goo blog サービス終了のお知らせ 

宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

木星の赤道付近に強いジェット気流を発見! 濃い霧の中でも雲を見つけるジェームズウェッブ宇宙望遠鏡の高い赤外線感度の活用

2023年12月21日 | 木星の探査
地球のおよそ10倍の直径を持つ巨大ガス惑星の木星では、大気の流れが帯状の雲の流れを作っています。

ただ、木星の縞模様や目玉のような大赤班といった、特徴的な模様を作り出す大気については未だに謎が多いんですねー

このような特徴的な模様を作り出す大気を観測することは、木星の謎を解き明かすことにつながると同時に、様々な天体の大気循環を知ることにも役立ったりします。

今回の研究では、ジェームズウェッブ宇宙望遠鏡を用いて赤外線領域での木星における大気の循環を観測。
その結果、赤道付近でこれまで知られていなかった風速140m/sのジェット気流を新たに発見しています。

このことは、木星の大気循環に対するこれまでの理解が、まだ完全でないことを示唆する新しい発見になるそうです。
この研究は、バスク大学のRicardo Huesoさんたちの研究チームが進めています。
図1.ジェームズウェッブ宇宙望遠鏡で2022年7月27日に撮影された木星。3つの波長で撮影された画像を重ね合わせた疑似カラー画像。両極の赤い部分はオーロラになる。(Credit: NASA, ESA, CSA, STScI, Ricardo Hueso (UPV), Imke de Pater (UC Berkeley), Thierry Fouchet (Observatory of Paris), Leigh Fletcher (University of Leicester), Michael H. Wong (UC Berkeley) & Joseph DePasquale (STScI))
図1.ジェームズウェッブ宇宙望遠鏡で2022年7月27日に撮影された木星。3つの波長で撮影された画像を重ね合わせた疑似カラー画像。両極の赤い部分はオーロラになる。(Credit: NASA, ESA, CSA, STScI, Ricardo Hueso (UPV), Imke de Pater (UC Berkeley), Thierry Fouchet (Observatory of Paris), Leigh Fletcher (University of Leicester), Michael H. Wong (UC Berkeley) & Joseph DePasquale (STScI))


木星の赤道付近に強いジェット気流は存在している?

木星と地球の数少ない共通点として、上空の大気循環が挙げられます。
どちらも帯状の大気の流れがあり、緯度が違うと方向が正反対になっていることも珍しくありません。

太陽系最大の大きさを持つ木星の大気循環を知っておくことは、太陽系以外の様々な天体の大気循環を理解するための大きな手掛かりとなります。

それは、木星と似たタイプの巨大ガス惑星に留まらず、地球のような小さな惑星、あるいは褐色矮星(※1)のような惑星と恒星の中間的なタイプの天体の大気循環を知るためのヒントにもなります。
褐色矮星は巨大ガス惑星と恒星の中間に属する天体。褐色矮星の定義は複数存在するが、一般には木星のおよそ13倍~80倍の質量を持つ天体を褐色矮星とみなされている。そのような質量の天体では、(恒星と異なり)水素の核融合が起こらず、(惑星と異なり)重水素やリチウムの核融合が起こっているが、存在量が非常に少ない原子核を素にしている反応なので、すぐに停止してしまう。その後は、赤外線放射をしながらゆっくりと冷えていくことになる。一方、質量以外では、重い惑星と軽い褐色矮星は、ほとんど同じ性質を示すと考えられている。
木星の大気循環は、これまで様々な惑星探査機や望遠鏡で観測されてきました。
でも、可視光線領域以外での詳細な観測は、あまり行われてこなかったんですねー

特に赤外線領域での観測には、これまで大きな困難がありました。

大気循環を追うためには、大気の流れに沿って動く雲を追跡する必要があり、個々の雲の追跡は赤外線での観測が最も適しています。

でも、木星表面から25~50キロ付近の大気中には(※2)、赤外線領域での観測を妨げる濃い霧が存在していて、文字通り“五里霧中”の状態…
個々の雲の様子や手掛かりがつかめず、大気循環の理解が進んでいませんでした。
※2.木星のように気体が主体の惑星には観測できる個体の表面が無いので、惑星科学では便宜的に大気圧が1気圧となる場所を“表面”と定義し、高度0キロとしている。この記事では分かり易くするため高度を表記しているが、実際の論文では長さの代わりに気圧で高度を表現している。
表面から25~50キロ付近の霧で隠されている領域は、これまでの観測で緯度によって大きな違いがあることが知られています。
上空に行くに従い風速がどんどんゼロに近付く高緯度地域に対して、赤道付近ではかなり強い風が吹いていることも知られています。

一方、土星では赤道直下の5度以内という非常に狭い範囲に、風速400m/sの強いジェット気流があることが観測されています。

それでは、木星でも土星と同じようなジェット気流があるのでしょうか?
木星では赤道付近がより霧が濃いので、強いジェットが存在するかどうかは分かっていません。

ただ、NASAの土星探査機“カッシーニ”の紫外線観測データは、木星の赤道付近にジェット気流の存在を示唆していましたが、解像度の限界により存在を決定づけることはできませんでした。


濃い霧の中でも雲を見つけることができる高い赤外線感度

今回の研究で木星大気の観測に用いられたのはジェームズウェッブ宇宙望遠鏡でした。

ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は、NASAが中心となって開発した口径6.5メートルの赤外線観測用宇宙望遠鏡。
ハッブル宇宙望遠鏡の後継機として2021年12月25日に打ち上げられ、地球から見て太陽とは反対側150万キロの位置にある太陽―地球間のラグランジュ点の1つに投入され、ヨーロッパ宇宙機関と共同で運用されています。

高い赤外線感度と高性能な分光器を持つジェームズウェッブ宇宙望遠鏡が得意としているのは、遠方の深宇宙だけではないんですねー

見た目の移動速度が速い太陽系内の天体を追跡して詳細な観測が行えることも強みにしていて、今回の研究ではその能力が活かされています。

高い赤外線感度は、濃い霧の中でも雲を見つける能力に長けています。
風速を知るには、雲を追いかけることが唯一の手段となるので、これは重要なことです。
図2.木星の自転周期に相当する約10時間の間隔を置いて撮影された木星。いくつかの雲が追跡され、ジェット気流の速度が計算された。(Credit: NASA, ESA, CSA, STScI, Ricardo Hueso (UPV), Imke de Pater (UC Berkeley), Thierry Fouchet (Observatory of Paris), Leigh Fletcher (University of Leicester), Michael H. Wong (UC Berkeley) & Joseph DePasquale (STScI))
図2.木星の自転周期に相当する約10時間の間隔を置いて撮影された木星。いくつかの雲が追跡され、ジェット気流の速度が計算された。(Credit: NASA, ESA, CSA, STScI, Ricardo Hueso (UPV), Imke de Pater (UC Berkeley), Thierry Fouchet (Observatory of Paris), Leigh Fletcher (University of Leicester), Michael H. Wong (UC Berkeley) & Joseph DePasquale (STScI))
ジェームズウェッブ宇宙望遠鏡による風速の観測結果は、これまでの複数の観測結果と良く一致し、緯度ごとのより詳細なデータを得ることにも成功しています。

いくつかのデータの中で最も興味深いのは、赤道付近で未知のジェット気流を発見したこと。
ジェット気流は赤道から緯度にして±3度以内(約48000キロ)と非常に狭い範囲にあり、表面から25キロ付近で最大風速140m/sで循環していました。

このジェット気流は土星のものよりずっと遅いとはいえ、これほどの風速は地球で観測されたどの風よりも速いもので、この観測結果は“カッシーニ”のデータとも一致していました。
図3.それぞれの波長で追跡された雲の動きによるジェット気流の速度。最も速いものでは風速140m/s(時速515キロ)を記録している。(Credit: NASA, ESA, CSA, STScI, Ricardo Hueso (UPV), Imke de Pater (UC Berkeley), Thierry Fouchet (Observatory of Paris), Leigh Fletcher (University of Leicester), Michael H. Wong (UC Berkeley) & Joseph DePasquale (STScI))
図3.それぞれの波長で追跡された雲の動きによるジェット気流の速度。最も速いものでは風速140m/s(時速515キロ)を記録している。(Credit: NASA, ESA, CSA, STScI, Ricardo Hueso (UPV), Imke de Pater (UC Berkeley), Thierry Fouchet (Observatory of Paris), Leigh Fletcher (University of Leicester), Michael H. Wong (UC Berkeley) & Joseph DePasquale (STScI))
ジェームズウェッブ宇宙望遠鏡による観測結果は、他の緯度でも細かな風速データの修正につながっています。
特に未知のジェット気流の発見により、木星の大気循環モデルが大きく修正されることになり、大気科学分野での改善に役立ちました。

一方、地球を含めた多くの天体がそうであるように、木星も数年から数十年周期で大気循環が変化することが知られています。
木星の気温は季節やその他の周期とは関係なく、一定間隔で温かくなったり寒くなったりしているんですねー

このことから、今回発見された赤道のジェット気流も、時期によって変化する可能性があります。
ジェット気流がどのように変化するのかは、これからの観測によって明らかにされるはずです。


こちらの記事もどうぞ


謎の天体現象“高速電波バースト”はマグネター表面の星震で発生している? 地震とよく似ている高速電波バーストの発生メカニズム

2023年12月20日 | 宇宙 space
短時間に大量の電波パルスを発する“高速電波バースト(FRB; Fast Radio Bursts)”は、その正体やメカニズムなどに多くの謎があり、現在も研究が続いています。

今回、東京大学が発表したのは、中性子星で発生している可能性のある謎の天体現象“高速電波バースト”の謎を解明したこと。
高速電波バーストの統計的性質を調べることで、地球の地震と性質が酷似した“余震”が起きていることを発見しています。

この成果は、東京大学大学院 理学系研究科の戸谷友則教授たちの研究チームによるもの。
詳細は、英国王立天文学会が刊行する天文学術誌“Monthly Notices of the Royal Astronomical Society”に掲載されました。
図1.中性子星/マグネターのイメージ図。(Credit: ESO/ L. Calçada(出所:東大Webサイト))
図1.中性子星/マグネターのイメージ図。(Credit: ESO/ L. Calçada(出所:東大Webサイト))


短時間に強力な電波パルスを発する謎の天体現象

高速電波バーストは、マイクロ秒~ミリ秒という短時間に強力な電波パルスを発する天体現象で、数十億光年もの彼方で発生していると考えられています。
ただ、その起源となる天体の正体や発生のメカニズムは未だ分かっていません。

2007年の発見以降、600個以上が検出されていて、そのうちの50個ほどは繰り返してバーストを起こす“リピーター”だとされ(それ以外がリピーターとなるかどうかは分かっていない)、中にはすでに数千回も検出されている活発な高速電波バースト源もいくつかあります。

起源天体の候補として上がっているのは、中性子星(※1)やマグネター(※2)、巨大ブラックホールなどなど…
その中でも、高速電波バーストと関連が深いとされるのが、宇宙最強の磁気を持つ中性子星“マクネター”です。

周期的なパルスを発する中性子星“パルサー”(※3)も強い磁気を持っていますが、マグネターは通常のパルサーの100倍以上、100億テスラ(地磁気は0.00003~0.00006テスラ)という強力な磁気を帯びていることが特徴です。

マグネターでは時折、ガンマ線やX線のフレアが観測されていて、高速電波バーストの検出例もあります。
※1.中性子星は、太陽の10~30倍程度の恒星が、一生の最期に大爆発した後に残される宇宙で最も高密度な天体。主に中性子からなる天体で、ブラックホールと異なり半径10キロ程度の表面が存在し、そこに地球の約50万倍の質量が詰まっていている。一般に強い磁場を持つものが多い。

※2.マグネター(磁石星)は中性子星の一種で、10秒程度の自転周期を持つ、主にX線で輝く天体。100億テスラ以上の超強磁場を持つと推定されていて、磁気エネルギーを開放することで輝くと考えられている。

※3.パルサーは中性子星の中でも、規則正しいパルス状の可視光線や電波が観測される“天然の発振器”と言える天体。多くが超高速で自転していて、地球から観測すると非常に短い周期で明滅する規則的な信号がとらえられるので、パルサーと呼ばれている。パルス状の信号が観測されるのは、パルサーからビーム状に放射されている電磁波の向きが、自転とともに変化しているからだと考えられている。


高速電波バーストと地震の類似点

マグネターによる高速電波バーストの発生メカニズムの詳細は不明です。
ただ、有力とされる説はあるんですねー

それは、強い磁気エネルギーが徐々にマグネター内部から浮上してきて、それが表面を覆う固体地殻を歪め、そこに蓄積されたエネルギーがある時突然、星震(地震)によって解放されるというものです。

そのため、地球で起きる地震や太陽フレアとの類似性が、これまで議論されてきました。

そこで、今回の研究で注目したのは、1つの中性子星で発生している多数の高速電波バーストの発生時刻の統計的性質でした。

まず、最も活動的な3つの高速電波バースト源から検出された7000回弱のバーストの発生時刻と、それらのエネルギーの間に相関があるかを調査。
これには、数学的手法の“二点相関関数”を適用しています。

その結果、1つのバーストが発生した直後は、関連した余震のバーストが起きやすくなっていることが判明。
また、余震の起きやすさ(頻度)が、経過時間のべき乗(1/tp)で減衰することも確認されました。

余震の頻度が、このように変化することは地球の地震でよく知られていて、世界的に“大森法則”または“大森・宇津法則”と呼ばれています。
図2.高速電波バースト及び地震の発生時刻とエネルギーの分布の一例(エルグはエネルギーの単位で1erg=1/107J)。下側はこれらを解析して得られた相関関数、つまり“余震の起こりやすさ”を、前のイベントからの経過時間の関数で示したもの。どちらの現象でも、1つの現象の継続時間(高速電波バーストは数ミリ秒、地震は数分)より長い時間領域で、直線的に右下がりになっている。これは余震の頻度が時間差tのべき乗(1/tp)で減衰していることが示されている。高速電波バーストと地震で、この性質がよく似ていることが分かる。(出所:東大Webサイト)
図2.高速電波バースト及び地震の発生時刻とエネルギーの分布の一例(エルグはエネルギーの単位で1erg=1/107J)。下側はこれらを解析して得られた相関関数、つまり“余震の起こりやすさ”を、前のイベントからの経過時間の関数で示したもの。どちらの現象でも、1つの現象の継続時間(高速電波バーストは数ミリ秒、地震は数分)より長い時間領域で、直線的に右下がりになっている。これは余震の頻度が時間差tのべき乗(1/tp)で減衰していることが示されている。高速電波バーストと地震で、この性質がよく似ていることが分かる。(出所:東大Webサイト)
さらに、あるバースト/地震の後、余震の発生確率が10~15%という点も、高速電波バーストと地震で共通していました。

高速電波バーストや地震の活動性は変動していて、活動性の高い時期は多くのバーストや地震が起きます。
でも、これらの余震が起こる確率は、どちらの現象でも普遍的で、常に安定して同じ確率で起きていることも分かりました。

また、あるバースト/地震とそれに続く余震の間には、エネルギーの相関は見られないことも共通していました。

唯一異なっていたのは、大森法則のべき指数pの値が高速電波バーストで2程度、地震で1程度という点だけ。
これだけ多くの類似点が偶然の一致で生じたとは考えにくく、2つの現象の間には本質的な共通点があることを示唆しています。

一方で、太陽フレアにも同じ解析を実施してみると、高速電波バーストや地震とは全く異なる結果が得られました。

これは、中性子星表面や地球の地殻が固体であるのに対して、太陽表面が流体である点が理由として考えられます。

今回の研究により、余震の性質については、高速電波バーストと地震の間に大きな類似性が見られるのと同時に、太陽フレアとは明確に異なることが判明しました。

このことは、高層電波バーストの発生メカニズムが、地震によく似たものであることを強く示唆しています。
ここまで具体的に地震との類似性を示す他の天文現象は無く、高速電波バーストの起源を解明する上で強力な手掛かりとなるはずです。

また、リピーター高速電波バーストの観測データは、今後も増加していくことが期待されています。
なので、より多くの高速電波バースト源からのバーストデータを今回の手法で解析すれば、高速電波バーストの余震の性質の普遍性や高速電波バーストの他の性質との関連を調べることができ、高速電波バースト現象の理解をさらに深められる可能性があります。

また、地震の余震の起きやすさの大森法則は、地球の地殻の物理的性質や破壊プロセスに関連していると考えられています。

例えば、大森法則のp値の違いを理論モデルと比較検討することで、中性子星の固体地殻の物理的性質に関する情報を引き出せる可能性があります。

中性子星の内部は、宇宙で最も高密度に物質が凝縮している場所です。
なので、原子核物理学など、物理学の基礎理論の検証という観点でも重要となるものです。

今後、この研究を進めることで、高速電波バーストを使って中性子星の内部物質を探るという、新たな可能性も見えてきますね。


こちらの記事もどうぞ


太陽系外縁天体の偏った軌道はダークマターが無くても修正ニュートン力学で説明できる!? 未発見の第9惑星の存在は不要かも

2023年12月19日 | 太陽系・小惑星
正体不明の“ダークマター”(※)を仮定せずに宇宙の重量の謎を説明できるとされる“修正ニュートン力学”は興味深い仮説ですが、あまり多くの支持を受けていません。
※.ダークマターは暗黒物質とも呼ばれ、光などの電磁波では観測することができず、重力を介してのみ間接的に存在を知ることができる物質。
特に、恒星や銀河程度のスケールと比べて距離が短い太陽系程度のスケールにおける修正ニュートン力学の効果は、これまでに説明されたことがありませんでした。

今回の研究では、修正ニュートン力学の下で、太陽系外縁天体の公転軌道のシミュレーションを実施し、軌道に偏りが生じたことを明らかにしています。

そう、太陽系外縁天体の偏った軌道を未発見の第9惑星“プラネットX”なしで説明できた訳です。

このことは、短い距離における修正ニュートン力学の効果を示した初めての事例。
さらに、太陽系外縁天体に未知の惑星が存在するとする“プラネットX”説を否定するものでもありました。

ただ、前提となるデータ量の限界から、この結果が偶然生じたものである可能性は削除できず…
容易に覆るかもしれないそうです。
この研究は、ハミルトン大学のKatherine Brownさんとケース・ウェスタン・リザーブ大学のHarsh Mathurさんの研究チームが進めています。
図1.プラネットXのイメージ図。(Credit: Caltech, R. Hurt (IPAC))
図1.プラネットXのイメージ図。(Credit: Caltech, R. Hurt (IPAC))

ダークマターは存在していない

宇宙は正体不明の“ダークマター(26.8%)”と“ダークエネルギー(68.3%)”で満たされていて、身近な物質である“バリオン(陽子や中性子などの粒子で構成された普通の物質)”は、宇宙の中にわずか4.9%しか存在しないことが分かってきています。

暗黒物質が発見されるきっかけになったのは、銀河の回転速度でした。

銀河内を公転している星々は、遠心力と重力が釣り合っているから飛び出すことなく公転できるはずです。

でも、実際の観測結果をもとに銀河の質量と回転速度を算出してみると、銀河を構成する星々やガスなどの総質量だけでは釣り合いが取れないほどの速度で回転していることが分かりました。

そこで、銀河を構成する星がバラバラにならず形をとどめている原因を、光をはじめとする電磁波と相互作用せず直接観測することができない物質の重力効果に求めたのが“ダークマター説”の始まりになっています。
図2.さんかく座銀河における理論的な回転速度(下側の曲線)と実際に観測された回転速度(上側の曲線)。主流な説では、このズレを光をはじめとする電磁波と相互作用せず直接観測することができない物質“ダークマター”の重力効果に求めているが、修正ニュートン力学で説明する試みもある。(Credit: Stefania.deluca)
図2.さんかく座銀河における理論的な回転速度(下側の曲線)と実際に観測された回転速度(上側の曲線)。主流な説では、このズレを光をはじめとする電磁波と相互作用せず直接観測することができない物質“ダークマター”の重力効果に求めているが、修正ニュートン力学で説明する試みもある。(Credit: Stefania.deluca)
でも、長年にわたって研究や観測実験が行われてきたのですが、ダークマターの正体は判明せず…
検出はおろか候補の絞り込みにも苦労しているのが実情です。
大多数の科学者は、ダークマターの正体が何であれ、現在広く認められている物理学の理論を大幅に修正しなければならないと考えています。

ただ、少数の科学者が考えているのは、「そもそもダークマターは存在しないのではないか?」ということ。
この場合だと修正すべきなのは重力理論ということになります。

提案されている修正重力理論の1つに“修正ニュートン力学”があります。

修正ニュートン力学では、物体の運動を記述するニュートンの運動方程式に修正を加えることで、“重力は距離の2乗に反比例して弱くなる”という逆2乗則は厳密には正しくなく、遠距離では1条の反比例に遷移していくと仮定しています。

修正ニュートン力学が正しい場合、ダークマターの存在を考慮する必要はなくなります。
でも、修正ニュートン力学は厳しい検証に耐えてきた一般相対性理論を否定するものなので、あまり多くの支持を集めているとは言えないんですねー

また、修正ニュートン力学は数百億キロ程度の距離…
つまり、太陽系の内部程度の範囲では逆2条則が成り立っているように見えるので、検証は困難を極めていました。

未発見の第9惑星“プラネットX”説と矛盾する修正ニュートン力学

今回の研究では、修正ニュートン力学が太陽系外縁部にまつわる別の謎である未発見の第9惑星“プラネットX”説と矛盾しているのではないかと考え、シミュレーションによる研究を行っています。

太陽系の8つの惑星のうち、最も外側を公転している海王星の公転軌道のさらに外側。
そこには“太陽系外縁天体”と呼ばれる天体が無数にあります。

これらの公転軌道を調べてみると、本来であれば全方向に等しく天体が分布しているはずなのに、実際には特定の方向に分布しているという偏りが生じていることが分かります。

この偏った軌道は、太陽系外縁部にまだ見つかっていない大きな質量を持つ天体が存在していて、太陽系外縁天体の公転軌道を重力を介して乱している っと考えれば説明できます。

指定される質量及び周囲の天体を一掃しているという性質は、2006年に決議された太陽系の惑星の定義を満たすため、この惑星は未知の第9惑星“プラネットX”と呼ばれています。

でも、今のところプラネットXは発見されておらず…
実際には存在していないと考える研究者もいます。

そこで、研究チームが考えたのは、この未発見の第9惑星“プラネットX”説が修正ニュートン力学と矛盾していることでした。
研究では、太陽系外縁天体の公転軌道の変化を、修正ニュートン力学による重力場の仮定の下でシミュレーションし、その結果を実際の観測結果と比較しています。
図3.6つの太陽系外縁天体の公転軌道(紫色の楕円)の長軸は、天の川銀河の中心方向(青色矢印)に向いている。今回の研究結果は、この偏りの原因がプラネットXの重力場の影響ではなく、修正ニュートン力学における天の川銀河の影響だと結論付けている。(Credit: Brown & Mathur)
図3.6つの太陽系外縁天体の公転軌道(紫色の楕円)の長軸は、天の川銀河の中心方向(青色矢印)に向いている。今回の研究結果は、この偏りの原因がプラネットXの重力場の影響ではなく、修正ニュートン力学における天の川銀河の影響だと結論付けている。(Credit: Brown & Mathur)
シミュレーションの結果示されたのは、太陽系外縁天体は天の川銀河の重力場の影響を受けて、楕円軌道の長軸(長い方の軸)が天の川銀河の中心方向に向くこと。
この結果は、90377番小惑星セドナのように、楕円形をしていることが高い精度で判明している6つの太陽系外縁天体の公転軌道とよく一致していました。

このことは、太陽系の内部という短距離でも修正ニュートン力学が働いていることを示した初めての研究結果になりました。
修正ニュートン力学に基づけば、プラネットXは存在しないという可能性を示すものになります。
ただ、この研究結果を持って修正ニュートン力学が正しい っということにはならないようです。

その理由は、今回の研究で用いられた公転軌道のデータが検証に使えるほどには精度が高くなく、単にシミュレーション結果が現実と偶然一致しただけの可能性が排除できないからです。

さらに、修正ニュートン力学自体も、他の方法での検証で厳しい立場に晒されているので、修正ニュートン力学そのものが否定される可能性も大いにあります。

このことから、今回の研究結果は容易に覆るかもしれないわけです。

また、プラネットXの存在は、修正ニュートン力学を仮定しなくても否定することができるかもしれません。

太陽系外縁天体は文字通り外縁部という遠方にあるので、観測が極めて困難です。

プラネットXの存在の根拠となっている公転軌道の偏りは、太陽系外縁天体の観測数が少ないことに起因する観測バイアスで生じていることも十分考えられます。

ダークマター、修正ニュートン力学、プラネットXといった各問題に答えを出すには、まだまだ観測や研究が必要なようですね。


こちらの記事もどうぞ


本当に火星サイズの天体が原始の地球に衝突して月が形成されたのか? 地球と月のマントル組成を比較するため“SLIM”が月面着陸へ

2023年12月18日 | 月の探査
2024年1月4日更新
JAXAは、2023年9月7日に打ち上げた小型月着陸実証機“SLIM(Smart Lander for Investigating Moon)”について、2024年1月から2月の着陸予定としていました。
現状、“SLIM”の運用が順調に実施できていることを踏まえ、月面着陸についての予定が発表されたんですねー

1月19日に近月点を高度15キロまで低下させた“SLIM”は、2024年1月20日(土)の午前0:00頃(日本標準時)着陸降下を開始し、午前0:20(日本標準時)頃に月面に着陸。
また、上記のタイミングで着陸を実施しない場合、次の着陸機会は2024年2月16日ころになる予定です。

着陸に成功すれば日本初の月面着陸となり、世界でもアメリカ、旧ソ連(ロシア)、中国、インドに続く5か国目になります。

“SLIM”は精度100メートル以内のピンポイント着陸を目標としています。
月のような重力天体においては他に類を見ない高精度着陸となり、現在検討が行われている国際宇宙探査計画などにおいても成果の活用が期待されています。

“SLIM”は、2023年12月25日16:51(日本標準時)に月周回軌道投入に成功。
所定の計画通りの軌道変更を達成し、探査機の状態は正常とのことです。
今後の“SLIM”の月周回軌道。水色の線は現在の月周回軌道、緑色の線は高度約600キロの円軌道、黄色の線は高度約600キロ×150キロの楕円軌道、赤色の線は高度約600キロ×15キロの楕円軌道。(Credit: JAXA)
今後の“SLIM”の月周回軌道。水色の線は現在の月周回軌道、緑色の線は高度約600キロの円軌道、黄色の線は高度約600キロ×150キロの楕円軌道、赤色の線は高度約600キロ×15キロの楕円軌道。(Credit: JAXA)
“SLIM”の月周回軌道は、周期約6.5時間、月に最も近いところ(近月点)では高度約600キロ、月から最も遠いところ(遠月点)では高度約4,000キロで、月の北極点と南極点を結ぶ楕円軌道になります。

今後は2024年1月中旬までに遠月点を低下させ、高度約600キロの円軌道に軌道を調整。
その上で、近月点を降下し、着陸開始への準備を開始することになります。
図1.月面に着陸した“SLIM”(イメージ図)。(Credit: JAXA)
図1.月面に着陸した“SLIM”(イメージ図)。(Credit: JAXA)


ピンポイント着陸を目指す小型月着陸実証機“SLIM”

“SLIM”はH-IIAロケット47号機(H-IIA・F47)に搭載され、種子島宇宙センターを2023年9月7日8時42分11秒(日本時間)に離床。
ロケットからの分離後、予定していた地球周回軌道への探査機投入に成功し、午前9時45分に“SLIM”からの信号受信で太陽補足制御を完了していました。

その後、“SLIM”は10月1日に、地球周回軌道から離脱し、月を目指す月遷移軌道に乗ることに成功。
10月4日には、月周回軌道投入に向けて軌道を変更するために、地球を公転する月の重力を利用して軌道を変更するスイングバイを実施していました。

“SLIM”の目的は、月面の狙った場所へのピンポイント着陸技術の実証。
着陸誤差は100メートル以内を目指しています。

これまでの月面着陸機の誤差は数キロから十数キロ以上だったので、“SLIM”は驚異的な着陸精度を目指していることになります。

このピンポイント着陸技術によって実現するのが、これまでの“降りやすいところに降りる”着陸ではなく、“降りたいところに降りる”着陸への質的な転換。
月惑星の資源探査では、軌道上からリモートセンシングで資源分布を推定し、その後実際に地面を探査することになるので、その際に威力を発揮することになります。


本当に火星サイズの天体が原始の地球に衝突して月が形成されたのか

“SLIM”は1月20日の月面着陸で、月の地球側にある“神酒の海(Mare Nectaris)”の西に位置するSHIOLIクレーター付近の傾斜地に、正確にピンポイント着陸を行うための航法と、二段階式により安全なタッチダウンを行う技術を実証することになります。

同地点には月のマントルに由来するカンラン石が散らばっています。
“SLIM”は着陸後に搭載するマルチバンド分光カメラで、このカンラン石の組成を分析することになります。

なぜ、カンラン石を分析するのでしょうか?
それは月の起源を探るためです。
月は、ジャイアントインパクト(巨大衝突)という形成過程を経て形成されたと考えられています。

ジャイアントインパクト説によれば、45億年前に火星サイズの天体“テイア”が、作られて間もない原始の地球に衝突。
この衝突から生まれた破片が、かなり急速(おそらく数百万年強の間)に分離し、月を形成したと考えられています。

そこで、月のマントルに由来するカンラン石の組成を分析し、その結果を地球のマントルと比較することで、ジャイアントインパクト説を検証する訳です。

カンラン石は比重が大きいので、通常は地下深くに埋まっています。
地表に露出したカンラン石はクレーター付近に存在していますが、これはクレーター形成時に、衝撃で地下から掘り起こされたものと考えられています。

JAXAは、2007年に打ち上げた月周回衛星“かぐや(SELENE)”で月面のリモートセンシングを実施し、月面におけるカンラン石の分布を突き止めていました。

また、組成分析にあたっては宇宙線の影響の少ないカンラン石を用いる必要があります。
このため、宇宙線の影響をあまり受けていないカンラン石が存在するとみられる若いクレーターを探査。
その結果、着陸地点をSHIOLIクレーターに選定しています。

着陸地点はクレーター付近になるので15度程度の斜面になっています。
“SLIM”は“2段階着陸方式”と呼ばれる方法で、行きたい場所が斜面であっても、安全な着陸を実現しています。

これは、月面に対して垂直の姿勢で降下し、着陸直前に機体を斜めに傾けて半円形をした脚で一度接地してから、斜面に向かって倒れ込むように横向きに設置するという特徴的な着陸方法になります。
図2.“SLIM”は、月周回軌道を離れてからは、月面に対して垂直の姿勢で降下。着陸直前に機体を斜めに傾けて横向きに設置するという特徴的な着陸方法を採用している。(Credit: JAXA)
図2.“SLIM”は、月周回軌道を離れてからは、月面に対して垂直の姿勢で降下。着陸直前に機体を斜めに傾けて横向きに設置するという特徴的な着陸方法を採用している。(Credit: JAXA)
斜面にある着陸目標地点では、この方式が最も転倒リスクが小さく、かつシンプルで軽量な着陸脚システムになるようです。

これまでアポロ計画により月の岩石が持ち帰られてきました。
でも、残念ながらそれらの岩石は、“SLIM”で分析しようとしているマントル由来のカンラン石ではありませんでした。

“SLIM”が搭載するマルチバンド分光カメラは、望遠機能があり、まず広いところを見て岩石を選定。
狙いを定めた岩石に対してズームをかけて詳しく分析が行えるようですよ。


こちらの記事もどうぞ


冬の日生でカキオコを楽しもう! 牡蠣の養殖が盛んな小さな漁師町を散歩

2023年12月17日 | バイク・旅・ツーリング
2024年1月10日更新
毎年、冬になると訪れる
牡蠣の養殖が盛んな小さな漁師町
ぶらぶら散歩してプリプリの牡蠣を楽しんできました

JR日生駅

日生散歩の内容はこんな感じ

● 牡蠣の養殖が盛んな漁師町のソウルフード
● カキオコツアーのこだわり
● 日生歩きとカキオコ
● カキオコと日生散歩マップ



牡蠣の養殖が盛んな漁師町のソウルフード

岡山県の東端に位置する小さな漁師町の日生(ひなせ)
牡蠣の養殖が盛んで、岡山県産牡蠣の5割以上は日生が産地になっている
ちなみに岡山県は牡蠣の生産量は全国3位

なので漁港のあちこちでホタテの貝殻を見かける
日生湾に浮かんでいる養殖いかだの下には、これが何個もぶら下がっていて
そこに牡蠣の赤ちゃんがくっついて育つ仕組み

海と空、ホタテの殻。遠くに見える白い橋は備前日生大橋。

その日生で、古くから愛されているソウルフードがカキオコ
日生で牡蠣の養殖が始まったのが50数年前のこと
当時、牡蠣の剥き子さんたちが商品にならないカキを持ってきて
お好み焼きに入れたのが始まりなんだとか
関西と広島といった二大お好み焼き帝国に挟まれた岡山で生まれた絶品グルメ


カキオコツアーのこだわり

瀬戸内の海岸線は冬のツーリングにオススメなコースなんだけど
ビールが飲めないのでバイクはNG
それほど、カキオコにビールは必需品!
牡蠣ソースビール の相性は抜群です
ノンアルコールビールもイイけど
旨いカキオコで旨いビールを飲むと、ほろ酔い気分で日生散歩も楽しめる

なので、毎年JRを使って日生へ
レトロな車両に揺られていると、ちょっとした旅気分も盛り上がってくる
小さな漁師町の駅を出ると目の前に広がる海
何があるのか 小さなワクワク感もいい

帰りの電車

乗ったのは大阪駅6時25分発(姫路行き)の新快速
姫路駅と播州赤穂駅で乗り換え、日生駅には9時21分到着

運賃は片道2,310円(往復4,620円)なので
JRの普通列車が1日乗り放題の“青春18きっぷ“がお得
5日分が12,050円で販売されていて1日分だと2,410円になる
(1人で5回分または複数人での利用が可能)
発売期間と利用期間は毎年ほぼ同じで春・夏・冬の3回設定
冬季か春季を利用するとカキオコを食べに行ける
2023年の冬季
 発売期間 2023年12月1日~2023年12月31日
 利用期間 2023年12月10日~2024年1月10日
2024年の春季(予想)
 発売期間 2024年2月20日~2023年3月31日
 利用期間 2024年3月1日~2023年4月10日

余った分はチケットショップで売却
逆に必要な回数分をチケットショップで購入するのもあり


日生歩きとカキオコ

初めての道をぶらぶら散策しながらお店へ向かう
細い路地に見つけた西念寺の立派な山門
この山門は、岡山藩主池田氏の家老土倉氏の陣屋門を移築したもの

西念寺さん

階段を少し上がった上山公園 午前中の柔らかい日差しで紅葉がいい雰囲気
4月には公園一帯が桜色に染まるんだとか

上山公園で見た鮮やかな紅葉

鮮魚店の軒先に吊るされた一夜干しが旨そう
このお店の自慢“国産炭火焼きアナゴ”も気になる
あと、レトロな薬屋さん? ぽつんと佇む蔵とか

ひかり健康堂、上山公園の紅葉、蔵、鈴木鮮魚店さん

創建時から伝わる神事芸能の獅子舞が有名な春日神社。
獅子舞は九州五島列島の平戸から伝わったと言われている
山中から獅子を追い出して手なづけるまでの所作を表現しているんだとか

創建時から伝わる神事芸能の獅子舞が有名な春日神社

カキオコ発祥の“ほり”さんに到着
創業は昭和37年、2001年1月26日にカキオコという名が生まれた場所

ほりお好み焼き

注文はここ数年変わらず “カキの鉄板焼き”と“日生カキオコのカキ増量”

カキの鉄板焼き

カキの鉄板焼きが到着すると瓶ビールを注文
小皿の自家製ポン酢に七味を一振り
あっさり味なんだけど、牡蠣のプリプリ感と風味が楽しる一品、ビールが進む

日生カキオコのカキ増量

しばらくしてからやって来た、焼きたてアツアツのカキオコ
焼いても縮まないので牡蠣のプリプリ食感がたまらない
(日生で水揚げされた新鮮な牡蠣は余計な水分を含んでいないから縮まないらしい)
ハフハフ頬張ってビールで流し込むと幸せになれる

お好み焼きの作り方は“日生焼き”というもの
お店によって焼き方が少し違っていて
“ほり”さんだと、こんな感じ ↓

先代から受け継ぐ特製出汁で溶いた生地
それと千切りキャベツを混ぜて、鉄板に広げて焼いていく
ネギや天かす、カツオブシをパラパラかけ、牡蠣をのせる
その上から生地を軽く回しかけ、ひっくり返して蒸し焼きに
鉄板の上で生卵をコテで潰し、焼きあがったカキオコをのせれば完成
仕上げはオリジナルのブレンドソースとカツオブシ
辛ソースやカツオブシ、青のり、紅しょうが、七味は好みで


生地でサンドして蒸し焼き状態になるので
キャベツの甘みとモッチリした食感が特徴かな

テーブル席の光景。カキオコ、カキの鉄板焼き、カキ入り焼きそば、カキ入り焼き飯

店内は明るくてスペースに余裕のあるつくり
テーブル席にも鉄板があるのでグループでの利用におすすめ
目の前の鉄板にこんなダイナミックな光景が広がる
最後まで熱々の鉄板焼きが食べられるのは嬉しい

日生港


日生歩きと牡蠣のピッツァ

後日、訪れた日生湾近くにある薪窯で焼くピザのお店
カキオコを食べに来たときに見つけていた“海とピッツァ”さん
目印は青い外観に三角屋根、そして2台のとハーレー

海とピッツァ

白を基調とした明るい空間 は 天井が高く開放感あり
コンクリートの打ちっぱなしの床にアンティーク調の家具
テーブル数も少なめでゆったりと過ごせる感じ

空冷エンジンのシリンダーをイメージさせるピザ窯
マスターがバイク好きなのが容易に想像できる
お店の横に空冷のモトクロッサーもあったし… なかなか個性的なお店

柚子香る牡蠣のピッツァ

気になっていたのがコレ
冬の日生で出会える“柚子香る牡蠣のピッツァ”
口の中が牡蠣の旨味と風味で一杯になるピザ
牡蠣・チーズ・クリームソースの相性がとても良く
柚子が濃厚な味を爽やかにしてくれるので、ピザ1枚を軽く食べられる
柚子風味の余韻と一味唐辛子のアクセントが心地よい
粒が大きくプリプリ食感の牡蠣が味わえて満足
今シーズンのカキは出来が良いことを期待させる
ドリンクはリンゴの甘みと酸味、ピリっと生姜の効いた自家製“アップルジンジャーエール”がおすすめ

五味の市

開館時間外だったり、予約が必要なのを知らなかったり…
なかなか来れなかったBIZEN中南米美術館
こんな所に美術館があるねんなー っと気にも留めなかったけど
調べてみると、中南米を専門とする日本唯一の考古美術館なんだとか
古代文明好きなのでいかない理由はない
公式マスコットキャラクターのペッカリーに一目惚れしたしね

中南米を専門とする日本唯一の考古美術館“BIZEN中南米美術館”

カカオ豆の発祥が中南米で、古代からカカオドリンクが儀式で飲まれていたこと
興味深かったのは、そのカカオドリンクを入れる笛吹式土器の説明
注いだり傾けたりするとピーーとかピロピロとか音がする
名物館長の森下さんが笛吹式土器を吹いてれたり
分かりやすい解説で楽しく展示物を見る美術館

カフェRAD

漁港をぐるっと歩いて見つけたピンクの建物
海沿いのカフェ 日生湾を眺めながら電車の時間までのんびりと…

2023~2024年シーズンの日生では
11月16日から牡蠣を剝き始めて
11月17日から生牡蠣でのカキオコがスタート

日生の牡蠣は11月中旬~3月くらいが旬の時期なんだけど
牡蠣の身が栄養を蓄えふっくら太り
大粒が揃う一番の旬の時期は12月末~2月頃!

この時期はカキオコにも大粒揃いの牡蠣が入ってくる
牡蠣を食べるならこの時期が狙い目
瀬戸内海の漁師町 “備前市日生町” 行ってみたくなりませんか

みなとの見える丘公園から

カキオコと日生散歩マップ

日生のスポットをまとめた“カキオコと日生散歩マップ”

青い線は今回歩いたルート

赤のピンはカキオコのお店
 ほり お好み焼き : 黄緑の外観が目印、カキオコ発祥の店
 さんちゃん   きまぐれ   泉富久(せんぷく)
 まるみ お好み焼き   浜屋 みっちゃん
 お好み焼き もりした   安良田(あらた)
 福来(ふくろう)   きたろう
 オレンジハウス   暖里(ゆるり)
 うま×うま   お好み焼き ともひろ


青いピンは他のスポット
 西念寺 : 立派な山門のお寺
 上山公園 : 4月には公園一帯が桜色に染まるんだとか
 鈴木鮮魚店 : お店の自慢は“国産炭火焼きアナゴ”
 海とピッツァ : 三角屋根とハーレーが目印、薪窯で焼くピザのお店
 ラッド : ピンクの建物のカフェ
 春日神社 : 創建時から伝わる神事芸能の獅子舞が有名
 BIZEN中南米美術館 : 中南米を専門とする日本唯一の考古美術館
 日生駅   ひかり健康堂
 五味の市   加子浦歴史文化館
 みなとの見える丘公園


黄色のピンがトイレ
 観光トイレ : 日生駅を出て右手すぐ
 日生港東公衆トイレ : 国道250号から五味の市方面への分岐にある
 ※五味の市施設内でも利用できる




こちらの記事もどうぞ