中日新聞の「教えてナビ」は、新聞読者が各分野の専門家に質問するという企画です。
本来は紙面での企画ですが、直接お電話を戴きました。「医者から睡眠薬を処方されているが、飲まずにぐっすり寝たい。どうしたら良いか?」という質問でした。
安城市にお住まいの79歳のご婦人で、もともと生まれは碧南の方、弊店の事も知って見えました。もう少し詳しくお聞きしました。「40代後半から更年期に入り、以来睡眠薬と縁が切れない。なんとかならないか?」というものでした。ん~、30年以上睡眠薬とお付き合いですか・・・。医療の分野に係る質問ですから、正直難しいです。
まず、毎日の生活についてお聞きしました。床に入る時間はほぼ一定(21~22時)です。離床時間は7時前。この間に「トイレ覚醒が二回」、一回目は概ね直ぐ再入眠できるが、二度目の時(明け方)は、なかなか寝られないことが多いと言われます。日中、眠い時もあるが、ほとんど昼寝をすることは無い。だが、頭がすっきりしないことが多い言われます。草取りをしたり身体を動かすことは嫌いでは無い。また、好奇心は旺盛なようです。老人会や勉強会(催眠商法の会場での話)などにもよく出かけるそうです。カフェインの入ったお茶・コーヒーなどは飲まない。飲むと夜は寝れなくなるので、専らこの季節は麦茶だそうです。朝食・昼食そして夕食も6時頃と、規則正しい生活を送ってみえます。
眠りに関する知識は色々勉強されたようです。生活面では問題点はほとんどありません。
そこで、睡眠薬の名前をお聞きしました。受診している神経内科から、二種類の薬を処方されているようですが、名前の分かったのは「ベゲタミン」で、もう一種類は分からないと言われます。寝る前に、まず「ベゲタミン」を飲み、しばらくして「もう一つの薬」を飲むそうです。「もう一つの薬」を飲むと、まもなく眠たくなります。
ベゲタミンは睡眠薬としての働きもありますが、むしろ精神安定剤のようです。たぶん「もう一つの薬」が睡眠(導入)剤だと思われます。医師でも薬剤師でもありませんから、推測は止めます。
電話でお話しを聞く内に、睡眠リズムのメリハリが小さくなっているように思えてきました。ぐっすり眠るという事は日中体温を上げ、寝る時には深部体温を下げることです。差が大きいほど良く寝られるのです。だから日中はより活動的であって欲しいのです。昼寝は夜寝られなくなるのでダメだと思っているようですが、ダラダラと過ごすよりはメリハリをつけて欲しいのです。10分から20分程度「ちょっとだけ ウトウト!」として下さい。そしてその後はまた活動的にして欲しいのです。一時間以上の昼寝は夜の睡眠に響くので注意して下さい。少なくとも昼寝は30分以内が良いでしょう。
コーヒーなどはダメと言われますが、ちょっと昼寝と思ったらコーヒーを飲んでから。普通の方なら、目が覚める頃にカフェインが効き、すっきり目覚めることができます。
一回目のトイレ覚醒後は再入眠がスムーズだが、二度目のトイレ覚醒時には再入眠できないことが多いと言われます。一回目はまだ睡眠薬の効果があり、二度目は薬の効果が切れているでしょうか。二度目(明け方)の覚醒で、まだ早いからと無理に寝ようとしているようです。夜10時前頃から朝は7時前まで9時間も床に入っている計算です。どうも寝ないことは悪いことのように思って見える節があります。結果長時間ダラダラと床に入っているのでしょう。ならばと、再入眠が無理と思われたら起床離床することをお薦めしました。
次に寝具(特に敷き寝具)についてお聞きしました。畳の生活です。2~3㎝厚のマットの上に薄い敷きふとんを敷いているようです。詳しく聞くと、薄い敷きは電気で冬だけ暖かくなる商品(電気敷き布団)のようで、で、電気毛布と大差ないようです。ご主人の敷きにはイオン発生の類の機能はあるが、ご婦人の敷きには無いようです。
更に話を進めると、どちらかと言うと「汗かき体質だ」と言われます。敷きふとんの中綿の素材は不明ですが、電気が入ることから、たぶん「ウレタンか、化繊わた」が中心の商品だと思われます。
人は入眠直後に多く汗をかきます。実際の商品を見ないと断定はできませんが、この方の敷き寝具は汗取りが悪いのではと推測されます。深部体温の低下が不十分なのでは無いかと思えてきました。風呂よりシャワーが多いとも言われました。上手にお風呂に入り、体温のメリハリをつけるなど、夕食後の過ごし方などもお話しし、汗取りの良い敷き寝具を使うように提案しました。
すると・・・「綿桂さんには汗取りの良い布団があるか?」 「はい、ありますよ。」 「いくら?」 「お薦めの商品は○万円ぐらいですね。」 「安いな。」…いままで訪問販売や会場販売(催眠商法)でほとんどの寝具を購入して見えたようです。高いな!と言われるかと思いましたが・・・。 「もっと早く相談すれば良かった…。」 「お近くに行くことが有ったらついでに伺ってふとんを診させて下さい。もう少し具体的に話ができますよ。」 睡眠改善インストラクター・健康睡眠指導士(上級)・睡眠環境診断士(中級)である爺をお気軽にご利用下さい。
今回の老婦人は、よく勉強されているようですが、質問としては限りなく医療(医師)の範囲と思われます。お医者様にもちろん相談されているとは思いますが、薬を飲まずにぐっすり寝たいという答えは医療機関でもなかなか出ないのでしょう。ねむりには個人差があります。教科書通りの方ばかりではありません。
実際は業者の宣伝に踊らされている気がしました。たぶん、「これで寝るとよく寝れるよ!」という業者の言葉を鵜呑みにしてしまうんでしょう。雑談も含め、お電話は一時間近くになりましたが、結局のところ奥様の希望する答えはできませんでした。 30年の生活を変えようとするのは、一朝一夕では無理です。今回は医師・薬剤師ではないので、限界を感じるところでした。
ああ~・・ぐっすり寝たー!
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