私が歌の集いをはじめるきっかけは、中学校の時にフォークギターを授業で弾くことを提案してくれた音楽の先生がいたことに始まります。当時は、フォークギターを授業中に弾くなんて、無かったと思うし、5人ずつ組にして、バンドを組ませて、先生の代わりに歌の伴奏を交代でさせるという、とても変わった授業をする先生でした。YAMAHAでいろんなことをしてきたみたいなのすがその辺のことはよくわからず。
そんな先生が、15分でも毎日練習してたら、それなりに弾けるようになるからやってみろって、各班のギター担当の生徒に言ってたんです。私もそのひとりで、父に話して、当時1万前後の入門用のフォークギターを買ってもらい、ちょっとずつ練習して、音楽の教科書に載ってる本の曲や、イルカのなごり雪が弾けるようになったりして喜んでいました。
中学生の時には、授業以外で人前で弾いたのは2回しかなかったかな。バンド組んで文化祭とかで弾いてる同級生とかを見てすごいなあって思っていた一人でした。中学生が練習して、まあまあ、弾けるかなって程度になったころ。父の兄である、音楽の才能あふれるおじさん(ギターもハーモニカもプロ級で家畜保健所の所長してたんだけど)が、やめないで続けているようだから、ギターを高校入学の時には、お祝いに買ってやろうって言ってくれて、狸小路の楽器屋さんに連れて行ってくれたんです。
当時、どのギターがいいかなんて全くわからなくて、おじさんの持ってるギターは古かったけど、あのころで150万はするいいギターだと聞かされていたので、どんなギターを選んでくれるのかなあって、興味津々でした。
ギターがたくさん並んでいるお店で、おじさんが試しに弾いて、いろいろとお店の人に聞いていて、でも、自分ではさっぱり何言ってるかわからなくて、多分、音のバランスとか鳴りとかを確認してたんだと思うのだけど。おじさんが、お店の人にこの音のずれがわかるんですか、よく気付きますねえって褒められてたのが印象的でした。
最終的に、5万円のギターを買ってくれました。合板が初心者用なんだが、単板のいい音がするから、これだなって。買ってくれたギターは、K YAIRIのYW-500って種類でした。1981年のことです。ギターの弦が、ライトゲージではなく、ミデイアムって固いタイプで、指が痛くなったのを覚えていますが、とてもいいギターを買って貰えたんだなと、子供心にわかって、練習が楽しくなったのを覚えています。後で聞いた話では、甥っ子にそんな高いもの買ってっておばさんにたいそう怒られていたそうです。
高校時代は、いろいろと悩んだり悲しいときには、大きな声でギターを弾きながら歌ったりして、気分転換していました。あのころは、自分なんか世の中のためにはいない方がいいんだとか、なんだか、とっても、自分を責めてた青年でした。そんなときに、音楽が自分を救ってくれているんだなあと気付かされました。
大学時代は、高校時代の友達とふきのとうを歌って、録音したりして、遊んでいましたが、人前では弾くことはなかったんです。 つづく