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月の裏側にも! アポロのデータから震源を決定

2015年06月15日 | 月の探査
アポロ計画で測定されたデータから、
月の地震の震源が、新たに5つ突き止められたんですねー

うち1件は、月の裏側で発生したものだということも、
明らかになっています。


月はアポロ月震観測により、
地球以外で唯一、地震活動のネットワーク観測が行われた天体です。

アポロ12、14、15、16号には、月震計が搭載され、
1969年から1977年まで、4点のネットワークで月震観測を行っていて、
1万2000件以上の月の地震“月震”が観測されています。

そして観測データからは、
月の内部構造に関する研究が進められ、
  厚さ約60キロの地殻、
  その内側には岩石でできた“マントル”と呼ばれる層、
  さらに内側には金属でできた核、
があると考えられています。

アポロ計画による月震の観測は、1977年に終了しするのですが、
その後も計算機能力の向上や、地震波解析技術の発展にともなって、
新たな発見があったりするんですねー

ただ、既存の月震観測データが少ない観測点数で得られていること、
月の表側にのみ設置された観測機器による小さな観測ネットワークなど、
問題も存在しています。

そこで研究チームでは、
約40年前にアポロ17号によって設置された、
月面重力計を地震計として利用。
月震の震央分布と観測地点。
△印はアポロ計画で月震計が設置された地点。
大きい△印はアポロ17号の月面重力計が設置された地点、
○印は震央で色は深さを表す。
青枠○印は本研究で新たに明らかになった震央。

重力計のデータと他の地震計の観測結果、
これらの整合性がとれていることなどを確認した上で、
震源位置を再決定したところ、
過去の研究結果と一致するんですねー

さらに震源が未定だった、
月の地下900キロ前後を震源とする月震“深発月震”60件のデータを解析。

新たに5件の震源位置を決定することに成功しています。

そのうちの1件は、
月の裏側で発生した“深発月震”であることも分かったんですねー

月の裏側における“深発月震”は、
これまでに、8つしか特定されていない珍しい現象…
裏側で「なぜ“深発月震”が少ないのか?」は、よく分かっていません。

ただ可能性として、
  表側と裏側で“深発月震”の活動性が違う、
  月の内部に月震波の伝搬を阻害する層があるため、
  表側の観測点に届かない、
などがあるようです。
重力計で観測された月震波シグナルの波形。
過去のデータでは震源が決まっていなかった、
震発月震の震源を決定できた。



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