さすらうキャベツの見聞記

Dear my friends, I'm fine. How are you today?

毎日毎日

2008-06-10 22:56:32 | Tuesday 病院
毎日毎日、どう過ごしていたか、どのように歩んでいたのかは、年を重ねるにつれ、違いが大きいように感じる。

 たとえ、認知症になっても。


    ********************


 たとえば、その夜勤の中、入院された閉塞性黄疸の10★歳のおばあちゃん。
 認知症のためか、オムツ交換でも、体位変換でも、血圧測るだけでも、なかなか大変。
 病棟に来る前、点滴の針を入れるのにも4人がかりだったそうな。
 このほっそいお体の、しかもご自分で身体の向きを変えることもできない方の、
どこにそんな力が・・・?と思うほど。
 そして、「殺される~」「おじいさ~~ん。助けて~~」と騒がれていた。


                

 そんなおばあちゃんが、夜中、ふと目を覚まし、点滴の更新にきた私の姿を認めたとき、
「おじいちゃん」
と、優しく声をかけてきた。
(ちなみに、ご主人を○年前に亡くされている)
続けて、こう言った。
「そこにいると、寒いでしょ。
 ほら、早(は)よ、こっちきて、眠りなさい」
と、かけ布団をあけて、おいでおいでと手招きをされる。



 とても、可愛らしいしぐさだった。

 こんな風に、おじいさんおばあさんになっても、そばにいる人を愛して、労(いた)わりながら、毎日過ごしていたのかな・・・と、思わされるほど。


                


 そういえば、いつぞや入院されていたご高齢の方は、朝目覚めると、必ず布団をたたんだりしていたなぁ・・・

 何かをしてもらうと、必ず「ありがとう」と手を合わせて感謝するおばあちゃんもいたなぁ・・・

 文句ばかり言う人もいれば・・・


                


 時折、ご家族のお話も聞くと、「前から・・・でした」ということもある。
 たぶん、毎日どう過ごしてきたか、で違うのかもしれない。


               



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「人間って、すごいなぁ」

2008-06-10 22:00:24 | Tuesday 病院
 夜勤の始め、すでに、
-プレドパMax、ISP12ℓ98%(つまりMax) 1)なのに
 BP50台、R90~100、SpO2 69%前後 2)-の患者さんがいた。
もう一人のNsが受け持っていたが、夜勤者3人(Ns2名、ヘルパー1名)皆、戦々恐々としていた。

 それが、なんと、
 深夜には、SpO2 90%、時には血圧も100ちょっとまで上がる。

 もう一人のNsは、

 「人間って、すごいねぇ…」

 と感嘆した。
 皆、同じ気持ちだった。

 もちろん、いつ何時(なんどき)急変するかわからない。
お次は
「朝が怖い。朝、何か起こるんじゃないか」
と、皆、動く。
 (こんなときに限って、入院が2件あり、採血しなければならない人がぎょうさんいる

 そして、朝も、彼女はがんばっていた。
 血圧は80台まで下がっていたけれど、SpO2やRは、まだそのまま。




(今日の日中を聞くのは、コワいけれど)



 

 すごいなぁ…




                                              


【注】
1)プレドパ:<一般名>塩酸ドパミン、<商品名>プレドパ注。
       <薬理作用>カテコールアミン系強心薬。
       <適応症>急性循環不全(心原性ショック、出血性ショック)

  ISP:インスピロン。酸素療法の一つで、加湿された酸素を送れる。
    詳しくは、ここ→http://www.ne.jp/asahi/nishi-kobe/masui/vntr/vntr.htm

2)SpO2:動脈血酸素飽和度(サチュレーション)のことで、簡単には、「体の中の酸素の濃度」、「酸素とヘモグロビンの結合の様子を示している数字」のこと。フツウは97~100%。
     また、この数字がそのまま体内の動脈の酸素分圧(PaO2。動脈血を採ってわかる値)ではなく、
     SpO2  97 → PaO2 91
          91 →     61
          90 →     59
          85 →     50
   という感じになる。

 BP:血圧。 

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