(写真:島原鉄道名物キハ20 “たらこ”+“三本ヒゲ” 南島原駅にて)
来年、平成20年3月末をもって廃止予定の島原鉄道南線(島原外港~加津佐間)。
島原鉄道線一部区間(島原外港~加津佐)の廃止について:島原鉄道株式会社
今月、普段は南線を走らない昭和30年代に造られた旧型気動車「キハ20」が土日祝日限定で南線で運行されているので乗りに行ってきました。
キハ20形 南線運行と記念乗車券発売のお知らせ:島原鉄道株式会社
先ずは熊本港から島原行き九商フェリーにのり、有明海を渡って島原へ。
フェリーを追いかけてきて餌をねだるカモメ達はこの航路の冬の名物だとか。
面白がって眺めてたら一羽のカモメと目が合ってしまい、指を突っつかれた。ガラが悪いけど、やっぱり可愛いぞ。
島原港フェリーターミナルからちょっと歩いたところに島原鉄道の島原外港駅があるが、その隣の南島原駅がキハ20列車の始発駅なので南島原駅まで歩く。距離は1キロ弱程度で、のんびり歩いても15分もかからない。
島原市の静かな裏通りにある南島原駅に到着。
早速、窓口で南線の終着駅加津佐までの乗車券を購入。キハ20で運行される列車限定の割引切符が発売されており、これが何と南島原→加津佐の片道の通常運賃が1280円のところを往復で1000円という超お買い得価格!
しかもレトロな手書きの常備券切符なのが嬉しい。
それにしても半額以下だなんて、ちょっと大盤振る舞いし過ぎのような…廃止前の出血大サービスといったところですかね。
南島原駅のホームに加津佐行きのキハ20が入線してきた。
島原鉄道に8輌いるキハ20の中でも1輌だけの、全身朱色一色の“首都圏色”キハ2008だ。ファンからは「たらこ」と呼ばれ親しまれた朱色のディーゼルカー、一昔ふた昔前までは首都圏どころか日本全国どこに行っても大抵いた、空気みたいな存在だったけど、久し振りに見るとやっぱり懐かしいなぁ~
さて、定刻の12時18分に南島原を出発したキハ2008の第119列車加津佐駅行きは薄曇りの冬空の下、島原半島をトコトコ走る。
島原外港から先、深江までは雲仙普賢岳噴火災害の復興区間。土石流災害に備えたものものしい高架線が続く。
水無川の土石流導流提を跨ぐ、堂々たる姿の安新大橋。
島原復興にがまだす(頑張る、の島原地方方言)シンボルのような建造物だが、雲仙普賢岳災害の土石流にも負けないこの橋も輸送人員の減少には勝てなかったのは何とも皮肉な話。
その先の区間は田園の中を行くが、時々有明海が車窓に寄り添う。
時々薄日が差して海面が輝くが、すぐに鉛色の冬の海になってしまう車窓を見ながらキハ20は走り続ける。車内は鉄道ファンの姿が多く、既に「乗り鉄のお別れ乗車」が始まっているようだ。沿線にも「撮影組」がそこかしこで島原鉄道南線最後の冬の記録をしている。
年が明けたら本格的に「廃止祭り」が始まってのんびり乗車することもままならなくなるだろうなきっと。
線路際に人けのない寂しい冬の海水浴場が見えてきたら、終着の加津佐に到着。
加津佐駅で折り返し待ちのキハ2008を駅裏手から撮影し、ホームに戻ってくると「駅ねこ」ちゃんがいた。
撫でても怒らないし、もっと遊んでくれと擦り寄ってくる人懐っこいねこ。
だけどこの子、嬉しくなると容赦なく人の手に噛み付いたり引っ掻いたりするので手が傷だらけになってしまったぞ。でも可愛いから怒らない怒らない。
駅ねこと遊んですっかり満足。
また「たらこ」のキハ20に乗って南島原に帰る。
南島原到着後、たらこはホームで待っていた「三本ヒゲ」の旧国鉄直通車だったキハ20と連結し、そのまま慌しく諫早へ向かって出発していった。
それを見送ってから、次の加津佐へ向かう列車に乗り島原外港駅に戻る。
加津佐行き列車は夕陽に向かって島原外港駅を出発していった。
来年3月末の南線廃止後は、ここ島原外港駅が島原鉄道の終着駅になる。このホームから落陽に向かって加津佐行き列車が発車して往く姿を見送れるのもあと僅か。
南線最後の日まで、安全運転でがまだせ!島原鉄道!!
また乗りに来ます。
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COUNTER from 07 NOV 2007