さすらうキャベツの見聞記

Dear my friends, I'm fine. How are you today?

長く、そして、あっという間に

2010-01-06 22:46:20 | 日々の雑感
    『人の日は、草のよう。
     野の花のように咲く。

     風がそこを過ぎると、それは、もはやない。
     その場所すら、それを、知らない。』

                  (旧約聖書・詩篇103篇15-16節)



 本日、旧約聖書は創世記11-12章、新約聖書はマタイの福音書6章を通読す。
 創世記11章では、バベルの塔 - The tower of babel - や、ノアの大洪水 - Noah's Flood - のあとの、ある家系が記されている。こんな具合に、だ。


   ペレグ Peleg は30年生きて、レウ Reu を生んだ。
   ペレグはレウを生んで後、209年生き、息子、娘たちを生んだ。

   レウ Reu は32年生きて、セルグ Serug を生んだ。
   レウはセルグを生んで後、207年生き、息子、娘たちを生んだ。

   セルグ Serug は30年生きて、ナホル Nahor を生んだ。
   セルグはナホルを生んで後、200年生き、息子、娘たちを生んだ。

   ナホル Nahor は29年生きて、テラ Terah を生んだ。
   ナホルはテラを生んで後、119年生き、・・・・・


  聖書は、あっさりと、そこに人がいた痕跡を残している。
  私は、1分もかからずに、これを読める。
  だが、その一生がどんなであったか、もはや私にはわからない。

  19,20世紀当時、旧約聖書を手がかりに考古学が進められた都市もあったという(ex.ウル Ur)。
  それらが発掘され、見つかり、当時の様子を窺い知ることはできるようになったが、
  その人がどんな一生であり、どんなことを笑い、嘆き、喜び、怒り、
  その一生にどんなドラマがあったか、私にはわからない。


  確かに、主(神様)によって、祝福されたように、このような風景が続いただろう。

  As long as the earth endures,
        (地の続くかぎり、)
  seedtime and harvest,
        (種蒔きと刈り入れ、)
  cold and heat,
        (寒さと暑さ、)
  summer and winter,
        (夏と冬、)
  day and night
        (昼と夜とは、)
  will never cease.
        ((けっして)やむことはない)


  今と同じように。

  当時と今とでは、パソコンやら電気やら飛行機やら紙があることやら、まったく様(さま)は異なるが、
 季節があり、
 食物が生まれ、
 雨が降り、日が昇り、
 人が生まれ、生きて、そして、死んでいくことは、
 変わりはない。
 今、私が何らかを学び、感じ、悩み、喜び、絶望し、希望を抱き、味わいつつ日々を過ごしているように、
 たった1節か2節しかないこの人の一生も、
 様々な色合いを帯びていたのだろう、と思いを馳せる。


 それでも、私はその人の顔も性格も何も知らないまま、
 ここを通り過ぎ、また忘れていくが、
 「いのちの書」(黙示録20:12)には凡てが記されており、
 たぶん、(この人の場合、)天国にいるんじゃないかと思う。


  (「いのちの書」…閻魔帳には非(あら)ず)


 そうして、
 私もまた。



      *************

  ・・・テラは70年生きて、アブラム(後のアブラハム)とナホルとハランを生んだ。

  これはテラの歴史である。
  テラは、アブラム、ナホル、ハランを生み、ハランはロトを生んだ。

  ・・・
  テラは、その息子アブラムと、ハランの子で自分の孫のロトと、
  息子のアブラムの妻である嫁のサライとを伴い、
  彼らはカナンの地に行くために、カルデヤ人のウルからいっしょに出かけた。
  しかし、彼らはカランまで来て、そこに住みついた。

  テラの一生は205年であった。テラはカランで死んだ。



                
  

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清方ノスタルジア展

2010-01-06 20:43:40 | Wednesday 芸術・スポーツ
(鏑木清方(かぶらききよかた,1878~1972):「春雪」)


 2010年の初め、
 六本木・サントリー美術館で開催中の
 「清方 ノスタルジア展」に行ってきた。
 

 日本画は、とんと良くわからない分野だが、
 柔らかで潔い線と、優しく調和した色合いが、
 なんとも味わい深く、
 素敵なものばかりだった。 

 鏑木清方さんの挿絵のあった
 当時の新聞も展示されており、
 絵もさることながら、これがまた興味深かった。



 加えて、
 正月だからか、場所柄か、
 老若問わず素敵な和服姿をちらほらお見かけし、
 目の保養、目の保養・・・と思っていたところ、
     「和服割引」
 なるものがあったことを思い出す。
 ユニークでステキな案だなぁ、とほくほくする。
 


 ただ一つ心残りだったのは、ゆっくりする時間がなかったこと。
 先に行っていた友人が言うように、この建物(東京ミッドタウン・ガレリア)がまた、いい。
 木と緑が爽やかな、広がりのある空間の中、
 ソファやベンチで、ぽけっとしたくなる。



 いつか、また来たときには、
 余韻に浸りつつ、
 ゆっくり、
 のんびり、

 一人静かに味わおう。

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