今日4月17日は、「クイーンの日」だそうです。
1975年、クイーンが初来日した日付にちなんで……
ということで、今回はクイーン特集です。
クイーンについてはこれまでこのブログで何度も書いてきましたが……やはり今、露宇戦争という状況で、平和への祈りといったことをテーマにしている曲を中心に。
ライブエイドがあった1980年代ぐらいのクイーンは、そういう曲をよくやっていました。時代背景もあるのでしょうが、そうした曲の一つ一つをみていけば、単に時流に乗ったというだけではないことがわかるでしょう。
アルバムのタイトルチューンにもなった The Miracle。
このPVは当時最新の特撮……というようなことではなく、子どもたちをつれてきて撮影したもの。
子どものように純粋な気持を表現しているということなんでしょう。
歌の内容も、まさにそういうこと。ロックスターは道化の仮面の奥にピュアな心を隠している――とこのブログではたびたび言ってきましたが、クイーンはまさにそういうバンドなのです。
Queen - The Miracle (Official Video)
すべての木々のすべての葉が
物語を語ることができたなら
それは奇蹟
すべての路地のすべての子どもたちに
身につける服と食べるものがあったなら
それは奇蹟
すべての人々が自由になり
全き調和のもとで生きることができたなら
それは奇蹟
僕らは奇蹟を手にしている
母なる自然がすべて造りあげた
心臓外科手術 日曜日の朝の一杯のコーヒー
超大国は戦いに明け暮れ
モナリザはただ微笑み続ける
僕らが待っていることはひとつ
戦争には終わりを 地には平和を
それが僕らの望む奇蹟
僕らがいま待っている奇蹟なんだ
いつか みんな友だちになれる日がくるさ……
この歌詞は、お花畑と笑われるかもしれません。
しかし、子どものようにピュアな望みをすべて捨て去ってしまえば、その後には渇いて寒々とした荒野しか残らないでしょう。それではいけない。このブログで紹介してきたロックスターたちは、みんなそういうメッセージを歌ってきたのです。
「悲しい世界」。
この曲は、以前ライブエイドでの動画を紹介したかと思います。そこでは、バンドのクイーンとは別枠で、フレディ・マーキュリー&ブライアン・メイとしてやっていましたが、これは一応クイーンとしてのステージです。
Queen - Is This The World We Created? (Live At Wembley Stadium, Friday 11 July 1986)
これが僕らのつくった世界なのか
僕らはいったい何をしてきたんだ
これが法に背いて
僕らが侵略した世界なのか
もしも空に神さまがいて
地上を見下ろしているのなら
いったいどう思うだろう
彼の創った世界に僕たちがしてきたことを
ライブエイドでやった曲をもう一つ。
冷戦下、核戦争の恐怖を背景にした歌ともいわれる Hammer To Fall です。
Queen - Hammer To Fall (Official Video)
扉を閉じても 雨は窓から降りこんでくる
もう、お前のあがきも無駄なこと
きのこ雲の影の下で たくましく育ってきた俺たち
誰も聞いちゃくれないとわかっていても
ただ大声で叫びたいんだ もっともっと大きな声で
フレディ・マーキュリーの死後に遺された音源をもとにして制作されたアルバム Made in Heaven に収録されている Heaven for Everyone。
もとはドラムのロジャー・テイラーがやっていた別バンドの曲、フレディの歌った音源をクイーンの曲に仕上げたものです。
Queen - Heaven For Everyone (Official Video)
この世界は
すべての人にとって楽園になれる
世界は自由になれる ひとつになれる
子どもたちに愛を伝えるんだ 愛を
この世界は
すべての人にとって楽園になれる
人が人に対して何をしているか見てごらん
命を奪い 生きる目的を打ち砕き
人権も尊厳も無慈悲に引き裂かれていく
この世界は
すべての人にとって楽園になれるのに……
最後に、これはクイーンではありませんが……先ほどのロジャー・テイラーがジェフ・ベックのギターで歌う People Get Ready。
前に紹介した We've Got to Have Peace のカーティス・メイフィールドによる名曲。いろんな人が歌ってますが、ロジャー・テイラーのバージョンもありました。
Roger Taylor and Jeff Beck - People Get Ready (Live)
さわやかな歌ですが、歌詞は結構辛辣なところもあります。
希望のない罪人どもに居場所はない
自分自身だけを守るために全人類を傷つけるようなやつには
救われる見込みが薄くなっていくやつらを憐れんでやろう
天の裁きから身を隠す術はないのだから