超大質量ブラックホールが生み出す莫大なエネルギーによって明るく輝く天体“クエーサー”。
このクエーサーは宇宙の歴史で、いつ出現したのでしょうか?
今回の研究で見つかったのは、ビッグバンからわずか7億年後の宇宙に存在するクエーサーでした。
ただ、超大質量ブラックホールに成長するのに、7億年という宇宙年齢は短すぎるようです。
このクエーサーは宇宙の歴史でいつ出現したのでしょうか?
多くの天文学者が、この謎を解き明かそうと研究を進めています。
アリゾナ大学スチュワード天文台の研究チームが進めているのは、宇宙の幼年期に輝いていたクエーサーを探すことです。
用いたのは、ハワイ島マウナケア山にある“イギリス赤外線望遠鏡”や、ハワイ島ハレアカラ山頂の“パンスターズ1望遠鏡”などのサーベイ観測のデータでした。
そして、観測データから見つかったのが、しし座の方向にあるクエーサー候補天体でした。
研究チームは、この候補天体の分光観測をマウナケアの“ケック天文台”や“ジェミニ天文台”の望遠鏡を使って実施。
すると、この候補天体が確かにクエーサーだということが分かります。
ただ、ハワイで発見されたことから、ハワイ先住民に由来する“ポニウアーエナ”という愛称も付けられています。
このような名前が付けられたのは、クエーサーとしては初めてのことだそうです。
“ポニウアーエナ”の意味は「輝きに囲まれた、見えざる回る創造の源」という神秘的なもの。
クエーサーは超大質量ブラックホールへ落下する物質が回転しながら円盤を形成し、加熱されることで輝いているので、ぴったりのネーミングですね。
2018年に見つかった最も遠いクエーサー“J1342+0928”との差は200万光年に過ぎませんでした。
それでいて、“ポニウアーエナ”が抱える超大質量ブラックホールは、太陽質量の約15億倍と“J1342+0928”のものに比べて2倍ほど重いものでした。
ブラックホールは、太陽の数十倍の質量を持つ恒星が、寿命を迎えて超新星爆発を起こすことで誕生します。
ただ、この程度(恒星質量)の小さなブラックホールが“ポニウアーエナ”の規模(超大質量)まで成長するには、かなりの時間が必要になります。
そう、7億年という宇宙年齢はあまりにも若く、超大質量ブラックホールの成長に必要な時間に及ばないんですねー
研究チームの想定では、“ポニウアーエナ”の“種”となったブラックホールが、ビッグバンの1億年後の時点で持っていた質量は太陽1万個分…
これまでの常識から大きく外れたものになってしまいます。
いったい初期宇宙で、どんなことが起こっていたのでしょうか?
この謎を解くためにも、“ポニウアーエナ”のような天体の観測が必要で、いつか役に立ってくれるのでしょうね。
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このクエーサーは宇宙の歴史で、いつ出現したのでしょうか?
今回の研究で見つかったのは、ビッグバンからわずか7億年後の宇宙に存在するクエーサーでした。
ただ、超大質量ブラックホールに成長するのに、7億年という宇宙年齢は短すぎるようです。
宇宙が幼年期の頃に輝いていたクエーサー
超大質量ブラックホールが生み出す莫大なエネルギーによって、はるか彼方にあっても観測できるほど明るく輝く天体“クエーサー”。このクエーサーは宇宙の歴史でいつ出現したのでしょうか?
多くの天文学者が、この謎を解き明かそうと研究を進めています。
アリゾナ大学スチュワード天文台の研究チームが進めているのは、宇宙の幼年期に輝いていたクエーサーを探すことです。
用いたのは、ハワイ島マウナケア山にある“イギリス赤外線望遠鏡”や、ハワイ島ハレアカラ山頂の“パンスターズ1望遠鏡”などのサーベイ観測のデータでした。
そして、観測データから見つかったのが、しし座の方向にあるクエーサー候補天体でした。
研究チームは、この候補天体の分光観測をマウナケアの“ケック天文台”や“ジェミニ天文台”の望遠鏡を使って実施。
すると、この候補天体が確かにクエーサーだということが分かります。
「輝きに囲まれた、見えざる回る創造の源」という愛称を持つクエーサー
このクエーサーの正式な符号は“J100758.264+211529.207”でした。ただ、ハワイで発見されたことから、ハワイ先住民に由来する“ポニウアーエナ”という愛称も付けられています。
このような名前が付けられたのは、クエーサーとしては初めてのことだそうです。
ハワイ大学イミロア天文学センターのハワイ語命名プログラムが主催したワークショップで、ハワイ語学校の教師30名が選んだのが“ポニウアーエナ”という名前だった。
“ポニウアーエナ”の意味は「輝きに囲まれた、見えざる回る創造の源」という神秘的なもの。
クエーサーは超大質量ブラックホールへ落下する物質が回転しながら円盤を形成し、加熱されることで輝いているので、ぴったりのネーミングですね。
クエーサー“ポニウアーエナ”のイメージ図。(Credit: International Gemini Observatory/NOIRLab/NSF/AURA/P. Marenfeld) |
どうやって超大質量のブラックホールに成長できたのか
“ポニウアーエナ”までの距離は130億光年以上あり、この距離に相当する時間はビッグバンからわずか7億年後の宇宙。2018年に見つかった最も遠いクエーサー“J1342+0928”との差は200万光年に過ぎませんでした。
それでいて、“ポニウアーエナ”が抱える超大質量ブラックホールは、太陽質量の約15億倍と“J1342+0928”のものに比べて2倍ほど重いものでした。
ブラックホールは、太陽の数十倍の質量を持つ恒星が、寿命を迎えて超新星爆発を起こすことで誕生します。
ただ、この程度(恒星質量)の小さなブラックホールが“ポニウアーエナ”の規模(超大質量)まで成長するには、かなりの時間が必要になります。
そう、7億年という宇宙年齢はあまりにも若く、超大質量ブラックホールの成長に必要な時間に及ばないんですねー
研究チームの想定では、“ポニウアーエナ”の“種”となったブラックホールが、ビッグバンの1億年後の時点で持っていた質量は太陽1万個分…
これまでの常識から大きく外れたものになってしまいます。
(左)ビッグバンの1億年後に存在した太陽1万個分のブラックホールのイメージ図。(右)ビッグバンの約7億年後に太陽質量のおよそ10億倍にまで成長した“ポニウアーエナ”のイメージ図。(Credit: International Gemini Observatory/NOIRLab/NSF/AURA/P. Marenfeld) |
この謎を解くためにも、“ポニウアーエナ”のような天体の観測が必要で、いつか役に立ってくれるのでしょうね。
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ハッブル宇宙望遠鏡の露出を2倍に設定! やっと見つけた中間質量ブラックホールの決定的証拠。
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