さすらうキャベツの見聞記

Dear my friends, I'm fine. How are you today?

耕地

2011-11-05 23:40:53 | Thursday 生活
<ついでに、メモ>

 今日は、新鮮な気分に、やや浦島太郎のような気分に、なった一日だった。
 (あわただしい数カ月間が過ぎ、とうとう、先週バタンQしたが、ようやく回復してきたらしい)

       ***********


 そして、バスに乗りながら、ふと、昔の「土曜日」を思い出した。

 土曜日の午前中、授業があった頃。
いつしか、土曜も丸々一日、学校が休みになった頃。

 どちらにしても、土曜日(の午後)というのは、友人と遊ぶ時間ではなく、両親に車で、父方の祖父母宅に連行される日だった。


       ***********


 父方の祖父母宅の周りには、何もなかった。
 駅と海と草っぱら。

 母親が、そこのグランドピアノで生徒にレッスンしている間、
私たちは静かにして(実際には「静か」ではなく、しばしば怒られた)本を読んだり、宿題をしたりしていた。
もしくは、父親の畑仕事についていった。


       ************

 彼には、「猫の額」程度の小さな「畑」があった。
 昔の工場か何かの跡地で、最初は、石ばかり、土自体かぴかぴに固かった。
とても、何かを育てるような感じではなかった。

 来る日も来る日も、石をとりのけるところから始まった。
 

       ************

 土を掘り起こし、壊れたかごに入れ、それを一生懸命ふるって、落ちて行く土のみを戻す。
 かごに残った石や がれきを別のところに運ぶ。
 それを延々、夕暮れまでやっていた。

 毎度、手は土で汚れ、靴も汚れる。
 かごを上半身めいっぱい使ってふるうため、それなりに腕や腰も疲れる。
 落ちて行く黒い土よりも、かごに残る石やゴミのほうが多い。
「こんなんで、畑になるんだろうか」
そう思いつつ、ほぼ毎週のように、畑を耕す手伝いをしていた頃があった。
(ただし正直に言うと、疲れて放り投げて、近所のお宅で、こたつに入ってみかんやおやつを食べていたこともしばしばある)

       ************


 だが、いつしか、畑が畑らしくなった。
 収穫も少しずつ、出るようになった。
 ただし、最初のカボチャの実は、美味しすぎたのか虫食いだらけだったが。

 ベランダのプランターで育てたものよりも、大きく育っていった。


       ************


 そんなこんなで、キャベツの頭には、こうインプットされた。

 種まきは、畑を耕すことから―。


 すくなくとも、畑を耕さずに、種をまいて数時間後に実が実るのを急くようなことは、するべきではない(それは、せっかく植えた種をまた掘り起こしてダメにするようなもの)、と。
 耕さずに準備が整っているところに種まき…なんざ、ありえんのだ、と(囲われたプランターであっても。もしする必要がなかったとしたら、別の人がその労を荷ってくれていたのだろう)。
 どの種がどのように育つか人にはわからんし、あとは神様がなさることだ、と。



 ・・・珍しくグロッキーにならずにすんだバス車内で、つらつらとそんなことを想い起こす。


       ************


 ・・・ちなみに、今、北部屋のキャベツが唯一、手元で育てているのは、
ミニ観賞植物の「ミリオンバンブー」君。

 日照時間が足りないため、あれやこれやと工夫し、そこそこ大きくなってきた。

 鉢替えをするときがいちばん怖く、
 実際、その後、一時的に葉っぱの先が茶色くなり、しばらく、枯れるのではないかと心配したが、
 今日、新しい葉っぱが大きくなってきているのに、気付き、

     安堵した。


       ************

◇コリント第一 15:58

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伝える/伝わる

2011-11-05 22:51:06 | Sunday 集会・生活
 先日、自分が担当している部門のマニュアルを作ったところ、

「スカウトって何?」「アーチファクトって何? って言われるよ」

と先輩から指摘を受けた。(・・・やっぱり)。


    ***************


 それらは、担当している部門では、ごくごく当たり前の言葉。

それも・・・もし知らずに聞こうものなら「お前、そんなのもわからないのか!? 出直してこい!!」
と(職種によっては)言われるような、ごく当たり前の言葉だが、
キャベツと同じ職種の、病棟や他部門にいる方々の場合、まずわからない。

キャベツ自身、そこに配属されるまでは、知らないことばかりだった。
(皆様優しく、わかりやすく教えてくれたおかげで、どうにか少しは知りましたm(_ _)m)


    ***************

 池上彰さんの「伝える力」での子ども達とのある話を持ち出すまでもなく、集会(教会)でも、ふとしたときでも、

「これ、どういうこと? どういう意味?」

と友人から聞かれた時や、話題になるとき、そのおかげで、
「まだまだ、自分は知らないなあ」と、気付かされた。
これでいいのかなあ、と確認することもあった。
どうすれば、相手に伝わるかなぁ、となけなしの頭を使った。
こちらこそ、勉強になった。

 おかげさまで、さらに、ともに、味わうことができた。


    ***************


 ある世界観/集団では「当たり前」という常識でも、他の世界観/集団では、そうではないことは多々ある。

 それを「素朴な疑問」として問われるとき、自分自身、どれくらい理解しているのか客観視する目安にもなりうる。教科書的に字面だけ知っているのか、それとも、それが自分自身の血となり肉となっているのか。

特に、そのことに関してまったく知識のない人にわかるように伝えるには、
 自分も正確に理解していないと、とても無理です。
 うろ覚え不正確な知識浅い理解では、相手がわかるはずはありません。」(池上彰『伝える力』)

 
 そんな機会を、友人たちは、しばしば与えてくれる。

 とてもありがたい



<ついでに>
「耕地」

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「伝える力」

2011-11-05 08:26:12 | ひとこと*古今東西
(一部抜粋)

 いきなりですが、質問です。
 あなたは、日銀が何をしているところかご存じですか?

 中学校や高校で一生懸命勉強をして、それ相応の知識を持っている人は得意満面にこう答えるかもしれません。

「日本銀行とは日本の中央銀行で、銀行券の発行ができ、市中銀行及び政府に対する貸し出しや国庫金の収支業務を行う銀行です。また、金利の操作や公債の受け渡し・回収を通して通貨の増減を図っています。いわざ発券銀行であり、銀行の銀行であり、政府の銀行でもあります」

 と。

 なかなか立派な解答だと思います。
 経済学の教科書にもこのように書いてありますから、模範解答として、満点をもらえそうです。


            ****************


 では、日銀とはどんなところか、小学生に説明してみてください。

「日銀は発券銀行でね……」と言ったとたん、彼らは、

「ハッケンギンコウって何ですか?」

と聞いてくるでしょう。
「何をハッケンするの?」と聞かれて、小学生が「ハッケン」を「発見」だと誤解していることに気付くかもしれません。


 もう少し噛み砕いて「お札を発行する銀行なんだよ」と説明しても、

「エーッ? お札を発行するって、私たちにお金をくれるの?」

なんて、聞かれてしまいます。


 相手は手強い。

 なぜ手強いかというと、素朴な疑問を持って、それをそのまま口に出すからです。

「日銀は市中にお金を供給しているんだよ」とでも言おうものなら、

「シチュウって何?」

「キョウキュウするってどういうこと?」

と聞かれるでしょう。

 実はそうした素朴な疑問こそ、往々にして本質を衝(つ)いているものです。



         *****************

 子どもたちから矢継ぎ早にそうした質問を受けていると、

「あぁ、自分は日銀について、本当にわかっているんだろうか。いや、何もわかっていないんじゃないか」
ということに気づかされます。


 これは、私自身が「週刊こどもニュース」というテレビ番組で経験したことでもあります。

 「伝える」ために大事なこと。

 それはまず自分自身がしっかり理解することです。自分がわかっていないと、相手に伝わるはずがないからです。


(池上彰著;伝える力,PHPビジネス新書,2007年,p.16-18より抜粋。

 当blogにおける改行および文の強調は、キャベツに依る。また、この内容における「日銀」およびその内容を各自、ある別の言葉にもしてみると、面白いかもしれません。)

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