←その11:ヴェローナ、ジュリエットの家からの続き
「ロミオとジュリエット」のジュリエットの家がある旧市街から、ヴェローナの街を貫き蛇行して流れるアディジェ川の畔にやって来ました。

暮れなずむ冬空はヨーロッパの高緯度帯特有のブルーモーメント。濃紺の空に真っ赤に染まった雲が流れていきます。

このアディジェ川に沿って歩いて、橋を二つ越えて進んだ先に「ジュリエットの墓」があるらしいのです。
青い夜のヴェローナを歩いていきます…


地図では川沿いの道から入れるように記載されていたのに、実際には川沿いの道は立入禁止区間になっていたりして少々迷いましたが、目印となる郵便局の建物を見つけて何とか辿り着きました、ここが「ジュリエットの墓」です。



濃紺の夜空の下にポツンと明かりを灯す「ジュリエットの墓」の入り口。
何とも印象的な光景です。
「ジュリエットの家」と共通の入場券で入ることが出来るこの「ジュリエットの墓」、実際にはフレスコ画博物館となっている古い修道院です。
館内には、特に「ロミオとジュリエット」とは直接関係無さそうなフレスコ画が展示されています。



観光客でごった返す「ジュリエットの家」とは違い、あまり人も居らず静かな佇まいのフレスコ画博物館の「ジュリエットの墓」、日暮れ時に落ち着いたひと時を過ごすにはとても良いヴェローナの隠れ家的な場所です。
僕はフレスコ画の鑑賞についてはよく解らないのですが、気に入りました!
ちなみに、「ジュリエットの墓」と名乗っているだけあって、ちゃんと墓がありました。


修道院の地下墓所(カタコンベ)のような場所に安置された棺…
なのですが中身は空っぽです。
実際、いったい誰の棺なのかはさっぱり分からないのですが、一応これが「ジュリエットの墓」なんでしょう多分!
でもこの棺、落書きだらけで実に悲惨で哀れな感じです。「恋人たちの聖地」の筈なのに、平気で落書きしていく不心得者のカップルがいるんでしょうかね。よくそんな不吉なことが出来るよな…恋愛がうまくいかない呪いをかけられても知らんぞ!
という訳で、最後に少々残念な気分になってしまいましたが、墓が無ければよっぽど良かった「ジュリエットの墓」のフレスコ画博物館の修道院を後にします。
もう夜も更けてきました。遅くなり過ぎないうちにミラノに帰りましょう。

ポルタ・ヌオーヴォ駅に戻る途中、夜のブラ広場を通りました。
アレーナ・ディ・ヴェローナもライトアップされ、何やら流れ星か彗星のようなものまで飛び出していますね(笑)


さらばヴェローナ、また来る日まで!
…今度は、夏にアレーナの野外オペラを観に来たいなぁ。
さて近郊列車でミラノに着いたら、今夜ローマ経由の最終便で到着する予定のアマフミさんをリナーテ空港まで迎えに行かないと。
明日には今回の旅の参加メンバー全員揃ってミラノを後にして、いよいよガリレオを追いかけてピサに向かって出発します!
→その13:紅の高速列車Italo(イタロ)に続く