Photo:ウィーン国立歌劇場
←その1:真冬のウィーン散歩からの続き
音楽の都・ウィーンの象徴の一つである
国立歌劇場。
今回の旅では、ウィーンに到着した翌日の夜に早速、国立歌劇場へ。オペラではなくバレエ
「ライモンダ」を鑑賞した。
この国立歌劇場のすぐ裏手にあるのが、劇場関係者の利用が多いことで有名な老舗の高級ホテル「ザッハー」。
そして「ザッハー」といえば、もちろんザッハートルテ!
…今夜の終演直後は「ザッハー」の喫茶室は大変な混雑なので行かないけれどね。
お楽しみのザッハートルテは、また後日に日を改めて…
ウィーン市内には現在、主に3つのオペラ劇場がある。
その中でも最も格式高く、最高峰にして最高級ブランドである国立歌劇場でバレエを楽しんだ翌日の大晦日の夜、今度は最も時代を先取りしたモダンな劇場でオペラを楽しむ。
ウィーンで最も長い歴史を持ちながらも、最も斬新で革新的な演出を行うことで知られる
アン・デア・ウィーン劇場。
“ウィーンで最も古く、そして新しいオペラ劇場”を自認するアン・デア・ウィーン劇場。
ベートーヴェンの数々の交響曲やヨハン・シュトラウス2世のオペレッタ「こうもり」が初演された劇場としても有名だが(「こうもり」の劇中、酔い潰されたファルケ博士が置き去りにされたという設定の市場は現在もアン・デア・ウィーン劇場の真向かいに実在している)、今夜の演目はモーツァルトの
「ドン・ジョヴァンニ」。
アン・デア・ウィーン劇場の裏手にひっそりとある通用口。
これが現在も残された劇場建設当時からそのままになっている部分で、1801年にアン・デア・ウィーン劇場が落成した当時の様子を伝える貴重なものである。
モーツァルトの生涯最後のオペラ「魔笛」の台本を書き、自ら“鳥刺しパパゲーノ”役で出演したことで知られるアン・デア・ウィーン劇場の設立者エマヌエル・シカネーダーを記念して
「パパゲーノ門」と呼ばれている。
アン・デア・ウィーン劇場には、エントランスホールの隣にカフェが併設されており、公演前後の時間帯でもそれ程混雑していないので腹ごしらえをするには便利。
ウィーン名物の泡立てクリームを載せた濃い目のコーヒー、日本では「ウィンナーコーヒー」と呼ばれるもの。
現地ではメランシェと呼ばれる。
いい加減シュニッツェルにも食傷気味だったのでステーキを頼むと、こんな感じのタルタルステーキに似た冷たい肉料理が出てきた。
こちらはシュニッツェルと並ぶウィーン名物のターフェルシュピッツ。お肉を細く刻んだ変わった盛り合わせ。
…アン・デア・ウィーン劇場の劇場カフェ、どうやら料理のアレンジに独特なこだわりがあるようだ。
そして迎えた2017年の新年。
ウィーンの正月元旦といえば、やっぱり何と言ってもウィーンフィルのニューイヤーコンサート!
…ということで、やって来ましたウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の本拠地・
楽友協会!
間もなく午前11時からここ楽友協会の「黄金のホール」にて開催されるニューイヤーコンサートは日本も含めて世界各国に衛星生中継され、世界中の音楽ファンが楽しむ一大イベントであることは御存知の通り。
日本人の観客の姿も目立つ楽友協会では建屋の脇に大型アンテナを備えたTV中継車が何台も停まり、軌道上の放送衛星に向かってウィーンの新春の音楽イベントの熱気を伝える準備を整えている。
さて、僕も憧れの楽友協会「黄金のホール」へ…は残念ながら入れません!
ウィーンフィル公式サイトでのニューイヤーコンサートのチケット抽選申し込みは、クルーズトレイン「ななつ星」をも遥かに凌ぐ毎年数百倍とも言われる競争倍率の壁に阻まれてあえなく落選…
まぁ、「一般販売で手に入れば奇跡」と言われるようなウルトラ級のスーパープラチナチケットだから仕方がない…
だがしかし。
音楽の都ウィーンで開催されるニューイヤーコンサートは、なにもウィーンフィルのものだけではない。
実は楽友協会から数百メートルしか離れていない至近距離の斜向いにある
ウィーン・コンツェルトハウスでも、全く同じ時間帯にニューイヤーコンサートが開催されている。
コンツェルトハウスの建物には、アカデミー劇場も入居している。
ウィーン・コンツェルトハウスでのニューイヤーコンサートもウィンナーワルツの定番曲と名曲の数々が演奏され、最後はアンコールの「ラデツキー行進曲」で観客一同が手拍子を叩いて大盛り上がりで締め括るというスタイルは楽友協会でのニューイヤーコンサートと全く同じ。
演奏レベルももちろんウィーンフィルに引けを取らない世界最高峰レベルなので大満足!
…ウィーンフィルのニューイヤーコンサートと違って、ウィーン・コンツェルトハウスでのニューイヤーコンサートはチケット入手も容易で、誰でも気軽に楽しむことが出来る。
ウィーンで元日を過ごすなら、このコンサートがお薦めだ。
そして音楽の都での劇場巡りの締めは、ウィーンの年末年始の定番中の定番!
気軽にカジュアルな気分で楽しめる大衆劇場
フォルクスオーパでのオペレッタ
「こうもり」だ。
…昨日の夜、この作品が生まれた場所にいて劇中で登場する場所を実際に見て歩いた訳だが、翌日にはその作品を改めて観ることが出来る。
この「街中が音楽の名作で虚実綯い交ぜになって埋もれている」感じこそ、音楽の都で過ごす醍醐味!
そして、喜劇「こうもり」で大笑いしてお腹が空いたら、フォルクスオーパ併設のホワイエのカフェで美味しいひと時。
音楽の都ウィーンの劇場巡り、そして意外と銘店揃いの劇場併設カフェ巡りはまさに音楽好きと美味しいもの好きの天国!
皆さんもこの次のウィーン滞在では、お腹をすかせて劇場巡りはいかが?
そして次回は、本格的にウィーンの老舗と有名店のカフェ巡りに繰り出します!
→その3:喫茶だけではない、お食事も…魅惑のカフェ巡りに続く