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第27回北海道門脈圧亢進症研究会 大成功!!

2016年03月14日 | 学会研究会報告新聞記事など
 
 
 
 懇親会後とその時のデザートの写真です。

第27回北海道門脈圧亢進症研究会 とても面白かったです。勉強になりました。
演題名とコメント書いてみました。独断と偏見がかなり入っていたりしますので、参考までにご覧頂ければと思います。

Session 1:内視鏡治療 〈13:35~14:15〉
司会:旭川赤十字病院 消化器内科 長谷部 千登美
1. 静脈瘤出血の現状と治療成績
札幌厚生病院 第三消化器内科 佐藤 隆啓 他
多数例の報告、とても頑張っているのがわかります。
ストマでの静脈瘤、EISではそんなに痛みでない。予防的には出血しそうな場所と判断するのは大変と

2. 門脈圧亢進症を呈したNASH(肝硬変)27 例の検討
小林病院 消化器内科 矢崎 康幸 他
NASHとウイルスではそんなに再発に差はないと感じたとのこと

3. EVL 後に巨大血腫を生じたアルコール性肝硬変の1 例
小林病院 消化器内科 矢崎 康幸 他
EIS後はあるが、EVLというのは経験したことがないとフロアからもあり。

4. 下血を繰り返した上行結腸血管集簇性病変の描出に造影CTが有用
であり、内視鏡的結紮術(EVL)が効果的であった肝硬変症(C 型)
の1例
札幌緑愛病院 肝臓センター 川西 輝明 他
困難例で苦労したことがよく分かる。大腸でEVLをすることで、先行が危険性としてあるが、消化管腔内を膨らまさないことが先行予防には有効と胃のときは話して
いたのでと意見が合った、参考なりますー。


Session 2:経血管的治療 〈14:15~14:55〉
司会:札幌厚生病院 放射線科 長谷川 貴
5. 小腸静脈瘤出血に対し、腹壁静脈穿刺下による硬化療法で止血しえ
た1 例
旭川赤十字病院 消化器内科 林 秀美 他
患者さんが小柄で血管造影も断る方だったりと大変な中での治療、頑張って治療できた症例でした

6. 肝性脳症に対する経皮的塞栓術の治療成績の検討
北海道大学病院 放射線診断科 森田 亮 他
5例に行って全例成功とのこと。脳症も改善して再発はなかった。
塞栓物質は金属コイルプラスアルフNBCAを併用 合併症は保存的に治る程度
オーバーナイトが難しいので術中に完全閉塞を目指してる。
コイルだけでもだんだんと血流が低下するってパターンがあり得ると理想的なような気がしました。
それが可能なものかコイルだけで終わった症例があればフォローを教えて下さい。
巨大なシャントをバスッと止めてしまうことに危険性を感じるがと質問
危険性としては患者さんにいろいろ説明している
血戦できたらオルガランが効果的で、溶けて再発も少ない。

7. B-RTO におけるステアリングマイクロカテーテルの使用経験
手稲渓仁会病院 放射線診断科 櫻井 康雄 他
手作りでダイアルで反転したりできる太いところで使う血管
曲げたままコイルをいれられるので、はじけていれれなくなることが少ない。すごい。
ガイドワイヤーをすすめるときに角度をつけてサポートするのもできる。値段は高いけど。
2.7fくらいで4Fに入る。長谷川先生からマイクロの先端を曲げていってもできるときあるだろうけどって、おおおお。

8. 門脈圧亢進症を伴わない食道静脈瘤の1 例
北海道消化器科病院 内科 町田 卓郎 他
門亢症がないって、動静脈奇形があったため、左下横隔膜動脈からの静脈経の圧上昇が原因だった、珍しいとのこと。

Session 3:特異な所見を呈した症例/薬物治療 〈14:55~15:25〉
司会:札幌緑愛病院 肝臓センター 川西 輝明
9. 門脈瘤による総肝管圧迫のため総肝管ガンとの鑑別を要したアル
コール性肝硬変の1 例
小林病院 消化器内科 矢崎 康幸 他
門脈血栓化で本幹が瘤化して胆管を圧迫とても珍しい例でした。

10. 当院における肝性浮腫に対するトルバプタンの使用経験
札幌厚生病院 第三消化器内科 木村 睦海 他
多数例の報告、アンモに上がるときがあるので脳症には要注意、1日目の体重減少が効果を判定する上で有用な気がしました。
腎機能がいいうちに治療するというのも大切なのかも。

11. 当院における肝硬変症に合併した門脈血栓症に対するダナパロイ
ドナトリウム投与の有効性の検討
札幌厚生病院 第三消化器内科 山口 将功 他
多数例の検討、血栓の原因となるものにEISがあり得るのかも知れない。RFAなども充分きっかけになる

Session 4:悪性腫瘍・外科的治療に起因する門脈圧亢進症
〈15:25~15:55〉
司会:北海道消化器科病院 内科 町田 卓郎
12. 胆管癌に対して左肝切除および膵頭十二指腸切除施行後に食道静
脈瘤を来した1 症例
勤医協中央病院 消化器センター 古山 準一 他
膵頭十二指腸切除後にNASHに似た形となる方がいるので要注意。膵酵素の補充が有効といわれている。脂肪乳化剤も有用かもと

13. 咽頭静脈瘤を合併した左側門脈圧亢進症の1 例
札幌厚生病院 第二消化器内科 北川 翔
心膜横隔膜静脈へのシャントが5%にあるとこれが今回は関与していたのではと

14. 胆・膵悪性腫瘍術後の症候性門脈狭窄に対する経皮経肝的門脈ステ
ント留置の検討
北海道大学病院 放射線診断科 木村 輔
アルブミンがあがって、Childスコアは改善したと。
平均開存期間は22ヶ月だった 12ヶ月と言う報告もある 状態のよい患者さんが多かったことが長かった原因かもと
ジルバステント ルミネックス

特別講演 〈16:10~17:10〉
『Selective B-RTO を軸とした
胃静脈瘤に対する治療戦略』
大分大学医学部附属病院 放射線部
田上 秀一 先生 たのうえ先生
司会 作原 祐介
(北海道大学病院 放射線診断科)

論文などもたくさんかいている先生、学会の受賞も多い
ニューロラジオロジイもしている先生 ウイーンの学会から帰ってきたところ、明日東京でまた講演とのこと。すごーい。

大分は桜がさいてると きよすえ先生のフィロソフィーを受け継いでいると

胃静脈瘤の疫学と治療
 食道静脈瘤よりも胃の静脈瘤の方が致死率高い
血管構築
画像解剖をしっかり理解する

MDCTの評価が大切

テクニックとして
主たる排血路以外には、EOIを少しずついれてつめていく 2mlくらいずつ 8MLくらいでつまっている例をみせてくれた
太いとか流れが速いのはコイルつかっていると どんな見極め方か?コアキシャルで血流が落とせるかどうか?

コアキシャルバルーン(9.5f)を使う 親バルーンも使う さらにその中にマイクロカテが入る
停滞もオーバないとが多いが 大分は1時間くらいで終わっている、硬化剤を回収して終わっている 回収は全部でできるのか?
硬化剤が多いときはオーバナイトで血栓を安定化させて終わったり、NBCAをつかったりしている

メデイキットに作ってもらった

側副血行路の塞栓をしなくていいなどのメリットがある

CO2での造影 どうやってるんだろう黒く見えてる

マイクロバルンカテの横からマイクロカテ(1.9f)も入る

特殊な症例
カテーテルをガイドにカテ交換したり、こういう工夫が有るんだなと感動がいっぱいでした。放射線科の先生には当たり前なのかなあ

オーバーナイトは10%くらい緊急破裂例など

脾動脈塞栓も3割に併用している
食道静脈瘤は25%増悪
腹水悪化 難治性ではないが
再増大が数パーセントあった。

オーバーナイトが日本門亢症学会のB-RTO研究会では推奨されているので、肺塞栓などの合併症の観点からも、治療後の流れないような工夫をする方がいいと思わ
れ、私たちも幸い命に関わるようなことは起きていないのですが全国的には報告が有り、静脈血栓症の合併症の予防のためにもオーバナイトよりも3,4時間のほうが
いいような気がしていますが、血栓化されて動かなくなるまでを目指した方がいいのだと思われます。私の方では午前中にやって午後抜くかんじで3時間以上の留置で
充分な感触です。

炭酸ガス造影は、白くぬける方法しかないと思っていたら、ちゃんと黒くできる設定があるとのこと、勉強不足でした。

とても、勉強になりました。

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