公園の緑もすっかり黄緑から濃い緑に変わって、あきちにはシロツメクサの花が咲いています。夏に向かっているなあって感じます。
◆B型肝炎患者の苦しみ 6月21日(月)
★和久井キャスター)
先ほどもお伝えしたB型肝炎をめぐる裁判。国はすでに和解のテーブルについているもののきょうも具体的な救済策は示しませんでした。
全国で140万人もの感染者がいるとされるB型肝炎。病気と闘う患者の苦しみを取材しました。
【北海道原告団の高橋朋己代表】
「何かひとつでも具体的な話が聞けると信じて今日まで闘ってきた」
午前10時、裁判所の前で国への期待をこう話した高橋朋己さん57歳。北海道原告団の代表を務めている高橋さんが、B型肝炎に感染していると知ったのは36歳の時でした。
【高橋さん】
「かぜで病院に行った時にいろいろ調べてくれて…。非常に健康でしたし病気には無縁だった」
【B型肝炎のウイルス写真】
B型肝炎とはB型肝炎ウイルスに感染することで発症する肝臓の病気です。
【図解】
B型肝炎ウイルスは主に血液を介して感染します。大人が感染しても免疫が働いて治ることがほとんどですが、免疫力の弱い乳幼児期に感染するとウイルスがそのまま体内に残る持続感染者いわいる“キャリア”となります。キャリアのうち10%~15%が慢性肝炎を発症。さらに肝硬変、肝臓がんに進行する可能性もあります。
【高橋さん】
「刺青入っているの?とか手術したことあるかい?って。予防注射はありますねって。それで感染するってお医者さんが」
【集団予防接種の資料映像】
感染症の予防を目的に国が強制的に行っていた集団予防接種。高橋さんはB型肝炎に感染したのはこの時、注射器が使い回されたためだと考えています。
【高橋さん】
B型肝炎ウイルスに感染していることを知った高橋さん。しかし、ウイルスを消す治療法はなく、いつ発症するかわからないという不安を抱えながら毎日を過ごしていました。
【高橋さん】
「とにかく自分に与えられたことは発病しないことだ、と」
【高橋さんの写真】
しかし、47歳の時に受けた健康診断ですでに肝硬変にまで進行していたことが判明。さらに肝硬変と併発しやすい食道にこぶ状の塊ができる「食道静脈瘤」まで発症していたのです。
【高橋さん】
「国が安全だみんな予防注射を打とうって強制的にさせて国は我々を病人にしたんじゃないかと」
【高橋さんが裁判所到着】
高橋さんたち患者は国に対し損害賠償を求める訴えを起こしました。
【2006年の最高裁判決】
集団予防接種によるB型肝炎の感染をめぐっては2006年に最高裁が国の責任を認める判決を言い渡しましたが国は責任の範囲をこの時訴えた5人に限定しました。患者全員に対する救済策を取らなかったのです。
【高橋さん】
「まず私がやってもらいたいのは誤解や偏見をとってもらいたい。B型肝炎は感染するという間違った知らせを国民に与えている」
【働いている時の写真】
日常生活ではうつらないB型肝炎ですが高橋さんは職場でいわれのない差別や偏見を受けてきました。
【高橋さん】
「B型肝炎だと職場で言った。その時に近寄るなって。職場会費とか袋に何百円ずつ集めるよって言った時に、自分で入れて自分で(おつりを)出してくれ、と」
【食事を一人で作る】
先の見えない闘病で家族を養えないことから妻とは3年前に離婚。さらに会社も去年解雇されました。「君はあてにならないー」それが会社から言われた言葉でした。
【高橋さんの診断書】
高橋さんはこれまで肝臓がんを3回発病しています。食道静脈瘤やがんの治療のためここ10年間で受けた手術は25回にも上ります。
【高橋さん】
「これ以前とかに入院していた費用を待っててもらっていた」
【分割支払いの書類】
職を失い蓄えも使い果たした高橋さん。治療費は滞納し今も分割で支払っています。
【薬を飲む】
北海道の場合、ウイルス性の肝炎患者について1か月の自己負担限度額を入院は44400円、通院は12000円と定め医療費の助成を行っています。高橋さんも道の助成制度を利用していますが、それでも支払いが追いつかないのが現状です。
【高橋さん】
「ない人には無理です。医療費を払えたとしても次の日食事する生活費なりが何もない」
【高橋さん】
今は両親の年金だけが頼りです。B型肝炎の患者の多くが高橋さんのように様々な制限を受ける生活を余儀なくされています。
【手紙】
原告の一人で、札幌市内に住む46歳の女性は治療のために子どもを諦めたことを手紙で明かしてくれました。
抗ウイルス薬は胎児への安全性が確認されていないので妊娠はさけて下さいと医師から言われました。
遅い結婚でしたが子どもは欲しいと思っていました人生で一番幸せであるはずの結婚1年目で絶望的な気持ちを味わいました
子供を持つという希望を失い、なおかつがんに脅えながら過ごす日々。こうした患者を含めB型肝炎の感染者は全国で最大140万人いると言われています。
【厚生労働省】
厚生労働省ではB型肝炎ウイルスの検査を国民に受けるよう勧めています。
【採血室】
検査は血液検査のみで保健所や指定された医療機関で無料で受けることができます。
【薬】
現在もB型肝炎ウイルスを完全に消す治療法はありません。
しかし、ウイルスの働きを抑える薬を飲むことで病気の進行を遅らせることができます。肝臓の専門医は早期発見が最も重要だと訴えます。
【緑愛病院 川西輝明医師】
「今は早く見つけて進行しないようにできる治療があってよかったなっていえる時代に入ってきた。肝臓は沈黙の臓器と言われがんが5センチとかになっても症状がでない。血液検査で早期に発見しないと手遅れになってしまう人が出てくる」
【札幌地裁】
きょう。国側は具体的な救済策を示しませんでした。
【高橋さん】
「1秒1分切々と何か希望を与えて頂きたいということでいろいろな辛抱苦労を乗り切りながらなんとか生活しているんですが。非常に残念です」
(終)
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★和久井キャスター)
先ほどもお伝えしたB型肝炎をめぐる裁判。国はすでに和解のテーブルについているもののきょうも具体的な救済策は示しませんでした。
全国で140万人もの感染者がいるとされるB型肝炎。病気と闘う患者の苦しみを取材しました。
【北海道原告団の高橋朋己代表】
「何かひとつでも具体的な話が聞けると信じて今日まで闘ってきた」
午前10時、裁判所の前で国への期待をこう話した高橋朋己さん57歳。北海道原告団の代表を務めている高橋さんが、B型肝炎に感染していると知ったのは36歳の時でした。
【高橋さん】
「かぜで病院に行った時にいろいろ調べてくれて…。非常に健康でしたし病気には無縁だった」
【B型肝炎のウイルス写真】
B型肝炎とはB型肝炎ウイルスに感染することで発症する肝臓の病気です。
【図解】
B型肝炎ウイルスは主に血液を介して感染します。大人が感染しても免疫が働いて治ることがほとんどですが、免疫力の弱い乳幼児期に感染するとウイルスがそのまま体内に残る持続感染者いわいる“キャリア”となります。キャリアのうち10%~15%が慢性肝炎を発症。さらに肝硬変、肝臓がんに進行する可能性もあります。
【高橋さん】
「刺青入っているの?とか手術したことあるかい?って。予防注射はありますねって。それで感染するってお医者さんが」
【集団予防接種の資料映像】
感染症の予防を目的に国が強制的に行っていた集団予防接種。高橋さんはB型肝炎に感染したのはこの時、注射器が使い回されたためだと考えています。
【高橋さん】
B型肝炎ウイルスに感染していることを知った高橋さん。しかし、ウイルスを消す治療法はなく、いつ発症するかわからないという不安を抱えながら毎日を過ごしていました。
【高橋さん】
「とにかく自分に与えられたことは発病しないことだ、と」
【高橋さんの写真】
しかし、47歳の時に受けた健康診断ですでに肝硬変にまで進行していたことが判明。さらに肝硬変と併発しやすい食道にこぶ状の塊ができる「食道静脈瘤」まで発症していたのです。
【高橋さん】
「国が安全だみんな予防注射を打とうって強制的にさせて国は我々を病人にしたんじゃないかと」
【高橋さんが裁判所到着】
高橋さんたち患者は国に対し損害賠償を求める訴えを起こしました。
【2006年の最高裁判決】
集団予防接種によるB型肝炎の感染をめぐっては2006年に最高裁が国の責任を認める判決を言い渡しましたが国は責任の範囲をこの時訴えた5人に限定しました。患者全員に対する救済策を取らなかったのです。
【高橋さん】
「まず私がやってもらいたいのは誤解や偏見をとってもらいたい。B型肝炎は感染するという間違った知らせを国民に与えている」
【働いている時の写真】
日常生活ではうつらないB型肝炎ですが高橋さんは職場でいわれのない差別や偏見を受けてきました。
【高橋さん】
「B型肝炎だと職場で言った。その時に近寄るなって。職場会費とか袋に何百円ずつ集めるよって言った時に、自分で入れて自分で(おつりを)出してくれ、と」
【食事を一人で作る】
先の見えない闘病で家族を養えないことから妻とは3年前に離婚。さらに会社も去年解雇されました。「君はあてにならないー」それが会社から言われた言葉でした。
【高橋さんの診断書】
高橋さんはこれまで肝臓がんを3回発病しています。食道静脈瘤やがんの治療のためここ10年間で受けた手術は25回にも上ります。
【高橋さん】
「これ以前とかに入院していた費用を待っててもらっていた」
【分割支払いの書類】
職を失い蓄えも使い果たした高橋さん。治療費は滞納し今も分割で支払っています。
【薬を飲む】
北海道の場合、ウイルス性の肝炎患者について1か月の自己負担限度額を入院は44400円、通院は12000円と定め医療費の助成を行っています。高橋さんも道の助成制度を利用していますが、それでも支払いが追いつかないのが現状です。
【高橋さん】
「ない人には無理です。医療費を払えたとしても次の日食事する生活費なりが何もない」
【高橋さん】
今は両親の年金だけが頼りです。B型肝炎の患者の多くが高橋さんのように様々な制限を受ける生活を余儀なくされています。
【手紙】
原告の一人で、札幌市内に住む46歳の女性は治療のために子どもを諦めたことを手紙で明かしてくれました。
抗ウイルス薬は胎児への安全性が確認されていないので妊娠はさけて下さいと医師から言われました。
遅い結婚でしたが子どもは欲しいと思っていました人生で一番幸せであるはずの結婚1年目で絶望的な気持ちを味わいました
子供を持つという希望を失い、なおかつがんに脅えながら過ごす日々。こうした患者を含めB型肝炎の感染者は全国で最大140万人いると言われています。
【厚生労働省】
厚生労働省ではB型肝炎ウイルスの検査を国民に受けるよう勧めています。
【採血室】
検査は血液検査のみで保健所や指定された医療機関で無料で受けることができます。
【薬】
現在もB型肝炎ウイルスを完全に消す治療法はありません。
しかし、ウイルスの働きを抑える薬を飲むことで病気の進行を遅らせることができます。肝臓の専門医は早期発見が最も重要だと訴えます。
【緑愛病院 川西輝明医師】
「今は早く見つけて進行しないようにできる治療があってよかったなっていえる時代に入ってきた。肝臓は沈黙の臓器と言われがんが5センチとかになっても症状がでない。血液検査で早期に発見しないと手遅れになってしまう人が出てくる」
【札幌地裁】
きょう。国側は具体的な救済策を示しませんでした。
【高橋さん】
「1秒1分切々と何か希望を与えて頂きたいということでいろいろな辛抱苦労を乗り切りながらなんとか生活しているんですが。非常に残念です」
(終)
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