南北朝の時代、北朝にいて、南北朝の融和に努めた人です。「周りは蒼蝿だらけで、掃っても払って、駄目だ」と嘆いている。
自分の信念を貫こうとしても、それに異議を唱えるどうしょうも無いやからがごちゃごちゃいていやになっちゃう、と言ってもいいのでしょう。権力におもねるならこんな思いはすることが無い。のうのうと権力の座についていることも出来る。しかし、それを潔しとしない人物だったのだ。
でも、この次にくる結句が「立って禅榻尋ねて清風に臥せん」というのです。もうけっこう、国に帰って静かなところを探して、すがすがしい風の中でゆっくり昼寝でもさせてもらいますわい。というくらいに理解してもいいのでしょう。
逃げたと言えば言えるのでしょう。でも、その潔さがいい。
この詩の出だしは、誰もが知っている「人生五十功無きを愧ず」です。人生五十の時代を五十年波乱の人生を送ってきているだけに、最後の清風に臥せんも納得できる。
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