手稲は最高!

手稲在住30年、手稲って本当にいいなって常々思っています。時に触れ、折に付け思いついた事を、取り留めなく書いてみます。

「潦倒新たに停む濁酒の杯」   杜甫

2010-03-20 18:04:33 | 随想

「ろうとう あらたにとどむ だくしゅのはい」杜甫の「登高」の一節です。

 "老いさらばえて、今新たに好きな酒までも止めなきゃならなくなった"と言うのだけれど、そうなんですよね。誰にもいつか来ることなのです。

 気持ちはまだ若いつもりでも、体は間違いなく歳相応にくたびれているのです。それでもついつい飲み過ぎて、二日酔いならぬ三日酔いなどしていては、酒もやめなきゃならない日が、ぐんと近くなる。

 杜甫の場合は、こんな私たちとはまったく違う次元の話で、この詩を読むとなんとも言いようの無い悲哀が胸を打つのです。双璧と称される李白の酒は、とても楽しい酒に思われるが、杜甫の場合は苦しみを紛らす酒でもあったのでしょうが、その酒すら飲めなくなったとすると残るのは何なのでしょう。
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