漫画は時に便利なモノである。水滸伝なども漫画で読んだ。原作を読むなんて思いもよらないところだった。他にも7~8年前「三国志」を漫画で読んだ。じっくり時間をかけて書物を読むなどと言うことは、時間のない爺の頭では処理しきれないことは明らかである。細かいところの表現に一抹の不安や問題があるかもしれないが、全体のストーリーを手短に知ることができ、ある意味「助かっている」のが本音である。
今回の漫画は「ピケティ入門」である。
超入門書には間違いないが、すこぶる難解であった。漫画と侮って読み始めたが、理解できない。読み返した。理解できない。読み返した。良く分からない。4回目にして、ようやくおぼろげながら、全体が判ってきた気がした。「気がした」だけで、完全に理解できていない。今、5回目を読んでいる。
経済学は全くの音痴である。漫画の中から、このピケティ教授の論文の中の最も大事な式を取り出すと、・・・
資本収益率 r>g 経済成長率
という数式のようだ。 長い歴史を見ても、時には増減があるが、資本収益率はおよそ4~5%だそうだ。一方、中国の経済成長率は8%だの10%だの今は言ってはいるが、長い人類の歴史をみれば、世界の経済成長率はなんと1~1.5%程度だと言われる。つまり、何もしなければ、格差は広がる一方で、格差社会はさらに広がると言っている。
その事は
資本所得(賃料・配当・利子・キャピタルゲインなど) > 労働所得(給与・ボーナスなど)
となるそうだ。つまり、本人が働いて得る所得より、お金に働かせるほうが、大きな所得を得ることができるということらしい・・・?
資本所得=資本収益率x資本 その 資本=金融資産(現金預金・株・債権など)+非金融資産(土地・建物・機械・特許など)である。
一方で、今熱い国の一つが南アフリカ共和国だそうだ。経済成長率が5%であるとか。日本の高度経済成長期で3~4%だったとか。中国でもインドでもない。何故か?・・・ 人口増加率から注目されているようだ。南アもアパルトヘイトなどで順調に人口が増えた訳ではないが、この国のポイントはなんといっても人口増加率だ。今後中国は一人っ子政策のツケが回ってきて、日本以上の超高齢化社会になるのは容易に想像がつく。経済成長率と人口増加率とは連動している とピケティ博士は言っている。人口が減る国、特に若者が相対的に少ない国(日本・中国)は、今は良いかもしれないが、50年100年後には、論外の国となるのだろうか・・・。
「保育園落ちた日本死ね!!!」は、まさにアベノミクスの矛盾を表していると思う。根本的失政だと思う。総人口数を維持し、歪な人口ピラミッドを正すことが、日本が発展し続ける基本中の基本だと思えてきた。目先の利益(集票)を追及しても、激流という時代の経営(政治)は、過去の経験だけでは失敗する。西川は創業450年を迎える。だが、450年間布団を作って販売してきた訳ではない。実の本業は時代とともに変わってきた。今の日本が同じままでは、孫たちにバラ色の生活は永遠にやって来ないだろう。子供が増えないままでは、アベノミクスは失敗だということがはっきりするだろう。
いずれにしても爺がこの世を辞してからの話と言うことになるが、このままでは孫たちがかわいそうだ。孫たちに膨大な資産を残せる訳がない。せめて、勉強だけは思いっきりさせたい。だが、当の本人たちは「勉強が大嫌い」だ。万事休す!わが子孫は社会の底辺で喘ぐこととなる。
いつまでも、幸せな朝が迎えられますように。
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