ヤマアカガエルの産卵に春を知る日

山里の日々の生活と自然、そして稼業の木工の話

椅子の試作

2011年06月11日 | 木工
 たまには木工の話。
 注文仕事の合間に、新しい椅子の試作をしました。
 コンセプトは「軽くて値段の安い椅子」。軽くすることは使いやすい椅子のためには大事な条件。安く作るのには材を多く使わず、工作もあまり凝らないようにする。これらの条件のために厚みは3cm、なるべく角材で、アールもあまり使わないように。しかし座り心地を悪くすることがないように。軽くて座りやすくするために座面はペーパーコード編みにし、せっかくなのでいままであまりしたことがないラッシュ編みにしてみよう。云々。


 これが図面です。縦横からだけの簡単なものです。


 これは5分の1の模型です。ただ糊付けしただけの物です。右のものは背もたれの形を変え、座面の形を台形にしてみたもの。この模型で立体的な形の検討ができます。



 これが実際に作ったものです。材はクリ。ほとんどが3cmの角材です。前足の間はふくらはぎが当たらないように部材を入れないようにしました。背もたれは10cm巾×3cm厚の板ですが、背中が沿うようにスプーンですくったようにアールに削いであります。そのアール面を切ったため、背もたれの上端が下に垂れたようになっているのがデザイン的特徴です。薄い板を用いながらも背中の当たりを良くしながらデザイン的にも上手く処理できたと思います。
 座面の編みはまだまだです。雑誌などを見ると、デンマークの職人はこの座面を1脚40分で編むとか、1日で24脚編むとかかいてあるのですが、信じられません!私ですとあまり慣れていないせいもあり4時間かかりました。かなり力をギリギリとかけて編んではいます。せめて2時間くらいでやらないと採算が合わないかも。
 これを3万円台で売りたいと思っているのですが、、、いかがでしょうか?