日本は“はやぶさ2”に続く次世代サンプルリターン計画を進めています。
その目標天体が火星を周回する衛星フォボスに決定したんですねー
火星の衛星は人類が本格的に探査をしたことが無く、探査機による火星圏と地球の往復も世界初になります。
2024年に探査機打ち上げ、衛星のサンプルが地球に届くのは2029年になるそうですよ。
火星衛星探査計画MMXとは?
JAXAが2024年に打ち上げを目指している火星衛星探査計画がMMX(Martian Moons eXploration)です。
MMXでは、地球から打ち上げられた探査機は、約1年かけて火星圏に到着し、2025年に火星周回軌道へ投入されます。
その後、探査機は火星衛星の擬周回軌道に入り、火星衛星の観測やサンプルを採取。
観測とサンプル採取を終えた探査機は、サンプルを携えて2029年に地球に帰還することになります。
宇宙から試料を持ち帰る探査は“サンプルリターン”と呼ばれ、MMXでは“はやぶさ”と“はやぶさ2”で日本が確立したサンプルリターンの技術を継承しています。
火星を周回している衛星は直径約23キロのフォボスと、約12キロのダイモスの2つ。
今回、サンプルリターンの目標天体としてフォボスが選ばれています。
フォボスからのサンプルリターンとしては、ロシアが2011年に探査機を打ち上げたが失敗に終わっている。
火星の衛星を探査する意味
MMX計画で目指しているのは、探査機がフォボスに数時間着陸して、表面を覆っていると見られる砂を10グラム以上採取すること。
火星に近いところを公転しているフォボスの表土には、火星本体の表層物質が混入している可能性があります。
これは、火星に小天体が衝突することによって表層物質が吹き飛ばされ、その一部がフォボスまで到達し降り積もると予想されているから。
そう、フォボスの表土を採取できれば、同時に火星表層物質も採取され、火星そのものの理解が進むことが期待できます。
東京工業大学地球生命研究所のチームの見積もりによると、フォボスからサンプルを10g採取すれば、その中に少なくとも30粒以上の火星粒子が含まれている。これだけの量があれば、火星上で現在知られている7つの地質年代区分すべてのサンプルが得られる可能性が高い。
ただ、フォボスはダイモスより火星に近いので、火星の重力の影響を受けやすくなります。
気になるのは、サンプルの採取には探査機に多くの燃料を搭載する必要があることですね。
火星の衛星の起源には、遠方から来た小惑星が火星の重力に捕まったとする“捕獲説”と、火星に天体が衝突してできたとする“衝突説”の2つがあります。
MMXの大目標は、試料の分析と近傍観測によって、この2説に科学的に決着をつけること。
ダイモスについても、高分解能カメラで撮影するなど上空からの観測が行われることになっています。
開発中の探査機は3段式で総開発費は464億円になりますが、2つの火星衛星の起源や火星圏(火星、フォボス、ダイモス)の進化の過程を明らかにし、太陽系の惑星形成の謎を解くカギを得ることが期待されています。
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衛星フォボスの表層には、火星と小天体が衝突して運ばれた物質が積もっている! “はやぶさ2”に続くサンプルリターン計画にも期待
その目標天体が火星を周回する衛星フォボスに決定したんですねー
火星の衛星は人類が本格的に探査をしたことが無く、探査機による火星圏と地球の往復も世界初になります。
2024年に探査機打ち上げ、衛星のサンプルが地球に届くのは2029年になるそうですよ。
火星衛星探査計画MMXとは?
JAXAが2024年に打ち上げを目指している火星衛星探査計画がMMX(Martian Moons eXploration)です。
MMXでは、地球から打ち上げられた探査機は、約1年かけて火星圏に到着し、2025年に火星周回軌道へ投入されます。
その後、探査機は火星衛星の擬周回軌道に入り、火星衛星の観測やサンプルを採取。
観測とサンプル採取を終えた探査機は、サンプルを携えて2029年に地球に帰還することになります。
MMX軌道計画図 |
火星を周回している衛星は直径約23キロのフォボスと、約12キロのダイモスの2つ。
今回、サンプルリターンの目標天体としてフォボスが選ばれています。
フォボスからのサンプルリターンとしては、ロシアが2011年に探査機を打ち上げたが失敗に終わっている。
火星の衛星を探査する意味
MMX計画で目指しているのは、探査機がフォボスに数時間着陸して、表面を覆っていると見られる砂を10グラム以上採取すること。
火星に近いところを公転しているフォボスの表土には、火星本体の表層物質が混入している可能性があります。
これは、火星に小天体が衝突することによって表層物質が吹き飛ばされ、その一部がフォボスまで到達し降り積もると予想されているから。
そう、フォボスの表土を採取できれば、同時に火星表層物質も採取され、火星そのものの理解が進むことが期待できます。
東京工業大学地球生命研究所のチームの見積もりによると、フォボスからサンプルを10g採取すれば、その中に少なくとも30粒以上の火星粒子が含まれている。これだけの量があれば、火星上で現在知られている7つの地質年代区分すべてのサンプルが得られる可能性が高い。
ただ、フォボスはダイモスより火星に近いので、火星の重力の影響を受けやすくなります。
気になるのは、サンプルの採取には探査機に多くの燃料を搭載する必要があることですね。
火星の衛星の起源には、遠方から来た小惑星が火星の重力に捕まったとする“捕獲説”と、火星に天体が衝突してできたとする“衝突説”の2つがあります。
MMXの大目標は、試料の分析と近傍観測によって、この2説に科学的に決着をつけること。
ダイモスについても、高分解能カメラで撮影するなど上空からの観測が行われることになっています。
開発中の探査機は3段式で総開発費は464億円になりますが、2つの火星衛星の起源や火星圏(火星、フォボス、ダイモス)の進化の過程を明らかにし、太陽系の惑星形成の謎を解くカギを得ることが期待されています。
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