ロック探偵のMY GENERATION

ミステリー作家(?)が、作品の内容や活動を紹介。
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戦争ファンタジー

2019-05-15 16:50:35 | 時事
丸山穂高議員が、維新を除名処分となりました。

北方領土問題で、ロシアとの「戦争しないととりかえせないのではないか」といった発言が問題視され、離党届を提出したものの受理されず、除名ということになりました。

これは、当然の判断でしょう。

ことさらに憲法9条を持ち出さずとも、政治家が軽々しく戦争を口にするのは大いに問題があります。議員も辞職してしかるべき案件です。


この人は、ちょっと前に、ツイッターで一般人のアカウントに粘着質な書き込みをしたという騒動がありました。

私はたまたまそのツイートを見ていたんですが、実にねちねちとして、“心のゆがんだエリート”感がにじみ出ているツイートでした。
ああ、こんな人が国会議員になってしまうぐらいに日本の政治は劣化してしまってるんだなあ……という感想をもったものです。

それにしても、北方領土をとり返すために戦争というのはありえない話です。

丸山議員本人だけでなくこの論を擁護している人たちの多くにしてもそうですが、そもそもなんでまず勝てる前提で話してるのかということもあるんですが……
勝ち負け以前の問題として、領土問題を武力で解決するという発想自体が、もうアウトなわけです。
人の命が犠牲になるということももちろんですが、あと、経済のことも考えないといけないですね。
ただでさえやばい日本の財政で、戦争なんかやったら、それが財政破たんの引き金になる可能性もあります。それに、為替とか株価とかはどうなってしまうのか。そういったことを考えたら、戦争なんてありえない話です。
勇ましいことを軽々しくいってしまう人たちは、総じてそういうリアリティが欠如してると思います。
本当に戦争になったらどういうことが起きるのかという想像力の欠如。まるで、太平洋戦争を描いたシミュレーション小説のように、一種のファンタジーとして戦争を考えているんじゃないでしょうか。
今の日本で戦争なんて、現実的に不可能です。軍事的にどうかは別として、政治的、経済的にどうみても無理なんです。そういう現実を認識できない人が政治家になって、稚気じみた勇ましさで実際に戦争をはじめかねない。そしてその結果、取り返しのつかない事態を招きかねない……そんな恐ろしさを、今回の騒動で感じました。