中唐の詩人張謂の句です。先日書いた杜甫の「貧交行」と同じような内容です。
金と権力、それのあるうちはちゃほやされても、無くなれば見向きもされなくなる。そんな人の世の冷たさを歌ったものです。
この詩の最後は、たとえずっと友達でいようと約束した友達でも、金が無くなれば二人の仲もいつの間にか遠く離れてしまうと歌っています。金の切れ目が縁の切れ目と言うことでしょう。
似たような詩で、于濆の「事に感ず」というのがあります。この詩では、花の咲いているうちは蝶も集まり、花が散れば蝶もこなくなると歌っています。花はお金でも権力でもいいでしょう。それのあるうちは皆来るけれど、無くなったら見向きもされなくなると言うのでしょう。この詩の最後は、燕は巣を掛けた家の主人がどんなに貧しくなっても、次の年には必ず帰ってくると歌って、ツバメと比較しながら薄情な人の情を歌っています。
政治の世界の、金と権力の関係を見ていると本当に情けなくなります。