今年の夏も、夏季休暇を利用してあちこち旅してきました。
夏旅の想い出日記です、先ずは夜の急行「きたぐに」号で旅立ちます。
平成23年8月12日 夜
夕方に熊本県の自宅を出て、新幹線で大阪にやって来ました。
新大阪駅から在来線電車で大阪駅に引き返し、新装なった大阪駅の北陸方面長距離優等列車のりばで今夜の夜汽車の入線を待ちます。

23時過ぎ、ヘッドライト3灯を煌めかせた堂々たる姿で急行列車が大阪駅に現われました。
新潟行き夜行急行「きたぐに」号です。

「きたぐに」号は現在、日本で唯一の寝台座席兼用電車581/583系(月光形) を使用して定期運行される急行列車です。
昭和40年代初頭、世界で初めての昼間は座席車で夜は寝台車になる昼夜兼行型の特急電車として開発された月光形581/583系、文字通り朝から晩まで、そして夜も眠らず全国各地の路線を走り続けて日本の経済成長を支えましたが、その後は寝台座席両用という車内設備の無理な設計から居住性の悪さが問題となり、また夜行列車自体が衰退し運転本数が激減。今では特急運用からは撤退して大阪と新潟を結ぶ夜行急行「きたぐに」号のみで使用され、余生を過ごしています。
今夜は、「きたぐに」号のB寝台を予約してあります。
「きたぐに」号はなかなか人気のある列車で、ちょうど旧盆ということもあって、この夜も寝台車が増結されているのに寝台券はすべて売り切れ。
ベッド幅がゆったりと広い上に大きな窓もある下段ベッドの寝台券は手に入らず、狭い上段ベッドで寝ることになりました。

これが、「きたぐに」号のB寝台車の車内。
車内を貫く通路を挟むように両側に3段ベッドが並びます。

このベッドが、昼間は収納されて座席車になるなんて想像できますか?

蚕棚のように上段・中段・下段のベッドが折り重なる3段式の寝台車も、今ではこの「きたぐに」号だけになりました。

今夜眠る上段ベッドです。
車体の屋根のかたちに湾曲した天井、ベッドの上の空間は高さが数十センチしかありません。カプセルホテル以上の狭さでベッド上に座ることも出来ないばかりか、通路からはしごでよじ登ってベッドに這入るのも一苦労です。シーツの上には浴衣も用意されていますが、一体どうやって着替えればいいのやら。
でも、鉄道好き寝台車好きにとっては、この狭さも楽しかったりするのですよね。

枕元には小さな窓がついていて、ベッドの中から外の風景を覗うことが出来ます。
ベッドに横になって身動きが取れなくなっているうちに、「きたぐに」号は大阪駅を発車。東海道本線を東に向かいます。
下段ベッドなら大きな窓から夜の車窓を楽しむことが出来るのですが、覗き窓しかついていない上段ベッドでは「乗ったらさっさと寝てしまう」のが寝台車の流儀です。
おやすみなさい…
平成23年8月13日 朝

覗き窓から差し込む朝の光で目が醒めました。

車窓には、越後平野の田園風景が広がっています。今日もいい天気です。

新津駅では、覗き窓から蒸気機関車の姿が!

「SLばんえつ物語」のC57180ですね。
この日は磐越西線の水害被害の影響で「SLばんえつ物語」は運休している筈なのですが、夏休み中ということもあり急遽、水害被害を受けていない区間での折り返し運転が行われたようです。

朝8時半、急行「きたぐに」は終着の新潟駅に到着しました。

「あの辺りで寝ていたのか~」
上段ベッドはまさに屋根裏、パンタグラフや電気機器類や架線のすぐ近くにあるんですね。
今日はこれから上越線に乗り換えて、国境の長いトンネルを抜けて、水上(みなかみ)のデゴイチくんに会いに行きます。
→夏の想いで2011 「SLみなかみ」の旅編に続く
夏旅の想い出日記です、先ずは夜の急行「きたぐに」号で旅立ちます。
平成23年8月12日 夜
夕方に熊本県の自宅を出て、新幹線で大阪にやって来ました。
新大阪駅から在来線電車で大阪駅に引き返し、新装なった大阪駅の北陸方面長距離優等列車のりばで今夜の夜汽車の入線を待ちます。

23時過ぎ、ヘッドライト3灯を煌めかせた堂々たる姿で急行列車が大阪駅に現われました。
新潟行き夜行急行「きたぐに」号です。

「きたぐに」号は現在、日本で唯一の寝台座席兼用電車581/583系(月光形) を使用して定期運行される急行列車です。
昭和40年代初頭、世界で初めての昼間は座席車で夜は寝台車になる昼夜兼行型の特急電車として開発された月光形581/583系、文字通り朝から晩まで、そして夜も眠らず全国各地の路線を走り続けて日本の経済成長を支えましたが、その後は寝台座席両用という車内設備の無理な設計から居住性の悪さが問題となり、また夜行列車自体が衰退し運転本数が激減。今では特急運用からは撤退して大阪と新潟を結ぶ夜行急行「きたぐに」号のみで使用され、余生を過ごしています。
今夜は、「きたぐに」号のB寝台を予約してあります。
「きたぐに」号はなかなか人気のある列車で、ちょうど旧盆ということもあって、この夜も寝台車が増結されているのに寝台券はすべて売り切れ。
ベッド幅がゆったりと広い上に大きな窓もある下段ベッドの寝台券は手に入らず、狭い上段ベッドで寝ることになりました。

これが、「きたぐに」号のB寝台車の車内。
車内を貫く通路を挟むように両側に3段ベッドが並びます。

このベッドが、昼間は収納されて座席車になるなんて想像できますか?

蚕棚のように上段・中段・下段のベッドが折り重なる3段式の寝台車も、今ではこの「きたぐに」号だけになりました。

今夜眠る上段ベッドです。
車体の屋根のかたちに湾曲した天井、ベッドの上の空間は高さが数十センチしかありません。カプセルホテル以上の狭さでベッド上に座ることも出来ないばかりか、通路からはしごでよじ登ってベッドに這入るのも一苦労です。シーツの上には浴衣も用意されていますが、一体どうやって着替えればいいのやら。
でも、鉄道好き寝台車好きにとっては、この狭さも楽しかったりするのですよね。

枕元には小さな窓がついていて、ベッドの中から外の風景を覗うことが出来ます。
ベッドに横になって身動きが取れなくなっているうちに、「きたぐに」号は大阪駅を発車。東海道本線を東に向かいます。
下段ベッドなら大きな窓から夜の車窓を楽しむことが出来るのですが、覗き窓しかついていない上段ベッドでは「乗ったらさっさと寝てしまう」のが寝台車の流儀です。
おやすみなさい…
平成23年8月13日 朝

覗き窓から差し込む朝の光で目が醒めました。

車窓には、越後平野の田園風景が広がっています。今日もいい天気です。

新津駅では、覗き窓から蒸気機関車の姿が!

「SLばんえつ物語」のC57180ですね。
この日は磐越西線の水害被害の影響で「SLばんえつ物語」は運休している筈なのですが、夏休み中ということもあり急遽、水害被害を受けていない区間での折り返し運転が行われたようです。

朝8時半、急行「きたぐに」は終着の新潟駅に到着しました。

「あの辺りで寝ていたのか~」
上段ベッドはまさに屋根裏、パンタグラフや電気機器類や架線のすぐ近くにあるんですね。
今日はこれから上越線に乗り換えて、国境の長いトンネルを抜けて、水上(みなかみ)のデゴイチくんに会いに行きます。
→夏の想いで2011 「SLみなかみ」の旅編に続く