってしまいそうになる程(笑)

この素晴らしいプラネタリウムホールでは僕も以前に、小惑星探査機「はやぶさ」を描いた全天周映像作品
「HAYABUSA -BACK TO THE EARTH-」のプレミア一般向け試写会を観た想い出があります。
そんな大阪市立科学館プラネタリウムでこれから観るのは、
「銀河鉄道の夜 -Fantasy Railroad in the Stars-」
KAGAYA studioが手がけた、プラネタリウム作品の不朽の名作です。



KAGAYAの「銀河鉄道の夜」を観るのはこれで2回めですが、やはりいいですね…
余韻を持って終わるエンディングに、久しぶりに宮澤賢治の本をまた読みたくなりました。
初めて観たという友人も満足してくれたようです。この次は、明石のプラネタリウムに「生きているカールツァイス」を一緒に観に行こうかな。久しくご無沙汰している師匠のブラック星博士にもご挨拶したいし…

大阪市立科学館を出て歩いていると、友人がこんなものがあると教えてくれました。


以前から気になっていたという、ビルの谷間の空き地に設置された、謎のオブジェ。
何やら8の字型に切り込みが入っていますが、この8の字は…まさか、準天頂衛星「みちびき」の軌道!?
これはひょっとして、地上から「みちびき」の位置を捕捉するためのものなのか!?
…と思ったら、この画像をTwitterに上げた途端に「それはアナレンマという太陽の位置運動を観測するための装置だ」という説明レスが返ってきました。…いつものことながら、宇宙クラスタ恐るべし!

さらに歩いて行くと、大通りの交差点にこんな光景が!


はやぶさ薬局と、


ビアレストランあかつき!

何と、日本の宇宙探査機「はやぶさ」と「あかつき」が交差点で向かい合ってるじゃないですか(笑)
さすが大阪市立科学館の近所、お店も何気に宇宙してるぜ!!
(しかもこの後Facebook経由で「その近所に実はイトカワスタジオという写真館もある」というタレコミ情報も頂きました)
大阪の上天神南は日本一「宇宙探査してる」交差点だった!!宇宙機ファンのみんな、ヒマな時に見に行ってみよう



今日は大阪で宇宙を満喫出来ました。
友人に見送られ、九州行きの新幹線「みずほ607」号に乗車。さぁ、帰ろう!


「みずほ」は夕陽を追いかけるように時速300キロで走ります。新大阪から熊本まではわずか3時間、慌ただしい旅の終わりです。
でも、旅から帰っても僕の夏はまだ終わりません。いや、むしろこれからが夏本番!
何しろ再来週の27日にはイプシロンロケット試験機が打上げられるのですから!!

よし、家に着いたらすぐに、内之浦への遠征の準備に取り掛かるぞー!!


…そして3週間が経ちましたが、ご存知の通りイプシロン試験機はまだ打上げられていません。
そう、もう9月になりましたが僕の夏はまだ終わっていないのです。

イプシロンロケット試験機による惑星分光観測衛星(SPRINT-A)の打上げ中止について
(平成25年8月27日 JAXAプレスリリース)

今のところ、まだ新しい打上げ予定日は発表されていませんが、僕は心を真夏の太陽のように熱く燃やしたまま、イプシロンの宇宙(そら)への旅立ちを静かに待ち続けています。


今年の夏はまだ終わらない!イプシロンが翔ぶその日まで!!
長い長い夏を締めくくり、鮮やかに翔べ、イプシロンロケット!!


(旅行記終わり)

人工島の荒野でスーパーコンピュータ「京」と遭遇

2013-07-09 | 博物館・美術館に行く

…梅雨明け直後の強烈な陽射しが降り注ぐ中、歩き続けていた。
荒れ果てた広大な空き地が広がる人工島の中を一直線に貫く道路は通行するクルマも無く、もちろん歩道を歩く人影など皆無。
陽射しを遮るものが何も無い荒野と化した人工島の、やりかけたまま放置した都市シミュレーションゲームめいた無人の区画を数ブロック進んだ向こうに、辺りの風景から切り離されたような近代的な高架鉄道の駅が浮かんで見える。
本来は立ち並ぶ高層ビルやオフィスや研究施設ラボの合間を縫って走ることを想定していたのであろうその未来的都市交通システムは、皮肉なことに今や空っぽの荒野を雄大に横切る人工島横断鉄道と成り果てている。



余りの陽射しの暑さに眩む目で、大平原の真ん中の高架駅を睨む。すると、思いがけない固有名詞が目に飛び込んできた。
「京…コンピュータ前駅…だと?京!?何てことだ…京が、こんな場所にいたのか…
世界最強のスーパーコンピュータ“京”が!!


はい、ちょっと中二病っぽいライトノベル的SF風(なんだそりゃ?)に書いてみました(笑)
実はこの前の日曜日、京都在住の妹夫婦と一緒に神戸のポートアイランドに遊びに行ったんですが、その時偶然ポートライナーの京コンピュータ前駅を遠くから眺めて、初めてこの場所にスーパーコンピュータ「京」が設置されていることを知ったのです。
いや~、宇宙好きで科学好きを自認しているのに、この時まで僕は「京」が日本国内のどこにあるのかもマジで知らなかったんですよ実は!
全くお恥ずかしい限り…


「京」は、ポートアイランドの南部、神戸空港の対岸辺りにあります。


これが「京」が入っている建屋。
独立行政法人理化学研究所 計算科学研究機構という立派な名称がついています。


そしてこれが、専用の建屋の中に納められた「京」の姿だ!!ほーらちゃんとって書いてあるぞ!!

…すみません嘘です。これは建屋のエントランスから中を覗いたところです。
平日は展示エリアの見学も出来るらしいのだけど、この日は日曜日で閉まってた、残念。
建屋内にはラックに収められた864の富士通製の筐体が据え付けられ、様々な研究のために運用されています。
(※「京」の運用等については、詳細は独立行政法人理化学研究所の「京」公式サイトを参照下さい。
僕もよく知らなかったので、これから公式サイトで勉強します。)

2011年には世界のスーパーコンピュータの性能ランキングで2期連続で世界第1位に輝いた、日本が世界に誇る「京」。
やっぱり2位じゃいかんのですよ!!
世界のトップを目指さないと、意味が無いんですよ!!

人気取りのパフォーマンスしか能がないド素人の政治屋連中には、それがわからんのですよ!!

軍事用が当たり前の世界トップクラスの巨大スーパーコンピュータ群の中にあって、
純粋に人類に平和をもたらす科学利用の為に生まれた日出ずる処の頭脳。
最高峰を追い求めることの大切さと素晴らしさ、
そして勇気と希望をも日本人に教えてくれた世界最強のスーパーコンピュータ“京”
いよいよ本格運用が始まったばかりの「京」が、
今後どんな素晴らしい成果を出して人類の進歩に貢献してくれるか楽しみですね!

天燈茶房TENDANCAFEはスーパーコンピュータ「京」を応援しています!!


…ちなみにこの日は、ポートアイランドにある巨大な青と黄色の北欧系家具屋さんを見に行ったのです。




この家具屋さんの名物のホットドッグが安くて旨くて、ピクルスをどっさりのっけて食べると絶品でねぇ…
ちょっと見た目はキタナクなるけど(笑)

ホットドッグに舌鼓を打った後は、腹ごなしにちょっと歩いて鳥さんでも見に行こうか。
そして歩き出した後で、冒頭の「京」発見シーンにつながるという次第。

という訳で、この次は「京」の隣にある神戸花鳥園のことを書きます。乞うご期待!

2013初夏・北欧バルト海紀行 #008:MEGASTAR in AHHAA -世界初!360度全天球プラネタリウム-

2013-05-19 | 博物館・美術館に行く

#007:Science Centre AHHAA -タルトゥ科学館「AHHAA」-からの続き

Science Centre AHHAA(タルトゥ科学館「アハー」)の建物を外から見ると、
ひときわ目を引くのが屋上に載った銀色の巨大な球体。

これこそ、世界初の360度全天球プラネタリウム の球体ドームです!

このドーム内には、日本のプラネタリウムクリエーター大平貴之氏の手掛けたスーパープラネタリウム「MEGASTAR」が据え付けられており、直径9.3mのボール状の球体内部全周に渡り実に数百万個もの星々を映し出します。
従来の常識を超えたスペックを持つ世界最強のプラネタリウム投影機が、これまた世界初の試みである球体ドームと融合して、プラネタリウムの常識を打ち砕く全く新しい姿に進化したのです!!

一切の常識にとらわれず何も恐れず、ただひたすら最先端を突き進む日本のプラネタリウム職人たちの熱い魂と、
新しい歴史を歩み始めた若い祖国の明日の為にも、誰もが科学する心の素晴らしさを感じて欲しいと願ったエストニアの人々の情熱が出会い、奇跡の融合を果たして生まれた、まだ誰も見たことのない未来の人工宇宙空間…

それがタルトゥ科学館「AHHAA」の360度全天球プラネタリウムです。

さぁ、投影開始時刻の午後4時5分前です。
誰も見たことがない人工の宇宙を観に行きましょう!



全天球プラネタリウムはAHHAAの最上階、4階にあります。
専用エレベーターで4階まで昇ると、そこにはまだ見ぬ宇宙空間へと続く白い通路と入口のドアが…

ドアの前で待つこと暫し。
午後4時きっかりにAHHAAのプラネタリアン氏が現れ、ドーム内の球体の宇宙空間へと招き入れてくれました。

これが、エストニア共和国タルトゥに出現した直径9.3mの人工宇宙、世界初の360度全天球プラネタリウムの内部です!!

ドームの中に一歩足を踏み入れた瞬間、「あっ!僕、浮いてる!!」 と感じました。
直径9.3mの球状空間の中に円周部から張り出すように透明な強化ガラスのフロアがあり、足下が透けて見えるのでまるで自分が球体の中に浮遊しているような感覚になるのです。


そしてマジョーラカラーの金色に輝くこれが、球体の中心に鎮座する全天球プラネタリウムの中枢。
大平技研(Ohira Tech Ltd)製の世界最高性能のプラネタリウム投影機、500万個の星空を映し出すスーパープラネタリウム
MEGASTAR-IIB(メガスター・ツー・ビー)AHHAA Science Centerカスタマイズ仕様

AHHAA全天球プラネタリウムではさらに、このMEGASTAR-IIBの下部に
220万個の星を映し出す能力を持つMEGASTAR-ZERO(メガスター・ゼロ)も設置されており、
2つのMEGASTARの合わせ技で球状プラネタリウムのドーム全球に星空を映し出します!

それに加えて、デジタル全天周映像を投影するUNIVIEW(ユニビュー)も備えられており、
高精細なデジタル映像を球体の全方位に映し出すことも出来るという究極のシステムが構築されているのです!


観客たちが席につくと、プラネタリアン氏がMEGASTARの前に立ち全天球プラネタリウムの解説をしてくれます。
球体ドーム内のフロアにはゆったりとした安楽椅子のような座席が14席だけ設置されており、スペースにとても余裕があるので、まるで私設の天文台の応接室に通されたような気分でリラックスしてプラネタリウムを楽しむことができます。
(それにしても、定員が僅か14名ではすぐに満席になってしまう訳ですよね。
必ず観たい場合は事前の予約を勧める記述がAHHAAの公式サイトにもありましたが、納得。)


挨拶して観客の顔を見渡したプラネタリアン氏、僕の顔を見ると
「今日はMEGASTARを観に外国のお客さんが来ているので、解説はエストニア語ではなく英語でやりましょうか… 
他のお客さん、よろしいですか?」
と断りを入れてくれました。なんて親切な心遣い!
プラネタリアンさん、他の観客の皆さん、僕への思いやりに感謝です!!

そして始まった、360度全天球プラネタリウムの世界。
いきなり、14席の座席はエストニア共和国上空の地球周回軌道上に投入されます。
UNIVIEW(ユニビュー)がISS(国際宇宙ステーション)からの実写映像と見紛うばかりの超高精細画像で高度450キロから見下ろす地球を映し出したのです。
観客からも思わずどよめきと歓声が入り混じった声があがります。
そして直径9.3mのドームは無限の奥行きを持つ宇宙空間へと変貌し、AHHAAは地球を離れ宇宙の大規模構造を巡る旅へと出るのです…

上映プログラム後半、いよいよ2つのMEGASTARに光が入り、数百万個の星空の全球投影が始まります。
軽いモーター音と共に動き始めたMEGASTARから、人の目の限界を軽く超える程の凄まじい星々の洪水が溢れだし、視界が全て、星空となっていくのです…!!
「ああ、身体が星空に包まれていく…これが全天球プラネタリウムか!!」

気が付くと、僕の身体にも無数の星々が映し出されています。MEGASTARから放たれた星の光は全球ドーム内面のみならず、観客の身体までも星空へと同化させてしまうのです。
全天球プラネタリウムの観客は、自らも星空の一部となり、星々の光に包まれるひと時を過ごすのです…


午後6時。
二度目のプラネタリウム入室で、僕の顔を見たプラネタリアン氏は一瞬「おや?」という顔をしましたが、
僕が「やぁ、こんにちは…全天球プラネタリウムがあまりに素晴らしいんで、また観せて下さいね。ああ、もちろん今度は解説はEesti(エストニア語)でいいですよ」と挨拶すると笑顔で再びドーム内に迎え入れてくれました。
そしてMEGASTARが映し出す、おうし座のM45プレアデス星団を「日本では“すばる”と呼ばれる星々です」 と僕のために解説してくれたのです。

二度目の上映後、プラネタリアン氏に感謝を伝えに行くと、
「このMEGASTARプラネタリウムは我々の誇りです。日本から観に来てくれてありがとう!」
と投影コンソールを見せて下さいました。

2つのMEGASTARとUNIVIEWを操作するのに、随分シンプルなシステム構成ですね。
こんな小さな机から、あの大宇宙を操作していたなんて驚きです。


「今日は本当に感動しました。ありがとう!また全天球プラネタリウムを観に来たいです。さようなら!」

エストニア共和国タルトゥに生まれた、奇跡の宇宙。
タルトゥ科学館「AHHAA」の360度全天球プラネタリウムで、僕もまた星空の一部になりました!!

そして、こんな素晴らしい宇宙を生み出したエストニアという国の文化と人々が、僕は好きになったのです。

#009:エストニア・タルトゥ街歩き 街外れの鉄道駅を見に行こうに続く

2013初夏・北欧バルト海紀行 #007:Science Centre AHHAA -タルトゥ科学館「AHHAA」-

2013-05-18 | 博物館・美術館に行く

#006:タリン→タルトゥ ハイテクITバスで行く、エストニア縦断快適バス旅行からの続き

タリンからの高速バスが到着したバスターミナルはタルトゥの新市街の中心部にあり、
周辺には巨大なショッピングモールやホテル、オフィスビル等が林立しています。


僕が今夜泊まるホテルもバスターミナルのすぐ近くにあり、屋上に目立つネオン看板を立てていたのですぐに分かりました。
ホテルにチェックインして、部屋に荷物を置いたらすぐに出かけます。
行く先は、これまたバスターミナルのすぐ裏にある、近代的な建物。Science Centre AHHAA(タルトゥ科学館「アハー」)です!

エストニア国内で最大最新の科学教育施設であり、広く北欧・バルト三国地域全体からも注目を集めるこの科学館「AHHAA」、
科学することの素晴らしさを広く人々に伝えたいとの想いが結集した、数々の最先端かつユニークな展示を行なっています。
その目玉ともいうべき展示設備が、360度全天球プラネタリウム!
通常のプラネタリウムが半球状のお椀を伏せたようなドーム屋根を見上げるように星空やデジタル映像を映し出すのに対し、この「全天球プラネタリウム」は何と、ボールのように完全な球体の中に浮かぶように座席が設置されており、頭上のみならず足下まで星空や映像が投影されて観る者の周囲が完全に星空に包まれるというのです!!

まるで宇宙空間に浮かんでいるような不思議な感覚を体感出来るというこの「全天球プラネタリウム」を創ったのは、
スーパープラネタリウム「MEGASTAR」シリーズの開発者として知られる日本人プラネタリウムクリエーター、大平貴之氏
AHHAAは、ヨーロッパで最初のMEGASTAR常設館であり、そして世界初の全球スクリーンを持つ全く新しいスタイルのプラネタリウムとして2011年5月にデビューした、世界中のプラネタリウム関係者とプラネタリウム愛好者とそして宇宙ファンから熱い注目を集める場所なのです!
僕も、この「全天球プラネタリウム」を観たくて、タルトゥまでやって来たのです。

憧れの「全天球プラネタリウム」を体感すべく、AHHAAのチケット売り場に並んで片言英語でプラネタリウムのチケットを欲しい旨をスタッフに伝えます。すると、
「プラネタリウムは1時間に1回上映してるけど、次の上映回から2回続けて満席なので、3時間後の午後4時からの回になるけどそれでもいい?」
とのこと。勿論OKです。3時間待つ位、どうってことありません。ついでに、ここまでやって来てたった1回しか観ないのは勿体無いので
「No problem!…あの、午後4時の後にもう1回プラネタリウムを観たいんだけど、いいかな?」
と聞いてみると、一瞬「えっ!?」という表情の後で
「あのね…プラネタリウムは毎回同じ内容のプログラムを上映するのよ。それに、解説はエストニア語だから、日本人のあなたに解説内容が理解できるかしら?」
というようなことを言われます。まぁ、ごもっともな反応です。
しかし、ここで喰い下がる訳にはいきません。僕がエストニア語の解説とは無関係に、とにかく「全天球プラネタリウム」を味わいたくて地球の裏からここまで来たんだということを伝えなくてはなりません。
「OK、OK…それもNo problem!僕は…プラネタリウムが大好きなんだ!Planetarium loverなんだ!Mr.オーヒラのMEGASTARが何度も観たくてたまらないんだ!だから、チケットを2回分売ってくれないかな。頼むよ…」
ここまで言うと、さすがにAHHAAのスタッフ氏も僕の熱意を理解したというか半分呆れたようで、苦笑しながら
「はい、午後4時の次は午後6時からの回が空いてるわ。科学館は午後7時で閉まるけど、館内の展示も観る?」
とチケットを発券してくれました。やれやれ(笑)

AHHAAのプラネタリウム観覧料は1回4ユーロ、展示施設の入館料は12ユーロ。
タリンからタルトゥまで走行距離200キロ弱の高速バスのチケット代が10ユーロちょっとでしたので、それと比較しても随分割高です。
総じて物価が安いというエストニアにしてはかなり高額な料金の筈ですが、それでもAHHAAは日曜日の午後ということもあってか家族連れを中心に大賑わいです。この国には科学する心を大切にする家族が多いのかと思うと嬉しくなりますね!
僕も「全天球プラネタリウム」の上映が始まるまで、AHHAAの展示を見て回ることにしましょう。



AHHAAテクノロジー分野展示ホール全景。

AHHAAの展示はとにかくユニーク、そしてお洒落で上品!
大人も子どもも、すべての人が科学を楽しめるよう工夫をこらされた体験型の展示が並ぶゆったりとしたホールを、リラックスして見て回ることが出来ます。


例えば、ネイチャーホールのひよこの展示。
何と、孵化寸前の鶏の卵を孵卵器機能を持つケース内に並べて、ひよこが実際に殻を破って産まれてくる様子をライブで目の前で見ることが出来るのです!
ケースの中には、さっき産まれたばかりらしいひよこちゃんが歩き回っていますよ!
よく見ると、今まさに中からひよこがくちばしで突いているらしきヒビ割れの入った卵も一つあります。しばらく見ていましたが、ひよこが出てくるにはまだ時間がかかりそうでした。
(あの卵のひよこちゃん、その後無事に産まれたかな?)


いかにも博物館らしい、正統派の(?)動物骨格標本の展示もあります。
その隣は、小さな水族館のアクアリウム。


こちらは、近年は日本の科学館でもよく見かけるようになった科学実験ショー。
お姉さん二人組(タルトゥ市内にある名門校・タルトゥ大学の学生さんアルバイトかな?)が液体の対流や化学反応や燃焼などを楽しく掛け合いながら実演解説中で、子どもたちの観客に終始大受け。
最後にエタノールか何かを気化させて風船に詰めて爆発燃焼させるという実験で締め括りましたが、ぼんやり見ていた僕に観客のお母さんが「あなた、何やってるの!早く耳を塞いで!!」というようなことを叫ぶので反射的に指を耳に突っ込むと、直後に部屋が振動する程の大音響が!!
耳を塞いでいなかったら、マジでヤバイところだった!お母さんThank You…
っていうか、本格的過ぎるぞAHHAAの大科学実験!!

エキシビジョンホールでは、宇宙関連の企画展を開催中でした。



お馴染みの、米ソ宇宙開発競争史。

企画展の展示でひときわ目を引いたのが、こちらの宇宙機の実機展示。



解説パネルには「スプートニク “コスモス2083”」とあります。
コスモス2083とは1990年に行われたソビエト連邦(当時)の人工衛星打ち上げミッションですが、どうやらそのミッションで使用された地球帰還カプセルのようですね。
しかしこのコスモス2083ミッション、どうやらその実態は軍事的な匂いの漂う偵察衛星だったようです。
有人宇宙船の「ボストーク」を改造した「Zenit-8」に宇宙飛行士の代わりにカメラとフィルムを載せて打ち上げ、地球周回軌道上で偵察活動を行った後に帰還カプセルが大気圏再突入して、撮影済みのフィルムとカメラ機材一式を丸ごと地上で回収していたということなのです。
球形のカプセルの左側に見える丸い穴が、偵察カメラのレンズを通す開口部らしい…。こんな不気味な目玉を持ったボールが宇宙空間から敵国を覗き見していたなんて、想像するだに薄気味悪いですね!
なかなかにヤバイ代物ですが、こんなブツが科学館で大っぴらに展示されるのも時代の流れ、地球があの頃よりは平和になったということでしょうか(しかもここは、コスモス2083が宇宙に飛んだ翌年にソ連から独立を勝ち取ったエストニアですからね…)。
※“コスモス2083”ミッションの詳細事項とZenit-8等の宇宙船についての情報は、旧ソ連とロシア関連の宇宙機に詳しいTwitter宇宙クラスタのけいけいさん(@Kei_Kei_Twi)に教えて頂きました。ありがとうございます)

宇宙関連の展示で、興味深いものがもう一つありました。




エストニア共和国初の人工衛星、ESTCube-1です!これは地上試験用の試作モデルでしょうか。

AHHAAの地元・タルトゥ大学とタリン工科大学とエストニア航空アカデミーの共同プロジェクトで、フィンランドとドイツの研究機関の支援を受けて2008年から開始されたものです。
大学が主体となって10cm角の超小型衛星を他の衛星とともにロケットに相乗りさせて打ち上げるいわゆる「キューブサット」なのですが、このESTCube-1はとんでもない冒険的ミッションを目指しています。
何と「宇宙空間でテザー(ひも状の物体)を展開し、これに太陽風を受けて加速し、宇宙ヨットとなる!」
そう!「はやぶさ」の弟、我らのイカ坊こと、日本の小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS(イカロス)」と同じように太陽からの力を帆で受けて宇宙空間を航行する宇宙ヨットを目指しているのです!!
IKAROS(イカロス)が太陽の光による光子加速を行うのに対し、ESTCube-1は太陽からの帯電粒子や太陽風をセイルに受けて加速するので基本的な加速方式は異なるのですが、太陽の力を帆に受け進む宇宙ヨットである点ではどちらも同じ。ESTCube-1はIKAROS(イカロス)の小さな弟のようで、何とも可愛らしく親しみが持てるではありませんか!



ESTCube-1はこの翌週、日本時間の5月7日に欧州宇宙機関(ESA)のVegaロケット2号機(くしくも、Vegaロケットは「はやぶさ2」の打ち上げ用ロケットとして使用することが検討されていた機体でもあります)で無事に打ち上げられ、宇宙へと旅立ちました。
日本の一宇宙ファンとして、宇宙ヨットESTCube-1の活躍とミッションの成功を心から祈っています。


AHHAA宇宙展の一画で見つけた、古典プラネタリウム“オルロイ”。
この美しい機械はやがて、時計と結びついてプラハやヨーロッパ各地の街角に時間と宇宙空間を表示し、
光学機械と結びついてドームの中に人工の星空を映し出しました。



そして今、オルロイはエストニアの文化都市タルトゥで9.3mの全球スクリーンを手に入れたスーパープラネタリウム「MEGASTAR」として、新たな姿に進化しました。
…そろそろ午後4時です。
「全天球プラネタリウム」に会いに行きましょう。


#008:MEGASTAR in AHHAA -世界初!360度全天球プラネタリウム-に続く

Muses Europa Eisenbahn 2012-2013中欧鉄道音楽紀行 28:kunst historisches museum 美術史美術館

2013-02-22 | 博物館・美術館に行く
Theseus besiegt den Centauren/Antonio Canova


27:Das gibt's nur einmal ウィーン散歩からの続き

ウィーン美術史美術館の開館時間となりました。
早速、正面玄関前に出来ている入場待ちの行列に並びましょう。



入場前に気が付いたのですが、美術史美術館の外壁の窓にもそれぞれ芸術家たちの名前が掲げられていますね。
こんな所まで自然史博物館の建物と共通の造りになっています。
この窓はレオナルド・ダ・ヴィンチのようです。

美術史美術館は建物は大規模なのですが、入り口とチケットカウンターは狭くて開館と同時に大混雑です。
何とかチケットを購入して、いよいよ館内へ…


入場者を出迎えてくれるのが、この素晴らしいエントランスの階段ホールと天井画です。
このホールの装飾デザインは、グスタフ・クリムトの手に依るものだとか。


そして圧巻の、吹き抜け丸天井ホール!
ホールはカフェとなっていて、名画を鑑賞した後は美術館の建築そのものを堪能しながらお茶を楽しみ、
贅沢な余韻に耽る事が出来るのです。

さあ、絵画ギャラリーへ…
このドアの向こうには、ハプスブルク王朝によって集積された無限の芸術世界が広がっています!



フェルメール!ラフィエル!ルーベンス!ヴェラスケス!アルチンボルド!
…美術の教科書で一度は見たことがある、誰もが知っている名画中の名画が並ぶ回廊がどこまでも続きます。

そして、この至宝の洪水の中でも一際目を引く逸品には大抵、
プラハに居た芸術と科学を愛した皇帝の特別コレクションであることを示すプレートが添えられていました。
美術史美術館の収蔵品の中でも特に人気のある究極の作品群は、
プラハ城から移された、神聖ローマ皇帝ルドルフ2世が愛したコレクションなのです。

ルドルフ2世の芸術的才覚の素晴らしさと審美眼の確かさには、改めて感服させられます。


そして、ウィーン美術史美術館を象徴すると言っても過言ではないブリューゲルの一大コレクション。
牧歌的で素朴であり厳しくもある農村の日常風景や、
一見ユーモラスながらも奇妙な緊張感と不気味さが漂うバベルの塔を取り巻く状況を見渡しながら、
小一時間ほども回廊のソファに座って過ごしてしまうのでした…

お昼過ぎまでウィーン美術史美術館で過ごしてから、ホテルに荷物を受け取りに戻ります。
明日は夜明け頃の飛行機でウィーンを発つので、今日のうちにシュヴェヒャート国際空港のエアポートホテルにチェックイン。

そして夕刻、再びウィーン市内に戻ります。
旅の最後の夜、ウィーン国立歌劇場でオペラの夢を見ましょう。

29:OPERA NIGHT ウィーン国立歌劇場に続く

Muses Europa Eisenbahn 2012-2013中欧鉄道音楽紀行 24:PLANETARIUM ワルシャワのCarl Zeiss

2013-02-17 | 博物館・美術館に行く
CARL ZEISS JENA/MUZEUM TECHNIKI


23:ASTRONAUTYKA 宇宙科学展示室からの続き

ワルシャワ科学技術博物館の宇宙科学展示室にある、プラネタリウムのドーム。


直径数メートル程の、本当に小さなものです。
ドームの中はどうなっているのでしょうか。


小さなドーム内には、これも小さな“御本尊”が。
可愛らしい投影機が据え付けられていました。
でも、この投影機の独特の形状は…これは、ひょっとして!?


やっぱりそうです、銘板にはCARL ZEISS JENA の文字が!
プラネタリウムの名機「カール・ツァイス」です!!




長年使い込まれているようで、実に味のあるフォルムのカール・ツァイス。
かなり小型のモデルなので、九州の福岡県宗像市にある宗像ユリックスのカール・ツァイス製プラネタリウム
「SKYMASTER ZKP4」と同等クラスかも知れませんが、ずっとクラシカルなフォルムです。
(※参照→宗像ユリックスプラネタリウムでカール・ツァイスを見てきました

これは是非とも、投影された星空を見てみたいですね!


しかし残念ながら、投影は1日2回のみで、次の投影時間を待っていたら列車が発車して行ってしまいます。
涙を呑んで今回は諦め、後ろ髪を引かれながらワルシャワ科学技術博物館を後にします。

「またいつか必ず、ワルシャワにカール・ツァイスのプラネタリウムの星空を観に来るぞ!
それまで、現役のままで残っていてくれよ、科学技術博物館のカール・ツァイス…」


ホテルで荷物を受け取って、ワルシャワ中央駅に向かいます。
ワルシャワとは、これでお別れです。国際列車に乗ってウィーンに戻ります。

25:Sobieski Express 国際列車Sobieski号の旅に続く

Muses Europa Eisenbahn 2012-2013中欧鉄道音楽紀行 23:ASTRONAUTYKA 宇宙科学展示室

2013-02-17 | 博物館・美術館に行く
astronomicznej ekspozycji/MUZEUM TECHNIKI


22:MUZEUM TECHNIKI 科学技術博物館からの続き


ワルシャワ科学技術博物館の館内の一角を占める、一際広い展示室。
宇宙科学関連の部屋です。

展示室の入口ではスプートニク1号とボストーク宇宙船、そしてサターンVロケットとアポロ宇宙船が出迎え、
ドッキングするソユーズとアポロを描いた巨大なタペストリーが壁を飾ります。


←サムネイルをクリックすると大きなパノラマ画像が開きます

宇宙機関連の展示は、特に旧ソ連系のものが中心という訳ではなく、
アメリカのものとソ連のものが半々といった構成でした。


これはソ連版スペースシャトル「ブラン」!?
…かと思ったら、アメリカのスペースシャトル「コロンビア」号でした。


かわいそうな犬のライカを乗せたスプートニク2号ですね。




ガガーリン少佐に関する展示はさすがに充実していました。


ちょっとレトロですが丁寧に作られた、太陽系の惑星と彗星の軌道を説明するパネル。


これは…何でしょうか?
ごく初期の頃の電波望遠鏡の巨大パラボラかな?
駆動部が恐ろしく複雑なトラスを組み合わせた構造なのが面白いですね。

レトロなものばかりでなく、最新の宇宙科学事情もしっかり紹介されています。


話題の火星ローバー「キュリオシティ」の特設コーナーもありました。


金星の太陽面通過や日食などの天文ニュースも取り上げられていますね。

全体的に、手作りの展示ですがこまめに更新されていて、
スタッフの方が日頃から熱心に活動されている様子が伺えて、とても良い感じです。


この屈折望遠鏡は今でも使えるのかな?


こういう昔ながらの科学館の雰囲気って、やっぱりいいですね!
きっと多くのワルシャワ生まれの宇宙科学と天文好きな少年少女たちが、ここから巣立っていったことでしょう…

…ところで、展示室の奥にドーム天井が見えますね。
これは、そう!プラネタリウムです。
ちょっとプラネタリウムのドームの中を覗いてみましょう。

24:PLANETARIUM ワルシャワのCarl Zeissに続く

Muses Europa Eisenbahn 2012-2013中欧鉄道音楽紀行 22:MUZEUM TECHNIKI 科学技術博物館

2013-02-17 | 博物館・美術館に行く
Palac Kultury i Nauki w Warszawie


21:Sestokai 終着駅、そして鉄路は続くからの続き

2013年1月2日

今日はお昼に発車する国際列車でワルシャワを離れます。
午前中は時間があるのですが、行ってみたい場所があるのです。

ワルシャワの街を睥睨する、悪名高き怪摩天楼、文化科学宮殿。
その下層階には科学技術博物館があるとガイドブックに書かれています。
共産主義時代の遺物であるグロテスクなスターリン・ゴシック様式の大伽藍の中にある博物館…
なかなか不気味に興味をそそられるではありませんか!

ホテルをチェックアウトして、そのまま荷物をフロントに預け、すぐ近くの文化科学宮殿に歩いて向かいます。
摩天楼の麓をぐるりと歩いて回ってみると、
MUZEUM TECHNIKIと掲げられたギリシア神殿のような荘厳な入り口が見つかりました。


重く分厚いドアを開けて中に入り、14ズロチ也の入場料を払います。
案の定というか、館内には他に殆ど見学者がおらず静まり返っていました。


館内の展示はこんな感じ。
天井が高くレトロな雰囲気の回廊に、様々な科学技術に関する展示品が並びます。


交通の技術発達を紹介するコーナーでは、翼にCCCPの文字が刻まれ赤旗が翻るソ連製航空機の模型が。


でも何故か、こんなものまで展示されています。
これは…映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」に登場するタイムマシンカー「デロリアン」ですよね!?
どうも撮影に使われた実車っぽいですが、何でデロリアンがワルシャワの科学技術博物館に…
う~ん、カオスだ!(笑)

科学技術博物館の館内は思ったより広く、いくつもの展示室があります。


これは印刷技術に関する展示でしょうか。


豊富な鉱物資源に恵まれていて鉱業の盛んなポーランドらしく、鉱物に関する標本展示はとても充実していました。


コンピュータの歴史と発展についての展示室もあります。


軍事に関するコーナーでは、旧日本軍の軍用機の模型も大量に展示されていました。

そして、模型コーナーのようになっている一画にはこんなものが。


ソ連の宇宙船「ソユーズ」です!
7K-OKとありますから、初期のバージョンですね。

そう、科学技術と言えばやっぱり宇宙科学。
ワルシャワ科学技術博物館には、宇宙に関する大きな展示室もあったのです。

23:ASTRONAUTYKA 宇宙科学展示室に続く

Muses Europa Eisenbahn 2012-2013中欧鉄道音楽紀行 2:Amsterdam スキポール国際空港美術館

2013-01-13 | 博物館・美術館に行く
Rijksmuseum,Luchthaven Schiphol


1:Overture、 Calgary号Amsterdam行きからの続き

KLMオランダ航空のハブ空港である、アムステルダムのスキポール国際空港に到着しました。



ここで今夜の宿泊地となるオーストリアのウィーン行きの便に乗り継ぐのですが、
近年のヨーロッパでの景気低迷のあおりを受けてか欧州域内の航空路線は大幅な減便が行われているようで、
数ヶ月前に突然KLMから「当初予定していた乗り継ぎ便が廃止されることになった。当日乗り継ぎ可能な別便に予約を振り替えとくからヨロシク」という連絡があり、否応なしに変更させられてしまっていたのです。

その振り替え便の出発時刻は、何と5時間後!
いくら何でも長過ぎるので、空港のすぐ下にあるスキポール空港駅から電車に乗ってアムステルダム市内へ遊びに行こうかとも考えていたのですが、到着すると下界は雨の中。
シベリア横断の超長時間フライト後で疲れているところに、冷たい冬の雨を浴びたりしたら風邪をひくに決まっています。
なので結局、暖かい空港のターミナルビル内でおとなしく時間をつぶすことにしました。

さて、思わぬ長時間の乗り継ぎ待ちとなってしまいましたが、
スキポール空港には面白い設備があってそれなりに楽しく待ち時間を過ごすことが出来たのです。
その設備とは…



スキポール空港には、何とターミナルビル内に美術館があるのです!
まぁ美術館といっても、画廊のような小さなワンフロアのスペースなのですが、
それでも展示されているのは素晴らしい第一級の作品ばかり。
何しろここは正真正銘の、アムステルダム国立美術館の分館 なのですから!

アムステルダム国立美術館スキポール空港分館は、
長距離国際線の搭乗ゲートからオランダ入国審査場と近距離線の搭乗ゲートを結ぶ移動ルート上という、乗り継ぎの途中に立ち寄るのにとても便利な場所にあります。しかも入場料は無料です。
ターミナルビル内で大きな看板を出している国立美術館のミュージアムショップの中に展示室に入るための階段があるので、ミュージアムショップを目印に探せばすぐに見つかりますよ。
展示される絵画は定期的に国立美術館に収蔵されている作品と入れ替えられるようで、毎回企画展的な内容で展示が行われているようです。

美術館の近くには本格的なカジノもありました。僕は今回はチャレンジするのはやめておきましたが(笑)
他にも、広大なショッピングゾーンには検疫済みのチューリップの生花や球根を買うことが出来る花屋さんや
日本でも人気のキャラクター、ミッフィーちゃんグッズの専門店もあり、
とにかくスキポール空港は乗り継ぎ待ち時間を退屈せずに過ごせる楽しい工夫が凝らされているのです。
もっとも僕は美術館を堪能した後は疲れが出てしまい、これまた無料で使うことの出来るカウチが並んだ仮眠コーナーでのんびり寝て過ごしましたが…


午後8時過ぎ、ようやくウィーン行きのKLM1849便の搭乗時間になりました。

ボーイングB737での国内線感覚の1時間ほどのフライトで、夜のウィーン・シュヴェヒャート国際空港に到着。
真っ暗な中央ヨーロッパの平原の中に暖かく輝く、白熱電灯色のウィーンの夜景を機内から見た時
「ああ、やっと着いた…」 という安堵感がこみ上げてきました。
アムステルダムでの長い乗り継ぎ待ち時間のせいか、いつも以上に随分と長旅をしてきたような気がします。

今夜はもうウィーンの街には出ずに、シュヴェヒャート空港のターミナルビルの目の前にあるエアポートホテルに宿泊。
熱いお湯をたっぷり張ったバスタブに浸かって、エコノミークラスの座席で縮こまった身体を伸ばしてから、
明日から始まる鉄道の旅に備えてベッドに横になります。

おやすみなさい、そして…
久しぶりだね、ウィーンと中央ヨーロッパ。明日からよろしく。


3:Wien Westbahnhof ウィーン西駅からの旅立ちに続く

「水戸岡鋭治の幸福(しあわせ)な鉄道展」を観てきました

2012-12-18 | 博物館・美術館に行く
博多駅のプラットホームで「水戸岡鋭治の幸福(しあわせ)な臨時列車」の出発を見送ってから、
(→「水戸岡鋭治の幸福(しあわせ)な臨時列車」を見て幸福(しあわせ)気分
JR博多シティの9階に上がって来ました。
ここにあるJR九州ホールで「水戸岡鋭治の幸福(しあわせ)な鉄道展」が開催されているのです!



※会場スタッフの方に確認・了解を得た上で写真撮影・掲載しています


会場内はまるで遊園地!これぞ水戸岡ワールド!!
JR九州をはじめ、日本各地の公共空間をキャンバスにして
楽しい夢を描き続けてきたデザイナー・水戸岡鋭治先生の世界が広がっています。


会場内には小さなSL「つばめ電車」も走ります。
もちろん、乗ることが出来るんですよ。


SLの走る線路は藁のゲートをくぐり抜けて、展示室内へ。


線路は展示室内をぐるりと一周。
途中で、茅の輪くぐりのある鉄道神社の参道を横切ったりします。


展示室の一画には、
観光特急「あそぼーい!」の車内にある大人気コーナー「木のプール」が出現!
SLに乗って展示室にやって来た子どもたちも大喜びです。


「あそぼーい!」からは車内茶室も登場。
薄茶一服点ててみる?


そして「あそぼーい!」のシンボル的存在であり、
鉄道界での「ゆるキャラ」活躍の先鞭をつけた「くろちゃん」も、絵本風のパネル展示で大活躍。


ローカル線の経営を建て直したスーパーねこちゃん、
和歌山電鐵貴志川線貴志駅の「たま駅長」のコーナーもあります。

展示室内にあるのは、楽しい子どもたちの遊園地だけではありません。
大人も楽しめる上質な空間も用意されています。


いよいよ来年秋(2013年10月)にデビューする、日本初の本格的クルージングトレイン
「ななつ星in九州」の世界をプレゼンテーションするコーナー。
水戸岡鋭治先生の仕事の集大成と言うべき究極の列車の車内が、一足先に体感できるのです!










思わず見惚れてしまう美しいインテリアと家具たちが、
夢の豪華列車の旅への想いを誘います。




「ななつ星in九州」の美しいポスター画。
かつての鉄道黄金期に、ヨーロッパを縦横に駆け抜けた国際寝台車会社ワゴン・リの
「オリエント・エクスプレス」の華やかなポスターを彷彿とさせます。

会場内には他にも、明治末期に初代九州鉄道がアメリカに発注・輸入するも結局ほとんど運行されること無く
歴史の闇の彼方に消え去ったとされる謎の超豪華列車、
人呼んで「或る列車」のパネルも掲げられていました。

そう、「ななつ星in九州」は
「オリエント・エクスプレス」と「或る列車」のスピリッツを融合させて現代に甦らせるという、
デザイナー水戸岡鋭治の最後の夢そのものだったのです…!!


「…僕もいつか、必ず乗るぞ。ななつ星in九州に!」


大人も子どもも笑顔になって、公共空間と毎日の暮らしがもっと楽くなる、
そしてみんなが幸福(しあわせ)になる水戸岡鋭治先生の世界・水戸岡ワールド
「水戸岡鋭治の幸福(しあわせ)な鉄道展」
素晴らしい展覧会でした!



※「水戸岡鋭治の幸福(しあわせ)な鉄道展」は2013年1月14日まで、福岡市のJR博多駅・JR博多シティの9階JR九州ホールで開催中です。
詳細はJR九州の公式ホームページ等でご確認下さい。

「ベルサイユのばら」展を観てきました

2012-12-02 | 博物館・美術館に行く

池田理代子さんの名作漫画「ベルサイユのばら」 の連載開始40周年を記念した展覧会が
福岡県立美術館で開催されています。

実は僕も、中学時代の世界史(フランス革命)は「ベルばら」で勉強したという隠れファン。
(いや、別に隠れる必要はないんだが…)
同じくベルばら読者だった伯母さんがこの展覧会に行きたがっていたので、
有給休暇消化で休みになった金曜日に新幹線に乗って福岡市まで一緒に観に行きました。






会場の福岡県立美術館には膨大な枚数の「ベルサイユのばら」の原画をはじめ、
TVアニメのセル画や設定資料、さらには宝塚での舞台衣装類まで、これでもかという程の点数の展示があり、
見応えありました!

実は僕は、少女漫画は好きですが、
作品では青池保子さんの「エロイカより愛をこめて」や萩尾望都さんの「ポーの一族」「トーマの心臓」、
そして大島弓子さんの「綿の国星」や魔夜峰央さんの「パタリロ!」が好きで
(僕の趣味の傾向が丸わかりのラインナップだな…)
「ベルサイユのばら」にはそこまで感情移入できなかったところがあるのですが、
それでも原画原稿を見ているとストーリーが脳裏に浮かび上がってきて、
初見当時はまだ中学生だった男子読者にも強い印象を残すほど力のある作品だったんだなぁと改めて感心。
本当に、名作だと思います。

でも、もし恋人や上司がオスカルみたいなタイプだったら文字通り死ぬほど大変だろうなぁ…
今になって、アンドレの苦労がわかる気がするよ。
それから、国の財政が破綻寸前なのに平気で無意味な浪費をしちゃうような人や、
わかっててもそれを正せないような人がトップに立つことの恐ろしさもね。


ところで、こんな「顔出し看板」があったのだが…
実行する強者はいたのかしら。
「ベルサイユのばら」展は今後、岡山・大阪・横浜と巡回するそうですので、
会場で顔出ししてアントワネット王妃になってみた方は是非、写真を添えてご連絡下さい(笑)