毎年恒例の
JAXA内之浦宇宙空間観測所 の施設特別公開、今年も行って来ました!
内之浦宇宙空間観測所 施設特別公開 2014
2014年11月9日(日)
内之浦漁港の特設駐車場からシャトルバスで内之浦宇宙空間観測所まで送ってもらい、まずはメイン会場のM台地Mロケット組立室へ。
ここでパンフレットやスタンプラリーの台紙を受け取って、講演と上映会の整理券を手に入れてから見学スタート!
最初に、M組立室の会議室で
宇宙教室 特別講演 を受講します。
今年の講師はJAXA宇宙科学研究所助教の
矢野創先生 。
「はやぶさと雛たち~内之浦から始まった始原天体探査が描く新しい太陽系像~」 と題する講演で、おなじみ「はやぶさ」から「はやぶさ2」、そしてまもなく彗星探査機「ロゼッタ」から離れてチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星にタッチダウンする着陸機「フィラエ」の紹介まで、盛り沢山で分かりやすい解説でした。
…でも、出来ればJAMSTECから
「ドクター・ケン高井と海の仲間たち」 を連れて来て内之浦で大暴れして欲しかったなぁ!
(笑)
矢野先生の講演の後は、隣のクリーンルームで今年の目玉展示である
小惑星イトカワ微粒子 を見ます。
この顕微鏡の対物レンズの先にあるプレパラートの上の、更にスライドガラスに厳重に覆われた先に「はやぶさ」がイトカワから持ち帰った微粒子が…
ちなみにこちらが、クリーンルームの片隅に積まれた「小惑星イトカワ微粒子を内之浦まで運んできた輸送用ケース一式」。
小さな微粒子ですが、地球上で最も貴重で希少な物質です。
さすがに手提げ鞄で持ち運ぶという訳にはいきません。
そしてこちらが、同じくクリーンルームの片隅に置かれた、
恐らく昨年イプシロンロケット初号機で打上げられた惑星分光観測衛星「ひさき」が載っていたと思われる台車!
…ただし、その場にいた職員の方に聞いても確証は得られず。
そして、M組立室の一角に置かれていたイプシロンロケットの機体結合部の試作試験品。
M組立室を出て、M台地の方へ向かってみます。
Mロケット発射装置(イプシロン対応改造型)。
イプシロンロケットの1段目を漁港から運んできたトランスポーターの台車が、ブルーシートに覆われて昨年から置いたままになっています。
海側に回ると、今年もイプシロンロケットの煙道を公開中。
次にこのロケットランチャがイプシロン2号機で使われるのは、ジオスペース探査衛星(ERG)の開発期間が延びた為に再来年になる模様。間が空くなぁ…
M台地で、こんな物を発見。
先代のM-Vロケットで使われていた、ロケットランチャの台座です!
イプシロン対応改造工事が行われた際に取り外されたミューロケット時代の部品は、去年の特別公開の時点ではM台地に積み上げられたままになっていましたが、その後きれいに片付けられてしまい、この台座だけが残されたようです。
移りゆく時代の生き証人が、今日もM台地の片隅でロケットランチャを見守ります。
場内巡回バスに乗って、M台地から一気に内之浦宇宙空間観測所で一番高い場所である20mアンテナ台地“衛星ヶ丘展望台”へ。
衛星ヶ丘から眺める、“うっちーさん”こと34mアンテナとテレメータセンター。
そして、内之浦宇宙空間観測所の全景。
ちょうどこの方角の海の向こうに、種子島があります。
今月末、11月30日のお昼頃に晴れていれば、この水平線に種子島宇宙センターから打上げられた小惑星探査機「はやぶさ2」を載せたH-IIAロケット26号機のロケットロードが空の彼方へと駆け上がっていく様子が見える筈…
巡回バスでふもとに降りて、テレメータ台地へ。
間近で見上げる“うっちーさん”
テレメータセンターの向かいにあるコントロールセンター。
長年、内之浦から打上げられるロケットたちを宇宙へと送り出してきたこのテレメータセンターも、隣に新しい建物が出来上がって間もなく移転となり、役目を終える予定だそうです。
現在、屋内にある歴史的な設備類の保存先を探している最中だとか。無事に安住の地が見つかるといいけれど…
さらに巡回バスで山を降って、管理棟前で下車。
糸川英夫先生の銅像にご挨拶。
糸川先生の隣の、おおすみさんの記念碑にもご挨拶。
糸川先生の銅像から歩いてKS台地へ向かいます。
だんだん雲が切れて、美しい
“内之浦ブルー” の青空が広がってきました。
山の上に“うっちーさん”も青空をバックにきれいな姿を見せています。
そして、今年のKSセンターで見逃せないのがこれ!
今年完成したばかりの、観測ロケットの新型ランチャです!
まだ1回しかロケット打上げに使われていないので新品同様!
今日はダミーのS-520が装着されていますが、より小型のS-310も打上げることが出来る優れもの。
新型ランチャのメーカー銘板。
三菱重工メカトロシステムズとは三菱重工の子会社で、立体駐車場や太陽光発電システム、ビールタンクなんかも作ってる会社のようです。
一方こちらは、旧来の自走式の観測ロケットランチャの銘板。
ミューロケットと同じく日産自動車製で、昭和52年納入とな。
ランチャドーム内の自走式ロケットランチャ運転台。
年期の入ったこのランチャも、今後しばらくはドーム外の新型ランチャと共に併用される予定とのこと。
ランチャドームの天蓋が開き、実際の観測ロケット打上げ時と同様に空を仰いだロケットランチャの射点台座から青空を望みます。
…やっぱりカッコイイなぁ!!
KS台地では、人気企画の水ロケット打上げ大会も開催中でした。
これで内之浦宇宙空間観測所の場内展示会場は一通り見て回ったので、M台地に戻ります。
各展示会場で集めたスタンプラリーのスタンプも見事コンプリート!
今年のスタンプラリーの記念品は、なぜか「宇宙兄弟」のクリアファイルでした
(笑)
M台地のM組立室に戻ったら、再び会議室へ。
M組立室の会議室では、プラネタリウム全天周映像作品
「HAYABUSA2-RETURN TO THE UNIVERSE-」 の平面板の特別上映会が開催されるのです!
「はやぶさ2」の打上げを間近に控えたこの時期、「はやぶさ」生誕の地であるここ内之浦宇宙空間観測所で「HAYABUSA2-RETURN TO THE UNIVERSE-」を観ることが出来るのは何とも感慨深く、それだけで感動してしまいました。
また、フルドーム全天周映像を基に描き直された平面板は超高精細映像をほぼ完璧な状態で再生出来るので、プラネタリウムで観るとどうしても暗くて画質も落ちてしまう映像が信じられない程の高画質で蘇り、更に感動!!
これまでプラネタリウムで何度も観ていたのに気が付かなかった、実に細かな部位まで描き込まれた映像のあまりのクオリティの高さには戦慄を憶える程。
VIDEO
そろそろ、特別公開の終了時刻。
名残惜しい気持ちで人のいなくなったM台地を歩く、この時間が実は風情があって結構好きだったりします。
地元のゆるキャラ「いて丸」くんも帰っていきます。
今日はお疲れさま。
漁港の駐車場まで送ってくれる帰りのシャトルバスは「イプシロンバス」でした
(笑)
今年も楽しめました、「内之浦宇宙空間観測所 施設特別公開 2014」
来年もよろしくね~
…あっ、実は僕3週間後に「はやぶさ2」の打上げを聖地で見送るために、また内之浦に来るんですよ
(笑)
という訳で、3週間後もよろしくお願いします!