ここ一週間ほどは、本当に忙しかった。特に先の日曜は、嬉しいほど忙しかった。
もうすぐ結婚しようというカップルさんが3組ほど来店戴いた。
一日喋り続けた感じで、夜は口が重たい感じさえしてきました。
嬉しいと言ったのは、みなさん、爺の話をよく聞いて下さったのです。
その中の、初めてふとん屋に入った(親に買ってもらった布団を使い、カバーなどをショッピングモールの寝具売り場で買い物)という、寝具の購買経験のほとんど無い、正に寝具のことがよく分からないカップルさんに接客した時の話です。低反発まくら(テン●ュール)を使ってみたいということでした。
「なぜ、低反発まくらを希望されるのですか?」と聞きましたところ、「柔らかくて気持ち良さそうだから」と言われました。
低反発まくらの長所・短所を説明し、実際低反発まくらなどを試し寝して戴きました。いろいろ話をし、また試し寝をするうちに、最後にある枕を試して戴きました。
上層部は、WDD90%のダウンを入れてあります。6つの部屋に仕切り、それぞれにダウンを入れ、羽毛ふとんと同じようにマチで仕切り、羽毛が移動しないようにしてあります。中央部は少し薄く、左右はやや増量し、また、首を支える部分は少し硬めに、と、各部屋ごとに入り量を変えてあります。下層部は枕の高さをお好みにするためのベースです。
N(ニュー)ダウンピロー・Kタイプと言います(勝手に私が命名)。
どこかで見たような枕ですね。そう、快眠ひろばのオーダー枕です。
快眠ひろばのオーダー枕は中材の主はパイプです。柔らかいパイプもありますが、特にソフトを希望される方は粒わたを入れてお作りします。
もっと当たりの柔らかい枕をと思い、私が考案しました。
実はこのNダウンピロー・Kタイプは、私専用枕【ダウンピローMタイプ枕】の市販用なのです。
残念ながら私の頭は薄くなってきました。そして、横寝をすることが多い私は、たとえ柔らかいパイプ枕でも耳が痛くなることが多々ありました。そこで、自分用に耳に優しい枕をと思い試作品をいろいろと作りました。
Watakeiオリジナルダウンピローは、柔らかくて気持ち良いのですが、高さに不満がありました。
仰向け寝の時は良いのですが、横向き寝の時は少し低くなり、肩への負担が出てきます。そこで、最初の改良として、薄めのダウンピローと高さを得るためのパイプ枕とを重ねて使ってみました。
横向き寝の時の高さは確保されましたが、今度は仰向け時の高さが高すぎることとなりました。
そこで、快眠オーダー枕の理論に基づいて、ベースのパイプ枕にもマチを作り、中央部を低くしました。・・・なかなか良い感じとやや自己満足。
その後、羽毛の量を変えたり、マチの高さを変えたり、部屋の数(キルト方法)を変えたり、また、上層(ダウンピロー)部と下層(パイプ)部とを一体化させる方法など、試行錯誤の末、ようやく私の枕が完成しました。
およそ半年かかり、私の「耳に優しい枕」が完成しました。三年前のことで、今もその枕を使用しています。
そんな自信作(?)の枕を試して戴いたら、メチャ気に入って戴きました。でも彼はイマイチのようでした。今まででもたくさんのカップルに試し寝をして戴きましたが、男性には柔らか過ぎるのか、気に入って戴いたのは私以外全員女性でした。
耳に優しい枕は、当初の目的は勿論達成できてますが、何故か、「女性のための枕」として、店頭では密かに人気を得ています。
ネットでは販売していません。販売しても良いのですが、高さを知るには、やはり測定や試し寝が必要なので、店頭販売のみです。
興味のある方は、是非一度試しにご来店ください。
で、そのカップルは枕を買ったのか(?)って。
はい、ブライダルですから、買われませんでした。
完全に納得されるまで、大抵あと1~2度は相談を兼ねて再来店されます。他の二組は二度目の来店でした。
そんなことで、嬉しいほど忙しい接客になった訳です。