火星探査車“キュリオシティ”が数年にわたって走行してきたシャープ山のふもとが、意外に密度の低い場所だということが分かりました。
クレーターの中央にあるシャープ山がどのようにしてできたのか?
この謎を探るヒントになりそうですね。
クレーターの中央にそびえるシャープ山
2012年の8月から火星の赤道付近で活動中のNASAの探査車“キュリオシティ”。
これまで、直径154キロのゲールクレーターの中心にある高さ5000メートルのシャープ山の裾野を登り続け、その途中で地表の撮影や岩石の掘削分析など様々な調査を行ってきました。
ゲールクレーターの中央にそびえるシャープ山。 “キュリオシティ”は楕円形の部分に降り立ち、水色の線から登っている。 |
それは、“キュリオシティ”が地表から受ける重力が予想以上に小さかったこと。
2012年から2017年にかけて取得した700回の計測結果から分かったことです。
このことが意味しているのは、これまで辿ってきたシャープ山の裾野地域の密度が、1立方メートル当たり1.5トンから1.8トン程度と予想以上に低いことでした。
シャープ山は、もともとゲールクレーターを覆っていた堆積物が長年の浸食作用で削られて形成された。っという説があります。
でも、その堆積物がどのくらいの量だったかは分かっていません。
もし堆積物がクレーターいっぱいまで埋まるほどなら、大量の物質に圧縮されて密度が高くなるので、今回のようなデータにはならないんですねー
たぶん、この地を覆っていたのはせいぜい1~2キロの厚みの堆積物のようです。
“キュリオシティ”は山のふもとから350キロほど登った北側の尾根“ヴェラ・ルービンー・リッジ”に2017年9月から滞在しています。
今後、尾根を南側に下って粘土鉱物の多い場所に向かい、かつてその場所にあったとされる湖の痕跡を探ることになります。
1年半滞在した“ヴェラ・ルービン・リッジ”の風景を背にした “キュリオシティ”の自撮り画像(1月15日撮影)。 |
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