門脈圧が上がった状態を改善する治療の一つに部分的脾動脈塞栓術があります。もちろん、外科的に脾臓を摘出することも同じ効果をもたらすのですが、肝臓の状態が手術的に負担をかけることが望ましくない場合など、外科や麻酔科が手術を選択できない場合がまだまだ多く、内科的に行える、この治療が必要となります。
発熱や痛みなどの副作用が10年前は強かったため、内科でも、この治療はしない方がいいのではと言われてきましたが、最近では、塞栓の詰め物の入れ方が色々と検討され、副作用がコントロールしやすくなったことで、行う医療機関が増えてきました。しかし、まだまだ、術者でのばらつきがあり、手技としての完成が期待される分野でもあります。
私の経験からは、門脈圧を下げることで静脈瘤が改善したり、血小板が増えることでインターフェロン療法が可能となったりと大変患者さんに望ましい効果がでています。