天燈茶房 TENDANCAFE

さあ、皆さん どうぞこちらへ!いろんなタバコが取り揃えてあります。
どれからなりとおためしください

2016年夏休みマレーシア・タイ旅行記 12:LCC(格安航空会社)の国際線に乗ってみた

2016-10-17 | 旅行記:2016 マレーシア・タイ
Photo:LCC(格安航空会社)エアアジアのエアバスA320 ドンムアン空港にて


11:バンコク街歩き食べ歩きからの続き

今回のマレーシア・タイ旅行では、福岡―バンコクとバンコク―クアラルンプールの移動に初めてLCC(格安航空会社)の国際線を利用してみました。
今までも日本国内線ではLCCのピーチやジェットスター・ジャパンの関西空港発着便の近距離便を何度か使う機会があったけれど、LCCの国際線の利用にはやはりちょっと不安と抵抗感が…

でも、その名の通りチケット価格の破格の安さにつられて、思い切って乗ってみることに。
何しろ福岡からバンコクまでのチケット価格が福岡から東京までの国内線の価格とほとんど同額、バンコクからクアラルンプールまでに至ってはたった数千円で、熊本から博多までの新幹線のきっぷ代とほぼ同じ金額だ~!(笑)


バンコクのLCC用空港であるドンムアン国際空港とクアラルンプール国際空港のLCC専用ターミナルKLIA2とを結ぶエアアジアのエアバスA320。
エアアジアはマレーシアを中心にアジア各地で航空事業を展開している大手LCCグループで、日本市場からは一度撤退したものの近く再参入が予定されている。
バンコク―クアラルンプール線はエアアジアのみならず東南アジアのLCC各社が競合する区間で、激しい競争が繰り広げられている模様。


エアアジア機内。なぜかもうもうと立ち込めるエアコンの冷気が…
機内に入ると煙っているように見えたので一瞬びっくりした。熱帯の東南アジアでは強烈に効いたエアコンは交通機関のサービスの一環といった風潮があるが、それにしてもここまでガンガン効かせなくてもいいのでは?火災と勘違いして恐がる乗客もいたぞ実際。


夜のバンコクを離陸。格安航空会社と言えども機材は真新しいA320なので、フライト自体は快適そのもので安全面での不安は全く無い。

だが、LCCが安いのには訳がある。
機内でのサービスは基本的に全て有料。快適な思いをするには追加で料金を支払わなければならない。


機内食も当然、有料。
今回、搭乗が夜中になったので夜食にと思い機内食を購入してみた。搭乗チケットと同時にネット予約すると機内で直接買うよりいくらか安くなるらしい。


エアアジアのバンコク―クアラルンプール線の機内食は、東南アジア式の焼きそば「ミーゴレン」でした。
ちなみに価格はドリンク付きで日本のコンビニ弁当とほぼ同額といったところ。

クアラルンプール国際空港に着陸したエアアジア機は、LCC専用ターミナルKLIA2に到着する。
日本の成田空港や関西空港ではLCC専用ターミナルというと極端に簡素で立地も良くなく、非常に差別感を感じるが、クアラルンプール空港のKLIA2はLCC専用ターミナルと言えども設備が立派で免税品店が集まった巨大なショッピングモールもあり、フルサービスキャリアの発着するターミナルに引けを取らない豪華さ!
…もっともそれって、LCCの乗客でも思う存分買い物してマレーシアに外貨を落としていってね!ってことなんだろうけどね(笑)






クアラルンプール空港のKLIA2にはクアラルンプール市内中心部のKLセントラル駅まで直通の空港連絡鉄道エクスプレス・レール・リンクも乗り入れており、途中でフルサービスキャリアの発着するターミナルを経由してKLセントラル駅まで直接向かうことが出来るので便利で立地が良い!
特急列車のKLIAエクスプレスに乗れば空港ターミナル駅とKLセントラル駅の間はノンストップで所要時間はわずか30分、最高速度はマレーシア最速の時速160km!
…でもチケット代が高くて、クアラルンプール市内からタクシーで来るのとほとんど同額なので、地元の利用者にはあまり人気が無いとか。


福岡とバンコクを結ぶジェットスター・アジア航空は、バンコクの新しい国際空港であるスワンナプーム空港に発着するのが特徴。
LCC専用化しているドンムアン空港よりも豪華で快適なスワンナプーム空港の施設を利用できるLCCとして注目される存在ではあったが、搭乗率は順調に推移していたようだが利益率が悪化したとの理由で(チケットを安売りしすぎたのだろうか…)、残念ながら今年10月に福岡便を運休してしまった。

福岡空港にジェットスター・アジアのエアバスA320が帰ってきたら、また気軽にふらりと夏休みの東南アジア旅行に出てみたいね…
といったところで、今回の旅もこれにて終わり。
次回は…年末に音楽の都ウィーンでまたお会いしましょう。さて今のうちに歌劇場巡りに備えてスーツと外套を新調しとかないと…

2016年夏休みマレーシア・タイ旅行記 11:バンコク街歩き食べ歩き

2016-10-17 | 旅行記:2016 マレーシア・タイ
Photo:夜のバンコク中華街


10:線路の上の市場 タイ国鉄マハーチャイ線・メークロン線の旅からの続き

タイの首都バンコクの都市交通網として、地下鉄や郊外への高架鉄道であるメトロMRTと共にバンコク市民の重要な足となっているのがバンコク市街地を高架橋で走るスカイトレインBTSだ。







建ち並ぶ超高層ビル群の谷間を縫うように行き交うスカイトレインは、まさに近代都市バンコクの象徴。
郊外へと向かうパープルライン以外は基本的に地下鉄区間のみであるメトロと違って、大都会を高い視線から眺めながら移動できるスカイトレインは、乗車していても気持ちが良い。

そんな近代的なスカイトレインも、駅で降りて地上に向かうとそこにはバンコクの庶民の暮らしの象徴、様々な食べ物を扱う屋台がそこかしこに軒を連ねている。




タイ料理はタイカレーとトムヤムクンだけじゃない!
日本の洒落たタイ料理店ではまずお目にかかれないような、見たこともない不思議な料理の皿が屋台のテーブルに並び、格安な庶民の味でお腹がいっぱいになる。
これぞバンコク街歩きの醍醐味!

屋台で食事を済ませて、バンコク街歩きの一日を満喫したら、安くて上質な隠れ家的ゲストハウスが多く見つかるフワランポーン駅近くの通りへ…


今日の宿は、この広々とした清潔なベッドルームのあるゲストハウス。
まるで星がいくつも付いた高級ホテルのような豪華な部屋だが、こんな部屋に日本の格安ビジネスホテルよりも安い値段で泊まれてしまうのである。


…だが、あくまで“隠れ家的”な宿なので、部屋からの眺めはこんな感じ。
バンコクの下町の、路地裏の風景…


さらに旅の間に溜まった汚れた服を洗濯して、バルコニーに干したりするからこうなる(笑)
豪華なゲストハウスも、いつの間にか凄まじく生活感が漂う庶民的な雰囲気に…

洗濯物を干して身の回りのものを片付けたり掃除したりしていると日が暮れた。
宿を出て、夜の散歩に繰り出そう。
向かった先は…


闇空に極彩色のネオン看板が妖しく浮かび上がる、そうここはバンコクの中華街!
フワランポーン駅西側の安いゲストハウスが建ち並ぶ横丁から先のヤワラート通り沿いの一帯は、バンコク市内随一の中華街となっているのだ。
ここでは露天を覗き込んで歩くのもよし、無数に集まった食べ物の屋台を巡るのもよし。



高層ビルの谷間をスカイトレインが駆け抜ける近未来都市から、庶民の日々の暮らしを支える屋台グルメ、さらに東南アジアの土壌に複雑に絡みつき根を下ろした中華文化圏の怪しい夜までを駆け足で堪能した束の間のバンコク滞在だったが、そろそろ帰国する時が近づいた。
束の間すぎて名残惜しいが、このエネルギッシュな都市に別れを告げることにする。


日本への飛行機が就航しているスワンナプーム国際空港までは、バンコク市内から直通の空港連絡鉄道エアポートレイルリンクでダイレクトに直行できる。

…一昔前まではバンコク市内から空港までは交通がかなり不便で、特に夜間や早朝などはぼったくり覚悟でタクシーに乗るしか手段が無く、僕も何度もタクシーの雲助運転手と口喧嘩したものだが時代は変わった。
これからは時間も正確な空港連絡鉄道で安心して快適にスワンナプーム空港まで移動できる!…などと感慨にふけっていたが、そう甘くはなかった。
なぜかやたらと運行本数が少なく、しかも編成両数が少なすぎるので大勢の空港利用客が殺到して超満員で、乗客の積み残しまで出る始末のエアポートレイルリンクで、なんとか乗車するも窒息しそうなすし詰めの車内から見るバンコクの街灯りはほろ苦い、いや激辛タイ料理味と言うべきか…

という訳で今回もやっぱり空港への移動で散々な目にあったが、せめて最後に景気良くバンコクの旅を締め括りたいと思い、スワンナプーム空港に着いたら空港内の高級タイ料理店へ。


バンコクの街中の屋台とは比べ物にならない、お上品なフライドライス。
…これ一皿のお値段で、屋台だと5人前は食べられるぞ(笑)


締めはやっぱりタイカレー!
日本行きの飛行機に乗る前に空港のレストランで食べたタイカレーは、日本で食べるのと同じ味がした。

12:LCC(格安航空会社)の国際線に乗ってみたに続く

2016年夏休みマレーシア・タイ旅行記 10:線路の上の市場 タイ国鉄マハーチャイ線・メークロン線の旅

2016-10-16 | 旅行記:2016 マレーシア・タイ
Photo:タイ国鉄マハーチャイ線の日本製気動車


9:バンコク・メトロMRTパープルラインに乗ってみたからの続き

タイの首都バンコクにはタイ国鉄のターミナル駅が3つあるが、その中で唯一他の路線との接続が無く孤立した路線の始発駅となっているのがマハーチャイ線・メークロン線ウォンウィエンヤイ駅である。





バンコク市街地の下町の横丁のような場所に、市場に隠れるように存在するウォンウィエンヤイ駅からタイ国鉄の日本製ディーゼル列車に乗って出発。




バンコクの街並みを抜けると、車窓には一面の緑が広がる。

ウォンウィエンヤイ駅を出てから50分程でマハーチャイ駅に到着。
ここまでの運賃はエアコン無し車両ならわずか10バーツ(約30円)。








マハーチャイ駅はマハーチャイ線の終点であり、駅構内にはマハーチャイ線の列車で使用される車両のメンテナンスを行う整備工場も併設されている。


マハーチャイ駅の構内の片隅にあった、鉄道車両の車輪を用いてつくられた不思議なオブジェ。マハーチャイ線のシンボルだろうか。

さて、マハーチャイ駅で線路は途切れているが、実はこの先にも線路は続いている。
マハーチャイの町を二分して流れるターチーン川の向こう岸に、メークロン線の起点となるバーンレーム駅があるのだ。





マハーチャイ駅周辺に広がる市場を抜けた川岸にターチーン川の渡し船の発着場があり、ここから小さな船に乗って川を渡る。
ターチーン川の川幅は結構広く、また河口部に近いために大型船も行き交うため、橋を架けられなかったらしい。






バーンレーム駅から再びタイ国鉄の日本製ディーゼル列車に乗車。改めて、メークロン線の終点メークロン駅を目指す。






メークロン線の車窓には、エビを養殖していると思われる池や、バンコク湾に程近い海沿いの地域という特色を活かした塩田が広がる。







順調に走っていたメークロン線のディーゼル列車だが、突然、駅でもない場所で停車…
一体何ごとか、まさか故障!?




建屋も無いが行き合い設備だけが設けられた信号所のような場所で停車したメークロン線のディーゼル列車は、逆向きに進み出して側線に最後尾の車両を押し込むと連結を切り離し、そのまま最後尾の車両を置いて再び何ごとも無かったかのように走り始めた…

どうやら、ここはメークロン線の「露天車両整備工場」らしくて、最後尾に連結していた回送車をここで切り離したらしい。
…つまり乗客の乗っている営業列車をそのまま使って、本線を運行中に構内入れ替えを行ったということのようだ。日本では考えられないやり方だが、なんともタイらしくて鉄道好きならずとも思わず笑ってしまいそうな長閑すぎる光景だ。
これぞまさしく“微笑みの国”の鉄道風景、といったところか。



バーンレーム駅からおよそ1時間。車窓の風景が一面の塩田から開けた街並みに変わると、終点のメークロン駅に到着する。
…そして、ここメークロン駅こそが世界的に有名な“市場の中を走る鉄道”の駅なのだ!











本当に「線路の上に市場が立っていて、列車が通る時だけ市場がよける」状態なので、車窓のすぐ真下のレールとの隙間には市場の商品が並べられたままの状態だ!
…列車が通る直前に一斉に屋台を片付けて日除けを畳む様子から、メークロン駅周辺の線路上市場は“傘たたみ市場”と呼ばれ親しまれているらしい。
果たして親しんでていいのかどうか、余りにもスリリングで危なっかしい市場通過に列車上の僕までヒヤヒヤしっ放しだが、今まで重大な事故が起きたという話も聞かないのでどうやら「何とかなっている」ようだ。






列車は無事に駅構内を通過して線路の上に市場が戻り、メークロン駅に到着した。
バーンレーム駅からここまでの運賃はエアコン無し車両で10バーツ(約30円)。








メークロン駅でも線路はマハーチャイ駅同様に川で途切れている。だが、この川の向こう岸にはもう線路は続いていない。
ここが正真正銘のマハーチャイ線・メークロン線の終着駅だ。


そして、メークロン線の線路を遮るかのように流れるこの川こそ路線名ともなっているメークロン川。
…大ヒットした戦争映画「戦場にかける橋」の舞台として有名なクワイ川の下流域に当たる。
映画ではこの川の上流部に泰緬鉄道の橋がかけられるが、メークロン線では今後もこの川に橋をかけて延伸する事は無いだろう。僕もそろそろ、旅を終えてバンコクに戻ることにする。


帰りの列車も、“傘たたみ市場”をかき分けるようにして出発!
何とか無事に市場をすり抜けて、一路バーンレーム駅、そしてバンコクを目指す。



バンコクのウォンウィエンヤイ駅から“傘たたみ市場”のメークロン駅まで、乗車時間は合計約2時間と途中のターチーン川の渡し船に小一時間。
きっぷ代はエアコン無しならたったの10バーツずつ。
タイ国鉄マハーチャイ線・メークロン線の旅は、特にあても無くふらりとどこかに出かけたくなったときにうってつけの、日常を忘れる不思議な小旅行だ。
もしあなたがタイ王国を訪れて大都会バンコクの喧騒に少々疲れたなら、旅の一日を“傘たたみ市場”を見に行く列車に乗って過ごしてみるのも、きっと悪くない筈。


11:バンコク街歩き食べ歩きに続く

2016年夏休みマレーシア・タイ旅行記 9:バンコク・メトロMRTパープルラインに乗ってみた

2016-10-16 | 旅行記:2016 マレーシア・タイ
Photo:バンコク・メトロMRTパープルラインの日本製電車


8:バンコク科学博物館(SCIENCE MUSEUM)からの続き

タイ王国の首都バンコク市内を縦横に結ぶ都市交通網として、高架鉄道のスカイトレインBTSと地下鉄のメトロMRTがある。
スカイトレインBTSとメトロMRTは現在、それぞれ既存路線の延伸と新路線の整備事業が進行中で、このうちメトロMRTはちょうど今年の夏(2016年8月6日)に新路線のパープルラインが正式に開業を果たした。

バンコク・メトロMRTパープルラインはバンコク市内とバンコク都市圏として急速に発展が進む北部のノンタブリー県とを結ぶ路線で、パープルラインの開業によりバンコク市街地と直結されるノンタブリー県の沿線はバンコク郊外の新興住宅地として更なる人口増加と発展が期待されている。

そして、パープルラインが注目されるもう一つのポイントは…
パープルラインで使用される車両をはじめとする鉄道運行システムのインフラ一式の製造建設から運行管理やメンテナンスまでを全て、日本のJR東日本をはじめ東芝や丸紅が参加して合弁で設立した共同事業体が担うという事である。さらにこれらは全て、日本による政府開発援助(ODA)の円借款で賄われる。

まさに“日本がタイに作った日本の鉄道”であるバンコク・メトロMRTパープルラインに、早速僕も乗ってきました!



…だがしかし。
バンコク・メトロMRTパープルラインに乗るのは、今はまだなかなか大変なのだ。
パープルラインのバンコク市街地側始発駅となるタオプーン(Tao Poon)駅は、既存のメトロMRTやスカイトレインBTSの路線とは一切接続していない「孤立駅」状態。
本来なら新路線パープルラインの開業に合わせて既存のバンコク・メトロMRTブルーラインも延伸開業して、タオプーン駅でパープルラインとブルーラインがめでたく接続される事になっていたのだが、そこは万事のんびりとしたお国柄のタイのこと。
大方の予想通り(笑)ブルーラインの延伸工事が大幅に遅延しており、やむを得ずパープルラインのみが先に開業する事態となったのである。
…まぁ、タイではよくあることなんだけど。ちなみにブルーラインの延伸工事は今年中には完了する予定だそうです。焦らず待とう!

という訳で、今のところはバンコク側からパープルラインに乗る為には、ブルーラインの終点バーンスー駅から無料のシャトルバスに乗ってタオプーン駅に向かうことになるが、このシャトルバスの案内表示は全て難解なタイ語のみ!
バーンスー駅前のどこからシャトルバスに乗ればいいのか、どのバスがタオプーン駅行きシャトルバスなのか、タイ語を読み書きできない外国人にはさっぱり解らない。

だが、そこは“微笑みの国”タイ。
駅前にいる人をつかまえて、片言英語と身振り手振りとスマホの画面入力文字を駆使した超絶コミュニケーションで、どうにかシャトルバスに乗ることができた。
わざわざおまわりさんを探して一緒にシャトルバス乗り場を探してくれたおねえさんと、僕がバスに乗るまで見送ってくれたおまわりさん、どうもありがとう!


パープルラインの駅コンコースには、この鉄道が日本のODAでつくられた事を示す看板が掲げられている。
タイ国旗と並んだ日の丸を見ると、タイの人たちの暮らしの役に立つものをつくることができたということが、日本人として何とも嬉しくて誇らしい気分になってくる…

そしてこれが、日本でつくられたバンコク・メトロMRTパープルラインの電車だ!



始発駅で折り返すパープルラインの電車。
前照灯が点灯して、出発準備完了!




車内はこの通り。
パープルラインの名の通り紫色のロングシートの座面が硬いプラスチック製なのが特徴だが、インテリアデザインは日本の「JR東日本の電車」そのものの雰囲気だ。


車端のデッキ部に貼り付けられたメーカーズプレートのステッカー。
J-TREC(総合車両製作所)が開発したステンレス製電車「sustina」のブランドロゴも描かれている。


乗降ドア上には外国人にも分かりやすい英文併記の路線案内表示モニタが設置されている。
…だが、このモニタは故障していて正常な電車の位置を表示していなかったぞ。タイのお客さんが困らないように早くメンテナンスを頼むぞ、我らが日本企業!


パープルラインの沿線風景は、まだ開発の進んでいないのどかな田園や農村風景の中を高架橋で突っ走っていくイメージである。
だが、やがてパープルラインの開業効果でこの風景もビルやマンション、ショッピングモールが立ち並ぶ都市近郊のものに変化していくことだろう。
そしてパープルラインの電車の乗り心地は、まさに日本のJR東日本の東京近郊の電車そのもの!ただ、座席はプラスチック製なのでちょっとお尻が痛くなるけどね(笑)


チャオプラヤ川を渡ると、バンコク都市圏を離れてノンタブリー県に入っていく。




タオプーン(Tao Poon)駅を出てから20km余りの距離を走って、終点のバンパイ運河(Khlong Bang Phai)駅に到着。
パープルラインの終点の周辺には整備工場を併設した巨大な車両基地と、今後バンコクと直結した新興住宅地として変貌を遂げそうな郊外の風景が広がっていた。






バンパイ運河駅に到着したパープルラインの電車は、一旦駅構内から引き揚げ線に出た後、島式ホームの反対側に再入線して折り返しのタオプーン駅行きとなる。

…かくして、まだ完全な態勢が整ったとは言えないものの何とか走り始めたバンコク・メトロMRTパープルライン。
開業直後で、しかも他路線と接続できていないということもあってか乗客数はそれ程多くなく、沿線の開発もまだまだこれからで静かな走り出しとなったイメージではあるが、今後タオプーン駅でのブルーラインとの接続が完了すれば利便性が飛躍的に向上するので、乗客数は大幅に伸びる事が期待できる。
さらに、バンコク・メトロは今後パープルラインのバンコク南部への延伸も計画しているとのことなので、これからバンコク都市圏のエネルギッシュな発展の牽引役となっていきそうなパープルラインの今後に大いに期待したい。

若い力を秘めたこれからの国タイの首都バンコクの経済発展とタイの人々の暮らしの更なる向上に役立つために、
頑張って走れ“日本がタイに作った日本の鉄道”バンコク・メトロMRTパープルライン!


10:線路の上の市場 タイ国鉄マハーチャイ線・メークロン線の旅に続く

2016年夏休みマレーシア・タイ旅行記 8:バンコク科学博物館(SCIENCE MUSEUM)

2016-10-02 | 旅行記:2016 マレーシア・タイ
Photo:バンコク科学博物館エントランスホール


7:バンコクのプラネタリウムからの続き

バンコクの科学教育センター(SCIENCE CENTER FOR EDUCATION)には、プラネタリウムだけではなく別棟で立派な科学博物館(SCIENCE MUSEUM)もある。




プラネタリウムと科学博物館の間の中庭に展示されていた、これはアポロの月着陸船の実物大模型のようだが…
再現度が微妙だ(笑)


科学博物館の館内展示。
ちょうど今、宇宙開発関連の展示コーナーをリニューアル中のようで、なかなか面白そうな展示が見えていたがまだ立入禁止で近付くことが出来なかった。残念…


こちらは、地元タイ王国の宇宙開発を取り上げた展示コーナー。
タイで初めての地球観測衛星「THAICHOTE」についての解説パネルにも、しっかり国王陛下の肖像写真が掲げられているのがいかにもタイらしい。


「THAICHOTE」の隣に、我らがJAXAの地球観測衛星「だいち(ALOS)」の模型も展示されているのを発見!

…さて、バンコクの科学博物館の展示は宇宙科学だけではない。
何ともタイらしい、かなりコワイ展示コーナーも館内に控えている。それが…
麻薬・ドラッグ問題を訴えかける「アンチ・ドラッグ」のコーナーだ。


いきなり、大麻についての詳細な情報が紹介される…

実際の麻薬・薬物そのものを展示しているコーナーも…




LSD
噂には聞いていたが、本当に切手に染み込ませて流通しているとは…


エクスタシー
スマイルマークのカラフルな錠剤が不気味だ…

これだけ“ヤク”を事細かに見せられた後には、こんな「体験コーナー」が待っている…


薬物によって身体感覚が侵されることで生じる運動障害を実際に体験できる恐怖のトンネル!
これ、実際にかなり恐いです。全くまともに歩けなくなり、足がもつれ、やがて精神的に平常心が失われていく感覚…


そして、とどめがこれ。
薬物依存症患者の精神的・行動的な状態と哀れな末路を実感できる「恐怖の顔出し看板」だ…

…“黄金の三角地帯”をかかえるタイをはじめとする東南アジア諸国は、麻薬汚染問題に対して厳しい取締まりをもって臨んでいる。
それでも、貧困等の事情によって薬物の蔓延を完全に防ぎきるのは難しい。そこで、敢えてこうやって薬物問題の現実を広く知らしめて問題の根を断とうという、国を挙げての強い意志を感じる展示だった。
ちなみにタイでは麻薬・覚せい剤の所持・密売は死刑である。

地球観測衛星から麻薬汚染問題まで、幅広いテーマを取り扱うバンコク科学博物館。
かなりカオスな感じではあるが、内容の濃い展示だった。

だがしかし、バンコクの科学教育センターはこれだけで終わらないのだ。


なんと、科学教育センターの敷地内には水族館もあるのだ。

さらに、科学教育センターの裏口から通りを挟んだ向かい側にはビルの8階までのフロアを占める自然科学博物館と、そしてなぜかその隣には温水プールやテニスコートとサッカー場を備えたスポーツセンターまで完備されている(笑)

…もはや科学教育の枠には収まりきれない程の充実し過ぎた設備を誇るバンコク科学教育センター(SCIENCE CENTER FOR EDUCATION)、タイ旅行でのちょっと個性的な思い出づくりの為に、あなたも一度訪れてみてはいかが?
でも、下手すると丸一日時間が潰れてしまうので要注意!それでは、良いバンコクの一日を…!

9:バンコク・メトロMRTパープルラインに乗ってみたに続く

2016年夏休みマレーシア・タイ旅行記 7:バンコクのプラネタリウム

2016-10-02 | 旅行記:2016 マレーシア・タイ
Photo:バンコク・プラネタリウムの投影機ツァイスIV型(カールツァイスMark IV)


6:再びクアラルンプール街歩き食べ歩きからの続き


タイ王国の首都バンコクの市街地のど真ん中、エカマイ・バスターミナルの隣にある科学教育センター(SCIENCE CENTER FOR EDUCATION)の敷地内にある
バンコク・プラネタリウム(BANGKOK PLANETARIUM)








プラネタリウム館内には、ドームを取り巻くように回廊式の宇宙科学館的な展示がある。


また、プラネタリウムそのものに関する展示もあった。


タイ語表記のパネル展示のみだがなかなか力が入っており、プラネタリウムの歴史について写真付きで詳しく紹介されている。
光学式プラネタリウム投影機を開発したカールツァイス社や、世界初のプラネタリウム設置館であるミュンヘンのドイツ博物館が取り上げられているようだ。

やがて投影開始時刻になり、ドーム内に入ると…


これがバンコク・プラネタリウムのご本尊!
名機カールツァイスの大型投影機が出迎えてくれた。

東ドイツのカールツァイス・イエナ製ではなく西ドイツのカールツァイス社が製造したツァイスIV型(カールツァイスMark IV)で、製造年は1964年。
日本の名古屋市科学館(旧館)や渋谷の五島プラネタリウムにかつて設置されていた投影機と同形式の兄弟機だ。


コンソールにはツァイスIV型を操作する旧式の制御卓も設置されている。


…だがしかし、バンコク・プラネタリウムは今年(2016年)1月に大規模リニューアルが行われており、その際にアメリカのエバンズ&サザーランド社製デジタル式投影機が導入され、全天周映像に対応した最新設備のプラネタリウムに生まれ変わっている。
ご本尊のツァイスIV型はそのままドーム内に設置されているが、実質的に投影機能は停止しているらしい。残念!!

という訳で、バンコク・プラネタリウムの投影は全てデジタル式投影機による全天周映像のみで、せっかくのカールツァイスの温かみのある星空を眺めることは出来なかったのだが、それでもタイの無邪気な子供たち(と大人たちも(笑))が迫力ある全天周映像に歓声を上げながらプラネタリウムを楽しんでいる様子は、プラネタリウム好きとしては何とも言えない嬉しい光景だった。


…本当に、子供も大人もみんな純粋にプラネタリウムを楽しんでいるという雰囲気が伝わってきた。
きっと、ドイツ博物館で最初のカールツァイス投影機が星空を映し出した時も、投影ドーム内はあんな歓声に包まれたんじゃないかな?
機材は最新鋭になっても、“星空を見て楽しむ”というプラネタリウムの大切な使命はきっといつまでも変わらないね…




プラネタリウムを楽しんだ後は、屋台のタイごはんで腹ごしらえ。
科学教育センターには敷地内にちょっとした屋台のフードコートがあり、簡単な食事をとることも出来る。


東南アジアの屋台の定番メニュー、チキンライスをいただきます!

…さて、腹がくちくなったら科学教育センター内の科学博物館(SCIENCE MUSEUM)を見学しに行こう!
この博物館もなかなか、タイらしいカオスな空間のようですぞ(笑)

8:バンコク科学博物館(SCIENCE MUSEUM)に続く

2016年夏休みマレーシア・タイ旅行記 6:再びクアラルンプール街歩き食べ歩き

2016-09-26 | 旅行記:2016 マレーシア・タイ
Photo:夜のペトロナスツインタワー


5:マレー鉄道近郊電車KTMコミューターの旅からの続き


クアラルンプール市内にはrapid KLと呼ばれる鉄道網があり、地下鉄区間と高架鉄道区間そしてモノレール路線がKL市街地を縦横に走り回っている。




…大都会クアラルンプールの都市交通にしては編成が短くて乗車定員が少なく、また運行頻度も高くないので常に混み合っているが、
運賃も安くて乗車方法も分かりやすく観光客でも利用しやすいので、乗りこなすとなかなか便利。

そんなrapid KLの電車に乗って、KLCC駅で降りて駅前に出ると…



目の前にそびえ建つ超高層ビルのツインタワー!
今やマレーシアの象徴となった摩天楼、ペトロナスツインタワーだ。




クアラルンプールに来たら、誰もが必ず見に行くであろう定番中の定番の観光名所であるペトロナスツインタワーだが、
タワー自体は純然たるオフィスビルであり、頂上部の展望フロアとスカイブリッジ(いずれも有料)以外の場所は入居している企業の関係者以外の一般の観光客は立ち入ることは出来ない。
そして有料展望フロアの入場料金は、マレーシアの物価水準と比べると驚くほど高額なのだ…

近代的でハイソなペトロナスツインタワーを満喫したら、次は美味しいものを満喫すべく、庶民的でカオスなエネルギーを秘めた中華街へ!


インドやアラビア、そして中華圏の文化と喧騒が混じり合い、蒸し暑さと騒音と不思議な匂いの漂う中にモスクからアザーンの声が大音響で鳴り響く路地に迷い込む…
東南アジアの得体の知れないエネルギーが渦巻くその先には…


クアラルンプールの中華街の入り口だ!


…ここではありとあらゆるモノが売られているが、購入は“自己責任”で!




中華街の中にある屋台村。ここにクアラルンプールの安くて美味いものが集まっている!


屋台のおばちゃんに看板の写真とメニュー表の料金を指差してオーダーして、出てきたのはビーフンと肉団子スープの定食だった。
メニューは漢字なので、だいたいどんな料理なのかは想像がつく。あとは度胸と好奇心で“適当に”注文すれば、まず間違いなく安くて美味いメシにありつくことが出来る!


屋台の地べたには、ねこもリラックス。世界ネコ歩きマレーシア編(笑)


やがてとっぷり日も暮れて、夜の闇に紅いランタンが妖しく灯り始める。
これからが中華街が本来の妖艶な素顔を見せ始める時間…の筈なのだがクアラルンプールの中華街はなぜかやたらと健全で、夜が更ける前には屋台はあらかた店仕舞いしてしまうのであった。

という訳で、夜遊びし足りない不健全な旅行者は再びrapid KLに乗ってKLCC駅へ…


中華街の屋台の食事何食分にもなる高価な入場料を払ってまで高い場所に登る気になれない貧乏旅行のバックパッカーを気取る者には、ただ見上げるだけの存在であるペトロナスツインタワー。
それでも、イスラーム建築様式のモスクを象ってデザインされたという摩天楼は実に美しく、特に夜は光り輝く夜景や月と相まって思わず息を呑む絶景となる。
…ちなみにツインタワーはそれぞれ日本と韓国の建設会社が施行したが、このうち韓国企業が請け負った方のタワーは傾いている…という有名な都市伝説があるが、目視した限りでは傾きは感じられなかったです(笑)

7:バンコクのプラネタリウムに続く

2016年夏休みマレーシア・タイ旅行記 5:マレー鉄道近郊電車KTMコミューターの旅

2016-09-25 | 旅行記:2016 マレーシア・タイ
Photo:マレー鉄道近郊電車KTMコミューター


4:パダン・ブサール(Padang Besar)で、歩いて国境を越えるからの続き

マレー半島を縦断する路線を持つマレー鉄道(略称KTM)には、国際列車や特急電車KTM-ETS以外にも首都クアラルンプールを中心とした近郊区間にKTMコミューターと呼ばれる普通列車も運行されている。

クアラルンプールからタイ国境までを結ぶ特急電車KTM-ETSの旅を楽しんだ翌日、今度は近郊電車KTMコミューターに乗って首都近郊の小さな旅に出てみることにした。
(→2016年夏休みマレーシア・タイ旅行記 3:マレー鉄道特急電車KTM-ETSの旅


午前10時のKLセントラル駅。
コンコースの自販機できっぷを買ってから、バトゥ・ケーブス(Batu Caves)行きのKTMコミューターに乗って出発!




KTMコミューターの車輌は、特急電車KTM-ETSによく似た流線型の中国製電車。
車内は日本のJRの近郊電車と同じセミクロスシート構造で、まだ新しいので清潔で冷房もよく効いてそれなりに快適だが…
窓ガラスが必ず割れているのはマレー鉄道のお約束なのか?それとも中国製のガラスはものすごく割れやすいんだろうか…?


ともあれ、KLセントラル駅から30分程で終点のバトゥ・ケーブス駅に到着。




バトゥ・ケーブス駅の周辺には、ここがクアラルンプールのベッドタウン化していると思われる高層マンション群が建ち並んでいるが、
それと共に切り立った断崖絶壁が駅の裏に迫っている。なんだか異様な雰囲気であるが…


駅前に出てみると…「何なんだ、この山紫水明で水墨画のような風景は!?」


はい、これがバトゥ・ケーブス駅の駅前広場です(笑)
ここはバトゥ洞窟というヒンドゥー教の聖地。
そそり立つ巨大な黄金の像はヒンドゥーの軍神「ムルガン神」で、この聖地からクアラルンプールの街を見守っておられるそうです。ちなみにムルガン神は日本でもお馴染みの象の姿の「ガネーシャ神」の弟さんなんだとか。

バトゥ洞窟はマレーシア国内でも人気のある観光地で、実際に洞窟の中に入って探検する事も出来るそうだが、気温30度を超える蒸し暑さの中で洞窟へと続く長い長い階段を登る気力は無い…
おのれの不甲斐無さをムルガン神に詫びるような気分で、バトゥ・ケーブス駅から再びKTMコミューターに乗って折り返す。


バトゥ・ケーブス発のKTMコミューターに乗ってクアラルンプール市街地を走り抜けそのまま南下して、到着したのはスレンバン(Seremban)駅

スレンバンはスズ鉱山開発で発展した街だそうで、人口は55万人程。ちょうど熊本市よりちょっと小さいくらいの地方都市である。
駅舎は街の規模に対しては小さめのクラシカルな建物だが、駅前には大通りが走り自動車の通行量がかなり多い。駅の近くには大きなショッピングモールもあってなかなか栄えている印象。




ちょうどお昼時なので、駅前のショッピングモールのパン屋で買ったパンとカルピス(マレーシアオリジナルのマンゴー味!)で昼ごはん。
スレンバン駅には小さな屋台村もあったが、暑さと連日のコッテリ系マレー風肉料理に少々食傷気味だったので簡単に済ませる。

腹ごしらえを済ませたら、さぁ再びKTMコミューターに乗って出発!


クアラルンプール方面行きのKTMコミューターを待っていたら、マレーシア南部方面行きの特急電車KTM-ETSが向かい側のプラットホームにやって来た。
昨日乗ったマレーシア北部のパダン・ブサール行きのKTM-ETSと同じ車輌で、先頭車が流線型でユーロスターのコピーのようなデザインの中国製電車だ。

KTM-ETSにはこの中国製電車の他にも、日本の丸紅が受注して韓国の現代ロテム社が製造した車体に三菱電機が電気機器類の艤装を行った電車も使われているらしいのだが、今回のマレーシア滞在中には見かけなかった。


やがてクアラルンプール方面行きのKTMコミューターが到着。
今日はこれから、この電車でクアラルンプールに向かい、KLセントラル駅で乗り換えて港街を目指すことにしよう…




そして到着したのが、クアラルンプール近郊の港街ポート・クラン(Pelabuhan Klang)
ポート・クランはマラッカ海峡に面したマレーシア最大の貿易港で、マレー半島と世界各地を結ぶコンテナ貨物船航路の一大ターミナルになっているらしい。
だがKTMコミューターのポート・クラン駅は貨物船ターミナルからは離れた静かな場所に位置していた。




ポート・クラン駅はKTMコミューターの終点だが、線路はさらに先へと伸びている。
駅前の道路を渡った先で、柵が閉まっているが…


柵越しに見る線路。どうやら港地区へと続く貨物線のようだ。
レールの表面が車輪で磨かれて光っているので、貨物列車の運行本数は結構多いものと見える。

…貨物列車が来ないか暫く待っていたが、もう夕方近くで時間が遅いせいか来る気配がない。
仕方がないので、ポート・クラン駅の周辺を少し散策してみることにする。


駅から少し歩いたところに船着き場があった。
この沖合にある小島に蟹料理で有名な漁村があるそうで、観光客向けの渡し船も出ているようだが今日の運行はもう終わっていた。残念…




駅の近くの倉庫街の交差点に、運送業者や地元の人相手の屋台村を発見!


今日はここで夕飯にしよう。
チキンライスと搾りたての夏ミカンのジュースで、いただきま~す




屋台の店の子が、猫と遊んでいる。旅先での平和で心和む夕食時…

チキンを食べてジュースを飲み干して、暫く子供と猫を眺めてから、駅に戻る。
さて、KLに帰ろうか…






夕暮れのポート・クラン駅にクアラルンプール方面行きの近郊電車がやって来た。さぁ帰ろう。

ああ、今日も楽しかった!やっぱり鈍行列車の旅は面白い!

6:再びクアラルンプール街歩き食べ歩きに続く

2016年夏休みマレーシア・タイ旅行記 4:パダン・ブサール(Padang Besar)で、歩いて国境を越える

2016-09-25 | 旅行記:2016 マレーシア・タイ
Photo:パダン・ブサール(Padang Besar)のマレーシア/タイ国境検問所


3:マレー鉄道特急電車KTM-ETSの旅からの続き






マレーシアとタイの国境に位置するパダン・ブサール(Padang Besar)駅

マレー半島を縦貫する国際貨物列車や豪華クルーズ列車“イースタン&オリエンタル・エクスプレス”が行き交う国境駅であると同時にマレー鉄道の国内線特急電車KTM-ETSの終着駅であり、タイ国内へと向かうタイ国鉄の列車との乗換駅でもあるが、今日はこれから鉄道を使わずに国境を越えてタイに行ってみようと思う。

…そう、自分の足で道路を歩いて徒歩越境するのだ。

僕もちょっと昔、まだ怖いもの知らずで一丁前にバックパッカーを気取る若造だった頃は、「深夜特急」の旅に憧れて何度も意味もなく歩いて国境を越えて一人で悦に入っていたものだ…ああ、若気の至り(笑)
(→白い空、緑の田圃、紅い河~2007年夏ベトナム鉄道漂流 その2 2007年夏
(→白い空、緑の田圃、紅い河~2007年夏ベトナム鉄道漂流 その3 2007年夏
(→泰国鐡路漂流記~3、国境。ノーンカーイ・ターナレーン、そしてラオス~ 2008年夏


パダン・ブサール駅の構内には国境検問所への道案内等は一切無かったが、ほぼ全ての旅行者は駅から列車に乗って国境を越えるのだろうからこれは致し方無いこと。


駅構内に停車しているコンテナ車を連ねた国際貨物列車の編成の向かう先を目指して、とりあえず駅舎から渡り廊下を通って外に出る。
この時点で、歩いて駅の中をウロウロしている僕に白タクの運転手がしつこく「ゴートゥシティ?ホテル?タクシー?」と声をかけてくるのが、鬱陶しくも懐かしい…若い頃はよく白タクの運ちゃんをシカトしたり冗談交じりに口喧嘩したりしたなぁ。






パダン・ブサール駅構内の線路は駅の北方で単線になり、真っ直ぐタイ国内を目指して進んでいるのが分かる。
僕もなるべく線路の向かう方向へと足を進めていくと…


予想通り、国境のマレーシア側チェックポイントが見つかった。
パダン・ブサールの鉄道駅から数百メートル離れた場所に自動車と徒歩の旅行者用の国境検問所があり、マレー鉄道の線路と平行に走る道路がそのままアジアハイウェイ2号線の支線的な役割の国境を越える道になっているようだ。


国境検問所の徒歩旅行者の行列に並ぶ…
どうやらこのパダン・ブサールのチェックポイントではトラックや自家用車で国境を通過する旅行者に優先的に対応しているようで、歩いて越境する人もかなり大勢いるのにパスポートチェックの窓口は1つしか開いておらず行列はなかなか進まない。


別に急ぐ理由もないし焦っても仕方がないので、ここは一つ東南アジアの流儀でのんびり並んで待つしか無い。
のんびりムードの国境検問所では、人も猫もみなのんびりゆっくり…

30分ほど待ってようやく順番が回ってきて、国境職員と「これからどこに行くんだ?バンコクか?」「いや、今日はボーダー(国境)を越えてみるだけだ。今日中にすぐここに帰って来る」「はぁ!?…ワッハッハ、ふざけた野郎だ!!」といったようなやり取りをしてパスポートにマレーシアの出国印を捺して貰う。
晴れて越境の許可が出た。さぁ、歩いて国境を越えるぞ!


マレーシア側のチェックポイントを出て、「タイはこちら」の看板に従って国境地帯の道路を歩いて行く…
それにしても、歩行者用の歩道も路側帯も無いし時折後ろから大型トラックもやって来るので、のどかな徒歩越境に見えるが実は結構危なっかしくて恐い。




数百メートル程歩くと、タイ側のチェックポイントが見えてきた。


タイの入国審査の検問所に並ぶが、どういう訳だかマレーシアの出国検問所の数倍の長さの行列が出来ており、いつまで経ってもタイに入国出来ない…
徒歩越境する旅行者に対して、タイの入国審査は麻薬の持ち込み等を警戒して厳しくチェックが行われているのかも知れない。

結局、1時間以上も待ってからようやく窓口でパスポートチェックを受ける。JAPANの菊の御紋入りのパスポートを所持している旅行者に対しては麻薬検査も無く審査もかなり緩かったが、それでもマレーシア側同様に「これからどこに行くの?バンコク?」「いや、今日はボーダー(国境)を越えてみただけ。今日中にすぐ出国してマレーシアに帰るよ」「はぁ!?…(以下略
というやり取りを交わして、出入国カードに記入させられてから無事にパスポートにタイの入国印を捺して貰えた。


遥々やって来たぞ、タイ王国!…さて帰るか(笑)



…実際、国境を越えたタイ側のパダン・ブサールの町は小さな集落程度の規模しか無く、これと言って見て回るようなものも見当たらない(マレーシア人の男性が遊びに来る夜の歓楽街があるらしいが、そんな不健全な場所には興味ありません。いやマジで)
何より、思った以上にタイへの入国審査に時間がかかったので、早めにマレーシアに戻らないと帰りのクアラルンプール行き特急電車KTM-ETSの発車時刻に間に合うかも心配だ。

という訳で、国境検問所の前の道路を渡って数分間散歩しただけですぐに出国審査場へと向かう。
案の定、タイの出国審査も凄まじく時間がかかり、1時間以上も待ってようやく出国。ついさっき捺して貰ったばかりでまだインキも乾いていないタイの入国印の隣に出国印を捺して貰い、書いたばかりの出入国カードを提出して、再び歩いて国境地帯へ。




タイからマレーシアに向かう国境地帯の道路沿いには、ショッピングモールのように立派な免税品店もあった。


後ろからやって来たトレーラートラックを振り返ると、なんと日通のトラックだった。
この後、この日通のトラックの運ちゃんと並んでマレーシアへの入国審査のチェックポイントを通過して、ようやくマレーシアに戻って来た時には既にクアラルンプール行きKTM-ETSの発車時刻15分前。
「ギリギリセーフだったな…タイ側の町で呑気に遊んでたら絶対間に合わなかったな。まぁ、クアラルンプールに戻る列車は今日中にまだあと数本出てるけどね。」





パダン・ブサール駅前の国境のモニュメントを撮影したら、急いで駅に向かい16:15発のKTM-ETS9209列車に乗り込む。

2016年夏休みマレーシア・タイ旅行記 3:マレー鉄道特急電車KTM-ETSの旅

 

…かくして、マレーシアからタイへと歩いて国境を越えるだけの小さな国際旅行は数時間で無事に終わった。
タイ国内への滞在時間は実質、僅か十数分間。
でも、どうせあと数日でクアラルンプールを離れて空路でバンコクに移動するし、もう暫くしたらまたタイ王国に行くことが出来るのだ(笑)

それに何より、若かった頃バックパッカーに憧れて東南アジア各地を歩き回った、あの頃の気分に戻って純粋に旅の面白さを味わうことが出来たと思う。

「やっぱり、旅は楽しいね。一見なんでもないこと、全く意味の無い馬鹿馬鹿しいことを真剣に楽しむことが、旅の醍醐味なんだ!
さぁ、次はどんな馬鹿げたことをして旅を楽しもうか…?」

…やっぱ乗り鉄かな(笑)

5:マレー鉄道近郊電車KTMコミューターの旅に続く

2016年夏休みマレーシア・タイ旅行記 3:マレー鉄道特急電車KTM-ETSの旅

2016-09-24 | 旅行記:2016 マレーシア・タイ
Photo:マレー鉄道特急電車KTM-ETS(Electric Train Service)


2:クアラルンプールの国立プラネタリウムからの続き


早朝のクアラルンプール、KLセントラル駅
2001年に開業したマレーシアの首都の新しい中央駅であり、清潔で近代的な駅構内は行き交う人々で活気に満ちている。
また、日本人建築家の故黒川紀章氏が設計を手がけた事もあってか、駅構内の案内表示には日本語が併記されているので、まるで日本国内の駅にいるかのような印象も受ける。



今日はこのKLセントラル駅から日帰りでマレー鉄道(略称KTM)の旅に出ようと思う。
マレー鉄道といえば北はバンコクから南はシンガポールまで、マレー半島を縦断する国際列車が行き交う大国際鉄道というイメージを抱くかも知れないが、実際にはマレーシア国内のみを走る「国内線」の列車も数多く運行されている。
そして、それら国内線の列車は日本のJRの在来線特急と同じように、気楽に利用できるマレーシア国民の足となっているのだ。




今日これから乗車するのは、マレー鉄道の国内線列車でも最も長距離を走る国境駅パダン・ブサール(Padang Besar)行きの9220列車
所定の発車時刻は、事前に日本国内でマレー鉄道の公式サイトで手配したEチケットによると06:46発とあるが、実際にはKLセントラル駅の発車案内表示では07:01発になったり06:57発になったり…

マレー鉄道は列車の遅延が多いとは聞いていたが、早朝の首都の中央駅でも発車時刻がはっきり定まらないとは、聞きしに勝るマイペースな運行ぶりで先が思いやられる。
乗車券は日本の鉄道より遥かに進んだオンライン予約システムで海外からでも買うことが出来るのに、肝心の運行状況がこれだけいい加減というのは不思議な気もするが…


ともあれ、午前7時頃に9220列車はなんとかKLセントラル駅を出発した。
パダン・ブサール行き9220列車は新型の特急電車で、KTM-ETS(ETSはElectric Train Serviceの略称)と呼ばれる列車種別で日本でいう特急電車に該当する。
KTM-ETSの車輌は英仏海峡トンネルを越えてロンドンとパリ・ブリュッセルを結ぶユーロスターの車輌にそっくりだが、これは中国製とのこと。


KLセントラル駅の地下ホームを出発して間もなく地上区間に出ると、朝焼けのクアラルンプール市街の超高層ビル群が列車を見送ってくれる。


KLセントラル駅発車直後のKTM-ETSの車内の様子。
基本的に全席指定で、1等2等の区分は無くモノクラス編成となっている。座席は僅かに傾く簡易リクライニングシートで、日本の特急の座席より座面が若干堅め。
マレー鉄道は線路幅(ゲージ)が日本のJRの1067mmより僅かに狭い1000mmちょうどのメーターゲージだが、車内も日本の車輌より若干狭く感じる。


車窓はすぐに、椰子の木の生い茂る風景に変わった。
マレーシアの風景は基本的に椰子かゴムの木の並木(おそらくパーム油とゴムのプランテーション)か、スズを掘っていると思しき露天掘りの鉱山のみで変化には乏しい…


そして驚くべきことに、窓ガラスが割れている事がかなり多い。
日本や他の国の鉄道では考えられないことだが、1車輌で必ず数枚は窓ガラスが割れたりヒビが入っている状態で、よくこんな状態で平気で走っているなと心配になってしまう。
走行中にガラスが砕け散ったりしないのであろうか…


車内の天井にはモニタ画面が設置され、映画のサービスを実施中(ちょうど懐かしのアニメ「トムとジェリー」を放映中…)
それと同時に列車の運行状況を案内表示しているが、日本のJRより狭いメーターゲージでしかも窓が割れているのに時速134キロでブッ飛ばしている。最高速度はどうやら時速140キロまで出すようだ。


車内の天井には運行区間の停車駅や路線、そして編成内容の案内が張り出されている。
C号車にはビュッフェかカフェテリアがあるようだが、その隣りにあるSURAUとは一体…?


早速、実際に見に行ってみるとムスリムが祈りを捧げる為のイスラームの礼拝室があった。
敬虔なイスラーム国家であるマレーシアの鉄道ならではの車内設備だ。


そしてこちらが、礼拝室の隣のカフェテリア
KTM-ETSではワゴンサービスは実施しておらず、車内での飲み物食べ物はすべてここで販売している模様。


サンドイッチや御飯物、中華などの簡単な軽食のみのメニューだが、発車が早朝で朝食をとらずに乗車した乗客が多いせいか飛ぶように売れていく。


という訳で僕も、売り切れる前にチキン添えフライドライスとマレーシア名物ホワイトコーヒー(砂糖とマーガリンで煎った甘いコーヒー)のセットを購入。
価格は9リンギット(約220円)で、味はまぁまぁかな。
…日本の感覚からするとかなり安いけれど、街中の屋台村で食べるとこの半額くらいなんだよね(笑)






食事している間にも、列車は時速140キロでマレー半島をどんどん北上…
一路、タイ国境の街パダン・ブサールを目指す。






変化に乏しかった車窓に突如巨大な湖が現れ、列車はそのまま湖の上を高架橋で突っ切り渡って行く。
この湖はどうやら、かつての露天掘りのスズ鉱山に雨水が溜まって出来たブキメラ湖という人口湖らしい…




湖を渡ると車窓は再び、単調なマレーシアらしい風景に…


定刻から30分ほど遅れて昼の0時半頃、KTM-ETS9220列車は終点のパダン・ブサール駅に到着した。


パダン・ブサール駅はマレーシアとタイとの国境駅であるが、殆どの乗客はそのままタイ国内方面行きの列車に乗り換えてしまうのか、駅構内の待合室は閑散としている。



さて、無事に国境の街パダン・ブサールに着いたので、僕も国境を越えてタイに行ってみようと思う。
…とはいえ、列車を乗り継いでタイに行ってもあまり面白くない。
ここは是非、昔バックパッカーを気取って東南アジアのあちこちを歩き回っていた頃に幾度もやらかした経験がある“自分で歩いて道路の国境を通過”を久しぶりにやってみようと思う!

…と、このまま読者の皆さんとご一緒に国境検問所に向かいたいところですが、あいにく記事の紙面が足りないので、その話はまた後で改めて書きます。
乞うご期待!


※追記:徒歩越境の記事、書きました

→2016年夏休みマレーシア・タイ旅行記 4:パダン・ブサール(Padang Besar)で、歩いて国境を越える





パダン・ブサール駅に到着してからおよそ4時間足らず、16:15発のKTM-ETS9209列車に乗ってクアラルンプールに帰る。
…本当に“ただ歩いて国境を越えて、また戻ってくる”だけのパダン・ブサール滞在だった。


帰りの9209列車は派手な企業ラッピング車輌だった。


帰りも車内のカフェテリアで、ビーフンと今度はブラックコーヒーのセットを買って遅い昼食…
おかしいな、ブラックコーヒーの筈なのにかなり甘いぞ(笑)

帰りの車窓も行きに見たのと同じ、やはり単調なマレーシアの風景…
なのだが、途中で一箇所だけ違う景色を眺めることが出来た。




車窓に広がる干潟の河口と、遠くに見える島影…
ここは港街のバターワース駅へと続く盲腸線で、向こうに見えるのは「東洋の真珠」として名高いペナン島だ。

行きに乗った9220列車はタイ国境への速達ダイヤでバターワースを無視して通過してしまったが、帰りの9209列車はちゃんとバターワースに立ち寄って折り返す律儀なダイヤになっているのだ。
おかげで、行きには見ることができなかった有名観光地ペナン島の島影を見ることが出来た。
…そう、あくまで「見るだけ」なのだが。ううっ、一度くらいは「東洋の真珠」で優雅に楽園リゾートを満喫してみたいものだ…




「東洋の真珠」を素通りしてストイックに走り続けたマレー鉄道の特急電車KTM-ETS9209列車は、定刻から10分程度の遅れで午後10時頃に終点のKLセントラル駅に到着した。
早朝から夜中まで一日中かけてマレー鉄道の北半分を往復した、馬鹿馬鹿しくも妙に充実してそれなりに楽しい一日だった。

さて、帰りの列車内でガンガンに効いた冷房で冷え切った身体とお腹を温めるために、ホテルに戻る前にちょっとクアラルンプールの中華街に寄って夜市の屋台で軽く何か食べていくかな…!
だがしかし、KLのチャイナタウンはかなり生真面目で健全らしく、まだ日付の変わる前だというのに夜市は店仕舞いしてしまっていて、結局疲れ切って空腹のままホテルに帰り寝る事になったのであった(笑)

4:パダン・ブサール(Padang Besar)で、歩いて国境を越えるに続く

2016年夏休みマレーシア・タイ旅行記 2:クアラルンプールの国立プラネタリウム

2016-09-17 | 旅行記:2016 マレーシア・タイ
Photo:マレーシア国立プラネタリウム(プラネタリウム・ヌガラ)


1:クアラルンプール街歩き駅歩きからの続き


マレーシア国立博物館の入り口の駐車場脇に、プラネタリウムの入口を示す看板が掲げられている。


屋根付きの階段をてくてく歩いて登っていく。
年中蒸し暑い熱帯の街クアラルンプールで、屋外の階段を歩くのはかなりキツい。数分も歩くと全身に汗がにじむ…

すっかり汗をかいた頃、ようやく丘の上のプラネタリウムに到着。
マレーシア国立プラネタリウム(プラネタリウム・ヌガラ)だ。





マレーシア国立プラネタリウムでは1日に数回、数種類の全天周映像作品をローテーションで上映するプログラムが組まれている。
上映を鑑賞するには各回毎にチケットを購入する必要があるが、プラネタリウム館内への入場そのものは無料。
プラネタリウム館内には宇宙開発関連の展示室があり、ちょっとした宇宙科学博物館となっている。



プラネタリウムの上映が始まるまで、しばらく館内の展示を見て歩く。


火星探査のコーナー。
お馴染みNASAの火星探査ローバー「スピリット/オポチュニティ」と着陸機「フェニックス」の模型。


何故か、かなり気合の入ったロシアのソユーズロケット打上げシークエンスに関するパネル展示も。
ソユーズロケットを射点まで移動させる鉄道の機関車や控車の写真まで大きく載っている。


ソユーズ宇宙船の展示も気合が入っている。




ソユーズ宇宙船については帰還カプセルのカットモデルまで用意されているこだわりよう。
…マレーシア国立プラネタリウムにはロシアの宇宙機ファンの学芸員でもいるんだろうか(笑)


宇宙服。これもやはりロシアの、ソコル宇宙服。




宇宙服の「バックパック」部を“ご開帳”した状態での展示は珍しいような。

最後に、世界各国の宇宙探査の“一番乗り”の記録を紹介するパネル展示を見ていたら…



我らの小惑星探査機「はやぶさ」を発見!
人類史上初の小惑星からのサンプルリターンの偉業はマレーシアでもしっかりと紹介されています。嬉しいね!

宇宙科学展示を見終えたら、いよいよプラネタリウムの投影ドーム内へ…




これがマレーシア国立プラネタリウム(プラネタリウム・ヌガラ)のご本尊様。
日本製、ミノルタ(現在のコニカ・ミノルタ)の投影機が鎮座まします。




マレーシア国立プラネタリウムのドームは傾斜式で、日本でも近年良く見かけるお馴染みのスタイル。
投影機もミノルタ製なので、日本国内のプラネタリウムにいるような感覚になってくる…




プラネタリウム投影機の台座には、マレーシアと日本の国旗が描かれたプレートが張られていた。
マレーシアと日本の国際協力で1991年に導入されたもの、とのこと。

だがしかし、投影が始まると全天周映像によるCGアニメの作品が上映されただけで、ミノルタ投影機による星空解説等は行われなかった…残念!
せっかく日本との国際協力でつくられたプラネタリウムなのだから、もっと投影機をフル活用して欲しいものだ。
それに、せっかくだから日本で製作された素晴らしい全天周映像作品も積極的に投影して欲しいぞ…そう、「HAYABUSA -BACK TO THE EARTH-」とか、「HAYABUSA2 -RETURN TO THE UNIVERSE-」とか!!
※マレーシア国立プラネタリウム(プラネタリウム・ヌガラ)さん、是非よろしくお願いします(笑)

プラネタリウムからの帰路、丘のふもとに続く大階段を降りて行く途中でこんな建物を見つけた。


マレーシア国家宇宙局
マレーシアにおける人工衛星や国産ロケットの開発や、ロシアとの国際協力でマレーシア人の宇宙飛行士の育成(2007年に最初のマレーシア人宇宙飛行士が国際宇宙ステーションに滞在している)を行っているそうだ…
ああ、だからプラネタリウムの宇宙科学博物館にあんなに詳しいロシアの宇宙機展示があったのか!納得。

…以上、予想以上に“濃い”宇宙体験が出来たクアラルンプールのマレーシア国立プラネタリウム(プラネタリウム・ヌガラ)でした。

3:マレー鉄道特急電車KTM-ETSの旅に続く

2016年夏休みマレーシア・タイ旅行記 1:クアラルンプール街歩き駅歩き

2016-09-04 | 旅行記:2016 マレーシア・タイ
Photo:クアラルンプール旧駅


マレーシアの首都、クアラルンプール。
多くの民族が共存しエキゾチックな雰囲気が漂う国際都市であるが、その街のかつての表玄関だったのがマレー鉄道クアラルンプール駅である。






イギリス植民地時代の20世紀初頭に建てられたクアラルンプール駅の駅舎は、イスラームの建築様式を取り入れた非常に優雅なもので、熱帯の青空の下にそびえる白亜のモスクを想わせ美しい。


…ただし現在では、このクアラルンプール駅のすぐ隣に新しい中央駅機能を持ったKLセントラル駅が開業しており、このクアラルンプール駅は近郊電車と一部の特急のみが停車する旧駅となってしまっている。
首都駅にふさわしい広々とした駅構内も、日中は停車する列車もそう多くはなく閑散としており人影もまばら…





駅舎の外に出てみると、クアラルンプール旧駅の白亜の駅本屋と向い合って、これまたイギリス植民地時代からのマレーシア鉄道公社本社社屋の重厚な建築が通りを挟んで並び建つ。

現在では壮麗な駅舎にかつての栄光を留めるのみとなった感のあるクアラルンプール旧駅だが、不定期に走るマレー鉄道の豪華クルーズ列車“イースタン&オリエンタル・エクスプレス”は、今でも歴史的な駅に敬意を表するかのようにあえてKLセントラル駅を素通りしてこのクアラルンプール旧駅に停車するという。
白亜の駅に佇む豪華列車の姿を見てみたいと思ったが、あいにく今の時期は“イースタン&オリエンタル・エクスプレス”は長期運休しており、今日はいつまで待ってもこの駅に豪華列車はやって来ない。残念…

クアラルンプール旧駅とマレーシア鉄道公社本社の間の道を歩いて行くと、やがて街の喧騒を離れて木立に囲まれた場所にたどり着く。
そこには…


クラシカルなスタイルのイギリス製旧型ディーゼル機関車。
戦後の1970年代に輸入されたもので、主に貨物列車用だったとのこと。


タンク式の蒸気機関車も。これもマレーシアを植民地支配していたイギリス製。
…熱帯での雨ざらし露天展示だが、こまめに手入れされているようで保存状態は悪くない。動輪がバラストに埋まっているのはご愛嬌(笑)


ちょっと大型のテンダー式蒸気機関車もいた。これもやはりイギリス製で、いかにもヨーロッパ風の洒落たデザインだ。

これらの機関車たちが鎮座しているのは、マレーシア国立博物館(の駐車場(笑))。
どういう訳だか鉄道車輌などの大物は博物館の建屋内ではなく屋外の駐車場に並べられているようで、だから入場券を買って博物館に入らなくても機関車を見放題なのだ、太っ腹!



…機関車をじっくり眺めたら、国立博物館の裏山に続く階段を登って行こう。
この階段の先に、僕が今日行きたかった場所がある。マレーシア国立プラネタリウム(プラネタリウム・ヌガラ)だ。

2:クアラルンプールの国立プラネタリウムに続く

夏季休暇旅行2016:マレーシアとタイに行ってきました

2016-08-21 | 旅行記:2016 マレーシア・タイ
お久しぶりです!毎日暑いですね。
皆さん、夏バテになっていませんか?


僕は、真夏の暑い日本を離れて、南の国に行ってきました。
若い時分にバックパッカーの真似事をして「『深夜特急』の旅」 を気取っていた頃を思い出して、久々にバックパックを引っ張り出して担いだらそのまま出発!

東南アジアはマレー半島を北上して、マレーシアの首都クアラルンプールからタイ王国の首都バンコクまで。
現地在住の友人との再会を果たし、マレー鉄道に乗って灼熱の半島を駆け抜けて国境を歩いて越え、激安のLCCを駆使してマレーの空を飛び交う旅でした。

今回も、旅の想い出をのんびりと書き綴りますので、気長にお付き合い下さい。
…しかし、日本の夏は暑いね。昨日まで居た東南アジアより蒸し暑いじゃないか。

天燈茶房亭主mitsuto1976