赤色矮星を回る系外惑星がどのくらい地球に似ているのか?
今回の研究で調べているのは、地球から11光年彼方に位置する赤色矮星“Ross 128”の化学組成。
“Ross 128”にどのような元素がどのくらいの量存在しているのかを調べることで、周りの惑星の組成も推測できるんだとか。
さて今回の研究は、系外惑星が地球に似ているのかを推測するのに役立つのでしょうか。
太陽よりも小さく低温な恒星
天の川銀河に存在する星の約7割は、太陽よりもずっと低温で小さい“赤色矮星”と呼ばれる分類の天体になります。
これら赤色矮星の多くには、その周りを回る惑星が少なくとも1つ存在すると推測されています。
太陽系から最も近い系外惑星を持つケンタウルス座のプロキシマケンタウリや、7つの惑星を持つみずがめ座のトラピスト1といった、近年話題になっている星々も赤色矮星です。
また、昨年秋に地球サイズの系外惑星が発見された、地球からわずか11光年の距離に位置するおとめ座のRoss128も赤色矮星なんですねー
なぜ宇宙人は見つからない? 太陽に似た恒星ばかり探していたからかも…
中心星を調べれば分かる惑星の組成
今回、ブラジル国立天文台の研究チームが行ったのは、スローン・デジタル・スカイサーベイの装置“APOGEE”を使った近赤外線の分光観測。
“Ross 128”の炭素や酸素、マグネシウム、鉄などの存在量を初めて詳しく調べています。
中心の星にどのような元素がどのくらいの量存在しているのかを調べると、周りの惑星の組成も推測できるようになり、その惑星がどのくらい地球に似ているのかを予想するのに役立ちます。
地球のような岩石質の惑星は、若い星の周囲に存在するガスやチリの円盤の内部で形成されます。
中心星の化学組成は円盤を構成する物質にも影響を及ぼすので、惑星に存在する鉱物や惑星の内部構造も中心星の組成の影響を受けることになります。
そして、惑星内部の核とマントルとの質量比は、マグネシウム、鉄、ケイ素の量によって制御されることになります。
このことから示されたのは、惑星“Ross 128b”の核が地球よりも大きいらしいこと。
研究チームは、中心星“Ross 128”におけるマグネシウムに対する
鉄の存在比からこのことを突き止めている。
さらに、直接計測することができない惑星の半径を、惑星の質量の下限値と中心星の物質の量をもとに推測しています。
惑星の質量と半径が分かれば密度が計算でき、そこから惑星がどのような物質から構成されているのかを知ることができます。
“Ross 128b”の半径は最大で地球の1.5倍程度とみられているので、可能性が高いのはこの惑星が岩石質であるということ。
また、中心星の温度と惑星の半径の推測値から、中心星の光が惑星の表面でどのくらい反射されているのかを見積もってみると、この惑星は穏やかな気候であるらしいことも分かります。
“Ross 128b”の地質学的な活動については多くのことが分かっていません。
ただ、今回の観測研究により、“Ross 128b”の表面は水が液体で存在できる可能性が高いということは分かってきましたね。
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太陽よりも小さく低温な恒星を回る惑星にも生命は存在する?
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“Ross 128”にどのような元素がどのくらいの量存在しているのかを調べることで、周りの惑星の組成も推測できるんだとか。
さて今回の研究は、系外惑星が地球に似ているのかを推測するのに役立つのでしょうか。
“Ross 128b”のイメージ図。画像の中央上は中心星“Ross 128”。 |
太陽よりも小さく低温な恒星
天の川銀河に存在する星の約7割は、太陽よりもずっと低温で小さい“赤色矮星”と呼ばれる分類の天体になります。
これら赤色矮星の多くには、その周りを回る惑星が少なくとも1つ存在すると推測されています。
太陽系から最も近い系外惑星を持つケンタウルス座のプロキシマケンタウリや、7つの惑星を持つみずがめ座のトラピスト1といった、近年話題になっている星々も赤色矮星です。
また、昨年秋に地球サイズの系外惑星が発見された、地球からわずか11光年の距離に位置するおとめ座のRoss128も赤色矮星なんですねー
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中心星を調べれば分かる惑星の組成
今回、ブラジル国立天文台の研究チームが行ったのは、スローン・デジタル・スカイサーベイの装置“APOGEE”を使った近赤外線の分光観測。
“Ross 128”の炭素や酸素、マグネシウム、鉄などの存在量を初めて詳しく調べています。
中心の星にどのような元素がどのくらいの量存在しているのかを調べると、周りの惑星の組成も推測できるようになり、その惑星がどのくらい地球に似ているのかを予想するのに役立ちます。
地球のような岩石質の惑星は、若い星の周囲に存在するガスやチリの円盤の内部で形成されます。
中心星の化学組成は円盤を構成する物質にも影響を及ぼすので、惑星に存在する鉱物や惑星の内部構造も中心星の組成の影響を受けることになります。
そして、惑星内部の核とマントルとの質量比は、マグネシウム、鉄、ケイ素の量によって制御されることになります。
このことから示されたのは、惑星“Ross 128b”の核が地球よりも大きいらしいこと。
研究チームは、中心星“Ross 128”におけるマグネシウムに対する
鉄の存在比からこのことを突き止めている。
さらに、直接計測することができない惑星の半径を、惑星の質量の下限値と中心星の物質の量をもとに推測しています。
惑星の質量と半径が分かれば密度が計算でき、そこから惑星がどのような物質から構成されているのかを知ることができます。
“Ross 128b”の半径は最大で地球の1.5倍程度とみられているので、可能性が高いのはこの惑星が岩石質であるということ。
また、中心星の温度と惑星の半径の推測値から、中心星の光が惑星の表面でどのくらい反射されているのかを見積もってみると、この惑星は穏やかな気候であるらしいことも分かります。
“Ross 128b”の地質学的な活動については多くのことが分かっていません。
ただ、今回の観測研究により、“Ross 128b”の表面は水が液体で存在できる可能性が高いということは分かってきましたね。
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