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肝臓友の会との関わりで成長した肝臓専門医のブログです。2017.2.12より新規開始しました。

第4回肝炎学術講演会 2018.10.11 武蔵野の泉並木先生の話

2018年10月12日 | 学会研究会報告新聞記事など
 
 写真は層雲峡の銀河の滝
第4回肝炎学術講演会 2018.10.11
にて行われた講演会の聞きながらのメモです。
聞きながらなので誤字脱字、内容間違いあり得ますが、参考になれば幸いです。

○アーキテクト・PIVKAⅡ開発コンセプトと基本性能について
吉村徹先生

着目した問題点解決した
世界の肝臓がんの死亡率 肺がんに次いで二位になっている
アジアが非常に多い 7割になる
日本は半分くらいになっている 他の国より低い

肝がん発がんリスクはB型なら持っていない人の220倍になる

エコーと腫瘍マーカーが日本でのスタンダード
PIVKAⅡは日本だけ使ってた。

世界の検査装置にのせることが出来ればと考えた。
アボットラブラトリー グローバルな会社
診断薬が大きな4柱の一つ

問題点は4つ
1全自動測定手作業なしの希望 手で希釈して装置に入れてた
2従来法との測定値との相関性
3血漿しかつかえなかった、血清が使えるように
4カットオフ付近の精度ばらつき

4については、感度のばらつき 上限値が高く、0〜の感度が幅が狭かった
新しい試薬を作ることになった

プロトロンビンのビタミンK不足でできてくる異常なプロトロンビンにある物質
カルボキシル基グルタミン酸が一つでもグルタミン酸のままにあるとPIVKAⅡ

3C10という新しい抗体を作った。

血液凝固因子の影響を受けていた 採血管
旧製品は採血管の凝固促進剤によってばらつきが出てた

○B型・C型肝炎からの肝発癌の予知と早期発見
日本赤十字社武蔵野赤十字病院 病院長 泉並木先生

全例腹腔鏡肝生検をしてる 線維化をみる
自覚症状がまったくないので患者さんへの説得力もある

B型肝炎では
非活動性キャリアでDNA陽性かつ線維化進展は治療適応
B型には MRのエラストも M2BPGiも感度は高くない
HBs抗原よりDNAの方が発がんの予測になる
HBs抗原2000以下に下がっていると発がんリスクに関与する
B型では 肝硬変2.35%(だったか2.53だったかな)くらい

新規予測スコアPAGEーB 
s抗原陰性は1.87% 陽性は6.4% の発癌率
IFNのシークエンシャルが一番効果的

C型肝炎は
慢性肝炎(C型)10年 3%
肝硬変は  10年  57%
アメリカでの在郷軍人のデータでも、治療すると発がんリスク減る

予測関連マーカーになるのは年齢、AFP、Fib-4、
ピブカは予測には使えない

肝生検からの分析では発がんに対してコラーゲンとエラスチンは性質が違うのかも知れない

ウイルスが消えたあとの肝臓が柔らかくなるのはどのくらいか
線維化がよくなるよりも炎症がなくなって肝臓が柔らかくなってる人
ならない人もいる
MRエラストでみると7割弱は柔らかくなっているが、そうじゃない人がいるので見分けていくのが大事

背景を揃えるとインターフェロンとDAAで比較するとDAAの方が発がんが逆に低くなってくる。そんなに差はないと言うことかも知れない。

肝臓の硬さはALTはAFPでは判断できない
DAAのSVR判定時のM2BPGiはある程度は予測になるが低くても発がんがあることは見逃せない
がんの治療をしたひと このときはPIVKAⅡが100未満は発がん少ない

世界的に集めたデータでは治療後のIFNとDAAはどっちが発がん減らすかは、そんなに差がない
日本での検討は matchさせたあと比較したらDAAの方がちょっと高かったまだ期間は短いので結論はまだか

NASHによる肝硬変
血小板13万くらいでも肝硬変 データだけではなかなか判定できない。

糖尿病のがんの死亡者数は1位が肝がん
糖尿病脂肪肝の人1万人みて、治療が必要な人100人そのうち1人が肝がん

RFAの5年生存70%位になってきている。
肝がんの門脈浸潤予知にPIVKAⅡはいいかもしれない。 東大小池先生データ

初回治療TACEの予後因子などなど
分子標的薬ではPIVKAⅡが一過性にあがって下がると効果があると言えそう

DAAのSVR後のHCCの画像は 造影エコーで抜けが全例だった

肝がん幹細胞由来のものがあるのではとCK19が部分的に陽性など
CK19陽性だと予後が悪い 血液でとれないかと

WFAーsialylated MUC1Gi 胆管がんのマーカー
これとCK19をあわせると MUC1は血中と組織が相関してる