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B型肝炎 救済まだ2割 患者40万人未発症者への周知が鍵 2022.8.22道新記事

2022年08月22日 | 肝炎救済に関連して


先日来てくれていた、B型肝炎救済にむけての道新の取材が記事になりました。
以下道新電子版からのコピペになります。

B型肝炎の救済まだ2割 患者40万人、未発症者への周知が鍵

 集団予防接種での注射器使い回しでウイルス感染したとして、患者らが国に損害賠償を求めているB型肝炎訴訟。救済法に基づき給付金を受けるには国を提訴して和解する必要があるが、今年3月末までに和解が済んだのは道内患者を含め8万人弱で、推定40万人とされる患者のうち約2割にとどまる。原告弁護団は、救済を行き渡らせるには発がんなどのリスクが高い一方で現在は自覚症状のない「無症候性キャリアー」への働きかけが鍵になるとみて、周知に力を入れている。

■変化なく「安心」

 「今回も大きな変化はなかったですよ。引き続き、頑張りましょう」。今月4日、肝臓クリニック札幌(札幌市中央区)で採血とエコー、CT検査を終えた同市中央区のパート従業員田中綾佳さん(54)は、問診で川西輝明院長にこう声をかけられ、マスク越しに顔をほころばせた。「良かった。やはり安心しますね」

 2011年に成立した救済法は肝硬変や肝がんなど、病態に応じて給付金を支給。キャリアーは最大年4回の検査費用も無料となる。厚生労働省によると全患者の8割超がキャリアーとされる一方、3月末までに給付金を受給した患者に占める割合は4割に満たない。感染に気づきにくいことなどが影響しているとみられる。

 田中さんは短大時代に献血で感染が分かったが、腹部の張りに不安を覚えて受診した20年までは定期検査を受けていなかった。自己負担だと1回に最大2万円ほどかかる検査は経済的負担が大きかったほか、19年に国と和解し、助成が受けられるようになってからも「自覚症状がなく、危機感がなかった」と振り返る。

■症状自覚は困難

 長年原告団をサポートしてきた川西院長は「肝臓の病気は自覚症状が出づらく、気づいたときにはすでに重症化していることも多い」と説明。キャリアーは肝がんなどの発症リスクが高いと強調し、「こまめに検査し、早めに異常を見つけることが大切」と話す。

 全国弁護団は定期検査の重要性を訴える動画を作成してホームページで公開するなど、周知に力を入れている。弁護団事務局長の奥泉尚洋弁護士(札幌)は、「検査への助成は原告が命を削りながら勝ち取った大きな成果の一つ。ぜひ活用してほしい」と話す。

 相談は北海道弁護団事務局、電話011・231・1941へ。(角田悠馬)